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メールマーケティングとは?メルマガの目的とメリット、成功事例と配信方法を紹介

メールマーケティング

メールマーケティングは、企業がユーザーとのコミュニケーションにより情報を届け、アプローチを行うマーケティング施策のひとつです。SNSの活用が広まっている現代でもメールの利用者は多く、特に企業とのコミュニケーションでは欠かせないツールとなっています。本記事では、メールマーケティングの重要性やメリット、さまざまな手法について説明します。メールマーケティングの重要性を理解し、効果的に活用しましょう。

 

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メールマーケティングとは

メールマーケティング
メールを活用したマーケティング施策であるメールマーケティングの概要や目的を解説します。

メールマーケティングの概要と目的

メールマーケティングとは、企業がEmailを用いてユーザーとコミュニケーションを取り、情報発信によりアプローチを行うマーケティング手法のひとつです。集客やエンゲージメントの獲得などを目的として広く行われています。近年では、配信先ユーザーの趣向やタイミング、属性に合わせて、カスタマイズしたメールを配信する動きが活発になっています。

メールマガジンとメールマーケティングの違い

メールマガジン(メルマガ配信)はメールマーケティングのひとつです。一方メールマーケティングは、メールを使ったマーケティング施策そのものを指します。

メールマガジンが顧客に対してメールを一斉に配信するのに対して、メールマーケティングは個々の顧客に応じたさまざまなアプローチを行ない、売上向上などの目的を達成することが、おもな違いです。メルマガの特徴や手法については後ほどくわしく解説します。

メールマーケティングの10のメリット

メールマーケティング

メールマーケティングが重要視される背景にあるのが、ターゲットへのアプローチ方法やコストなど、マーケティングを有利に進められる多くのポイントです。メールマーケティングがもたらす10のメリットを解説します。

メールの利用者層に広くリーチできるため

現在、SNSの活用が進んでいるため、昔からあるメールツールを使ったマーケティングに疑問を持つ方もいるかもしれません。メールマーケティングの重要性は、利用者とツールの特徴を考えると理解しやすいでしょう。

SNSの利用者は若年層が中心のため、年齢層が上がるにつれリーチしにくい特徴があります。それに比べ、メールは基本的なビジネスツールとして年齢層にかかわらず多くの人が利用しています。

パソコンやスマートフォンなど、製品の利用にメールアドレスが必要となることもあり、若年層のユーザーでもメールアドレスを持っていない人は少ないでしょう。企業間や社外の関係者とのコミュニケーションも未だにメールが主流です。

【参考サイト:総務省「ICTサービスの利用動向」

企業が情報を伝えるツールとして、利用人数が多く幅広い世代にリーチできるメールを活用しない手はありません。

SNSよりも多くの情報を配信できる

TwitterやInstagramなどのSNSは、それぞれの特徴から文字数制限があったり視覚的表現が求められたりするため、企業が伝えたいことを存分に表現できない場合があります。メールツールでは情報量の制限なく、テキストや画像を用いてイメージに合わせたコンテンツ制作が可能です。

メールマーケティングは、企業が伝えたい情報を多くのユーザーに届けられる重要なマーケティング手法だといえるでしょう。

顧客と継続的なコミュニケーションが取れる

BtoBビジネスでは、購入決定までに複数の役職や部門がかかわります。比較、検討、商談、上層部の決定、契約締結、と検討~購入までのプロセスが多いため、期間が長くなるのが特徴です。

長期間におよぶBtoBビジネスにおいては、顧客の検討~購入のプロセスに応じた定期的なフォローが必要になります。ところが外回りや電話で営業担当者がすべての見込み顧客とコミュニケーションを取るのには、限界があるでしょう。

