Twitterは、今や企業の情報発信に欠かせないツールです。店舗や商品、サービスの情報を無料で発信できる上に、情報拡散も期待できるとあって、多くの企業がTwitter公式アカウントの運用を開始しています。しかし、どんな内容でどのくらい投稿すれば広報効果がでるのか、運用のポイントが分からないという人も多いのではないでしょうか。また、炎上問題への対応も心配なところです。
本記事では、Twitterの特徴を踏まえた活用のメリットやデメリットのほか、最初に決めておくべきこと、投稿内容や効果の分析方法、炎上防止対策など、成功するTwitter運用のポイントを徹底解説します。

目次
Twitterの特徴
Twitterを運用するにあたっては、その特徴を効果的に活かしていくことが重要です。企業の公式アカウントで活用できる3つの特徴について解説します。
- ユーザー数が多い
- 拡散力が高い
- 動画投稿やURL付投稿ができる
1. ユーザー数が多い
Twitterの2022年11月現在の推定ユーザー数は約4,500万人です。10~20代の若年層の利用が多いイメージがありますが、総務省の「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によれば10~60代全体で約42%の人が利用しています。これはInstagramのユーザー数と同程度の割合です。
2. 拡散力が高い
Twitterは拡散力のあるSNSとしても知られています。情報が広く拡散するのは、リツイートという機能によります。投稿内容をコメントを添えて自分のタイムラインに再投稿する機能で、フォロワーからフォロワーへ次々に伝わっていきます。投稿内容によっては「バズ」と呼ばれるような爆発的な拡散が起こることがあり、一度「バズ」れば、予想できないほど広い範囲に情報を伝えることができます。
3. 動画投稿やURL付投稿ができる
Twitterではテキストだけでなく画像や動画、URLを付けた投稿もできます。動画は最大140秒の投稿が可能で、文字だけでは伝えられない情報も伝えられます。
URLは投稿ごとに異なるものが付けられるので、投稿内容に合わせて企業サイトの特定コンテンツやECサイトへ誘導することもできます。
Twitter運用の3つのメリット
Twitterの公式アカウント運用は、企業のプロモーションに幅広く活用できるのがメリットです。中でも期待できるメリットは以下の3つです。
- ユーザーとコミュニケーションがとれる
- ブランドやサービスの認知拡大につながる
- リアルタイムの反応が見える
1. ユーザーとコミュニケーションがとれる
Twitterでは投稿への感想である「コメント」や投稿やコメントへの返信である「リプライ」など、フォロワーと1対1に近いコミュニケーションができます。そのため、継続的なファンの形成につながりやすいという特徴があります。
さらに、フォロワーに商品の感想が聞ける「アンケート機能」を活用すれば、コミュニケーションを通してマーケティングデータ収集にも活用できます。
2. ブランドやサービスの認知拡大につながる
Twitterの拡散機能は、想定以上の人にブランドやサービスの情報を届けられるため、認知拡大に大きな効果があります。
それだけでなく、1投稿の文字数が140文字以内という制限があることから、投稿文章を作りやすい特徴もあります。気軽に投稿できるため、投稿回数も増やせます。フォロワーへの情報発信が多くなれば、情報に触れる回数が増え、認知度の向上や定着も期待できます。
3. リアルタイムの反応が見える
Twitterに投稿した内容は、フォロワーのタイムラインに表示されます。わざわざ企業の公式アカウントに情報を見に行かなくても情報が届き、興味のある投稿には「いいね」などの反応が表れます。発信した情報に対する反応がリアルタイムにわかるのは大きなメリットです。
また、Twitterを情報収集に活用している人も多いので、投稿をきっかけにした来店や商品購入にもリアルタイムにつながります。たとえば、飲食店でランチの内容を投稿し、その日の来客数増加を狙うこともできます。
Twitter運用で気を付けたい2つのデメリット
Twitterの運用で特に気を付けておきたい2つのデメリットについて解説します。
- 炎上しやすい
- 運用時の負担が大きい
1. 炎上しやすい
拡散性が高いTwitterでは、ネガティブな投稿やモラルに反する情報発信もすぐに拡散され「炎上」してしまいます。投稿が削除されてもリツイートされた投稿は消えないので、一度炎上すると長く影響が残ります。そのため、炎上後の業務に大きな支障が出る可能性が高くなります。
2. 運用時の負担が大きい
Twitter運用では、投稿のための情報収集だけでなくフォロワーへの丁寧な対応も重要です。リアルタイムな反応を期待されるので、投稿されたコメントには早めに対応することが必要になります。運用を担当する人員が少ない場合や通常業務と兼任している場合は、担当者の負担が大きくなりやすいです。担当者の負荷が高いと効果的な運用ができないだけでなく、運用自体が継続できなくなる場合があります。
Twitter運用を始める前に決めておきたい5つのポイント
