通信とライフデザインの融合を目指し、お客様の課題解決へと導くKDDI株式会社。
「携帯電話」というイメージだけではなく、幅広い領域で私たちの暮らしをサポートするサービスを展開しています。
今回、通信サービス/IoT/AI/SaaS/チャットボット/EC等のエンタープライズアジャイル案件に取り組む「アジャイル開発センター」では、組織拡大に向けて、ハイスキルフリーランスの紹介サービス「Lancers Agent」の利用をスタート。
一体なぜ外部リソースの活用を始めたのか、実際に利用された所感を、プラットフォーム開発本部 アジャイル開発センター長の木暮圭一さんと、アジャイル開発3グループリーダーの田原裕宣さんにお話を伺いました。

■Lancers Agent活用前に感じていた課題
専門スキルの高い、エンジニアのリソースが足りなかった
アジャイル開発領域を担当できるエンジニアが少ない。開発組織を拡大するにあたって、専門性の高いエンジニアを確保したかった。
- アジャイル開発だからこそ、「常駐」できる人材がほしい
アジャイル開発は、一箇所に集まり相談しながらチームで開発を進めるため、外部に丸投げができない。通常のLancers(クラウドソーシング)発注では、オンラインでのやりとりが主になるため、常駐の人材確保は難しいと思っていた。
■Lancers Agentでこう解決!
専門スキルだけではなく、コミュニケーションスキルも高いエンジニアを確保できた。
アジャイル開発はチーム一丸となって取り組む仕事。業務をスムーズに進める上で、技術面だけではなく、コミュニケーションスキルの高い人材を確保できた。
常駐可能なハイスキルエンジニアに出会えた
常駐可能な人材の紹介サービス「Lancers Agent」を活用することで、スタッフの確保がしやすくなった。
通信技術を駆使し、お客様の生活に密着できる事業を展開
プラットフォーム開発本部 アジャイル開発センター長 木暮圭一さん
――事業内容を教えてください。
木暮:弊社には大きく2つの事業「パーソナルセグメント」「ビジネスセグメント」があります。
「パーソナルセグメント」はBtoC(企業が個人にモノを売る)としてサービスを展開。通信をはじめ、金融やエネルギー、エンターテインメントなどで、お客様に直接体験価値を買っていただくサービスを提供しています。
「ビジネスセグメント」はいわゆるBtoB(企業が企業にモノを売る)。KDDIグループの持つネットワーク・テクノロジー・ノウハウを駆使して、企業様のビジネス課題の解決になれるようなサービスを展開していますね。
KDDIはどうしても携帯電話会社というイメージが強いんですが、そこの脱却を目指し、現在はお客様の生活に密着できるような事業を幅広く展開しています。
アジャイル開発3グループリーダーの田原裕宣さん
――そのなかでも、お2人が所属されているアジャイル開発センターでは、一体どのようなことを行っているのでしょうか?
田原:「パーソナルセグメント」と「ビジネスセグメント」のサービスを作っています。
そもそもアジャイル開発とは、システムやサービスを開発するときのひとつの手法です。従来の開発手法だと、初めにサービスの要件を決めて作り上げ、最後にリリース…という形になるんですが、ゴールのイメージが湧きにくかったんですね。
ですが、アジャイル開発の場合だと、実装とテストを細切れに繰り返して、その都度必要な開発を進めてくれます。サービスの開発をスピーディーに行ってくれる特徴を持っているんです。
今はコンテンツ事業の開発に対して、どんどんスピードが求められる時代。アジャイル開発によって、お客様の課題解決のお力になれればと思っています。
専門スキルの高いエンジニアは奪い合い。リソースを確保したかった
――今回、Lancers Agentにご依頼いただいたきっかけを教えてください。
木暮:専門スキルの高いエンジニアを確保したい、というのが大きな理由です。
アジャイル開発の組織を大きくするべく、エンジニアの募集を積極的に行っていた時期がありました。しかし、アジャイル開発の領域を担当できるエンジニアは、人気が高くリソースが確保できなかったんです。
元々、Lancersは知っていたのですが、リモートワークが基本だったので、アジャイル開発センターではなかなか活用ができていませんでした。
その中で、Lancersが常駐のエンジニアやデザイナーの紹介サービスを開始したと聞き、相談させてもらいました。
――リモートワークではなく、「常駐」がポイントだったんですね。
田原:はい。アジャイル開発はゴールが見えない状態からのスタートです。なのでライターやデザイナーのようにドキュメントでマニュアルを作って「この通りにやっておいてね」というわけにはいかないんですよね。一箇所に集まって顔を突き合わせ、相談しながらチームで進めるため、外部に丸投げができないんです。
一度は「内部で行いましょう」という話になったんですが、社内だけではリソース不足で。しかもアジャイル開発をするためだけに就職した人ばかりじゃないんですよね(笑)。
専門性が高い外部の方々とコラボしながら、自分たちも学んでいけたらと思い、常駐していただけるエンジニアやデザイナーさんを探しました。現在は5〜6名のパートナーさんにお世話になっています。
技術面だけじゃない。チームに合うエンジニア人材を確保できた
――実際に一緒に仕事をしてみていかがでしたか?