直接訪問をしなくても顧客とコミュニケーションが取れるメールマーケティングを活用することで、人的リソースを抑えながらも定期的かつ継続的に顧客へアプローチできます。

プロセスごとに最適なタイミングで、顧客へ有益な情報を提供できるため、見込み客が競合他社へ流出することも防げるでしょう。

検討度合いの高い顧客を抽出できる

メールマーケティングは、営業担当者によるアプローチよりも検討度合いや購買意欲の高い見込み顧客を抽出しやすいメリットがあります。

営業担当者によるアプローチには電話や外回りなどがありますが、いずれも対象としている顧客の検討度合いや商材への興味度合いがわからないまま行われることも多いです。そのため見込み顧客を抽出できる可能性が低くなっています。

メールマーケティングはメールを配信したあと、検討や興味の度合いが高い顧客は自社サイトや商材サイトへの訪問、問い合わせや資料請求などのアクションを自主的に起こしてくれます。

おのずと購買意欲の高い見込み顧客が抽出できるため、商談からの契約につながりやすいでしょう。

低コストで活用できる

メールマーケティングは、配信するシステムと、配信の効果を検証するツールの費用があれば活用が可能です。印刷代やはがき代、郵送料などがかかる紙のダイレクトメールより、かなりの低コストで導入できます。

低コストで活用できる

オウンドメディアやWebサイト、SNSなどで人気の高かった記事やコンテンツがあれば、メールへの流用も可能です。また、配信許可を得たユーザーが対象となるため反応を得やすく、費用対効果が高い特徴もあります。

導入や運用がしやすい

現代では、メールをビジネスのコミュニケーションツールとして用いている企業がほとんどです。

メールマーケティングは、見込み顧客のアドレスリストの活用や製品仕様や事例集などの自社サイトのコンテンツなどを再利用することで簡単にはじめられます。

ほかのWebマーケティングの手法に比べ、専門的な知識やスキル、特別な技術がなくても導入でき、運用もしやすいでしょう。

ユーザー属性に合わせた配信も可能

メールマーケティングでは、内容や配信タイミング、配信頻度など、ユーザーの属性に合わせた配信が可能です。全体に周知したい情報と、ユーザー属性により有益性が異なる情報を分けて配信することで、ユーザーごとに必要な情報をタイミングよく届けられ、より高い効果を期待できます。

効果を検証しやすい

効果を検証できるツールの導入で、メール到達率や開封率、クリック率、コンバージョン率、配信停止率などを確認できます。メール配信後に効果を検証し、どの内容をユーザーが有益と判断したかを分析すれば、ユーザーの反応からニーズを把握できます。また、思っていたより反応が悪いような場合でも、検証して改善を重ねることで今後の効率的な運用につながるでしょう。

Webを活用したアプローチに向いている

メールマーケティング以外にもマーケティングの手法は多くありますが、特にメールは、Webを活用したマーケティング手法と相性のよいツールといえます。

メールにオウンドメディアや商品ページ、資料ページ、自社サイトなどのURLのリンクを貼って他のメディアとの相乗効果を狙う、割引券やクーポンを添付するなどの施策ができるなどのメリットもあります。

営業活動の効率化

メールは電話や外回りによるアプローチよりも、多くの顧客に一斉にアプローチできるメリットがあります。営業やマーケティングの人的リソースが足りないときにも、メールマーケティングは有効です。

メールマーケティングの3つのデメリット

メリット・デメリット

多くのメリットが得られるメールマーケティングですが、運用やコスト面などで発生するデメリットに注意が必要です。メールマーケティングのデメリットを解説します。

長期的な運用が必要

メールマーケティングのデメリットは、長期的な運用が必要な点です。

ユーザーが情報を必要としているタイミングに合わせて、確実にメールを配信できるとは限りません。そのため、定期的に情報を発信し、継続してメールを読んでもらうことが重要です。ユーザーの趣味嗜好やトレンドを把握しつつ、変化に対して柔軟な対応が求められます。

