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200時間の業務削減に成功!プロ人材活用で群馬の物流企業に起きた変化とは


群馬県の総合物流企業アイ・リンクホールディングスは、ランサーズと県が共同で開催したワークショップへの参加をきっかけに、ランサーズを利用し始めました。大手企業を中心に外部人材活用が進む一方、中小企業ではまだまだ社内人材ですべてを処理しようとしたり、付き合いのある企業に任せたりするケースが多いのが現状です。

ランサーズでは2022年春に同社にインタビューを行い、抱えている課題や外部人材活用への意気込みをお聞きしました。その後、実際に仕事の発注を始めた結果、今では会社全体が外部人材活用に前向きになってきているといいます。

アイ・リンクホールディングス経営企画部部長の深井俊光さんに発注している業務の内容や社内の変化などについてうかがいました。

デザイン・開発・動画編集・SNS運用など、経験豊富なプロに直接頼める!

社内報のデザイン・編集を依頼。デザインの完成度の高さ、応募件数の多さに驚き。


――これまでランサーズでどのような仕事を発注してきたのか、教えてください。

初めてランサーズを利用したのは2022年3月で、グループ方針のポスターをコンペ形式で募集・発注しました。その後、会社のロゴ制作2件、社内報の編集・デザイン1件を発注しています。

――最初の一回で終わらず、継続的にランサーズを利用しているのはなぜですか?

一番の理由は完成物のクオリティが高いからですね。ロゴにしても社内報にしても、やはりプロと私たちのような素人では、作るもののレベルが違います。応募件数も多く、ロゴを募集した際には1週間で71件ものデザインが寄せられました。出来も良いものが多かったですね。これまで付き合いのあったデザイン会社に発注していた際は、候補は多くても4つほどだったので、71件もくるとは非常に選びがいがありましたね。そのうえ修正希望などにも迅速に対応してもらえて、全体的なコストパフォーマンスは非常に良かったと感じています。

――毎回多くのランサーさんから応募があるようですが、その中からどのような基準で選んでいるのですか?

ロゴについては、依頼文で作品のコンセプトを明確にするようお願いしています。コンセプトがわかると、社内にも社外にも発信しやすいですからね。そこで作品に込められた思いやコンセプトを一つ一つ確認し、弊社の理念などにマッチしているかを考慮して選んでいます。

社内報は私の担当ではないのですが、コミュニケーション力の高さやデザインイメージが共有できるかなど、順応性の高いランサーさんを選んだと聞いています。見積もりもランサーさんによってかなり幅があったようですが、ちょうどいい価格でお願いできたようです。

――ランサーさんから御社への評価が非常に良いですね。やりとりの際に何か気をつけていることはありますか?

弊社もまだ慣れていないため、ランサーさんとはお互いに手探りの部分がありました。そこで後で「言った・言わない」のトラブルにならないように気をつけています。私たちの考えがきちんと伝わるように、パワーポイントや手書きで絵コンテのようなものを作ってわかりづらい部分が明確になるように心がけています。

プロの力で大幅な業務削減に成功。コア業務に集中できてスキルアップ効果も

――今まではポスターやロゴなどデザイン系の仕事を発注されてきましたが、今回初めて社内報を依頼されています。社内報はこれまでどのように制作されていたのですか?

私たちのグループは全国に13社あるのですが、それぞれの拠点の若手を社内報の編集委員に任命し、記事の取材は彼らに任せています。完成した記事は経営企画部が回収し、編集やデザインをして社内報に仕上げていたのですが、これが大変でした。現在、隔月発行なのですが、締め切り前には担当者が連日残業をしてなんとか完成させている状況でした。通常業務と並行して進めるため、一つの号を作るのに毎回1カ月ほどかかるのです。


――社内報の編集は非常に負担の大きい業務だったのですね。今回ランサーさんに依頼したことで、どのような変化がありましたか?

