■パッケージデザインとは
パッケージデザインとは、製品の包装デザインのことを言います。製品の外観や形状、色彩、素材などを考え、消費者に製品の魅力や特徴を伝えるためにデザインされたものです。
また、パッケージデザインの機能は単に商品を紹介するだけではありません。他にも以下のような意味を持っています。
製品の保護
パッケージは、製品を外部からのダメージから保護するためにも重要です。製品が破損したり汚れたりしないように、適切な素材や形状を選ぶことが大切です。
ブランドイメージの構築
パッケージデザインは、ブランドイメージを構築するためにも重要なものです。高級感のあるデザインなら「製品の品質が高いだろう」というイメージを持ってもらえるように、製品の外観やデザインが、消費者にブランドイメージやコンセプトを伝えてくれます。
販促効果の発揮
パッケージデザインは、店頭での見栄えや目立ち方によって消費者の購買行動を促すことができます。製品が販売される環境やターゲット層に合わせたデザインを行うことで、より消費者の興味・関心を引くことが可能でしょう。
環境負荷の軽減
パッケージを作る素材によって、環境負荷の軽減にもつながります。環境に配慮した素材やリサイクルが容易なデザインを採用することで、近年話題のSDGsにも貢献できるでしょう。
このようにパッケージデザインには、様々な目的があるのです。
■パッケージデザインを作成する流れ
ここからはパッケージデザインを作成する流れを解説していきます。
ステップ1 パッケージを作る目的を決める
まずはなぜパッケージを作るのか、目的を決めましょう。「商品の認知度を高めたい」「売上を上げたい」など、企業によってパッケージを作る目的は異なります。その目的によってパッケージデザインが変わってくるため、できる限り明確に言語化しましょう。
ステップ2 ターゲットを決める
次にターゲットを決めていきます。年代や性別、ライフスタイルなど、細かくペルソナを設定していきましょう。
ターゲットを決めることで親しみやすいデザインの方が良いのか、おしゃれでトレンドを取り入れたデザインにした方が良いのかなど、全体像が浮かびやすくなります。
ステップ3 競合他社のリサーチを行う
目的とターゲットを決めたら、競合のリサーチを行いましょう。実際に他社商品のパッケージを見て、どの点が魅力的なのか洗い出すのがポイントです。
競合他社の魅力的な点を参考にした上で、より良いパッケージデザインをするためにはどうしたら良いのかを考えていきましょう。
実際に自分が商品を初めて手に取ったと仮定して、「ここがもう少し華やかだったら商品を購入しただろう」などと、足りなかった部分をイメージしながら考えるのがポイントです。
ステップ4 完成イメージをふくらませる
実際にどのようなパッケージデザインにしたいのか、具体的に完成形のイメージを膨らませていきましょう。実際に手に取ったお客様にどのような行動をしてほしいのかを同時に考えるのがポイントです。
このように顧客の行動を想像しながら考えることで、顧客目線に立ったデザインを考えられるでしょう。
ステップ5 業者を探す
依頼する際は、信頼できる業者を探すことが重要なポイントです。依頼先によって得意とするデザインのジャンルが異なるため、自社の商品や目的に合ったデザインが可能かを調べましょう。
依頼相手の実績を調べて、同じ業界のパッケージデザイン制作経験があるかも確認しておくと良いです。
また、1社のみに絞るのではなく、複数の候補を出して比較検討するのがおすすめです。比較することで相場価格がわかりますし、より信頼できる業者が見つかりやすくなります。
ステップ6 依頼する
信頼できる業者を見つけたら、まずは見積もりを出してもらいましょう。見積書を提示してもらったら、一つ一つの項目を確かめながら確認しましょう。追加費用の有無や修正対応の有無などもチェックしておきます。見積もり価格に納得できたら、実際に発注します。
ステップ7 出来上がりをみて確認を行う
