SHARE

クラウドソーシングサイトとは?活用するメリット・デメリットや選び方、事例を徹底解説

働き手の不足という背景に加え、リモートワークのように会社に縛られない働き方も急激に社会に受け入れられています。そんな時代背景の中で、企業の人材活用にクラウドソーシングが注目されています。この記事ではクラウドソーシングサイトとは何か、メリットやデメリット、どんな種類があるのか、クラウドソーシングサイトを選ぶときのポイントなどについて解説していきます。クラウドソーシングサイトを既に活用している企業の事例なども踏まえ、クラウドソーシング活用の実態に迫ります。

デザイン・開発・動画編集・SNS運用など、経験豊富なプロに直接頼める!

クラウドソーシングとは?アウトソーシングとの違いとは

違い

クラウドソーシングに似た表現でアウトソーシングという言葉があります。
同じような意味で使われることも多い両者ですが、その違いはなんでしょうか。
それぞれ詳しく見ていきます。

クラウドソーシングとは

そもそもクラウドとは群衆や不特定多数の人を表す言葉で、クラウドソーシングとは不特定多数の人に業務を依頼する形式を指します。また、多くの場合オンライン上で仕事の依頼から納品までが完了する形式が取られます。

クラウドソーシングでは仕事の依頼対象が多数の人である点だけでなく、依頼できる業務の種類も多数あるという特徴もあります。
その幅はデータ入力のような簡単な業務から、システム開発といったプロジェクトまで広範囲に及びます。

働き手の面で言うと、クラウドソーシングの主な担い手となるのは個人で活動しているフリーランスです。
本業でフリーランスとして活動している人もいれば、副業で活動している人もいます。
2018年に弊社(ランサーズ株式会社)が行った調査によるとフリーランス数は全国で1,119万人いると推計され、その12%にあたる約134万人がクラウドソーシングの実施者とされています。

普及の要因としては、インターネットの発達のおかげでオンライン上で仕事を完結する環境が整ったことがあります。
もう一つの要因としては、近年の人手不足・人件費の高騰などの理由から、外部の人材を活用することに前向きな企業も増えてきている点が挙げられます。

依頼側の企業も、受注側の個人も、場所にとらわれる必要がないので、身近では見つけることができなかった人材や仕事とのマッチングができるという特徴もあります。

参考: 総務省 平成30年版 情報通信白書 クラウドソーシングの広がり

アウトソーシングとの違い

アウトソーシングとは業務を社外に委託することを表します。
外部に委託する点ではクラウドソーシングもアウトソーシングの形態の一つとも取れます。
言葉の使い分けとして、アウトソーシングは専門業者に業務単位で仕事を委託する時に使われることが多いです。

クラウドソーシングが不特定多数の人がオンライン上で集まって仕事をする形態そのものを表しているのと比べると少しニュアンスも違います。
商品の在庫管理業務や発送業務、コールセンター業務、労務管理、経理など、業務単位の委託がアウトソーシングの活用分野の一例として挙げられます。

アウトソーシングの担い手は個人の場合もあれば、企業の場合もあります
マッチングに際してもクラウドソーシングのようにオンラインで広く募集するという形式よりは、受注側が営業したり、依頼側が委託先を探し出したり場合がほとんどです。
また、オンラインで完結するクラウドソーシングとは違い、対面で打ち合わせやすり合わせを詳細にする場合も往々にしてあります。

クラウドソーシングサイト活用のメリットとデメリット

メリット・デメリット

クラウドソーシングを活用するときに欠かせないのがクラウドソーシングサイトです。
クラウドソーシングサイトを活用するメリットとデメリットについて紹介していきます。

クラウドソーシングサイトを利用するメリット

まず、クラウドソーシングサイトでは仕事を依頼したい人と仕事を受注したい人をマッチングしてくれるプラットフォームが提供されている点が大きなメリットです。

自社サイトでフリーランスを募集したとしても、スピーディーに希望の人材を集めるのは至難の業です。
アウトソーシングにしても業者を探し出し、比較検討するのには時間がかかってしまいます。

その点クラウドソーシングサイトには既に多数のフリーランスが登録しています。
人数が多いだけでなくスキルに関しても幅広い人材が登録されているので、自社の依頼したい業務にマッチした人材とスピーディーに出会える確率も高まります。

業務量に関してもアウトソーシングの場合は業者への発注という性質上、どうしてもまとまった量やプロジェクト単位での依頼となりがちです。
その点、クラウドソーシングサイトでは少量の業務から気軽に発注できる柔軟さがあるのがメリットです。

また、クラウドソーシングでは互いに顔を見たり会社に訪問したりすることなく仕事を進めるので、いかに安心して仕事ができるかも重要なポイントになります。
多くのクラウドソーシングサイトではオンライン上でもスムーズに仕事が進むような仕事管理の機能や双方のコミュニケーションをサポートする機能が用意されています。

