近年注目されている動画マーケティングに関して「自社でもやってみたいが、やり方がわからない」「そもそも動画を作れる人が身近にいない」という悩みを抱えていませんか?動画広告市場は2023年に5,065億円にのぼると試算されており、やり方がわからないままにするのは、大きな機会損失となる恐れがあるのです。
そのため、この記事では動画マーケティングのメリット・デメリットや具体的な手法について解説していきます。全て読めば、動画マーケティングが理解でき、自社で活用するために今何をするべきかわかるでしょう。
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目次
動画マーケティングとは
動画マーケティングについての知識が少ないと、具体的にどのようなことを指すのか、わからない人も多いでしょう。まずは動画マーケティングの概要を紹介します。
- 概要
- 目的
- 動画マーケティングが注目される背景
- 動画マーケティングの市場規模
それぞれの項目別に、解説していきます。
概要
動画マーケティングとは、動画コンテンツを活用したマーケティング手法のことです。
文章や画像と比べると動画は情報量が多いため、顧客へのアプローチの幅が広がります。
目的
動画マーケティングの目的は大きく分けて下記3点です。
- 認知度のアップ
- 商品やサービスの魅力発信
- 購入率や売上のアップ
情報量の多い動画マーケティングでは、上記の目的に対して高いマーケティング効果を発揮できるといえます。
動画マーケティングが注目される背景
注目される背景にはインターネットとスマホの普及・動画配信プラットフォームの誕生の2点があります。
インターネットとスマホの普及
通信インフラの拡充とスマートフォンの普及により、どこでも動画コンテンツを見られるようになったことが動画マーケティング普及の背景にあります。
これにより通信容量の大きさを気にせずに通勤・通学時やオフィスでの休憩時間、自宅など、あらゆる場所と時間に動画を閲覧できるようになりました。
動画配信プラットフォームの誕生
YouTubeやinstagramを始めとした動画配信プラットフォームが誕生したことも背景にあります。
動画配信プラットフォームの誕生による動画の拡散スピードの向上や閲覧者数の増加が動画マーケティングを加速させたといえるでしょう。
動画マーケティングの市場規模
動画広告市場は、2023年には5,065億円に達すると見込まれています。
比較として、2019年の国内家庭用ゲーム機(Nintendo Switch・ポケットモンスター等)の市場規模が4,368億円となっていることから、動画広告市場が非常に大きいことがわかるでしょう。
さらに5G技術の普及に伴い、今後さらに動画広告市場が拡大すると予想されます。
参考:動画広告市場推計・予測 | 株式会社サイバーエージェント
動画マーケティングのメリット
動画マーケティングには下記のようなメリットがあることで、注目を集めています。
- 低予算でも始められる
- 文字よりも情報量が多く、商材の訴求力が高い
- 動画マーケティングは配信先が豊富で高い広告効果を見込める
- 動画コンテンツはSEOの評価が上がりやすい
1. 低予算でも始められる
動画マーケティングは、高額という印象を持っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、実際のところ低予算でも始めることができます。
というのも、YouTubeといった無料の配信プラットフォームを活用すれば、運用コストを抑えられるからです。
さらに、動画制作会社やフリーランスに依頼する場合、ディレクション費用や間接コストをおさえることができれば、10万~20万円で発注することも可能です。
2. 文字よりも情報量が多く、商材の訴求力が高い
動画の情報量は文字や静止画の5,000倍といわれます。
つまり、1分間の動画で180万語、Webページに換算すると3,600ページ分の情報量を伝えられることになるのです。
そのため、文字や写真と比べてサービス・商品の訴求力が極めて高くなります。
3. 動画マーケティングは配信先が豊富で高い広告効果を見込める
ツイッター上で動画コンテンツがバズり、凄まじいスピードで拡散されるのを見たことがある人も多いでしょう。
このように自社のWebサイトだけでなく、YouTubeやInstagram、Twitterといった配信先が豊富で高い広告効果を見込めることが動画マーケティングのメリットといえます。
