地球規模の広がりもネットなら一瞬で跳躍できる! − フリーライターruaha氏

地球規模の広がりもネットなら一瞬で跳躍できる! − フリーライターruaha氏
クラウドソーシングを使えば「地球の裏側からでも送稿できます!」と語るのはフリーライターの『ruaha』氏。居住地・家庭環境・年齢など、人生で個人の働き方に影響する要素は無数にある。そのどれだけをテクノロジーで乗り越えられるのだろうか。
LANCER SCORE
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お子さんの出産を機に、スローライフが夢である旦那様と一緒に、地方暮らしを選択したフリーライターの『ruaha』氏。

 

田舎暮らしで、薪ストーブによる木質バイオマスライフを追求。発達障がい支援や子育て支援のNPOでのボランティア活動に参加。また、自営業における経理事務を行い、6-7月は、援農で農作業をおこなっている。

 

これまでの道のりは、平坦ではなかった。「仕事はしたいけど、外で働きにくい」環境が長く続いた時期もあった。「世間から切り離されたようで精神的にきつく、でも、子どものための時間は確保したい」そんなジレンマがあったと同氏は語る。

 

そこから、クラウドソーシングのランサーズとの出会い等を通して、「普段、家に居られる」「家族の都合に合わせて働ける」「複数の仕事を兼務できる」暮らしが実現していったストーリーを伺った。

ジレンマからの解放、長いトンネルを抜けるまで

 

■ライティングのお仕事に関わるまで、どのような歩みがありましたでしょうか?

ライティングへの興味は、中学生時代に生まれました。

 

その頃から、趣味で小説を書き始めています。

 

文筆業に想い入れはあったものの、ライターの道には進まず、美大を卒業、「設計士」として職に就きました。そして、30歳過ぎの出産を機に退職。スローライフが夢である夫の希望で地方に居を構えたのです。

 

子どもの手が離れたら復帰をするつもりが、その地方には求人がありませんでした。私は仕事で自己表現をしたいタイプでしたから、自分らしさが出せない職種に魅力を感じられず、また、年齢もネックに…。どうにか事務職に就いたものの、婦人科疾患で体調を崩し、仕事を続けられませんでした。

 

その頃から、子どもに通所療育が必要となりまして、「仕事はしたいけど、外で働きにくい」環境に変わっていきます。

 

インターネットを通して書き始めたのは、世間で発達障がいの認知が、意外なほど低いことにショックを受けたことが発端です。情報発信したい気持ちから、家事の合間を縫って携帯小説を書いてみたところ、予想以上の反響がありました。

 

「この地から、自分の手でメール送稿したものを、全国の人が読んでくれている!」というのがとても新鮮で、読者の方からありがたいお言葉を頂けたことは、本当に励みになったものです。ただ、この時に手応えは感じていたものの、まだ、文筆業に乗り出せるとは思ってもいませんでした。

 

転機は「3.11」。子どもの安全を考え、思い切って転居した際に、インターネット環境も一新しました。そんな中、バナー広告でランサーズを発見し、「これだ!」という勢いですぐさま登録したのです。

 

当時は、本当に「がんじがらめの、八方塞がり」の頃。家から出るに出られず、家計も困窮。友人や兄弟はみんな職があるのに、世間から切り離されたようで精神的にもきつく、でも、子どものための時間は確保したい。

 

そんなジレンマから解放され、長いトンネルを抜けられるような気がしました。

 

 

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「執筆に際する参考書籍の一例」

無限に広がる世界観に可能性と魅力を感じる

 

■そんな中、ランサーズがお役に立てたことはありましたでしょうか?

「働き方」に新たな可能性が加わりました。私の場合、特に「普段、家に居られること」「家族の都合に合わせられること」「複数の仕事を兼務できること」をサポートいただけたと思います。

 

たとえば、義母の介護の際、夫は仕事を2週間全面休業したのに対し、私はPC持参で、介護しながら必要な対応をすることができました。このような働き方は、クラウドソーシングならではだと思います。

 

また、一般の求職では不利な「年齢」も「地方住まい」も、この場のライティングでは「社会経験」として上手く作用しています。

 

「田舎住まいをあきらめない!」といいますか、田舎に居ながらネットを介して、全国規模・地球規模でお仕事ができる、無限に広がっていく世界観に、可能性と魅力を感じています。

創意工夫から仕事改善、オリジナル仕事術で安定化

 

■ランサーズを通したお仕事では、これまでどのような出来事がありましたか?

現在、会員登録から1年間が過ぎようとしています。登録当初は、長いことパソコンやインターネットから離れていたため、要領がつかめず四苦八苦していました。

 

まず「タイピングや文章をまとめる力をつけたい」「実績を作りたい」と思っていましたので、タスク方式での作業から始めました。タスク作業における文章を気に入って下さった方から直接お仕事をご依頼いただけたことで自信が付き、その後、プロジェクト方式にも参加するようになります。

 

ところが、3か月目の頃、作業量と兼務する仕事とのバランスを読み違えて苦労しました。クライアント様との打ち合わせ不足・認識ずれによって手戻りが発生し、時間をかけて作った成果物の書き直しをしている時、「向いてないのかな…」と悩んだこともあります。

 

睡眠を削る日々に「これでは長続きしない!」と改善を決意しました。打ち合わせ基本工数の時短と、見落とし防止に向けてオリジナルの打ち合わせフォームを作成、受注案件をノートで一括管理にしたおかげで、いまでは随分と安定しています。

 

 

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「ruaha氏の仕事ノート」※レシピ記事:クライアント様から公開承認のもの

幅広いジャンルの執筆対応!レシピから法律関係まで

 

■現在どのようなお仕事が中心となっているでしょうか?

