和文をプリエディットして翻訳AIが正確に英訳できるようにします
業務内容
■翻訳AIに渡す日本語をプリエディットするとは?
私は、過去30年近くにわたり、日英翻訳と英日翻訳をほぼ同量処理してきました。日本語のライティングにも30年近く携わってきました。2000年ごろに、神戸の計測機器メーカーに毎月一定期間“出社“して日本語マニュアルと英語マニュアルをほぼ同時に作成する業務を委託されたことがあります。現場の技術者に確認してもらうため、日本語マニュアルを先に作成するのですが、日英両版をほぼ同時に執筆するとなると、1つ遵守しなければならないルールがあることがわかりました。
日本語では、主語と目的語を省略し放題です。しかし、日本語版に対応する英語版を作成するには、日本語版でも主語と目的語を必ず明記しなければなりません。普段の感覚では、分かり切っている主語と目的語は省きたくなるものですが、「くどい」文章になっても、これらを明記しなければ、日本語版に正確に対応する英語版を作成できません。現場の技術者の皆さんは技術のプロフェッショナルであっても、英文ライティングのプロフェッショナルではありません。だから、バイリンガル・ライターである私が雇われているのです。
この経験に基づいて、私は英語化する予定の和文を書くときには、くどくなってもいいから主語と目的語を省略せずに和文を書いて来ました。これは日本語としても誤読を招きにくくなるため、英日翻訳や和文書き起こしの場合でも、かなり好評を博するスタイルとなりました。私(ミッキー大槻)の日本語著書がAmazon著者ページにございますが、いずれもこのスタイルを踏んでいます。
同時にAIを使用せずに人力で日英翻訳を行うときにも、日本語原文から省略されている主語、目的語、場合によっては述語(動詞)を補完しながら英語に翻訳することがスタイルとなり、AI普及までは、好評を博し、お客様から高単価が許されました。
その当時、私が得ていた日英翻訳翻訳の単価は10~15円/日本語1文字が普通でした。しかし、日英翻訳の能力が高いAI翻訳サービスが普及した今、日英翻訳翻訳単価の相場は1~3円に値下がりしています。このような低料金に対応するには、私もAIを用いざるを得ません。ただし、日本語原文に対して主語、目的語、述語(動詞)を補完するスタイルは変わりません。
なお、原文から省略されている主語が「わたしたち」や「世間の人々」などの場合は、AI英訳に支障が生じないので、特にプリエディットはしません。
このパッケージには、日本語ライターとしての私がI10年以上前にT専門月刊誌に連載していたコラムの1つを時代に合わせて更新したものを原文とした英訳のサンプルを添付しています。日本語原文をリライトしたものではありませんが。日本語自体が上記のようなスタイルで書かれていますので、お客様のご参考になるかと存じます。
■AI翻訳について
DeepLなどの翻訳特化型AIに依存していると、いろいろと問題が…
規格書の英訳をランサーズやクラウドワークスで外注しても、規格書を自力で翻訳した経験のない人がGoogle TranslateやDeepLで英訳して納品してくるのが関の山です。日本語原文から主語、目的語、述語が欠落していても、そのままAI翻訳にかけられるため、品質は保証されません。
AIに渡される原文に不備がある可能性が高いことに加え、翻訳をGoogle TranslateやDeepLなどの翻訳特化型AIサービス(または、これらのサービスをカスタマイズしたサービス)に任せ切っていると、誤訳や訳抜けを含む、いろいろな問題が後から発覚することがわかってきました。翻訳特化型AI翻訳サービスは、文脈を考慮せずに逐語訳で逃げようとすることが多い傾向があります。
生成AIのChatGPT 4.0は、翻訳特化型ではありませんが、文脈を指示してあげれば文脈に応じた翻訳を返してくれます。たとえば、機械のマニュアルとソフトウェアのマニュアルの違いを認識できるようです。このパッケージでは、文脈をChatGPT 4.0に与えて、翻訳結果を人間翻訳者の目から厳重にチェックして校正/リライトいたします。
[了]