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「リモートワークを導入しても成果を出せる事業経営とは?」~ランサーズ株式会社、オイシックス・ラ・大地株式会社、パーソルプロセス&テクノロジーが考えるこれからの働き方トークセッション~

先日、ランサーズ主催でYouTubeで生配信された「リモートワークを導入しても成果をだせる事業経営とは~スマートワーク、スマートオフィスを実現する方法~」のオンラインセミナー。
その中でLancers Tipsでは、ランサーズの曽根が登壇した「スマート経営」についての内容を抜粋し掲載しましたが、今回はランサーズの曽根、オイシックス・ラ・大地の三浦様、パーソルプロセス&テクノロジーの成瀬様と3者でのトークセッションの様子をまるごとお伝えします。

参加企業の満足度は約80%!

「今後のオフィスの役割のトークセッションは興味深い話でした!」「ランサーズの社内オンライン会議(集会)の事例は大変興味深かった」など数々の称賛の声を頂きました。
(ランサーズの曽根が登壇した「スマート経営」に関する記事はこちら

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リモートワークだから見えた「新しい一面」

リモートワーク
曽根:皆さん、何か新しい発見はありましたか?例えばランサーズでいうと、「オンライン全社集会」が毎週金曜日にあるんですけど、普段だとあまり発言しないような社員が沢山コメントしてくれていろんな意見や想いを聞けたことから、メンバーの「新しい一面」の発見ができました。

三浦氏:なるほど。私も「新しい一面」の発見、ありました。自身のチームの話になるんですけど、毎朝オンラインミーティングを行っていて、そこでそれぞれの「仕事以外の顔」が見れたなと思います。
弊社は働くママさんが多いのもあって、会議の最初とかお子さんと会話したりしてて。その中で旦那さん、奥さんやお子さんとの関わり方など普段見れない部分から、お客様に対する社員の向き合い方や弊社らしい働き方ができているかどうかのリマインドのきっかけや「気づき」があって非常に新鮮でした。

曽根:〝ワークライフバランス〟ではなく〝ワークライフミックス〟というカタチで家で過ごす時間が多くなったことで、今まで世の中に発信してきたことが急にグッと身近になったのはきっとあるんでしょうね。

三浦氏:それはすごく感じました。

成瀬氏:三浦さんのお話と被る部分があるんですけど、対クライアントでもそれを感じる部分があります。
リモート化が進むとクライアントとのお打ち合わせでも当然そういった状況(オフィシャルの場で生活感が出てしまったりする)が発生するのですが、そういった面を「受容する」という社会の変化があるといいなと思いました。

曽根:「従来のように同じ場所で働く」のではなく「それぞれの環境で離れて働く」からこそ、「なぜ」このような働き方、働く仲間たちと働いているのかを改めて考えるきっかけにもなりますよね。

—問われるマネジメント力

三浦氏:リモート環境下で、なんとなくコミュニケーションを取っていたりチームにとって「良いチーム像」が見えないということは起こってしまっていると思うのですが、主体性のあるチームミッションの設定だったり個々とのコミュニケーションがしっかり取れているかといった「目的と行動の明確化」のようなマネージャーとしてのマネジメント力が可視化されてきているんじゃないかなと思います。

曽根:従来の管理型マネジメントだとなかなか上手くいかないこともは今後出てくるでしょうし、ランサーズでも縦型というよりは結節点となる役割の人は重要だなと感じています。

リモートワークをする上での失敗や課題とは

サテライトオフィスの導入
成瀬氏:私が取り組んできた中で一番の失敗はサテライトオフィスの導入でした。
選択肢を広げるための導入だったのですが、特定の人にしか使っていただくことがありませんでした。用途や目的は説明していたつもりだったのですが実際のところ伝わっておらず、多方面から質問が寄せられたものの回答しても結果使われないというのを繰り返してしまいました。
これは他のデジタルツールでも共通していると思うのですが、成功したものも勿論あって、その考えられる要因は今のところトップダウンしかないので、他に何かよい方法がないかと悩みどころです。

曽根:確かにそこは難しい部分ですよね…。
冒頭にランサーズのオンライン全社集会が良い影響をもたらしたお話をしたのですが、実はその中でも失敗したなと感じたことがあって。オンライン全社集会後に続けてオンラインの雑談部屋というのを用意してリモートワークによって失われてしまった雑談をしようという企画があったのですが、幾つかある部屋のうちの1つではこれまで仕事上で関わりのあった社員間での話、いわば内輪の話で盛り上がってしまい他部署の人が会話に入れず、孤立してしまいほとんど発言せずに終わってしまう、といったことがありました。コミュニケーションの場として設けたのにマイナスになっては元も子もありません。
なのでそれからは、「登山に詳しい人達」「映画オタク」など、一定のテーマを決めてそこに自由に出入りする形にしました。仕掛けを用意することである程度フラット且つスムーズに進められるようになったと思います。

