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【初心者必見】YouTubeマーケティングの活用戦略と成功事例5選

テキストや画像だけでなく、音声もコンテンツとして配信できる動画はマーケティングの手法としても有効です。代表的な動画サービス「YouTube」を活用したYouTubeマーケティングに乗り出す企業や事業者も増加傾向にあります。

企業がYouTubeの運用をするには、YouTubeマーケティングの目的やコストに応じた手法を選び、戦略を立てることが重要です。この記事では企業担当者向けに、YouTubeマーケティングとは何か、企業のYouTubeマーケティング成功事例や具体的な手法、戦略を解説します。

企業がYouTubeマーケティングをするメリットとデメリットについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

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YouTubeマーケティングとは

YouTube撮影
YouTubeとは、全世界に20億人以上のユーザーを抱える動画共有サービスです。日本国内だけでも非常に多くのアクティブユーザーがいます。

YouTubeマーケティングとは、YouTubeにチャンネルを開設し、動画を活用して視聴者に働きかけを行うマーケティング活動のことを指します。

YouTubeの視聴習慣が若年層を主体に広く根付きつつあるなか、YouTubeはBtoC(企業から消費者)のみならずBtoB(企業から企業)にも有効な販促ツールという側面も持つようになってきています。

しかしながらYouTubeには膨大な数の動画があるため、ただ機械的に動画をアップロードして注目や評価を集めるのには限界があります。

企業としてYouTubeを活用したいのなら、戦略的に取り組みたいもの。そこで、YouTubeで成果を最適化できる手法として注目されているのがYouTubeマーケティングです。

株式会社サイバーエージェント発表の「2021年国内動画広告の市場動向調査」では、2021年の動画広告市場は対昨年比が142.3%となる4,205億円に、2022年には5,497億円に、2025年には1兆465億円に達する見通しです。

今後もYouTubeを含めた動画マーケティングの市場は、拡大傾向にあると言えるでしょう。

企業のYouTubeマーケティング成功事例5選

YouTubeマーケティング
企業としてYouTubeマーケティングに取り組もうとしても、何から始めるべきか分からない場合も多いのではないでしょうか。自社のYouTubeマーケティングのヒントにもなる、企業のYouTubeマーケティング成功事例を5つ紹介します。

複数チャンネルを運用、YouTuberコラボも多い「タカラトミー」

玩具メーカーである「タカラトミー」は、「タカラトミー」「タカラトミーアーツ」と紹介したい商材によって複数のYouTubeチャンネルを展開しています。「リカちゃん公式チャンネル」など、商材そのものをピックアップしたチャンネルを設けているのも特徴です。

おもちゃ系YouTuberや小学館の児童書である「コロコロチャンネル」をはじめとしたほかの企業チャンネルとのコラボ動画も多く、商材のターゲット層への直接リーチを狙った動画を多く配信しています。

タカラトミーの運営チャンネル「タカラトミー TAKARATOMY」を確認する

親和性の高いハウツー系動画が充実「LOGOS」

アウトドアメーカーである「LOGOS」は、自社のアウトドア製品の紹介動画のほかにも、設置や撤収、焚き火の方法、ペグの打ち方などキャンプシーンにおけるハウツー系動画が多いのが特徴です。

動画コンテンツとの親和性も高く、アウトドアの知識やスキル、製品の正しい使い方などの動画を多く配信することで、キャンプやアウトドアに興味のある初心者から、上級者までのリーチを実現しています。

ソロキャンパーYouTuberとのコラボ動画も多数あります。CSチャンネルであるディスカバリーチャンネルともコラボ番組を放送中です。動画の概要欄に商品ページを入れることで、直接購入にもつなげています。

LOGOSの運営チャンネル「LOGOS 公式YouTube チャンネル」を確認する

漫画風イラストと組み合わせた動画でリーチ増加「エーザイ」

製薬およびセルフケア商品メーカーである「エーザイ」は、主力製品である「チョコラBB」の集中的な動画マーケティングプロモーションを展開しました。Googleのリーチシミュレーションツール「Extra Reach」からリーチを分析し、30~50代の女性をターゲットとした動画広告制作とプロモーションに乗り出しています。

ターゲットとした層への純増リーチが8%増加したことを受けて、オンライン専用の潜在動画を作成するクリエイティブチームを電通、Googleで組織しました。

漫画風イラストの活用やターゲット層に合わせたイメージ、作風を提供することで、「チョコラBB ローヤル2」検索数の純増率が+915%となり、多くの視聴者の関心を得ることに成功しています。

