これからFacebookの運用を考える企業にとっては「Facebookの運用にどの程度のメリットがあるのか?」「どのようにFacebookを運用すると成功するのか?」など、知りたいことがたくさんありますよね。
さらに「Facebookの運用をはじめても上手く集客につなげられない」「投稿内容の炎上などによる企業イメージのダウン」など、Facebook運用に否定的なイメージを持つ方もいらっしゃるでしょう。
そこで、本記事では企業がFacebook運用を行うメリットやデメリット、集客へとつなげる運用のポイントなどを解説します。これからFacebookの運用をしたい企業や担当者のみなさんは参考にしてください。

目次
企業のFacebook運用とは
Facebookとは、出身地や出身学校、趣味など自分と共通のある項目を通して、多くの人とコミュニケーションできるSNSです。特にFacebookでは実名登録を基本としているため、現実で知り合った人や友人と、そのままFacebookで連絡したり話したりできるのが、他のSNSにはない魅力といえます。
企業のFacebook運用は個人での利用方法と同じように、企業のページを作り運用することを指します。写真や動画の投稿などを行い、Facebookユーザーへ自社の商品やサービスをPRすることで、知名度アップや新規顧客層の獲得へとつなげます。そのためFacebook運用と個人での利用とは、それほど大きな違いはありません。
企業がFacebook運用を行う4つのメリット
友人や共通点のある人との交流を楽しむFacebookだからこそ、どうして企業がFacebookの運用を行う必要があるのかわからない方も多いでしょう。そこで、ここでは企業がFacebook運用をはじめるべき4つのメリットを紹介します。
- 運用コストが安い
- ユーザーへ自由にPRができる
- 情報の拡散力が高い
- 新商品や新サービスの発想を得られる
1. 運用コストが安い
企業がHPを作る場合、全体のデザインを設計したり正しく閲覧できるようにページを構築したりと、専門的な知識や技術が必要です。そのため集客効果の高いHPを作る場合には、プロへ依頼するケースが多く高額な外注費用が必要となる場合があります。
一方Facebookは無料で登録ができ、動画や写真、文章などを投稿するための費用も発生しません。企業ページでも使い勝手は個人ページと変わらず、誰でも簡単に運用できる仕様になっています。さらにページのカスタマイズ方法も豊富で、自由にページを作ることもできます。そのため、コストを抑えて集客や知名度を上げたい企業には大きなメリットです。
2. ユーザーへ自由にPRができる
企業のHPに掲載する内容は、会社の概要やサービスの種類、企業理念など、ある程度決まっています。また取引先や業界内へのアピールを強めたサイトにすることで、一般の人には業務内容などが伝わりづらく、実際に商品やサービスを利用するユーザーへ届きにくくなっている場合があります。
Facebookへの投稿は、基本的にFacebookを利用しているユーザーへ向けて発信しているため、HPのように同業他社などに見られることを意識して、フォーマルにしたり専門性を高めたりする必要はありません。そのため、既存の表現に縛られず、自由に商品や商品をPRできることがメリットです。
さらに新商品や新サービスについても、公開時期や範囲を自由に決められます。企画段階から投稿したり開発中の内容をちら見せしたりすることで、正式発表への盛り上がりを高めるといった使い方も可能です。
3. 情報の拡散力が高い
Facebook運用のメリットの中でも、特に重要なメリットが「情報の拡散力」です。Facebookには、自分にとって価値のある投稿を評価したり他のユーザーへ情報を共有したりする機能が備わっています。そのためユーザー間で情報交換が盛んに行われており、普段自社のHPを見ない層にも商品やサービスの内容が広まる可能性があります。
またFacebookは実名登録によりユーザー間のつながりが強いため、共有した投稿を見てもらいやすい性質があります。1人が共有しただけで、直接関わりのある友人だけでなく友人の友人などまで情報が広がる可能性があり、手軽に多くの人へ自社の魅力を伝えられるのです。