三浦氏:今の話で自分もすごい思い当たるなと感じたのが、チームミーティングや会議の際、オフィスの時だと会議室に向かう前後にその日あったことなどをラフに話せたり助走がつけられていたと思うのですが、オンラインだとスタートと終わりがしっかり決まっているため、その前後での余白がないことから窮屈に感じるといった声を聞きました。また、出社しているメンバーもいるのでリモートメンバーとの情報格差も生まれてしまっています。
これは「失敗」ではないと思うのですが、同じ温度感で伝える方法が難しいなと感じています。何をもってリモートワークが失敗か成功かの範疇がまだ見えていない部分もあるので、今後はもっと定点から課題になりそうな点に時間をかけて向き合っていきたいです。

曽根:なるほど、それは分かります。よく社内で聞くのが営業の話で、向かう段階で話をしつつ「ready」が100%の状態で臨めたり終了後に軽くチーム内で話し合えたりするのが、オンラインだといきなり始まりぶつっと終わるので、冒頭なんとなく話が噛み合わなかったりなんだか消化不良のまま終わってしまったりというのをよく聞きます。三浦さんが先ほど仰っていた通り、会議やミーティング前後の余白やゆとりは今後の課題だなと思います。

——ここで、「Q,リアルなミーティング時にしか生まれ得ないセレンディピティなアイディアについてはどう考えておられますか?」という質問を頂きました。

成瀬氏:最近いろんな方と話していて、「オフィスは遊び心が大事なのではないか」という意見を聞いたときはなるほどと思いました。
その場でしか発揮できない力をいかに引き出すか、リアルのホワイトボードの方がいいという話もありますしね。また、弊社のオフィスは区切られておらずオープンな会議室なんですけど、敢えて仕切りを作らないことで新たなインスピレーションや偶発性が生まれるのではないかと思います。そこをどうオンラインで引き出していくかですよね…。

曽根:確かに、リアルの場の方がイノベーションが生まれやすいのはありますよね。
最近聞いて面白いなと思った発想が、いたってシンプルなんですが、一人一人がアイディアを考えてから参加し、それを全員でぶつけたときにイノベーションが生まれる、というものです。
イノベーションは人が集まれば生まれるものですが、事前準備をどれだけするかによって効率も上がります。リモート下では話し合いの場や時間が限られているため、普段の倍以上に「考えておく」といった準備をしておくのがよりセレンディピティなアイディアを生産するきっかけになるなかなと思います。

今後のオフィスの役割はどうなる?

オフィス
曽根:今後、半分リモート半分オフィスといった形を取っていきたいとのことですが、「オフィスに残すべき役割」は何だと思いますか?

三浦氏:私は、「自社のサービスを感じさせる場」であったり、「新たなイノベーションを生み出す場」としてあるべきだと思います。リモート下での業務だと個人のミッションに向かってだったり、どのように生産性を上げることができるか考えながら取り組みます。オフィスはひとりではなく誰かが必ずいる状況の中で働きますし、もちろんお客様にも来訪いただく場所ですので、私が考えるオフィスの役割は、新たな発想から新たなサービスを生み出し、会社そのものや会社の目指すべきもの体現する場所だと思います。

曽根:会社を体現する場としての役割は高まると思います。
私は最近「オフィスは象徴の場」という考えがすごく面白いと思ってます。例えば、オンライン上でしか見たことない社長にオフィスで遭遇して、「あ、社長って実在したんだ…(笑)」みたいなのを理解するとか、ユーザーにどのように価値が届けられているかを可視化することができるので、象徴としてのオフィスの役割は大きいよねという話は結構社内でもします。成瀬さんはいかがですか?

成瀬氏:そうですね…。もう機能だけしか持っていないようなオフィスは必要ないと思いますし、曽根さんから〝象徴〟といった話がありましたが、毎日ではなく時々出社するなら「ワクワク感みたいなものを感じられる場」だといいなと思いました。
何かワクワクするような仕掛けやアイディアを敢えて歩かせるような役割を持ち、多少非効率的だとしても行くのが楽しみになるような場所になるといいなと思います。

曽根:確かにそういったオフィスであれば思いがけない偶然も生まれそうですよね。
先ほどの話にもありましたが、オフィスに出社することで余白やゆらぎもできますし、新たなアイディアの可能性が広がるような、機能だけでなく何か意味のあるオフィスになっていくいいな、と、この話を通して感じました。

三浦さん、成瀬さん、ありがとうございました!

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