エーザイの運営チャンネル「セルフケア製品エーザイ」を確認する

オンライン・オフライン両方で集客を実現「トイザらス」

子ども向け玩具販売店「トイザらス」では、公式YouTubeチャンネルで人気おもちゃの紹介動画や実際に遊んだ動画などを制作、配信しています。公式ECサイトへのリンクを貼ることで、商品の購入や商品ページでの情報収集などのコンバージョンにつなげています。

YouTube広告を利用した、オンライン・オフライン両方の集客マーケティングも実現しています。従来のチラシでの集客は、Web広告での手法にシフトしました。動画広告のほか、テキストやマナーなどの複数の広告素材を用意し、YouTube以外のGoogleマップやWebページからの集客も行っています。

YouTube広告は、機械学習によって表示される広告の種類やタイミングを最適化できるため、従来よりも広告費用をおさえたオフライン集客に成功しています。

トイザらスの運営チャンネル「Toys”R”Us|トイザらス 公式」を確認する

テレビCMとYouTubeとのクロスマーケティング「SUUMO」

「リクルート」の物件検索サイト「SUUMO」は公式YouTubeチャンネルにて、テレビCMとYouTube動画とのクロスマーケティングを展開しています。現在放送しているCMから過去のものまでさまざまなバージョンを閲覧できるほか、メイキングや出演俳優のインタビュー動画も配信しています。

コンバージョンとして、サイトへの問い合わせを目的にしたYouTube広告動画も配信しています。ディスプレイ広告と検索連動型広告を併用し、Googleアナリティクスにより検索件数や広告からのコンバージョン率を可視化しました。

結婚、転勤、就職など動画CMをターゲットに合わせて複数バージョン制作し配信することで、広告経由の問い合わせ率は409%増、自然検索経由の問い合わせ率は219%増を達成しています。

リクルートの運営チャンネル「SUUMO / スーモ」を確認する

YouTubeマーケティングに取り組むべき企業の特徴

YouTubeマーケティング
YouTubeマーケティングは、企業の規模や業態を問わずに展開できるマーケティングの手法です。YouTubeマーケティングにより多くの成果を得られる可能性のある企業の特徴を紹介します。

広告への資金力が少ない企業

YouTubeの動画制作費用は、テレビCM制作費用よりも安く済みます。テレビCMは契約が切れると放送されなくなりますが、YouTube動画は一度アップロードすれば削除しない限り残り、いつでも再生可能です。

広告出稿やマーケティング施策へ十分な資金のない企業にも、YouTubeマーケティングは向いています。

知名度の低い企業

YouTubeマーケティングは動画を活用した手法のため、短い時間で視聴者に多くの情報を伝えられます。ニッチな分野や事業を取り扱っているなど、知名度の低い企業にも有効です。

採用活動に課題のある企業

商品や事業、サービスなどの知名度が低い企業は、利益だけでなく採用にも課題を抱えていることが多くあります。

YouTube動画は採用のための知名度アップにも有効なため、「応募者が集まらない」「優秀な人材は競合に流れてしまう」など、採用面で課題を抱える企業にも向いているでしょう。

他のWebマーケティングの手法に向かない事業を展開する企業

YouTubeマーケティング以外のWebマーケティングの手法には、ブログや自社のWebサイト上でコンテンツを展開するコンテンツマーケティングをはじめ、メールマーケティング、SNSマーケティングなどがあります。

いずれの方法もテキストと画像による訴求が中心のため、企業が取り扱う商材や事業によっては相性の悪い場合があります。YouTubeマーケティングは映像と音声による訴求のため、幅広い業種のマーケティング手法として導入可能です。

近年では一般企業はもちろん、団体や地方自治体、官公庁もYouTubeチャンネルを開設してマーケティングを展開しています。

YouTubeマーケティングの戦略と手法

マーケティング会議
YouTubeマーケティングには、一口に言っても幅広い手法があります。自社の商材やマーケティングの目的に合わせた手法を選び、効果的な戦略を立てることでYouTubeマーケティングの成功につながるでしょう。

企業のYouTubeチャンネルの設立

自社YouTubeチャンネルを開設して、動画をアップロードしていく手法です。チャンネル登録者としてのファンの醸成や、高評価によるエンゲージメントの向上が期待できます。

視聴者が動画を「面白い」と感じて人気が出ると、ファンが増えたり外部に動画を拡散したりすることが多い傾向です。拡散された動画がバズると、YouTube外からのファンや見込み顧客の取り込みにも効果的です。

動画内に多くの情報を入れられるだけでなく、動画の概要や説明欄にURLをリンクさせれば、自社のWebサイトや商品ページ、SNSなどにも誘導できます。企業YouTubeチャンネルを、収益化のチャネルとしても活用できるでしょう。

