顧客ロイヤルティ向上や企業のブランド形成などの効果が期待できるSNSマーケティング。専門スキルが求められるため、社内リソースですぐに始めるのは難しいものです。
本記事では、SNSマーケティングの3つの戦略手法とSNSを活用することで得られる効果について解説します。

目次
SNSマーケティングとは?
SNSマーケティングとは、Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSを利用し、企業または商品・サービスに対する認知や顧客ロイヤルティを高めることを目的としたマーケティング施策です。
SNSマーケティングを実践することで、顧客の反応を直接伺いながらコミュニケーションが取れるので、顧客との距離を縮めることができます。
SNSマーケティングの強みは、無料で多数のユーザーへアプローチすることができる点。費用をかければ広告を掲載することも可能ですが、やはり無料から始められる点が、企業の敷居を低くしていると考えられます。
企業のSNS活用が求められる理由
顧客による商品の購入やサービスの利用は「認知・関心・購入」という購買行動のもとに行われます。
購買行動で顧客との接点となる「認知」を促すひとつの方法として挙げられるのが、SNSです。
SNSを活用することで商品やサービスを顧客に届けられるだけでなく、顧客と直接コミュニケーションを取れることから、顧客ロイヤリティの向上やコンバージョンの向上による売り上げアップが見込めます。
このことから、SNSの活用は企業がマーケティング活動を進める上で重要な施策のひとつになっています。
SNSマーケティングを実施するには、どんなスキルが必要か?
ここまでSNSマーケティングとは何か、そして得られる効果について説明してきました。でも、実施するとなると具体的にどのようなスキルが必要となるのでしょうか?
1. SNSにおけるコミュニケーション能力
SNSは基本的に誰でも投稿を見ることができます。企業がSNSマーケティングに着手するとなると、伝えるべきターゲットが決まっていることでしょう。
ターゲットに対し、どのように伝えることが目標達成に向けて最適であるのか。相手が何を求めているのか常に考え、汲み取る能力が必要となります。
2. ユーザーの動向にあわせ運用できる能力
SNSマーケティングでは、ターゲットの利用状況やタイムラインの流れ方にあわせ発信する必要があります。
投稿は1日1回がいいのか、画像は添付するべきなのか、文字数は最適か、など投稿を目にするユーザーの視点にたって考えることができる能力が必要です。
3. SNSに関するテクニカルな知識
それぞれのSNSで何ができるのか、どのような操作をするべきか把握している必要があります。個人でよく利用するという人も、SNSマーケティングとなると、日常で使わない機能を使用することもあるはず。ある程度、機能について学ぶ必要があるでしょう。
SNSマーケティングで期待できる効果とメリット
SNSマーケティングで期待できる効果とメリットは以下の3つの点です。
- 商品やサービスに認知度向上が期待できる
- ブランディングを確立できる
- 顧客ロイヤリティの向上につながる
自社でSNSの運用を検討している方は参考にして下さい。
1. 商品やサービスの認知度向上が期待できる
SNSの活用によって、商品やサービスの認知度向上が期待できます。
SNSで顧客ニーズに合わせた情報、商品知識、商品を利用することで得られるベネフィットをコンテンツとして発信することで、商品やサービスへの認知効果を得られます。
SNSによっては、Twitterの「いいね」やリツイートなどの共有機能があり、配信したコンテンツに顧客が共感し拡散されれば、たくさんの認知を獲得することができます。
2. ブランディングを確立できる
SNSの活用は、企業のブランディング戦略としても効果があります。
SNSで自社商品やサービスのブランディングについて発信し続けることで「〇〇(商品やサービス)といったら〇〇(企業)」と顧客に認識してもらえます。
SNSでブランディングを行うことにより、認知度UPだけでなく、競合他社との差別化にもつながります。
3. 顧客ロイヤリティの向上につながる
企業がSNSを活用することは、顧客ロイヤリティ(企業やブランドに対する愛着心)の向上にもつながります。
SNSは顧客と直接コミュニケーションを図れるため、フォロワーなどの反応に対して「いいね」や「コメント」を行えば、企業やブランドに対しての好意や信頼を獲得できます。
SNSを活用し顧客との継続的なコミュニケーションを取ることで、顧客ロイヤリティの向上につながります。
SNSマーケティングで使用されるSNSは6種類
SNSマーケティングで使用される主なSNSは以下の6種類になります。
- LINE
- YouTube
- TikTok
国内月間アクティブユーザー数の順で、各SNSの特徴を解説します。