ライターとして、主にブログ記事やサイトコンテンツ作成をしています。レシピのようなものから法律関係まで、さまざまなテーマを扱う「節操のない物書き」です。

 

得意なのは、複数キャラクターを用いて、セリフ回しによって話を展開していくスタイルで、ブログやサイトコンテンツをストーリー仕立てにご提案さしあげることもあります。

 

また、ランサーズでのお仕事以外にも、夫の仕事の手伝いとNPO活動に関わり、夏は季節労働もしております。

 

子どもたちの登校後、夕方・お迎えまでの時間帯をお仕事に充てていますが、兼業のため、かなり変則的です。1日1時間から、長いときで6時間くらい作業枠に幅を出しています。

最初は自分の成果物の品質がはっきりと分からなかった

 

■ランサーズでの顧客接点で大切になされていることはどのようなことですか?

メッセージを通した文章のやり取りが基本ですので、コミュニケーションには気を遣っています。あまり自分の都合ばかり押しだすと、結局は長くお付き合いはできなくなってしまいますから。

 

成果物のクオリティは、時と場合に関わらず、しっかりと担保していきます。きちんとしたリサーチの上で執筆し、納品タイミングもなるべく前倒しでお渡しできるよう心掛けています。

 

とはいえ、最初は、自分の成果物の品質が分かりませんでした。紙媒体とネット媒体では、キーワードや文章そのものの扱いに違いがあります。そういったことをご依頼主様たちに根気よく教えていただけたおかげで、何とかここまで来られたものと感じています。長くお付き合いをいただいている方もおりますし、本当に感謝ですね。

 

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「仕事の合間に、ホッと一息」

子どもに向けた人生の指針として親の生き様を表現したい

 

■ruaha様にとって「ライティング」とは何でしょうか?

ライティングは「憧れのお仕事」で、基本的にとても楽しいものです。

 

文筆業の成果物は長く残りますので、文責を常に意識しております。いい加減なことを書くと、お客様に多大なるご迷惑をお掛けしてしまいますし、緊張感をもって仕事に臨んでいます。

 

私は書き手として、読み手が思わず引き込まれるような文章を創りたく思います。執筆時の心情は、怖いほど文章に出てしまいますから。たとえば、「正式で固め」には落ち着いたテンション、「ブログ等の柔らかめ」には活発なテンションで臨むような「気分の使い分け」も工夫どころです。

 

ライターのお仕事は今後長く続けていきたいので、あまりにも不調の時は中断し、別の作業をしています。兼業しているおかげで、他のお仕事や家事も、気分転換の素地になっていますね。

 

ライティングでは、「お仕事」はもちろんのこと、同時に「親の生き様」を表現したいと考えております。働き方が大きく変化する時代、私が身近で働いていることが、子どもたちの人生において、何らかの指針になるのであれば嬉しいかぎりです。

子ども全員が文筆関係、永遠の「ライバル」としてリスペクト

 

■改めまして「フリーランス」として働くメリットとは何でしょうか?

やはり「時間の融通が利く」ことでしょうか。個人の用事と複数の仕事が両立でき、子どもが病気の時も、看病しながら作業も可能。必要であれば、しっかりとした事前調整の上で気兼ねなく休めます。

 

また「定年ナシ、辞めたくなるまで続けられる」こともあります。40代の再就職って、本当に難しいですから。

 

個人的には、子どもに向けて「親の仕事姿」を見せられるのも良いところです。その姿を見てもらえるのも、良い教育と考えまして、原稿に煮詰まると、堂々とぼやいたり、悩んだりしています(笑)。

 

我が家では、子ども4人の全員が何らかの形でライティングに関わっています。彼らとは、ずっと対等であり、お互いに刺激しあえるような「ライバル」でいたいのです。その立場から、子どもたちのことをリスペクトしていける母親でいきたいと思っています。

物理的な制限が少なく、障がい者雇用の観点でも魅力あり

 

■クラウドソーシング活用を検討されている方々にメッセージをお願いできますか?

クラウドソーシングは、物理的な制限が少ないところが一番の強みです。「通勤が難しい」「対面コミュニケーションNG」「文字媒体なら…」という方など、障がい者雇用の面でも魅力があると感じます。

 

ライティングに限って言えば、正直「ネット回線さえ確保できれば、あとは工夫次第」だと思います。そして、学生からでも参加できる案件がたくさんあるはずです。

 

「文」は、特殊技能が不要で、書くうちに上手くなりますから、ビギナーの方々には、あまり構えすぎず、とにかくやってみて、細く長く続けていくような気持ちで取り組んでもらえたらと思います。

 

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

 

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「畑仕事場所からの風景」

 

 

※ruaha様には『Lancersマガジン』のフリーランスHowTo記事執筆にご協力いただきました(同氏を含めた複数のフリーライター様のご支援のもと全50記事作成:13年5月現在)

 

 

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