4. 動画コンテンツはSEOの評価が上がりやすい
動画コンテンツを自社のWebサイトに設置することでSEOの評価が上がりやすくなります。
これはGoogleの検索エンジンが動画コンテンツに価値があると認めているためです。
実際に動画があるページはないページと比較して約53倍の確率で上位表示が期待できるという調査結果もあります。
ただし現段階では動画の内容自体を検索エンジンが評価することはできないため「タイトル」「説明文」「タグ」などのテキスト情報を整えておくことがポイントです。
動画マーケティングのデメリット
動画マーケティングには下記のようなデメリットがありますので、導入前に確認しておきましょう。
- 動画制作をできる人材がいない
- 制作に時間がかかってしまう
- 外注が増えると高コストとなる
1. 動画制作をできる人材がいない
動画制作の基礎知識をもった人材が自社にいない企業が多い点はデメリットといえるでしょう。
「外注すれば問題ないのでは? 」と考える人もいますが、動画制作の知識やノウハウを持つ人がいないと的確な指示が出せず、いざ納品してもらっても「自分たちの考えていた動画と違う!」といったことになりかねません。
2. 制作に時間がかかってしまう
動画の制作に時間がかかることはデメリットでしょう。
動画制作には下記の工程があります。
- 打ち合わせ
- 見積もり・提案書の確認と比較
- 企画構成
- 動画の撮影
- 編集
動画の内容や尺によって変わりますが、基本的に納品までに1ヶ月程度はかかると考えておくと良いでしょう。
3. 外注が増えると高コストとなる
低予算でも始められると述べましたが、条件によっては高コストとなってしまうのが動画マーケティングのデメリットといえます。
動画制作には下記の費用がかかります。
- 人件費
- 企画構成費
- 撮影費
- 編集費
- ディレクション費
- シナリオ作成費
- 音響費
この他にも、撮影用のスタジオを利用する場合は施設費、タレントやインフルエンサーなど出演者に著名人を入れる場合はキャスティング費など細々した費用がかかります。外注する場合、これらをとりまとめるディレクション費用と、全体の構成を考える企画料が高くなる傾向があります。
撮影に必要な人数や場所、動画タイプ等によって上記の費用は変動しますが、安くても数十万円はかかると考えておくといいでしょう。
動画マーケティングの活用手法と戦略
動画マーケティングをうまく活用するために、まずは活用手法を知っておきましょう。具体的な活用手法について解説していきます。
動画マーケティングは6種類
動画マーケティングには、下記のような6種類の手法があります。
- インターネット上に動画形式の広告を出す
- SNSで動画マーケティングを行う
- 自社サイトに動画を表示させる
- インフルエンサーに依頼する
- メールマガジンで配信する
- オフライン広告を出す
インターネットで行う手法が主流ですが、オフライン広告と動画マーケティングを組み合わせるといった手法もあります。
インターネット上に動画形式の広告を出す
動画マーケティングの中でも有効なのが、インターネット上に動画広告を出稿する手法です。商品やサービスと直越接点のないWeb媒体にも動画広告を出稿できますので、これまで興味を持っていなかった人に対して認知を促せます。
ホームページやブログだけでなく、TwitterやInstagramなどのSNSへも出稿可能です。配信先によってユーザー層や適切な長さなど特徴が異なります。商材のターゲット層に合わせて配信先を選ぶのがポイントです。
SNSで動画マーケティングを行う
SNSの企業チャネル数は増加して、SNSマーケティングで動画を活用する企業が増えています。企業SNSの公式アカウントをフォロー/視聴する人は、元々提供する商品やサービスに興味があるユーザーが多いために、動画による商品・サービス訴求は高い効果を持ちます。
さらにSNSは拡散性が高く、うまくいけば高額な広告費用をかけずとも、短期間で多くの人に知れ渡ります。
企業が動画を活用するSNSは、YouTubeやTikTok 、Instagramのリール機能、Facebookなどが代表的です。
動画投稿の方が動画でない投稿より視聴数が多いという調査結果もあります。企業SNSを活用するなら動画マーケティングにも注力するといいでしょう。
自社サイトに動画を表示させる
YouTubeなどの企業SNSで動画を公開したら、その動画を企業の公式サイトにも設置しましょう。Webサイトを自ら閲覧しにきた人の目にとまるので、元々自社に興味がある人に対してアプローチできます。