ユーザーが読みたいと思うような有益な情報を配信しつづけるために、タイトルや内容といったコンテンツ制作、配信スケジュール作成などの手間もかかるでしょう。

マーケティングの成果をあげるためには、配信したメールへのリアクションを分析して改善点を洗い出し、定期的なコンテンツを見直すことも必要です。

メールマーケティングで効率的に成果を出すには、長期的な運用を行い、ユーザーニーズに合ったコンテンツ制作を行いましょう。

人的リソースが必要

メールマーケティングは顧客との継続的なコミュニケーションを取り、有益なコンテンツを配信し続ける必要があります。運用にはコミュニケーションやコンテンツ制作など、メールマーケティングを運用するための人的リソースが必要です。

社内に十分な人的リソースがない場合、メールマーケティングの運用業務は社員の大きな負担となります。基幹業務に支障が出て、業務実績や売上の低下につながるリスクもあるでしょう。

運用の負担を考え、場合によってはメールマーケティングの運用をアウトソーシングするなど、本業へ支障が出ないようにすることが重要です。

コストがかかる

メールマーケティングは低コストで運用できるマーケティングの手法ですが、まったくコストがかからないわけではありません。

メールマーケティング運用の担当者の人件費のほか、ツールやシステムを導入する場合には初期費用や月々の費用も発生します。

メールマーケティングは5種類!メールマーケの手法と特徴

メールマーケティング
メールマーケティングにはおもに5種類の手法があり、それぞれで目的や特徴が異なります。メールマーケティングの手法ごとの特徴を知って、メールマーケティングの効果を最大化させましょう。

メールマガジン

メルマガとも呼ばれ、配信リストの全ユーザーに向けて一斉に情報を発信する手法です。新商品情報や自社の取り組み、キャンペーン情報などを、幅広くユーザーに知らせる用途で用いられます。

メールマガジンは属性の異なるユーザーすべてに配信するため、どのユーザーにとっても有益で汎用性の高い内容であることが求められます。そのため、直接コンバージョンにつながる確率は低く、主にエンゲージメントや信頼性の獲得を目的として行われます。

BtoBのメールマガジンのコンテンツの内容としては、以下のものが有効です。

  • 自社業界のトレンド
  • ホワイトペーパー
  • ウェビナー(オンラインセミナー)やメディア掲載の紹介
  • ブログ記事
  • 導入事例
  • 商品やサービスの紹介
  • 無料プラン、お試し体験の紹介

BtoBのメルマガは、ビジネスシーンでもさっと読めるように以下の書き方のポイントをふまえて作成することが重要です。

  • 件名の文字数は30文字以内を目安に、重要な要素は前15文字以内に入れておくとよい
  • 有益感の出る「重要」「メリット」、限定感の出る「限定●社」「独自」、具体的な数字、「~にお悩みの方へ」「●●担当者向け」などターゲットをしぼった言葉を件名に入れると、読まれやすい
  • レイアウトと文字量を見て、読みやすい構成にする
  • 自社ならではの情報を盛り込む

BtoBのメルマガ向けのテンプレートなども活用するとよいでしょう。

メルマガの配信方法や注意点、書き方については以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。

メルマガ配信で注意すべき点とは?メール配信システムの機能や選び方も紹介

ターゲティングメール(セグメントメール)

ユーザーの属性に合わせて対象を絞り、ピンポイントに情報を配信する方法です。興味度合いに合わせた内容や、誕生日や近隣店舗限定のクーポンなど、ユーザー属性ごとに有益な情報を配信します。
属性に合った内容を配信するため興味を持ってもらいやすく、開封率やクリック率の向上が期待できる手法です。

ターゲティングメールの例として、「新商品情報に関するメルマガ配信後」におけるターゲットの分類と配信するメールの内容をまとめました。

ターゲット分類の元になる顧客のリアクションメールで配信する内容
メルマガを開封しただけ新商品への興味を高めるために業界のトレンドと新商品を関連付けた内容を配信
メルマガに載せたURLをクリック新商品に興味があるため、具体的な理解を深めるために導入事例やレビューなどの内容を配信
Webサイトの商品ページを見た購入や契約を検討している可能性が高いため、無料トライアルや他社との比較など、購買意欲を高める内容

