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生産性とは?定義や指標、個人の向上の取り組みについて紹介

上司から生産性を上げてほしいと依頼され、とりあえず「分かりました」と返事をしてしまう人も少なくないでしょう。ただ漠然と生産性を向上すればいいと思っても、何をすればいいのか分からず、結局何も変わっていないこともあり得ます。まずは生産性が下がる原因を抽出し、そこを対策していくことから始めないといけません。ここでは生産性が下がる原因と向上させていく上でのポイントを合わせて解説していきます。

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生産性とは

生産性

生産性とはムダを省いて業務効率化を推進し、売上や利益を上げる仕組みを作ることを指します。各企業の業種によって生産性の定義はことなるでしょうが、根本的には企業が存続していくために、「利益を上げるためにはどうすればいいのか」ということを追及するものです。

効率良い仕事をするための仕組み

売上や利益を上げるには効率よい仕事を続けることが必須です。そのためにも「ムリ・ムダ・ムラ」がないことも大切です。このムリ・ムダ・ムラを把握すること生産性向上に大きく関係していきます。

各部署には仕事をする上で必ず目標があるでしょう。その目標を達成するのに手段を講じますが、この手段が目標よりも小さすぎる場合は「ムリ」であり、手段が大きすぎると「ムダ」になります。そして目標と手段が合わさっていない場合は「ムラ」があるといえます。

ムリ・ムダ・ムラを省いて目標達成に適した手段を選ぶことは、効率よい仕事をすることであり、結果として生産性向上につながります。

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製造業や飲食業での例

生産性向上といわれ続けるのが製造業の現場です。製造業の生産性には作業者1人あたりの生産個数を求める物的生産性と、売上から材料費などの原価を引いた付加価値を単位とする付加価値生産性があります。

生産性の向上は生産ラインの自動化や段取り時間の短縮、設備改善によるサイクルタイムの向上など、作業者1人あたりの生産個数や設備1台あたりの生産個数を上げることです。ここから作業者の労働時間と生産数で物的生産性が分かります。

物的生産性=生産数÷(労働者数(設備台数)×労働時間)

一方、生産ラインの材料や部品を付加価値とし、売上から付加価値を引いて作業者数で割ると作業者1人あたりの付加価値生産性が分かります。

付加価値生産性=付加価値額(売上-(材料費+部品代+運搬費など))÷労働者数

飲食業でも同様です。座席数での回転率を上げることが売上UPにつながりますので、座席ごとの物的生産性を上げなくてはなりません。

また、店舗ではホールやキッチンでも役割分担が明確化されているので、レジ・案内、配膳、洗い場、デシャップ、フライヤー、鮮魚、盛り付け、焼き場など時間帯で適正人員を把握するのに付加価値生産性は重要です。

生産性が下がる原因とは?

生産性が下がる

生産性を上げようとしても、なかなか上がらないのが実情ともいえます。生産性が上がらない原因には何があるのかみていきましょう。

目標や目的を持たずに漠然と仕事をしている

目標や目的を持たずに考えないで仕事をしている人は生産性が向上しません。とりあえず仕事をしようと思っていると、何がムダでこの作業にはムリがあるというのが分からないでしょう。

言われるまで動かないという指示待ち傾向にあると、仕事に疑問を持つこともほとんどないので、ただ漠然と作業をたんたんと進めており、実はムダなことをしていても一向に気づきません。

優先順位が決められていない

仕事をする上で何から手を付けていいのか理解しておらず、仕事の優先順位が決められていない人も生産性が下がります。本来先にやるべきことを後回しにしてしまい、時間のかかる作業をいつまでも手につけないので納期に間に合なくなってしまいがちです。

納期に間に合わなくなると、周囲の人を巻き込んでしまい、チーム全体の生産性まで下がってしまいます。また、納期に間に合わすためにムダな残業をしていることも多くなるでしょう。

長い時間働くのが好評価と勘違い

日本企業ではまだまだ長時間労働の社員を「頑張って仕事をしている」と評価されることがあります。定時内で仕事を終えて帰宅する人が珍しい企業では、作業内容よりも人が少なくてムリが生じていることでしょう。

ダラダラといつまでも仕事を続けて帰宅時間が遅くなれば、その分だけ疲労も蓄積されてモチベーションも上がらず、より一層生産性が下がっていきます。

本来は定時内で仕事を片付けて帰宅するのが望ましいですが、組織全体が残業込みを当たり前に捉えていると、改善するのはかなり難しいといえます。

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精神論が多い

先述の労働時間が長い企業にありがちですが、やたらと精神論を振りかざす職場は生産性が上がりづらくなります。朝礼やミーティングがムダに長い部署では、時間をかければ何とかなるという雰囲気でモチベーションが低いものです。