おすすめの商品・サービスを紹介する動画や、職場の雰囲気を紹介する動画などを紹介する企業は多いです。
興味がある人が対象の動画ですので、広告動画のように短時間に収めなくても問題ありません。訪問者が求める情報を提供できるように意識して動画を作成し、自社サイトの目立つ場所に表示させましょう。
インフルエンサーに依頼する
動画マーケティングの代表的な手法のひとつに、インフルエンサーを活用する手法があります。ターゲット層に影響力が大きいインフルエンサーに、彼らの動画チャンネルで商品を紹介してもらうように依頼することで、商品やサービスの自然なPRが可能です。
例えばYouTuberやインスタグラマーなどに動画での商品・サービスの紹介を依頼することで、彼らのチャンネル登録者やフォロワーに商品やサービスをPRできます。
ただし視聴者は宣伝動画を嫌う傾向にあり、動画作りには工夫が必要である点は押さえておきましょう。
インフルエンサーは発信力が高いので、自社のターゲット層が視聴者層と同じインフルエンサーに依頼すると効果的にアプローチできます。
メールマガジンで配信する
ネットショップを運営している企業を中心に、ユーザーにメールマガジン(以下メルマガ)を配信している企業もあります。
以前は文章や静止画を用いてメルマガを配信するのが主流だったこともありました。しかし、メルマガに動画を活用する企業が増えています。
動画だと文章に比べてインパクトが大きく、読者の関心や興味を惹きやすいです。商品に対する理解も促進でき、クリック率の上昇や購入に繋がりやすくなります。
オフライン広告を出す
電車内やタクシー内の広告の一部が、紙媒体からデジタル広告に切り替わっています。それらのデジタル広告は動画広告が多く使われていますので、動画マーケティングを行う際は候補に入れてみましょう。
静止画と違って動画は被写体を動かせますので、静止画に比べて目に留まりやすい利点があります。
タクシーや電車は、時間帯によって利用者層が大きく異なります。例えば通勤時間の電車なら、ビジネス関連の広告が流されています。つまり、その時間帯に多く利用する人がターゲットになっている商品・サービスの広告を流すのがポイントです。
電車やタクシー内の液晶パネルの広告の他にも、紙媒体の広告にQRコードを掲載して、読み込んだら動画を視聴できる方式を採用する企業も増えています。
動画マーケティング(動画プロモーション)の成功事例3選
企業の動画を活用したマーケティングを目にする機会が増えました。企業の動画マーケティングの成功事例として、以下をご紹介します。
- 成功事例1. ファミリーマートの動画マーケティング
- 成功事例2. 富士通の動画マーケティング
- 成功事例3. 中小企業がYouTubeを活用した動画マーケティング
成功事例1. ファミリーマートの動画マーケティング
ファミリーマートの事例を紹介します。
この動画はコンビニオーナー加盟者を募集するための15秒間のテレビCMです。
コンビニオーナーになることで街の人々と繋がりができ、楽しく経営ができるということをコンセプトにしています。
成功事例2. 富士通の動画マーケティング
富士通の事例を紹介します。
この動画は「自分の家に、もしAI機能が備わったら。」というコンセプトの10分間を超えるサービスプロモーション動画です。
富士通が考える、AIが家族の安心を見守る未来の家のカタチを映像化しています。
成功事例3. 中小企業がYouTubeを活用した動画マーケティング
中小企業でも、動画マーケティングをうまく活用することで、売上増加に繋げられます。
名古屋を拠点にする「株式会社七色」という会社は、「塗り替え道場」というYouTubeチャンネルを運営しています。
YouTube動画の中心となっているのは、塗装会社の日常を伝える動画です。普段の仕事の風景をユーモラスに伝えることで注目を集め、再生数が多い動画では150万回再生に至ったものもあり、Youtube動画での収益も得られていると考えられています。
YouTubeチャンネルの視聴者を魅了したことで、本業の塗装においてもYouTubeチャンネルからの流入が得られています。中小企業でも活用できる方法ですので、参考にしてみてください。
動画マーケティングの手順
次に動画マーケティングの手順を3つの工程に分けて解説します。
動画マーケティングの目的を定める
まず初めに動画マーケティングの目的を定めましょう。