支払面でのトラブルを回避するエスクローと呼ばれる仮払い機能が採用されているサイトもあります。
このようにクラウドソーシングを活用するのに必要な様々な環境が既に整えられているのがクラウドソーシングサイトを利用するメリットです。

クラウドソーシングサイトを利用するデメリット

では、クラウドソーシングサイトのデメリットとしてはどのような点が挙げられるのでしょうか。

まずクラウドソーシングではオンライン上で公募する形式をとりますが、人選において実際のスキルや信頼度の見極めが難しい点です。
会ったことがない個人が相手となりがちで、またその人を監督する人がいるわけではありません。

スキルに見合った業務に応募しているか、業務をきちんと完遂してくれるか、社会人として常識のある行動をとってくれるかを担保するのは難しい傾向にあります。
クラウドソーシングサイトの中には過去の業務の完遂率や評価、実績やポートフォリオを確認できるサイトもありますので、そのようなサイトを選んで利用するのも解決策のひとつです。

他には、クラウドソーシングサイトを利用した場合、自社のフォーマットではなくクラウドソーシングサイトの管理形式に合わせる必要があります
使いこなすまでに時間がかかったり、業種によっては管理形式が使いにくい、逆に面倒と感じたりすることもあるかもしれません。

クラウドソーシングサイトの種類

クラウドソーシング

クラウドソーシングサイトの普及に伴ってクラウドソーシングサイトにも様々な種類が利用できるようになりました。
目的ごとでおすすめのクラウドソーシングサイトは異なりますので、確認しましょう。

総合型プラットフォーム

幅広い職種や人材をカバーするのが総合型プラットフォームと呼ばれるクラウドソーシングサイトです。
総合型プラットフォームの代表的なものとしては、「クラウドワークス」や「ランサーズ」、「ビズシーク」などのサイトがあります。
総合型プラットフォームでは仕事のカテゴリーや案件内容も様々なジャンルが取り扱われています。

中には仕事の種類が数百を数えるクラウドソーシングサイトもあります。依頼する形式も様々です。
データ入力などの作業を依頼するタスク案件、ホームページ制作やプログラム開発などを依頼するプロジェクト案件、ネーミングやデザインを競うコンペ案件などがあります。

仕事単位だけではなく、時給制で仕事依頼する形式を採用しているクラウドソーシングサイトもあります。
総合型プラットフォームは登録すれば様々な人材と出会えるので、自社の業務に幅広くクラウドソーシングを活用したい場合はおすすめです。

専門分野特化型プラットフォーム

専門分野特化型のプラットフォームは特定の分野に特化した人材と出会えるクラウドソーシングサイトです。
専門特化型のクラウドソーシングサイトの分野には様々なものがあります。
例えば、デザインやイラスト、映像制作、楽曲制作、写真撮影などに特化したクリエイティブ系、記事作成に特化したライティング系などが代表例として挙げられます。

他にもプログラミングやシステム開発に特化したエンジニア系のクラウドソーシングサイトや、語学や翻訳に特化したクラウドソーシングサイトもあります。
このように専門知識やスキルが必要な分野の人材とピンポイントで出会えるのが専門分野特化型のメリットです。

またプラットフォームをその業界に最適化することで、総合プラットフォームでは補いにくい機能を備えているサイトもあります
専門分野特化型のプラットフォームの代表例は、ライティング特化型の「サグーワークス」やデザイン特化型の「99designs」、IT案件を専門的に取り扱う「アサインナビ」などがあります。

クラウドソーシングサイトを選ぶときのポイント

会議

数多くあるクラウドソーシングサイトですが、どのような基準で選べばいいのでしょうか。
ここからはクラウドソーシングサイトを選ぶときのポイントを解説していきます。

実績、登録利用者数など信頼性の高さを確認

まずはクラウドソーシングサイトの実績から信頼して利用できるかを判断するのがおすすめです。
長年クラウドソーシングサイトを提供してきている事業者や企業側・フリーランス側の利用登録者数が多い事業者はやはり安心して利用できる傾向にあります。
クラウドソーシングサイトを運営する事業者の中にはランサーズやクラウドワークスのような上場企業もありますので、信頼性を判断する材料として参考にするのもいいでしょう。

また、クラウドソーシングサイトには企業の活用事例が確認できるサイトもあります。
実際にどのような企業がどのような分野で活用し、どのような効果をあげているのか確認してみるのもおすすめです。

機能面、サポート面を確認

クラウドソーシングサイトによって機能面やサポート面での違いもあります。
フリーランスの評価制度はもちろん、本人確認、パソコンのウイルス対策や機密保持確認などをクラウドソーシングサイト側で実施し、その情報を提供している事業者もあります。