YouTube広告によるマーケティング

YouTube内で表示される広告を活用したマーケティングの手法です。チャンネル登録者数が少ない、または自社のYouTubeチャンネルの認知度が低い場合でも視聴してもらえます。

ターゲットを絞っての広告配信も可能です。ただし広告の配信枠はオークションで決められるため、競合よりも高く入札するためのコストが発生します。

YouTube広告の種類と特徴を以下の表にまとめました。

広告の種類特徴
スキップ可能なインストリーム広告・YouTube動画の再生中または再生前後に表示される
・再生開始から5秒経過後スキップできる
スキップ不可のインストリーム広告・YouTube動画の再生中または再生前後に表示される
・動画の長さは15秒以下
・スキップできない
インフィード動画広告(旧TrueView ディスカバリー広告)・YouTubeの関連動画の横、YouTube検索結果、モバイルのトップページに表示される
・動画のサムネイル画像とテキストが表示される
・クリックすると動画広告が再生される
バンパー広告・YouTube動画の再生中または再生前後に表示される
・動画の長さは6秒以内
・スキップできない
アウトストリーム広告・モバイル専用
・サイズに種類がある(バナー、インタースティシャル、インフィード、ネイティブ)
・YouTube以外の外部サイトで表示される
・音声なしで再生される
・タップするとミュートが解除される
マストヘッド広告・オークションではなく予約制プレースメントの購入で利用できる
・YouTube ホームフィードの上部に表示される
・ワイドスクリーンまたは 16:9 のアスペクト比で表示される
・動画の長さはパソコン最大30秒、モバイルおよびテレビは制約なし
・音声なしで自動再生される
・ミュートアイコンをクリックすると音声が再生される
・自動再生されるとサムネイル形式になる
オーバーレイ広告・動画の再生画面の下部20%に表示される
・画像またはテキストで表示される
・サイズは468×60または728×90ピクセル
・パソコンのみ

YouTuber(インフルエンサー)とのコラボによる動画マーケティング

人気YouTuberを動画マーケティングに活用する方法です。企業コラボや企業案件とも呼ばれます。YouTuberのチャンネル内で動画を制作、配信するため広告に嫌悪感のある視聴者へのリーチも期待できます。

チャンネル登録者数の多い人気YouTuberとコラボすることで動画の人気が出たり、バズったりする可能性が高くなります。自社の認知度や利益向上などさまざまな効果が得られるでしょう。

人気のYouTuberをキャスティングすると、当然コストは高くなります。資金力が不安な場合は、万人への知名度は低くてもニッチな分野を得意としているYouTuberを活用する方法も有効です。

YouTubeのチャンネル開設の手順

YouTubeマーケティング
YouTubeマーケティングを始めるために必須となる、自社のYouTubeチャンネル開設の手順を紹介します。

Googleアカウントの作成

YouTubeはGoogle社傘下のサービスのため、チャンネルの開設にはGoogleアカウントが必要です。以下の手順でGoogleアカウントを作成しましょう。

  1. Googleトップページから「ログイン」を選択する
  2. 「アカウントの作成」→「ビジネスの管理用」を選択する
  3. 必要事項を入力する
  4. プライバシーポリシーと利用規約へ同意する
  5. テキストまたは電話で通知されたコードを入力する
  6. 確認が取れればアカウント作成が完了

YouTubeのブランドアカウントの作成

以下の手順でYouTubeの自社アカウントを作成し、チャンネルを開設します。

  1. YouTubeのトップページから「ログイン」をクリックする
  2. Googleアカウントでログインする
  3. 右上にあるアカウントアイコンをクリックする
  4. 「チャンネルを作成」→「ビジネス名などの名前を使用」をクリックする
  5. ブランドアカウント名を入力して「作成」をクリックすると、YouTubeのブランドアカウント(企業チャンネル)作成が完了する

必要事項をカスタマイズする

開設した自社のアカウントやチャンネルのページおよび概要を、以下の手順でカスタマイズします。

  1. プロフィールアイコンをクリックしてチャンネルアイコンの設定
  2. 「チャンネルアートを追加」をクリックして、チャンネルアートを設定
  3. 概要タブよりチャンネルの説明、自社のEメールアドレス、自社のWebサイトやSNSへのリンクを設定

YouTubeマーケティングの効果を最大化させる方法

効果
YouTubeチャンネルの開設や動画の制作、配信だけではマーケティングによる効果的な成果は出せません。YouTubeマーケティングのスムーズな導入や運用につなげるためのおすすめの方法を紹介します。