4. 新商品や新サービスの発想を得られる
Facebookでは、投稿に対して感想や意見などを自由に返信できます。そのため自社の商品やサービスを紹介する投稿への返信から、実際のユーザーの声をダイレクトに知ることができ、ユーザーが喜んでいるポイントや興味を持っている点をきちんと把握できます。
さらに実際に利用した意見から、返信内容から新商品や新サービスの発想を得られる場合があります。つまりFacebookユーザーの生の声から、実際のニーズに合う製品やサービスの開発にチャレンジできることもFacebookの運用を行うメリットとして挙げられます。
Facebookを運用するうえで避けられない4つのデメリット
企業のFacebook運用には多くのメリットがある一方、どうしても避けられないデメリットが4つあります。
- 運用に力を入れていないことがユーザーにバレてしまう
- 投稿内容の炎上による企業イメージの低下
- 単調な投稿で飽きられてしまう
- 担当者交代による人気の低下
Facebook運用で失敗しないためにも、デメリットの内容をきちんと把握しておきましょう。
1. 運用に力を入れていないことがユーザーにバレてしまう
Facebookでは、いつ投稿したのかが投稿ごとに記載されています。つまり投稿の頻度や最終投稿日などがユーザーに見える仕様なので、どの程度Facebookの運用に力を入れているかがバレてしまいます。特にFacebookでは常に最新の情報が求められるため、投稿間隔が長くなるほど「チェックしていても新しい情報は得られない」とユーザー離れの原因になります。
また定期的に投稿しようとすると、Facebookを運用する社員への負担が大きくなってしまいます。簡単に投稿できるといっても、投稿内容を考えたり写真や動画を撮影したりと、魅力ある投稿をするには時間や準備が必要です。投稿をサボらず継続的に投稿しなければいけないことが、Facebook運用のデメリットです。
2. 投稿内容の炎上による企業イメージの低下
Facebookに限らずSNSを運用する中で大きなリスクとなるのが、投稿内容の「炎上」です。炎上とは、投稿内容に対して否定的な意見が集中してしまうことを指します。特にFacebookは拡散力が高いため、炎上内容も早く広まり大問題へと発展してしまう場合もあります。
さらに炎上が広がると取引先や同業他社などにも伝わり、企業イメージや売上の低下につながる可能性があります。手軽に投稿できる一方、投稿1つで取り返しのつかない事態を招くリスクがあることが、Facebookを運用する大きなデメリットといえます。
3. 単調な投稿で飽きられてしまう
Facebookを運用する中で重要なことが、多くの人に興味を持たれる投稿をすることです。ただ商品の情報を書いただけなど単調な内容の投稿では、いくら投稿頻度が高くてもFacebookユーザーに飽きられてしまい、最終的には関心すら持たれなくなることがあります。
投稿内容をしっかり考えられる方をFacebookの運用担当に採用しないと、知名度や売上のアップを実現できないでしょう。きちん目標を持ってFacebookを運用するため常にトレンドやニーズにアンテナを張り、戦略的に投稿内容を考えないといけない時間的なコストが必要なこともデメリットに挙げられます。
4. 担当者交代による人気の低下
社内人事により定期的に部署や業務の配置を変更することで、Facebook運用に悪影響を与える場合があります。
企業側でFacebookの投稿内容に偏りが出ないようにしていても、企画内容や伝え方などによって担当者の人柄や考え方などが出てきます。この人間味を感じる部分が人気を集めたり顧客離れの原因となったりするためです。
企業ページであっても担当者のファンであるユーザーも多く、担当の交代によってそれまでのファンが離れてしまうことがあります。さらに、次の担当者がそれまで支えてくれたユーザーを裏切るような投稿を行い、その投稿が炎上のきっかけになる場合があるため、Facebook運用の人事を慎重に行わなくてはいけないことが、経営者様からするとデメリットに感じるでしょう。
Facebook運用のデメリットや運用リスクを回避する5つの方法