田原:一緒に仕事をしてみると、皆さん責任感が強くて。やはりフリーランスとして、自分の成果にコミットする方ばかりなんですよ。
もちろん、初めは独立されたエンジニアさんと接する機会がほとんどなかったので、「どういう人がいるんだろう」と不安に思っていました。ですが、企業の中で自分の役割を果たすだけ、というスタンスではなく、積極的な姿勢に心強さを感じました。
木暮:フリーランスならではの「アジャイル開発センターでの仕事を通じて、スキルを高めたい。新しいチャレンジをしたい」といった貪欲さやセルフモチベートする姿勢には、弊社のメンバーも良い影響を受けています。お願い出来てよかったなと感じますね。
相談しながらチームで開発を進めている
――エンジニアを採用するときは、どんなことを心がけていますか?
田原:会社に合う・合わないではなく、チームに合う・合わないかを重視しています。
1日中一緒に働くので、いくらスキルがあってもチームに合わなかったら意味がありません。なのでエンジニアとしてのスキルはもちろんですが、コミュニケーションとしてのスキルもしっかりとチェックしています。
木暮:弊社では、「技術スキル」と「コミュニケーションスキル」を重視しています。「技術スキル」は後からでも伸びますが、「コミュニケーションスキル」は、ある程度大人になると伸ばすのが難しいんですよね。
そのため、参画後には「技術スキル」だけでなく「コミュニケーションスキル」がチームとマッチしているかどうか、という点は特に注視しながら、配属等も調整しています。
――チームで進めるからこそ意識していることはありますか?
田原:大きく2つあって、ひとつが「チームビルディング」(個々の能力を発揮しつつ、チームの目的や目標の達成を目指す組織)という言葉を大切にしました。
チーム内でただ頼まれた仕事をするだけではなく、その背景をちゃんと確認し、他に最善の方法があるのなら「こっちの方がいいんじゃない?」とお互い提案しています。
気軽に相談ができるように、昼休みにカードゲームをして交流を深めるなど、コミュニケーションがとりやすい環境作りを意識していますね。
もうひとつが、「見える化」すること。アジャイル開発そのものが“透明性”を尊重しています。そのため開発チームも、今誰が困っていて、何をしているのかが分かるように壁に付箋を貼って見える化しています。
プロジェクトの可視化を行うために、壁に付箋を貼っている
そうすることで、Lancers Agentから来られた方も仕事内容が分かりやすくなると感じていますね。
募集人材のスキル提示で、受注・発注の需要がもっと広がる
――御社と同じように常駐スタッフのリソースを確保したい企業も多いと思います。活用のポイントを教えてください。
木暮:必要なスキルを明確に伝えることですね。
こちらが求めている良い面、悪い面を両方とも全て開示するように心がけてみましょう。「残業はありません」「様々な技術が習得できます」「自分のサービスとして積極的に意見を上げていただきます」など、来てもらう人を尊重して誠実に対応することが一番大切です。最初に求めているスキルを開示することによって、ミスマッチも防げると思いますね。
――最後に、今後Lancersに対して期待することはありますか?
木暮:今後もさまざまな技術が出てくると思うので、新たな技術を習得している人を紹介していただきたいですね。
とくに企業は、技術を習得している人が集うプラットフォームに興味があると思っています。なので、人材を紹介していただけるとLancers自体がより魅力的に見えるのではないでしょうか。
さらに、我々の要望や他の企業の要望をまとめ、「今こういうスキルを持っている人が人気ですよ!」とユーザーに対して提示できると、より受注・発注間が活性化すると思います。
田原:個人事業主のなかでも、さまざまな経験をされている方は多いと思います。これまでに数々の修羅場をくぐり抜けてきたエンジニアさんもいると思うので(笑)そういったメンバーがひとりチームにいると安心感がありますね!
取材・文:田中さやか
https://www.lancers.jp/profile/sayakatanaka
テレビ番組制作会社の勤務を経て、2017年よりフリーライターに。働き方・生き方のジャンルをメインに取材やインタビュー記事を執筆しています。