基礎的な知識を本から得る

初めてYouTubeを企業のマーケティングに活用したいときなどは、全体的な知識やスキルが不足している場合も多くあります。

YouTubeでの動画制作やチャンネル運用、仕組みなどを体系的に学びたいときには、YouTubeマーケティングに関する本を活用する方法が有効です。

特定の知識やスキルを得るならセミナーを受講する

YouTubeの企業チャンネルの運用や動画制作などを進める上で課題が出たとき、より多くの知識やスキルを得たいときには、YouTubeマーケティングのセミナー受講がおすすめです。

特定の知識やスキルに合ったセミナーを選んで、受講できます。

YouTubeマーケティングのツールを導入する

動画をより多くの視聴者へリーチさせるためには、SEO対策や動画の改善などが必要です。

視聴時間や離脱した場所などを分析するツールは、無料で利用できる公式のYouTubeアナリティクスが代表的です。必要に応じてほかのツールの導入も検討することで、分析作業の効率化や動画、チャンネルの最適化につながります。

YouTubeマーケティングのメリット

YouTube撮影

YouTubeマーケティングを導入することで得られるメリットを解説します。

自社の商品やサービスを広く認知してもらえる

企業にとってYouTubeマーケティングのメリットとしてはまず、自社の商品やサービスを広く認知してもらえるということが挙げられます。

YouTubeを使えば、いままでリーチできなかったユーザー層にも動画を通じてアプローチする可能性が増えます。

また、動画は文字よりもはるかに情報量が多い媒体です。文字だけでは伝えづらい使用感や現場の肉声なども、動画ではそのまま伝えられるという特徴があります。

YouTube上でブランディングができる

YouTubeは、企業が直接的にメッセージを発信できることからブランディングがしやすいというメリットがあります。

自社の商品やサービスはもちろん、企業としてのカラーも出しやすいという特徴があります。コミュニケーションの取り方次第で、視聴者との距離感を縮められればコアなファン作りも期待できます。

視聴者に行動を促すことができる

YouTubeは、視聴者の行動にも大きな影響力を持っています。

自分の興味や関心に沿った動画が連続して再生されやすいという仕組みがあるため、購買行動に結びつきやすいという特徴があります。

またオンラインショップの環境を整えておけば、概要欄からのリンクを使って即座に商品やサービスの購入をしてもらうことも可能です。

ユーザー属性を把握できる

YouTubeでは、YouTubeアナリティクスを使って視聴者の属性を事細かに知ることができます。場合によっては、CMや雑誌などへの出稿よりもさらに詳細な属性把握が期待できるかもしれません。

さらに動画の視聴傾向を分析すれば、チャンネル運営のみならず商品やサービスに対して有益となるフィードバックも得ることができるかもしれません。今まで見えていなかった潜在顧客の存在や、ニーズのありそうな商品開発のヒントを得られるのはYouTubeマーケティングにおけるメリットと言えるでしょう。

YouTubeマーケティングのデメリット

メリット・デメリット

YouTubeマーケティングはメリットが多い一方、デメリットもあります。覚えておきたいYouTubeマーケティングのデメリットを解説します。

YouTubeの専門的な知識が必要

YouTubeには、いまや多くの企業チャンネルがひしめいている状況です。

企業進出が相次ぐなか、競合から一歩先んじるためにはYouTubeの専門的な知識が必要になります。

YouTubeはグローバルなサービスなのでローカライズや表現により一層の注意が必要であったり、動画ならではのSEO要素があったりするため、従来のメディア対応とは勝手が異なることもあります。

すぐに取り組めないところにYouTubeマーケティングの難しさがあると言えるでしょう。

ブランディングが悪く作用する場合がある

YouTube上ではYouTube運用によってブランディングが成功すればコアなファン作りが期待できる一方で、失敗するとユーザーに誤ったメッセージを送ることにもなりかねません。

YouTubeマーケティングの方法を誤ると、せっかく企業アカウントを開設したのにかえって既存顧客が離れてしまうこともあります。なるべく外部の目線を入れるなど、不適切な内容での炎上を防ぎましょう。

YouTubeマーケティングのプロに相談してみよう

YouTubeマーケティングには、多くのユーザーにリーチができる、ブランディングに使えるなどのメリットがあります。一方で、専門知識が必要なため取り組みが難しい、ブランディングに悪く作用する場合もあるというデメリットも存在します。

自社の商材や目的に応じた手法、戦略を選ぶのも重要です。

これからYouTubeマーケティングを始めるなら、YouTubeマーケティングの専門家に相談してみるのがおすすめです。

ランサーズには、YouTubeマーケティングの専門知識やスキルを持ち、効果的な戦略立案やYouTubeマーケティングへの施策が実現できるプロの人材が多数登録しています。

YouTubeマーケティングに関する業務の代行も可能ですので、ぜひ依頼を検討してみましょう。

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