ステップメール

ユーザーの思考に合ったメールを段階的に配信する方法です。資料請求や商品購入などのアクションを起点にして、設定したスケジュールに沿って複数のメールを段階的に配信します。

ユーザーごとに適切なタイミングで配信するため、徐々にユーザーの意欲に沿った情報を提供でき、成約やリピートなどの次のアクションにつながりやすい特徴があります。

ステップメールの具体例を以下にまとめました。

顧客の属性ステップメールの手順
新規会員登録済みの顧客1. サービス内容を紹介するメールを配信
2.サービスの利用方法を解説したメールを配信
3.サービス資料をダウンロードできる(ホワイトペーパー)メールを配信
自社サイトから資料請求済みの顧客1.お礼メールを即日に配信
2.自社製品の導入事例を配信
3.他社の製品と比較した内容やデータなどを配信
4.製品に関するセミナーやカンファレンスの案内を配信

リターゲティングメール

以前アクションを起こしてくれたユーザーに対して、次の行動を後押しするためのメールを配信する手法です。

例えば、以前製品の購入途中で離脱してしまったユーザーに対して、リマインドメールやクーポンの配布、セミナーの情報案内などを配信します。

ユーザーの自主的な行動をもとに配信するため、具体的な内容で興味を引き、サイトへの再来訪や購入行動を促す効果があります。
ターゲットごとに配信するリターゲティングメールは、主に以下の内容になります。

顧客の属性リターゲティングメールの内容
製品ページや自社サイトを見た見込み顧客製品導入の成功事例など製品に関するより具体的な内容
製品の購入を検討したものの最終的に購入しなかった見込み客製品の展示会やセミナーの案内など検討材料になる内容
セミナー参加済みなど、購入意欲が高い見込み顧客無料体験やトライアル紹介など、購入の後押しとなる案内

休眠顧客発掘メール

商談は行われたものの成約までいたらず、何らかの理由で離脱してフォローをやめた顧客を休眠顧客と呼びます。

休眠顧客に対して適切なフォローを行い、ふたたび自社との関係を活性化させるための取り組みが休眠顧客発掘です。休眠顧客へのフォローとして送るメールを、休眠顧客発掘メールと呼んでいます。

休眠顧客は過去に自社とかかわりをもっていたため、有益な情報を配信すれば再度取引が復活する可能性もあります。

休眠顧客発掘メールでは、状況確認や近況を尋ねる内容にくわえて、独自の情報やWebサイトではダウンロードできないホワイトペーパー、個別相談会の案内など、特別感のあるアプローチをして購買意欲を高めます。

ただし休眠顧客は一度離脱しているため、最終商談から半年ごとなど配信頻度はある程度の期間を空けることが重要です。短い頻度でメールを送っても状況が変わることは少ないです。

メルマガの配信方法や注意点、書き方については以下の記事で紹介しています。ぜひ参考にしてください。

メルマガ配信で注意すべき点とは?メール配信システムの機能や選び方も紹介

企業のメールマーケティング成功事例

契約
メールマーケティングは多くの企業に活用され、さまざまな実績を上げています。自社のメールマーケティング展開や導入のヒントにもなる、企業のメールマーケティングの成功事例を4つ紹介します。

リンナイ株式会社

リンナイ株式会社は、2015年に「システムキッチン用コンロ・DELICIA(デリシア)」購入者を対象に購入後の商品レビューを書くことを約束してくれた顧客にもれなく「ココット」もしくは「ココットダッチオーブン(DELICIAの付属商品であるグリル用専用調理器具)」をプレゼントする、商品プロモーションを展開しています。

6,000件集まったレビューからは「付属レシピが少ない」「もっといろいろなメニューを作りたい」という声が多かったためレシピ本を発売しました。

レシピ本をもっと多くのDELICIA利用顧客に認知してもらうために、従来のメールマガジンにくわえてDMも活用し、相乗効果で14.7%の顧客がレシピ本を購入する成果を上げました。