集客のためなのか、新商品の認知度向上のためなのかといった目的によって、制作するべき動画が変わります。
目的が曖昧なまま進めてしまうと、企画が途中で練り直しになったり、納得のいかない動画が仕上がったりする恐れがあるので注意が必要です。
目的を定めたら、そこから逆算して動画の内容を決めていきましょう。
目的に合わせた動画の具体的な内容を決める
目的を定めたら、それに合わせた具体的な内容を決めていきましょう。
動画の種類には下記のものがあります。
- ブランディング動画
- 集客動画
- 商品・サービス紹介動画
- 会社紹介・施設案内動画
ブランディング動画
自社のブランディングを目的とした動画ではコンセプトや伝えるべきブランドイメージを明確にすることが重要です。
商品の制作秘話や社風を表現したストーリー性のある動画などが良いでしょう。
プロモーション動画
プロモーションを目的とした動画では、動画の視聴を通じて何を達成するのかを明確にした上で「誰に」「何を」伝えるのか考えることが重要です。
面白い動画として拡散されれば視聴者の大幅な増加を見込めます。
集客動画
集客動画は主に自社のWebサイトに設置します。
見込み客に対して、動画で必要な情報を届けてサービスや商品に興味を持ってもらうことが重要です。
商品・サービス紹介動画
商品・サービス紹介動画では動画の特性を活かして、付加価値や機能といった目に見えない魅力を表現することが重要です。
また、消費者目線に立って訴求ポイントを絞ることも成功の秘訣といえます。
会社紹介・施設案内動画
会社紹介・施設案内動画では、ターゲットと自社ブランドのイメージを明確にする必要があります。
良い印象を持ってもらうためにポジティブな内容にするといいでしょう。
動画の配信先を決める
最後に制作した動画を公開する配信先を選定します。
主に下記の配信先があります。
自社のWebサイト
- YouTube
SNSを使う場合、広告として出すのが一般的です。
使用するSNSによって広告の見え方やユーザー層が異なるため、事前に特性を理解した上で最適な配信先を選びましょう。
動画制作の方法
次に動画制作の方法を3つ紹介します。
方法1. 動画制作会社に外注する
動画制作会社に外注するのが確実な方法です。
実績のある会社であれば、自社の目的に沿った品質の高い動画制作をしてくれるでしょう。
ただし、制作費用は跳ね上がるので注意が必要です。
安くても数十万円はかかることを覚悟しておきましょう。
方法2. 自社で動画制作を行なう
動画制作のノウハウや優れた人材を保有しているのであれば、自社で制作することも可能です。
制作に必要な機材やソフトウェアを用意さえすれば、制作会社に依頼するよりも安く抑えられる点はメリットといえます。
ただしクオリティの高い動画制作には工数がかかるため、プロにお願いした方が時間がかからなかったということは往々にして起こりえるでしょう。
方法3. フリーランスに依頼する
動画制作会社に外注できるほどの予算もなければ、自社に動画制作できる人材もいないという場合、フリーランスに依頼するやり方があります。
会社に外注すると数十万円かかる動画制作ですが、フリーランスに依頼すれば、適正な価格で動画制作できる傾向があります。
動画制作会社に依頼する場合、動画の企画はA社、実際の撮影はB社、撮影後の編集はC社、というように複数の企業を巻き込み受託制作しているケースがあり、中間マージンが発生しコスト増になることがあります。
フリーランスは個人で動いてくれることが多いため、無駄な中間コストやディレクション費を省き、適正コストで発注しやすい傾向があります。
ただし納期の遅延や、クオリティに納得がいかないといったリスクを最小限に抑えるために個人の実績を確認する必要があるでしょう。
▼費用相場の確認をしよう
【動画制作の費用相場は?】完成度の高い動画は外注しよう!
まとめ
動画マーケティングは、多くの情報量を活かしてブランディングやプロモーションを実現させるマーケティング手法です。
動画制作できる人材が自社にいないとしても、制作会社やフリーランスに依頼すれば実施可能です。制作会社に依頼するほど予算がなく、フリーランスを探すのは大変そうという方はランサーズのようなクラウドサービスを利用してみてはいかがでしょうか?
ランサーズは、1200人以上の動画制作フリーランスを抱えており、制作会社に依頼するよりも安価でスピーディーな対応が期待できます。
5Gの普及を背景に、今後さらに注目される動画マーケティングを今から始めてみましょう。