1. LINE
LINEの利用者数とユーザー層は下表のとおりです。
国内月間アクティブユーザー数 | 9,200万人 |
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ユーザー層 | 10〜60代(全世代) |
LINEは国内最大のコミュニケーションツールです。プッシュ通知を活用した情報発信や、LINEの友達追加を促すことでクローズドなコミュニケーションを行えます。
顧客一人ひとりにパーソナライズしたマーケティングに向いています。
2. YouTube
YouTubeの利用者数とユーザー層は下表のとおりです。
国内月間アクティブユーザー数 | 6,900万人 |
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ユーザー層 | 10〜60代(全世代) |
YouTubeは動画投稿が主体の、全世代が利用するSNSです。動画中心のSNSのため、画像や文章だけでは伝わりにくい商品やサービスのマーケティングに向いています。
3. Twitter
Twitterの利用者数とユーザー層は下表のとおりです。
国内月間アクティブユーザー数 | 4,500万人 |
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ユーザー層 | 10〜30代 |
Twitterは「いいね」や「リツイート」といった情報拡散を狙いやすいSNSです。140文字の短い文章で投稿できる簡単さと、コメントやDM機能でユーザーとのコミュニケーションを取るのに向いています。
4. Instagram
Instagramの利用者数とユーザー層は下表のとおりです。
国内月間アクティブユーザー数 | 3,300万人 |
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ユーザー層 | 10〜20代 |
Instagramは画像・動画投稿を中心としたSNSです。雑誌感覚で楽しめるSNSであり、ビジュアルのいい画像や動画を投稿することで、たくさんのユーザーに認知を促せます。
ハッシュタグ検索によるアクセス流入も多く、認知向上やブランディングに向いています。
5. Facebook
Facebookの利用者数とユーザー層は下表のとおりです。
国内月間アクティブユーザー数 | 2,600万人 |
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ユーザー層 | 30〜40代 |
Facebookはリアルなつながりを重視しているSNSです。ユーザーのほとんどは実名で登録しており、ビジネスマン向けのマーケティングに向いています。
6. TikTok
TikTokの利用者数とユーザー層は下表のとおりです。
国内月間アクティブユーザー数 | 950万人 |
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ユーザー層 | 10〜20代 |
TikTokは、1分以内の短尺動画の投稿が中心のSNSです。10〜20代のユーザーが大半を占めており、若年層向けのマーケティングに向いています。
SNSマーケティングの3つの戦略手法
SNSマーケティングの戦略手法は以下の3点です。
- 共感やユーザーニーズを満たしたコンテンツ作成を行う
- アナリティクスやインサイトを活用してアカウントを分析する
- 更新頻度を高める
SNSマーケティングの戦略を立案する時の参考にしてください。
1. 共感やユーザーニーズを満たしたコンテンツ作成を行う
SNSを使ったマーケティングで成果を上げるためには、共感やニーズを満たすコンテンツを作成する必要があります。
ユーザーの共感やニーズを満たすコンテンツはユーザー間で共有されやすく、拡散効果を生み出してくれます。共感やニーズを満たすコンテンツには「企業やブランドの運営者しか知らない裏技」などが挙げられます。
このように情報の有用性を感じられるコンテンツを作成することで、拡散による認知向上を狙えます。
2. アナリティクスやインサイトを活用してアカウントを分析する
SNSでは運用の目的や目標に達しているかを確認するために、分析を行う必要があります。運用状況を分析することは、顧客ニーズの発見や共感を生み出すコンテンツ作成につながります。
また「どういった要因でSNSのフォロワーが増えているのか」「SNSのフォロワーが増えない原因は何か」を正確に分析し、改善を行うなどのPDCAを回すことができます。PDCAとは、Plan、Do、Check、Actionの頭文字をとった用語で、計画、実行、測定・評価、対策・改善を繰り返すことにより、業務の効率を高める手法を意味します。
分析した内容をエクセルやワードにまとめておけば、今後のSNS運用にも役立てられます。