Facebook運用には避けられないデメリットやリスクがあり、きちんと対策しなければFacebook運用が失敗する可能性が高くなります。ここではFacebook運用で失敗しないよう、デメリットやリスクを回避する方法を5つ解説します。
- 運用する目的やゴールを明確化する
- 運用の中心となる担当者を決める
- 投稿の口調や運用マナーを具体化する
- 炎上や誤爆に対する対処方法を考える
- ネガティブな意見に対する対応方法を決めておく
1. 運用する目的やゴールを明確化する
Facebookの情報を拡散したくなるのは、閲覧者が「友達にも知らせたい」と思う内容の投稿だからです。投稿を見た人の心に刺さる内容の投稿を考えるためには、まずFacebookの運用をする目的やゴールを明確化しましょう。
例えば商品やサービスの知名度を高めることが目的であれば、まずターゲットにする年代や性別を決めます。次にターゲットに共通した悩みや興味を調査し、その結果を踏まえた内容の投稿をすることで、興味や関心を引く投稿が可能です。
また実際の投稿へのリアクション(コメントやシェア数)をチェックすることも欠かせません。投稿内容と投稿結果の2つを基準に軌道修正をしながら、しっかりとターゲットに届くFacebook運用を実現しましょう。
2. 運用の中心となる担当者を決める
Facebookの運用は、投稿内容や紹介する商品を考えたり投稿に添付する写真を用意したりと、さまざまな準備が必要です。さらに実際の運用結果などを踏まえて戦略を考えることもあり、一言で運用といってもその内容は多岐にわたります。
そのためFacebookの運用を専門に手掛ける担当者を決め、その担当者を中心に社内で協力し合いながらFacebookを運用しましょう。また写真や動画の撮影、市場分析など幅広い作業が必要なため、それぞれの作業が得意な社員を集めチームで運用するのもいいでしょう。
また定めた目標やゴールからブレずにFacebookを運営するために、ある程度の決定権を担当者に委ねることも大切です。上司の意見を参考にした結果ファンが離れてしまうこともあるので、自社のFacebook運用にそぐわない意見には、きちんと否定できる環境を整えましょう。
3. 投稿の口調や運用マナーを具体化する
Facebookの投稿内容からの炎上を防ぐためには、投稿に使用する口調や運用のマナーを具体的に決めておくことが重要です。例えば「タメ口はせず常に丁寧な口調にする」「自社の魅力をPRするために他社の製品を貶めない」などは、炎上させないためには欠かせないルールとなります。
また運用ルールを決めておくとマニュアルとして使用でき、投稿を行う担当者の変更に伴うトーンや投稿内容の変化が起こりづらくなるメリットもあります。ただしルールを決めすぎると機械的な投稿内容になるため、多少リスクはあっても担当者が自由にできるようにしておくことも大切です。
4. 炎上や誤爆に対する対処方法を考える
Facebookの投稿で炎上した場合、対応に時間がかかるほど多くの人に広まっていき、騒動が大きくなります。さらに個人用のアカウントと間違えるなど、誤った投稿をする「誤爆」も同じように迅速な対処が求められます。
あらかじめ炎上や誤爆に対する対処方法を考えておき、その状況に陥ったらすぐに対応できるようにしましょう。ただし対応方法を決めていても、その方法が炎上を加速させた事例もあります。上司や専門家と相談しながら、炎上や誤爆による騒動を落ち着かせられる最適な対処方法を考えることが大切です。
5. ネガティブな意見に対する対応方法を決めておく
Facebookの企業ページには、個人のページとは異なるネガティブな意見や否定的な感想が記載されることがあります。ただPRした商品やサービスに対する不満、サービス担当者への文句などは、基本的に商品やサービスの改善や改良につながるため、企業としては参考にするべき意見です。
一方でネガティブな意見をそのまま残しておくと、商品やサービスに対する印象が悪くなってしまいます。そのため、ネガティブな意見が書き込まれたときの対応方法を考えておくことも大切です。特にネガティブな意見への対応がユーザーの心をつかむこともあるので、ピンチをチャンスに変える対応を目指しましょう。
Facebook運用を成功へと導く4つのコツ