パッケージデザインが完成したら、デザインの確認を行います。希望や条件が取り入れられているか、商品とのイメージがマッチしているかなどをチェックしましょう。ここで修正点や改善点があれば指摘して修正してもらいます。
また、一度実物をサンプルとして用意してもらい、肌触りや質感などもチェックしておくことも重要です。
ステップ8 完成したら印刷会社に回す
デザインが完成したら印刷会社に印刷をしてもらい完了となります。
■パッケージデザインを行う際に押さえておくべきポイント
パッケージデザインを行う際は、押さえておくべきポイントがあります。より魅力的なパッケージを作るためにも、ぜひ参考にしてください。分かりやすさ
パッケージデザインを考える際は「わかりやすさ」が重要なカギとなります。情報が多すぎると伝えたいことが伝わらなくなり、魅力もうまくアピールできなくなってしまいます。
商品パッケージは他の宣伝媒体であるホームページやチラシなどと比べ、情報を載せられるスペースがより限られています。限られたスペースの中で、どれだけわかりやすく、かつ、伝えたい情報を端的にデザインできるかがポイントなのです。
コピーのわかりやすさ
コピーは短く端的に考えるのがポイントです。コピーだけで商品の魅力の7割以上が伝わるところまで、キーワードを落とし込んで考えていきましょう。
また、わかりにくい言葉を使うのではなく、想定するターゲット層の人が見てすぐに頭に入るようなフレーズを使うと尚良しです。
企業のブランディング
企業のブランドイメージやコンセプトに合わせたデザインを行うことが重要です。製品のパッケージが企業ブランドと一貫していることで、消費者にブランドイメージがより深く印象づけられ、ブランドの認知度も高まるでしょう。
自社ならではの表現を使ったり、オリジナルキャラクターを採用したりするのもいいかもしれません。
パッケージの素材感
パッケージの素材感も重要なポイントです。実際に商品を手に取ったときに、商品への期待が高まるように商品やブランドのイメージに合った素材を使うことで、消費者の購買意欲を高めることにもつながります。
リアルさを取り入れる
例えば、チョコレートのパッケージデザインを考えるとします。チョコレートのリアルな食感や味わいが伝わるようなデザインにすることで、より消費者の興味を引くことができるでしょう。
商品をリアルに表現することで、商品の味や質感、見た目などを想像しやすくなり、顧客の購買意欲を高めることができます。
環境に配慮しているか
近年では環境保護に対する関心が高まっているため、環境に配慮しない素材の使用は、企業への不信感を招いてしまうかもしれません。
この環境への配慮の影響度合いは商品ジャンルにもよりますが、エコな素材を使うことで、企業への信頼感が増すこともあります。企業への信頼は商品の購買を促す後押しにもなるため、重要なポイントだと言えるでしょう。
ユニバーサルデザインかどうか
ユニバーサルデザインとは、人々が快適に利用できるように、あらゆる人々のニーズや能力を考慮したデザインのことを言います。パッケージデザインにおけるユニバーサルデザインとは、「軽くて持ちやすい」「見分けやすいレイアウトや配色で、注意書きなどの情報が伝わりやすい」「開閉しやすい」といった多くの人が使いやすいと感じられる包装を作ることを意味します。
ストレスを感じさせないパッケージを制作することは、購入者の安全面や、購入者のブランドへの信頼感を考えた時に非常に重要になります。
■パッケージデザイン依頼する際に注意するポイント
パッケージデザインを外注しようと考えている方も多いでしょう。パッケージデザインを依頼する際には確認しておくべきポイントがあります。
ターゲット・目的を明確にする
パッケージデザインを依頼する前に、ターゲットや目的を明確にしておきましょう。ターゲットや目的が定まっていないと、実際に打ち合わせを始めてもなかなか進まない可能性があります。
打ち合わせをスムーズにするためにも、事前にターゲットや目的を決めておくことが大切です。
マーケティング戦略から考える