効果的にTwitterを運用し、炎上などのデメリットを防止するためには、運用の目的などを決めておくことが重要です。運用の前に決めておきたい5つのポイントについて解説します。
- Twitter運用の目的を決める
- ターゲットを設定する
- どんな情報をどのように投稿するかを決める
- 目標値を決める
- 運用体制を決める
1. Twitter運用の目的を決める
最初に決めておきたいのは、Twitter運用の目的です。
売上につながる見込み客(フォロワー)を獲得したい、リピーターを獲得してブランドイメージを拡散したい、サービス改善のための情報収集をしたいなど、なぜTwitterを運用するのかを決めておきましょう。
2. ターゲットを設定する
目的が決まったら、その目的を実現するためどんな人に情報発信をするのかを設定します。その際に気を付けたいのは、Twitterのユーザー層がどんな人で、どんなニーズを持っているかを考慮するということです。
情報を発信するユーザー層のイメージが明確になるように、ペルソナを作るのも効果的です。投稿内容だけでなく、いつ投稿するかなど具体的な運用方法も明確になります。
3. どんな情報をどのように投稿するのかを決める
次に、Twitter運用の目的を達成するためにどんな情報をどのように発信するかを決めます。
投稿テーマをいくつか決めておくだけでなく、文調なども設定しておきましょう。Twitterはコミュニケーションの場です。運用者は「中の人」と呼ばれることもあります。特定のキャラクターをイメージさせる投稿には、親近感が得られて、フォロワーがつきやすくなります。
フォロワーの共感を呼ぶキャラクターを設定したら、文調だけでなく、絵文字の使い方や改行の仕方など、どんな投稿をしても一定のイメージが伝わるルールづくりをしておくのがポイントです。
4. 目標値を決める
目的をどの程度達成できているかを判断するために、目標値を設定します。
目的が「ブランド認知の向上」ならフォロワー数が指標になります。「イメージの向上」であれば、投稿に対する「いいね」の数やコメント数、リツイート数など、共感行動を指標にすると達成状況が見える化できます。
公式アカウント全体の数値だけでなく、投稿ごとの数値も分析すれば、投稿内容の改善だけでなく運用方針の見直しにも活用できます。
5. 運用体制を決める
Twitter運用を成功させるために、より多くの投稿をすることも重要です。「いいね」やリツイートにつながる投稿を継続するためには情報収集にかなりの時間がかかります。
さらに、フォロワーのコメント対応なども必要になるため、専任担当者をつけるか、複数人で役割分担をして運用するのがおすすめです。チームを作る場合は、投稿内容や口調などのマニュアルを作成し、公式アカウントのイメージがブレないように注意しましょう。
フォロワーを増やす投稿にするための5つのコツ
Twitterへの投稿は見てもらうだけでなく、いいねやリツイートなどの反応を生み、フォロワーを増やすことが重要です。フォロワーの増加につながる投稿をするための5つのコツを紹介します。
- ターゲットのニーズに合ったテーマで投稿する
- トレンドに合った投稿をする
- 投稿時間に配慮する
- フォロワーに反応する
- 参加型のキャンペーンを実施する
1. ターゲットのニーズに合ったテーマで投稿する
企業が商品やサービスの情報だけを投稿していても、フォロワーは増えません。設定したターゲットをフォロワーとして囲い込むためには、欲しいと思っている情報や期待されている情報を的確に投稿する必要があります。
周囲にいるターゲットに近い人へのヒアリングや、さまざまな調査データを分析するなどして、ターゲットのニーズにあった投稿テーマを設定することが重要です。
ターゲットのニーズと商品やサービスを結び付けた投稿を心がけましょう。
2. トレンドに合った投稿をする
Twitterで情報収集をしている人は、投稿に追加されたハッシュタグで情報検索をしています。話題のニュースやトレンド情報を絡めた投稿は、ハッシュタグをきっかけに、より多くの人に閲覧してもらえる可能性が高くなります。自社サービスと話題のニュースやトレンドキーワードを絡められないかを検討しながら、投稿内容を作成するようにしましょう。
Twitterには、投稿が多いハッシュタグをリアルタイムで確認できる「Twitterトレンド」機能があります。投稿時には、トレンドを確認して内容を作成するのもポイントです。
Twitterトレンドはパソコンやアプリで確認できます。以下のように検索画面の「トレンド」タブを表示すると、その時点で投稿が多い内容が確認できます。
3. 投稿時間に配慮する
Twitterでは過去の投稿にさかのぼって見られるケースが少ないと言われています。フォロワーがTwitterのタイムラインを見たタイミングで投稿が表示されることが、「いいね」や「リツイート」を獲得するための重要なポイントです。
投稿する際は、ターゲットがどんな時間にTwitterを見てるのかを想定し、その時間に合わせて投稿するようにしましょう。一般的には通勤時や寝る前の時間、ランチタイムなどに合わせた投稿をすると、見てもらいやすくなります。