さまざまな点に気をつけ、準備を行ってFacebookの運用を開始しても、なかなか結果につながらないと不安になることもあるでしょう。最後にFacebook運用を成功させるコツを4つ紹介しますので、今までの運用と比べながら、ぜひできていないことを実践してください。
- 週に2~3回の投稿を心がける
- ユーザーと双方向のコミュニケーションを行う
- ユーザーが集まる企画を実施する
- 有料広告を適度に使う
1. 週に2~3回の投稿を心がける
Facebookのユーザーは常に最新の情報を求めているため、投稿頻度が低いと企業ページや投稿への関心が薄れてしまいます。しかし1日に何度も投稿するような高頻度でも、企業の投稿で自分のタイムラインが埋まってしまい、うっとおしく感じてしまいます。
投稿頻度は週に2〜3回を目標に、定期的に投稿できる体制を整えましょう。またFacebookで投稿する際には、7〜8時や12時など、多くの人がFacebookを見ている時間に投稿することも効果的です。定期的な投稿に慣れてきたら、投稿する時間にも気を配って投稿してみましょう。
2. ユーザーと双方向のコミュニケーションを行う
Facebookは、ユーザー同士が自由にやり取りをしてコミュニケーションを行うことが楽しみの1つ。そのため一方的に商品やサービスをPRするような運用では、ユーザーに飽きられたり関心が持たれなかったりします。自社の投稿に対してコメントをもらったら、そのユーザーにコメントを返すなど積極的に双方向のコミュニケーションを行いましょう。
ただしコメントへの返信内容は、他のユーザーにも見られています。相手を不快にする返信をすると、その人だけでなく、返信を見た他のユーザーも不快感を抱いてしまうため、返信するときには事前に決めたルールに沿ってコメントしましょう。
3. ユーザーが集まる企画を実施する
ユーザーにとってFacebookはコミュニケーションの場であるため、直接の楽しみにつながらない企業ページは、積極的にアクセスしようと思いません。特に社会人ほど時間的な成約があり、友人や知り合いとのコミュニケーションのために、時間を使いたいと考えます。
そこで企業ページでは、同じ趣味を持つ人が集まる場を作ってみましょう。例えばアウトドア製品を扱っている企業であれば、欲しいアウトドアグッズを自由に書き込めるアンケートを実施します。するとその投稿がユーザー同士の交流のきっかけになることもあり、また他の人の書き込みを見るために何度もアクセスされるようになります。
こうした企画は、さまざまな趣味の共通点となる企業だからこそできる運用方法です。自然にFacebookの中に溶け込むような戦略で、多くの人に見られる企業ページを作りましょう。
4. 有料広告を適度に使う
Facebookの投稿は解説したページに表示されるため、拡散されていない投稿は企業ページにアクセスしなければ見てもらえません。そのためユーザーに自社のページを見つけてもらえなければ、閲覧数などが思うように増えず、集客効果などの効果も期待できません。
そこでFacebook内での知名度を上げるために、有料広告サービスを使ってみましょう。このサービスはFacebookユーザーへ向けて広告を発信するサービスで、自社のページを友達に追加していないユーザーのタイムラインなどにも、広告を表示できます。
つまり有料広告サービスを使うことで企業ページのアクセスを促し、多くのユーザーに企業ページの存在を知ってもらうことができます。自社ページの存在を知ってもらえれば、普段の投稿の拡散力を高めるという戦略が可能です。Facebookは無料で使えるサービスだからと無料にこだわらず、適度に有料広告サービスを使うことで、Facebook運用を成功へと導きます。
Facebookを効果的に運用して売上アップを達成しよう
Facebookは多くの人が活用しているSNSだからこそ、企業ページを作って運用することで商品やサービスの知名度や売上げアップにつながります。
一方でFacebook運用をはじめても、イメージどおりに企業ページの閲覧数などが伸びず、Facebookの運用効果が実感できない事例も少なくありません。
そのため本記事で解説した失敗の回避方法や成功のコツを参考にして、Facebook運用を行い企業のさらなる成長を実現しましょう。
