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フリーランスを集めてチームを作り上げるには

「人を増やさない経営」を成功させる手段として、検討しやすい選択肢であるフリーランスの活用。固定費を削減することで、企業経営にとって大きなメリットが見込めます。しかしチームビルディングに失敗すると、コスト削減どころか、思わぬ損害につながる可能性も。人を増やさない経営の一歩目ともいえるフリーランスの活用について、基本的な考え方からご紹介します。

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フリーランスを集めてうまくチームを作り上げるには

チーム
時に企業にとって、「フリーランス」は正社員よりも貴重な戦力である。彼らは成果を出すために働き、能力のある人は高額な報酬を受け取ることができるため、モチベーションも高い。そのため、「フリーランスの活用」を積極的に行う企業が増えてきている。

参考:平成26年(2014年)平均(速報)結果の概要(終了)

だが、「フリーランスの活用」は言うほど易しいことではない。フリーランスは一人ひとりが経営者であり、知識を持つ労働者でもある。したがって、社員よりもさらにコントロールの難しい存在である。むしろ「コントロール」ができると考えることが既に間違っており、いかに協力してもらうか、が重要となっていると考えて良いだろう。

まして、複数のフリーランスを束ね、チームとして活動することになれば、その難しさはひとしおである。自社の社員だけでチームを構成するだけでも難しいが、背景を共有していないフリーランスを束ねるとなると、難易度はさらにあがる。

どうすれば、彼らに一つの方向に向かって協力もらうことができるのだろうか。
本稿ではそれについて述べる。

良いフリーランスはカネだけでは動かない

お金と人

高度な技能を持つフリーランスたちは、周知の通りお金「だけ」では決して動かない。フリーランス実態調査によると、「時間にとらわれない働き方」のためにフリーランスになった人も多数いることが分かる。

「高額な報酬を出すから」と誘引しても、結局は彼らの心をつかむことは出来ないし、チームとしてまとまって行動することもない。ではどのようにしたら彼らに振り向いてもらえるのだろうか。

現場に居る方はよくご存知だと思うが、有能なフリーランスのほとんどは、「なにをするかではなく、誰とするかです」と言い切る。良いフリーランスは「嫌な人とは働きたくない」とあっさり言う。

さらに彼らはこのようにも言う。「納得の行く仕事のやり方をしたい」と。フリーランスは会社員に比べるとかなり不安定な立場だ。収入のことだけ考えれば、よっぽど腕に自信のある人でなければ、「不安」というのが自然である。

にも関わらず、かれらが「フリーランス」という立場を選んだのは、「自由にやりたい」「縛られたくない」「指図されたくない」「仕事のやり方を自分で決めたい」という強い動機があったからだ。

結局のところ、「フリーランス」にとって究極的に重要なのが、「誰とやるか」と「仕事への納得感」であり、この2つが、彼らをチームとして束ねるカギである。

誰とやるか、についての理解を得る。

握手

通常フリーランスの側にチームメンバーの選択権はない。選ぶのはクライアント側だ。しかし、フリーランスの方がそのプロジェクトで働きたいかどうか、は選ぶことができる。有能なフリーランスは引く手あまたであるから、「プロジェクトの魅力」をアピールし、その方を引きこまなくてはならない。その時に重要なのが、「他のメンバーとの相性」である。

「誰とやるか」を重要視するフリーランスは、次の2点を重視する。

  • 他のメンバーと目標を共有できるか
  • 他のメンバーと目標達成の手段を共有できるか

因みに、プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOKはその中でチームビルディングに必要な活動を(1)目標設定 (2)役割と手続きの定義と適切な処理を挙げているが、フリーランスでチームを形成する際も全く同様の事が必要である。

したがって、目標の共有は当然のこととして、手段の共有も極めて重要である。例えば「メディアを作る」というプロジェクトにおいて、集客の手段を「広告」と考える方と、「質の高い記事」と考える方では問題解決のアプローチがかなり異なる。

そして、手段を共有できない場合には、チームメンバー間でお互いへの敬意を抱くことは難しい。無理をしてプロジェクトを開始しても、考え方のちがいからチームはバラバラになってしまう。

したがって、クライアント側は、フリーランスでチームを構成する場合に、目標の共有と、その達成手段のすり合わせを行ってから、チームに加えるかどうかを判断しなければならない。

その中には、ミーティングのやり方や情報共有の方法、懲罰、報告事項、など細かい話も全て含まれる。チームが崩壊するのは、ほんの些細な意識のズレからである。

仕事への納得感を醸成する

ハイタッチ

メンバーの納得感を醸成するためにもっとも重要なことは何だろうか。仕事の中身だろうか、それとも評価の良し悪しだろうか。

いずれも間違ってはいないが、Googleの人事トップであったラズロ・ボックの著書(※1)によれば、有能な人々は「透明性」を好むとある。

Googleは社内における揉め事を、時には問題に介入せず、公開して放置するだけだ、ということも著書の中で紹介されている。

チーム内部で不測の事態は必ず発生するが、原則はその過程全てを「公開」することが重要である。クライアントがどのようにそのトラブルを扱ったのか、メンバーに対する処遇をどのようにしたのか、全てを公開することで納得感を醸成することができる。

誰もが疑心暗鬼になれば良からぬことを企むもの。これは、チーム内で派閥を作ることを抑制する方法の一つでもある。

すなわち、仕事への納得感を生むのは、「誰が何をやっているか、何をやったのか」を見えるようにすることだ。「不透明」「隠蔽」は不信感につながる。

ある決定が合った時、彼らが最も知りたいのは「意思決定の根拠」であり、有能な人々はそれを知り、適切な説明がなされれば、納得する柔軟性を持ち合わせている。情報の公開こそが、フリーランスを束ねるための納得感を醸成する鍵である。

(※1ワーク・ルールズ! 東洋経済新報社)

まとめ

今後、フリーランスの方々と仕事をする機会はますます増えるだろう。その際に「仲間」とフリーランスたちを見るか、単なる「下請け」と見るかによって、集まる人の質は大きく変わる。当然のことながら、高い質の人が集まるのは前者だ。

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