クラウドソーシングではどうしても個人が相手となりがちですので、このような機能があるかないかで企業の手間やリスク管理の負担も変わってきます

他には業務だけでなくフリーランスの管理までを委託できるサポートを提供しているクラウドソーシングサイトもあります。
サポート範囲やプランによって別途料金が発生する場合もありますが、多くのフリーランスを必要とする業務では企業が一人ひとりを管理する手間や負担が大幅に軽減されるメリットもあります。

クラウドソーシングサイトの活用事例

営業

ここからは実際にクラウドソーシングサイトを利用して、企業がそれぞれどのような課題を解決したのかがわかる事例を3つ紹介していきます。
クラウドソーシングサイト活用の際の参考にしてみてください。

株式会社日立製作所

株式会社日立製作所の研究開発グループではAI研究のためにプログラムに必要な大量データのインプットをする必要がありました。
その業務のためにまずは自社でアルバイトを3人採用しました。

しかし、入力作業は任せられるものの、データのチェック作業を研究員が行う必要があり、社内の工数が取られてしまう点に課題を感じられていました。
そんな中、アメリカで同じような研究分野でクラウドソーシングを活用した事例に出会い、クラウドソーシングサイトの利用を決めました。

クラウドソーシングではデータ入力だけでなく、研究員が行っていた品質チェック作業までを依頼。
大勢のフリーランスで大量のデータを一気に処理でき、想像以上に期間を短縮できました。
チェック作業に関しては、社内の工数が減っただけでなく、データの質にも大変満足されていました。

アルバイト採用では難しかったプロセスもクラウドソーシングサイトの特性を活かして解決できたことがわかる事例です。
株式会社日立製作所のご利用事例

エン・ジャパン株式会社

企業の人材採用や人材の活躍をサポートするエン・ジャパン株式会社では「転職大辞典」という自社のWebサイトを運営しています。
社内の力だけで2015年時点でページビュー数100万を達成するほどの人気サイトに成長させました。

しかし、さらなる流入のための戦略を立てた時に、社内のリソースだけでは想定している数の記事作成が難しいことに直面。
そこで、クラウドソーシングサービスを利用されることを決意されました。
クラウドソーシングサービスではライターの発掘から納品までをワンストップでのサポートを依頼。
社内だけの力では3年かかると想定されていた記事作成を3か月で実現されました。

同社では記事のキモになる部分は社内の編集長が担当し、そのガイドに沿って外部のフリーランスに記事作成を依頼しました。
ただ量産するだけでなくメディアの価値を損なわない工夫も交え、サイトへの流入数を1.5倍に増加。

このように専門分野に特化した人材であっても大量に出会えるのはクラウドソーシングサイトならではの特徴です。
エン・ジャパン株式会社のご利用事例

freee株式会社

クラウド全自動型会計ソフトを提供するfreee株式会社は2013年にサービスをリリース後、急成長を遂げた企業です。
ユーザーの急増に伴って、ユーザーのために情報発信する専用サイトを立ち上げたいという思いがありました。

しかし社内にも身近な知り合いにもWebサイト制作のスキルを持った人がおらず、立ち上げを断念せざるを得ない状況だったそうです。
そんな折、知り合いからクラウドソーシングサイトを紹介され、利用してみることに。
手始めに事例紹介サイトの立ち上げを依頼してみました。

するとすぐにWebサイト制作の専門家と出会うことができ、たった1ヶ月ほどでサイトが完成。そのスピードに大変驚かれました。

クラウドソーシングならではのオンライン完結型の仕事の進め方で、対面打ち合わせの時間なども省け、効率的に仕事がすすめられたのもスピード感の要因と感じられたそうです。
社内にはいない人材や、身近で出会えない人材でもクラウドソーシングサイトを活用すればスピーディーに出会えることがよくわかる事例です。
freee株式会社のご利用事例

まとめ

クラウドソーシング
最後に紹介した事例からもわかるように、企業の柔軟な人材確保をサポートするのがクラウドソーシングサイトと言えます。

働き手の不足や人件費の高騰など人材を取り巻く社会環境の変化も踏まえると、活用の動きは今後さらに加速していくものと思われます。
クラウドソーシングサイトの活用はそれぞれの特徴を知ったうえで、まずは小さな業務から試すのもおすすめです。

ランサーズは総合プラットフォームとしてオンライン仕事発注の運営暦最長を誇る老舗クラウドソーシングサイトです。
小さな業務の発注はもちろん、長年のクラウドソーシング業界で培ったノウハウで業務体制の見直しや業務構築のコンサルティングまで依頼できます。
企業のクラウドソーシング活用をサポートするパートナーとして検討してみてはいかがでしょうか。

デザイン・開発・動画編集・SNS運用など、経験豊富なプロにカンタン依頼