地方DXの課題とセキュリティ対策の必要性について解説!Lancers×ACSiON共催セミナー【開催レポート】

コロナ禍で急速に広まった「DX」。大手企業などでは対応が進んでいる一方、地方の中小企業ではまだまだ足踏みをしているケースが少なくありません。ネックとなっているのが、IT人材不足やセキュリティ面での不安です。

そこでランサーズではITセキュリティに詳しいACSiON(アクシオン)と共同で、中小企業を支援する地方銀行、地方自治体担当者を対象にオンラインセミナーを開催。地方DXの現在地とランサーズが進めるDX化支援の事例、そしてACSiONが取り組むITセキュリティ対策について解説しました。その内容の一部をご紹介します。

プログラム

  • 1部:コロナで加速したDX、地方DXの現状と未来を徹底討論!
  • 2部:地方DX究極のエコサイクル!銀行自治体をハブに「全国のプロ人材をフル活用した事業再生・改革」の仕組みを徹底解説
  • 3部:DXに潜む犯罪の影!強固なセキュリティーが支える地方DX企業の「信頼」「安心」その効果と必然性とは?

開催概要

  • 日時:2021年11月4日(木) 13:00~14:00
  • 場所:オンライン(zoom配信)
  • 主催:株式会社ACSiON、ランサーズ株式会社

登壇者プロフィール

安田 貴紀(やすだ よしき)

株式会社ACSiON代表取締役
凸版印刷を経てセブン銀行入社。ネットバンキングなど口座サービスの商品開発を担当。2018年にACSiONの立ち上げに参画し、19年より代表取締役。

篠原 智美(しのはら ともみ)

ランサーズ社員/旅する育児 主宰 NPO法人キッズバレイ理事
地方銀行、総合人材サービス会社などを経てランサーズ入社。スキルシェアの仕組みを活用した地方創生事業を発足、全国33自治体と連携し、子育て世代や移住者、転勤族、関係人口が活躍するリモートワークチームを構築。長野・群馬・東京の多拠点居住・パラレルワーク実践中。

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「DX化を進めたいが、やり方がわからない」「ITに詳しい社員がいない」「情報漏えいが心配」。地方の中小企業からはこういった声がよく聞かれます。

コロナ禍で対面の商談・販売が難しくなり、多くの事業者が売り上げの減少などに苦しめられています。そこでDX化に取り組もうとしても、今度はIT人材やノウハウ不足といった壁が立ちはだかります。

そこで今回のセミナーでは、まず中小企業が抱える課題について参加者に共有し、実際にDX化に取り組む事業者の事例を紹介。またDX化に必要なセキュリティ面での対策について解説しました。

<第1部>コロナで加速したDX、地方DXの現状と未来を徹底討論!

第1部ではまず、中小企業が抱える課題について篠原から情報を共有しました。

全国中小企業振興機関協会の調査によると、ITの利活用を進める際の課題として「導入効果がわからない、評価ができない」「社内にITに詳しい人材がいない、育成が困難」「従業員のITへの関心、情報リテラシーが不十分」「セキュリティ上の不安」をあげる企業が多い傾向にありました。

また現在、IT人材は東京などの大都市に集中しており、地域のデジタル化を推進する人材は不足。今後もこの傾向は続き、大都市と地方のDX格差は広がる可能性もあります。

安田代表からは「セキュリティ面の不安といっても情報漏えいやネット上のサービス利用に対する漠然とした心配などさまざまな種類がある。ほかの会社の事例などの情報を集めて、自社に適したセキュリティ対策を考えていくことが大事」というアドバイスがありました。

<第2部>地方DX究極のエコサイクル!銀行・自治体をハブに「全国のプロ人材をフル活用した事業再生・改革」の仕組みを徹底解説

第2部では、ランサーズが取り組む地方DX化支援の現状について篠原が解説しました。

DXという言葉は昨今盛んに使われているものの、人によって思い浮かべる内容は異なります。具体的には主に次の2種類のどちらかを指しています。

  • 守りのDX:ペーパーレス化など業務プロセスのデジタル化
    ex)業務処理の効率化、業務プロセス改革、データを活用したスピーディーな意思決定など
  • 攻めのDX:ビジネスモデル自体のデジタル化
    ex)商品・サービスの高度化、顧客接点の改革、ビジネスモデルの改革

ランサーズが主にサポートしているのは「攻めのDX」です。現在、地方銀行などを対象に顧客接点の抜本的改革を支援しており、その取り組みの一つが地域の金融機関との勉強会開催、人材マッチング支援などを行う「地域金融機関パートナー制度」です。

たとえば福井県の福邦銀行とは、ECサイト制作プラットフォーム「Shopify」を用いた地域の中小企業の越境EC(海外へのオンライン販売)支援を進めています。すでに福邦銀行から紹介を受けて若狭塗箸卸売業者、日本酒の製造・販売業者に対して、ランサーズに登録しているプロフェッショナル人材を紹介。Shopifyに精通し、地域にもゆかりがあるなど、事業者の希望に合った人材のマッチングができました。

篠原は「DX化は新たな販路開拓のチャンス。難易度が高いと考えられがちなIT人材の獲得も、ランサーズの活用など方法を選べば意外に簡単にできる」と説明しました。

<第3部>DXに潜む犯罪の影!強固なセキュリティーが支える地方DX企業の「信頼」「安心」その効果と必然性とは?

続いて第3部では、アクシオンの安田代表からDX化を進めるにあたり、多くの企業が心配しているセキュリティの問題について解説していただきました。

コロナ禍の2020年1月ごろからフィッシング詐欺の被害は急増。これまでターゲットにされていた金融機関のみならず、行政や家電量販店、携帯電話会社、食料品販売店など、フィッシング対策が遅れている業界に攻撃がシフトしています。

安田代表は「事業者によってはフィッシングが発生しても取られる情報がないと言われることがあるが、攻撃者はそのブランドに関心のある利用者の個人情報やカード情報を狙っている」「どの企業でも被害が発生する可能性はある」と注意喚起しました。

フィッシング詐欺対策では、フィッシングサイトを早期に発見し、サイトを閉鎖させることが被害を最小限に抑えるうえで最大のポイントです。

そこでアクシオンでは安田代表の銀行での勤務経験などを生かし、フィッシングサイトの早期発見、サイトを閉鎖させるテイクダウン活動などのサービスを展開。またDX化推進のツールとして、アクシオンが開発したオンライン本人認証サービス「proost(プルースト)」が活用できることをご紹介いただきました。

まとめ

  • 中小企業はIT人材・ノウハウ不足に悩んでおり、今後も大都市とのDX格差は広がる可能性が高い。DX化を進めるためにも、自社にあったセキュリティを考えることが大事。
  • ビジネスモデルをデジタル化する「攻めのDX」として、ランサーズがマッチングを支援。越境ECも一つの手段。
  • フィッシング詐欺は金融機関以外にも広がっており、対策が必要。

地方の中小企業にはどういったDX化の方法があるのか、事業者が抱くセキュリティ面での不安はどのように払拭できるのかといった点は、地方銀行や自治体の担当者にとっても関心が高い部分です。質疑応答でも「ほかの事例も教えてほしい」といった声がありました。

記事の中でも紹介しましたが、ランサーズでは「地域金融機関パートナー制度」を設け、地方銀行と協力して中小企業のDX化支援を進めております。ご関心をお持ちの場合は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

取材・文:ひろみね
https://www.lancers.jp/profile/Merry5
報道記者、大学職員を経てフリーライターに。インタビューやコラムなどを多数執筆している。