商品の認知度を高める目的でも、売上を上げる目的でも、マーケティング戦略は欠かせないポイントです。通常マーケティング戦略を考える上では、顧客の行動や感情を分析してユーザーへの商品の届け方やユーザーに与えたい印象を決めていきます。その戦略にもとづいてデザインを考えていくことで、よりブランドとして統一されたデザインやニーズに合わせたデザインを作ることが可能になります。
上記の工程で決めたターゲットを細かく分析して、どのようなテイストが適しているのか、配色はどうするのかなどを考えていきましょう。
複数から見積もりを取る
外部に依頼する際は、1社のみではなく複数の業者を検討するようにしましょう。複数の候補を比較検討することで、より自社に適した業者が見つかりやすくなります。
また、複数の業者から見積もりを出してもらうことで、適正な相場が分かります。高額な費用を請求する悪徳業者に騙されるリスクも軽減できるでしょう。
得意分野・実績を確認する
業者によって得意分野が異なります。例えば食品のパッケージデザインが得意なデザイナーもいれば、日用品のパッケージデザインが得意なデザイナーもいます。
目的に適したデザイナーを見つけるためにも、得意分野やこれまでの実績を確認しておきましょう。実績が豊富なデザイナーであれば、これまでの経験をもとに、より良いデザインになるようにアドバイスをしてくれます。
■ランサーズでパッケージデザインを依頼するメリット
どの業者にパッケージデザインを依頼しようか悩んでいる方は、ランサーズでの依頼がおすすめです。ここでは、ランサーズでパッケージデザインを依頼するメリットをご紹介します。
マーケティングに強いデザイナーが登録
ランサーズにはマーケティングに強いデザイナーも登録しており、「商品の認知度を上げたい」「売上を高めたい」などの目的に合わせて、顧客目線に立った適切なデザインが可能です。
希望や条件にあったデザイナーを探せる
デザイナーによって得意分野やこれまでの実績が異なります。食品デザインが得意な方や日用品デザインが得意な方など、さまざまです。
ランサーズには多くのデザイナーが登録しているため、希望や条件に合ったデザイナーを探しやすいです。また、自分で探すのが大変な方は提案募集を行い提案をしてくれたデザイナーの中から依頼相手を見つけることもできるため、一からデザイナーを探す手間も省けます。
デザイナーの実績や評価を事前に確認できる
登録しているデザイナーのプロフィールには、実績や評価などの情報が詳しく記載されています。実際に取引した方の評価や口コミなどが記載されているため、信頼できる人かどうかを確認しやすくなっています。
■一般的な制作会社へ「パッケージデザイン」を依頼した際の料金相場
パッケージデザインの作成料金には、大きく分けて以下の5つの項目があります。
- ・企画代
- ・デザイン制作費用
- ・ロゴ制作費用
- ・版下作成費用
- ・印刷代
デザイン制作会社に依頼するか、フリーランスに依頼するかによって、上記の5つの項目の料金相場が異なります。
また、例えば箱のパッケージの場合は約10万円〜、ボトルラベルの場合は約6万円などとパッケージを作成する素材によっても相場が異なり、さらにサイズによっても料金が変わってくる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
パッケージの種類 | 相場例 |
---|---|
箱 |
約100,000円〜 |
袋 |
約100,000円〜 |
ボトルラベル |
約60,000円〜 |
ボトル |
約100,000円〜 |
フィルム |
約100,000円〜 |
企業 | パッケージの種類 | 相場例 |
---|---|---|
企業A |
箱 |
約150,000円〜 |
袋 |
約120,000円〜 |
|
企業B |
紙のパッケージ |
約120,000円〜 |
ボトル等のラベル |
約65,000円〜 |
※大凡の価格を表示しています。実際の料金は依頼する業務範囲や提案数などによって異なります。
※こちらで記載している金額はランサーズ上の依頼金額ではありません。
※当社調べの「一般的な制作会社や企業に依頼した際の目安の依頼料金」となります。