ランサーさんに編集とデザインをお任せしたことで、社内報のために残業することはほぼなくなりました。効果でいうと、経営企画部と編集委員の合計8人で計200時間ほど業務時間を削減できたと思います。浮いた時間は、別の仕事に使えるようになりました。

社内報のクオリティもアップしました。デザインは立体的で躍動感があり、色調も統一されました。もちろん構成も素晴らしく、全体的にブラッシュアップできたと感じます。これまでは担当者がデザインなどすべてを抱え込んでいましたが、ランサーさんと分業できたことで、制作効率もアップしました。今回編集をお任せしたランサーさんとは、継続的なお付き合いができればと思っています。

今は取材音源の文字起こしを社内でやっているのですが、今後はそれもランサーさんにお任せしたいですね。可能であれば、発刊も隔月から毎月にしたいと考えています。

――ノンコア業務を外部人材に任せたことで、業務効率もクオリティもアップしたのですね。

そうなんです。そもそも若手社員を編集委員にしていることには、足元の業務に追われてしまいがちな日々の中で、社内報の編集を通していろんな社員の考えや夢に触れ、視野を広げてほしいという願いがあります。ところがそれをまとめる経営企画部の担当者が社内報を完成させることにいっぱいいっぱいになり、なかなか若手社員に気づきを促すことができていなかったのです。

ランサーさんに入ってもらったことで、担当者のスキルがアップし、若手をファシリテートするという社内報編集におけるコアジョブに取り組めるようになってきています。

中小企業は人材も知見も限られている。ランサーズのネットワークを活用して新しい取り組みをしたい


――中小企業ではまだまだ外部人材の活用に足踏みをしている企業が多いと感じます。御社ではどういった基準で外部人材に仕事を依頼しているのですか?

中小企業は人が少ないために、1人が複数の案件を抱えると作業だけでも大変な量になります。ですが人が少ないからこそ、作業ではなくプロジェクトマネジメントの部分により力を使うべきだと考えています。そこで「作業」と「マネジメント」を切り分けて、作業の部分を外部人材にお任せしています。

ただこれまでランサーズを利用してきて、今はもっと違う活用方法もあるのではないかと思っています。

――ノンコア業務の発注以外の活用を考えているということですね。具体的にどういったことか教えてください。

私たち中小企業は人材が限られているために保有する知見の幅が狭いのが実状です。それならば、たとえば新サービス開発などの際に、外部のプロ人材にプロジェクトメンバーとして参画してもらったらいいのではないかと思っています。

ほかにも新たに商材を販売する際に、私たちの拠点がない地域でお客さまへのアフターサービスを外部人材に任せるというやり方も考えています。これまでは地域や社員個人のつながりで外部の連携先を探してきましたが、それだけではリソースがない地域をカバーしてくれる会社を見つけるのは難しい。それに人のつながりで見つけた会社が必ずしもベストであるとは限りません。

ランサーズのサイトを見ていると、全国のさまざまな職業の方が登録されているので、こういったアフターサービスの担当もお願いできるのではないでしょうか。そのほかにもネットワークを活用して、もっといろんな面白い取り組みができるのではないかと考えています。

一部署が始めた外部人材活用が、会社全体に波及。企業成長のために連携を進めたい


――これまで利用されてきて、発注者として何か学んだことはありましたか?

実は最初にロゴデザインを発注した際、社名を間違えて依頼してしまったんです……。これまで依頼してきたデザイン会社であれば融通が利いたかもしれませんが、今回はランサーさんに追加料金を支払いました。ランサーさんを批判しているわけではなく、これは当然のことです。逆にこの経験から、私たち発注側もしっかりしなければいけないのだと気づかされました。

――前回のインタビューでは経営企画部以外ではほとんど外部人材は活用していないということでしたが、現在はいかがでしょうか?

他部署でもさまざまなサービスを使って、外部人材活用をするようになったと聞いています。私たちの動きが刺激になったのかもしれませんね。

現在、組織再編を進めていて、システム関係などの業務はすべてアウトソーシングする予定です。ほかにもテレアポの外部委託なども進んでいて、外部人材との連携はグループ全体の方針になりつつあると感じますね。

――今後、どのように外部人材を活用していきますか?

弊社は売上高100億円を目指しています。全国の物流企業の中でも売上高100億円を実現できているのは1%に満たないんです。弊社のような中小企業は、大企業では取り組みにくいけれどお客さんにはニーズがある機能や価値をどれだけ提供していけるかが、生き残っていくカギになると思います。そのために社内体制をブラッシュアップし、低コストで少数精鋭の組織をつくっていきたい。今後も外部人材との連携を通して、それを実現したいと思っています

取材・文:ひろみね
https://www.lancers.jp/profile/Merry5
報道記者、大学職員を経てフリーライターに。インタビューやコラムなどを多数執筆している。

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