3. 更新頻度を高める
SNS運用で認知度向上やブランディングといった成果を出すためには、SNSの更新頻度を高めることが重要です。
SNSのコンテンツを増やすことが「多くのユーザーに情報を届ける」という効果を生み出すので、毎日更新、もしくは2日に1回は投稿するなど、更新頻度を高めましょう。
SNSマーケティングの成功事例
企業がSNSマーケティングをうまく取り込み、成果を上げた事例があります。
以下の記事では、InstagramやFacebook、TwitterやLINEなど、それぞれのSNSを使ったマーケティング事例を紹介していますので、参考にしてください。
SNSマーケティングをスタートさせる5つの手順
SNSマーケティングをスタートさせる5つの手順は以下の通りです。
- 「SMART」にあわせた目標設定を行う
- ペルソナを選定する
- ブランドにあわせたプラットフォームを選ぶ
- 競合アカウントの調査を行い、伸びているコンテンツをうまく取り入れる
- KPIを決める
それぞれの手順を詳しく解説します。
手順1. 「SMART」にあわせた目標設定を行う
SNSマーケティングで成果を出すためには、「SMART」に合わせた目標設定を行いましょう。
SMARTとは、「Specific(具体的)」「Measurable(計測可能)」「Attainable(達成可能)」「Relevant(関連性)」「Time-Bound(期限)」の頭文字を取った目標設定に使える法則です。
例えば、SNSマーケティングで売り上げ増加を狙う場合は、どのように運用するか、計測できるか、達成までの道のりを導き出し、関連性を確認し、最後に期限を設けます。
このようにSMARTの法則をもとに目標設定を行うことで、成果を最大化するための運用手順が明確になります。
手順2. ペルソナを選定する
目標設定の次はペルソナを設定します。ペルソナとは、商品やサービスのターゲットとなるユーザー像のことです。
ペルソナを選定することで、顧客ニーズに合わせたコンテンツや訴求文を作成することができます。
ペルソナを選定する際は、年齢や性別、職業や年収、1日のタイムスケジュールなど、人物像が頭の中でイメージできるレベルまで落とし込みましょう。
手順3. ブランドにあわせたプラットフォームを選ぶ
企業やブランドのターゲットに合わせたプラットフォームを選びましょう。
例えば、化粧水や美容液といった美容グッズを販売する場合は写真や画像を使って商品の魅力をわかりやすく伝えられるInstagramがおすすめです。
このように、企業やブランドのターゲットに合わせて、SNSマーケティングを行うプラットフォームを選びましょう。
手順4. 競合アカウントの調査を行い、伸びているコンテンツをうまく取り入れる
SNSマーケティングの運用を始める前に、競合アカウントの調査を行い、伸びているコンテンツをうまく取り入れましょう。
競合アカウントのコンテンツ内容や誰をターゲットにしているかを分析することで「反応率の高いユーザー」や「潜在顧客の認知を促すコンテンツ」を理解できます。
例えば、競合アカウントが「渋谷でおすすめのラーメン店5選」というコンテンツを作っていたとします。
渋谷でおすすめのラーメン店を探しているユーザーがターゲットですが、自社で同じようなニーズを持つユーザーに対して「〇〇(地域名)でおすすめのラーメン◯選」のようなコンテンツを作成すれば、同じような反応(いいねやフォロー)を獲得できます。
競合アカウントの調査を行うことで「どんなコンテンツが伸びるのか」を把握できるため、SNSマーケティングの運用前に分析を行いましょう。
手順5. KPIを決める
手順1の「『SMART』にあわせた目標設定を行う」をもとに、KPIを設定しましょう。
KPIとは、「Key Performance Indicator」の略で、重要業績評価指標といいます。KPIを設定することで、目標を達成するために必要な運用方法が明確になります。
例えば、1か月でフォロワーを1000人増やすという目標を立てた場合、「どのくらいの更新頻度で行うべきか」「どんなコンテンツが必要か」「2週間経った時点でフォロワーが何人いる状態であるべきか」など目標を達成するための要素が明確になります。
KPIはSNSマーケティングの道標になるため、SNS運用を始める前にKPIを決めておきましょう。
自分でSNSマーケティングをやるのが億劫ならば……。
ITを専門とする企業であるならばまだしも、それまでSNSを一切やってこなかった企業やお店がSNSマーケティングに踏み切るのは、少し腰が重いもの。
かといって、SNSをよく使う若手社員もいない。でも、SNSマーケティングにはきっと効果があるはず……。
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