目標も到底達成できないムリなものが多く、改善にかける時間もなかなか取れません。精神論が多い職場で働く人は、後輩や部下にも同じように「やればできる」「自分も苦労した」「みんな同じで頑張っている」という認識になりがちで、生産性が向上しづらい環境に染まる可能性が高くなります。

生産性向上のポイント

生産性向上

生産性向上のポイントはどこにあるのかみていきましょう。

生産性を数値で表し、目標と現状のギャップを把握する

先述した物的生産性と付加価値生産性の現状を把握し、何をすればこの数値が向上するか考えなくてはなりません。そのためには常に目標を持って仕事をし、目指すべき姿(ゴール)を数値で決めておきます。

物的生産性と付加価値生産性のどちらでも構いませんが、ゴールと現状を数値で比較し、この差がギャップとなります。このギャップを把握して改善していくことが生産性向上のポイントとなります。

会議時間を短縮化

どのような業種でも会議は必須です。プロジェクトの決定・進捗確認、運用ルールや作業手順の決定・確認など、会議は部門別の報告の場でもあります。しかし、中にはダラダラしていつまでの結論のでない会議もあります。会議は決定をする場所であり、長々と議論をする場ではありません。

また、出席者の中で一向に発言をしない人が多い会議やトップダウンが厳しくて発言しても拒否される割合が高い会議はほとんど集まる意味もないといえます。会議の時間は生産性がありませんので、資料を先に配布して根回しするなど、いかに会議時間を短縮できるかを念頭において行動するようにしましょう。

3Sを徹底する

生産性向上にはムリ・ムダ・ムラを省くことが大切です。そのためにも「整理・整頓・清掃」の3Sを維持徹底していくようにしましょう。3Sとはいっても、自分のデスクを片付けることではありません。

1、「整理」…必要なものと不必要なものを分けること2、「整頓」…必要なものを順番を決めて直すこと3、「清掃」…必要なものを取りやすいように綺麗な状態を保つこと

このように、3Sを維持徹底することはどのような業種でも共通することであり、仕事の優先順位をつけやすくなって、ムリ・ムダ・ムラを見つけて効率よい仕事をすることにつながっていきます。

部門間のつながりを強化

ほとんどの企業ではピラミッド式に役職や階級があって、直属の上司から指示を仰ぎます。縦のつながりで報告・連絡・相談がきっちりできていても、各部署での横のつながりという点では連携が取りづらい職場も珍しくないでしょう。

自分の部署だけが売上と利益を追求しても、企業全体の収益が上がるとは限りません。部門の垣根を越えて情報を共有し、仕事を互いにフォローしていくことが全体的な生産性向上を実現していきます。

作業を明確化してムダを省き、外注も視野に入れる

生産性の向上には外注することも視野に入れておくべきです。たとえば製造業を例にすると、作業者が生産ラインから外れて行っている簡易作業が毎時あるとします。作業者が離れるたびに設備が止まれば生産個数が上がりません。

とはいえ、生産ラインを外注で請負化するには品質面の維持や設備に関する専門的な知識と技術が必要です。そこで作業者が行う簡易作業(運搬・搬送、検品・検査、梱包・包装)を請負化し、自社の従業員は生産ラインに集中することで生産性向上が可能となります。

また、外注は現場の仕事ばかりとは限りません。秘書やデータ・資料作成、電話受付といった事務系の仕事も外注することで、生産性を生み出す現場の仕事に人員を集中させることが可能です。

自分やプロジェクトチームが行うことで、優先する作業が後回しになるような仕事は外注を検討して効率化を図っていきましょう。

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生産性向上はムリ・ムダ・ムラを省いて効率化すること

効率化

生産性向上には物的生産性と付加価値生産性を数値で把握し、目標を持って仕事に取り組んで現状とのギャップを埋めていくことが大切です。生産性を生み出さない仕事は短縮し、3Sを徹底して横のつながりを強化して組織全体で生産性向上に取り組みましょう。

また、単純作業を明確化して外注することで、売上や利益に直結する仕事に集中することができます。クラウドソーシングのランサーズは幅広い職種や経験を持った人材が豊富です。
ランサーズでフリーランスに仕事の依頼・外注をすることで、生産性向上の手助けになるでしょう。

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