4. フォロワーに反応する
公式アカウントでのコメントやリプライに反応するだけでなく、自社製品やサービスについて投稿をした人にも反応するとイメージ向上やフォロワー獲得につながります。
まずはフォロワーの投稿に注目し、リプライやコメントで反応してみましょう。全てのフォロワーに反応する必要はありませんが、製品やサービスに関連するものには積極的に反応すると効果的です。
慣れてきたら、他企業の投稿にも注目し、自社に関連する投稿にリツイートやリプライで積極的に交流すると拡散しやすくなります。
5. 参加型のキャンペーンを実施する
Twitterユーザー向けのリツイートによるクーポンキャンペーンやアンケートは、拡散しやすく、新規フォロワー獲得にもつながります。また、フォロワーを対象にした参加型のキャンペーンはファンの掘り起こしや定着にも効果があります。
炎上しないために気を付けるべきこと
Twitterで最も注意したいのが「炎上」です。拡散性が高いTwitterは一度情報が拡散すると一気に広がってしまいます。炎上が長引けばマスコミに取り上げられることもあります。炎上しないために注意すべきことについて解説します。
- 炎上しやすい話題に注意する
- 早期鎮静化のための対策を講じる
1. 炎上しやすい話題に注意する
最も重要なのは、投稿内容に十分注意することです。
炎上しやすい話題には一定の傾向があります。政治、宗教、経済格差・地域格差、性差別などのセクシャリティ、スキャンダルなどは、さまざまな考えを持つ人がおり炎上しやすくなります。
投稿する前に、炎上のきっかけとなる言葉や言い回しが入っていないか複数人でチェックするようにしましょう。注意すべき事項をまとめたマニュアルを作成するのもおすすめです。
2. 早期鎮静化のための対策を講じる
どんなにチェックしても、絶対に炎上しないとは言い切れません。
炎上したときは、早期鎮静化のためにどのように対応するかを考え、事前に対策を考えておきましょう。炎上が発生した後、どのように情報共有し対応するかについて、具体的に記載した対応フローを作成しておくと安心です。
Twitter運用の成功は分析が重要
Twitter運用を成功させるためには漫然と継続するだけでなく、フォロワーの反応をしっかり分析することが重要です。分析のポイントを解説します。
- Twitterへの反応を分析する
- 他社の投稿を分析する
1. Twitterへの反応を分析する
公式アカウントの運用状況を分析する際は、フォロワー数や投稿ごとの「いいね」数などを指標にします。Twitter画面からも確認できますが、分析専用の「Twitterアナリティクス」を活用すれば、より詳しい反応が把握できます。
Twitterアナリティクスは、パソコンからもスマホアプリからも確認できます。以下のようにアカウントのメニュー画面にある「Creator Studio」を開くと「アナリティクス」が表示されます。
管理画面では、過去の投稿で多く閲覧された投稿や反応が良かった投稿などが表示されます。
また、投稿ごとに表示数や反応数(URLのクリックや「いいね」など)がどのくらいあったかがわかる「ツイートアクティビティ」も確認しましょう。以下のような表示で、どの投稿に反応があったのかが確認できます。
投稿内容や投稿時間など、反応がよかった投稿について分析すれば、その後の投稿内容検討や投稿時間の設定に活かせます。
2. 他社の投稿を分析する
自社だけでなく、他社のTwitter運用を分析するのも効果的です。人気のアカウントについて、投稿内容や投稿の文体などについて分析してみましょう。ターゲットが似ている企業であれば、いいねやリツイートが多い投稿を分析するとユーザーのニーズも把握できます。
Twitter運用を成功させるために運用代行もおすすめ
投稿だけでなく、分析やフォロワー対応など思っている以上に手間がかかるのがTwitter運用です。自社だけ運用するには負担が大きく、継続した運用ができないという例も少なくありません。
時間をかけずに、効果的なTwitter運用をしたいのであれば、運用代行を検討するのもおすすめです。運用を丸ごと依頼すると費用が大きくなるので、対応できる予算を考えながら、自社で対応が難しい部分だけを依頼することもできます。投稿テーマや内容を自社で用意し、実際の投稿やリプライ対応の一部を依頼してもいいでしょう。
Twitter運用代行は事業者だけでなく、専門知識を持ったフリーランスにも依頼できます。多数の実績を持ち、コストパフォーマンスが高いフリーランスも多いので、検討してみましょう。
フリーランスへの運用代行で効果的&効率的なTwitter運用を実現しよう
Twitter運用は、拡散効果やコミュニケーション効果があり、自社サービスや商品の情報発信、ブランドイメージの定着などが期待できるSNSです。運用にあたっては注意すべき点や運用に手間がかかる点もあるので、事前にしっかりとコンセプトや運用体制を決めて始めるのが成功のポイントになります。
専門知識を活かしてコストパフォーマンス高く運用できる、フリーランスへの運用代行依頼も検討しながら、効果的で効率的なTwitter運用を実現しましょう。