日本ロレアル株式会社

「皮膚科医が採用する敏感肌のためのスキンケア」をテーマにした日本ロレアル株式会社のスキンケアブランドが「ラ ロッシュ ポゼ」です。敏感肌の方や、できるだけ肌に負担をかけたくない方のためのラインとなっています。

ニッチなターゲットへ向けたマーケティングの手法としてメールマガジンの配信やWeb広告、ECサイトを展開してきました。

年に一度程度の非アクティブなユーザー向けに、商品の使い方やスキンケアについての内容、2回目に購入しやすいスキンケア商品をピックアップして訴求する内容、近況伺い、というようにタイミングや顧客属性に合わせたメールを配信しました。

結果として購買やリピート、休眠顧客発掘につなげています。

株式会社仙台銀行 × 株式会社仙台89ERS

地方銀行である仙台銀行と仙台をホームタウンとするプロバスケットボールチーム仙台89ERSのコラボ企画を実現したメールマーケティング事例です。

プロスポーツチームに対しては協賛企業(スポンサー)という立ち位置である地元企業が多い一方、メールマーケティングを活用したプロモーション企画により、コラボが実現しました。

マッチデイでのプログラムへのフライヤー配布によるプロモーション、ホームゲームでのVIPルームやチケットなどのキャンペーン提供権利など、ローン商材申し込みに向けた応募データへのナーチャリング(CRM)施策をメールマーケティング、Web広告、コラボマーケティングを組み合わせて実施しました。

結果、施策全体で約1,500件の将来顧客にリーチできて、メールのコンバージョン率28%を達成しています。

ヒラキ株式会社

リーズナブルな価格でシューズ類の販売を展開するヒラキ株式会社は、従来からのメールマガジンをリニューアルし、One to Oneによるメール配信を2016年よりスタートしています。メール経由で昨対比2倍の売上を実現しました。

「小さい子どもがいるため買い物をゆっくりできない」「価格が安いため購入して失敗しないか心配」「初回購入はお試し感覚が多い」という顧客ニーズを汲んでWebメールにカタログへのリンクを付ける、かご落ちメールやカタログ開封促進メール、初回購入の数日後に再購入をうながすメールなどを配信しました。

バースデーメールや休眠になりそうな顧客へのフォローメールも欠かさず送っています。

メールマーケティングの配信方法を流れに沿って解説

メールマーケティング

メールマーケティングの実施には、手順に沿った設計やメールの文面、コンテンツの作成が求められます。メールマーケティングの配信方法を、流れに沿って解説します。

1.メールの目的とKGI・KPIを設計する

メールを配信する目的を明確にしないと、マーケティング施策の方向性が見えて来ません。まずは目的を明確にするために、KGIとKPIを設定しましょう。

KGI(重要目標達成指数)とは、目標のゴールとなる指標のことです。「資料ダウンロード数を上げる」などの敢然とした目標ではなく、「月の資料ダウンロード数を●件」など、具体的な期日や数値を入れ込んで設定しましょう。

KPI(重要業績評価指標)とは、KGIを達成するために設定する指標のことです。「月の資料ダウンロード数を●件」がKGIなら、KPIではメール到達率、メール開封率、クリック数などを設定します。

KGIとKPIを設定することで目的が明確になるため、メールで配信するコンテンツの内容やアプローチの方向性が把握できるでしょう。

2.ペルソナを設定する

「ペルソナ」とは、性別、役職、趣味、年齢などの詳細なプロフィールまで設計して作り上げたマーケティングの対象となる顧客像です。

ペルソナを設定することで、自社の製品やサービスを契約する顧客のイメージが可視化できます。目標達成のための具体的な施策がわかるだけでなく、ペルソナを共有することでメールマーケティングへの方向性も一貫できるでしょう。

3.カスタマージャーニーの設定

カスタマージャーニーとは、KPIやKGIで設定した各目標に対して、設定したペルソナがどのような行動を取るかを設計したものです。カスタマージャーニーを設定することで、ペルソナが興味や関心のある情報、有益と感じる情報が把握できます。

4.メールアドレスや配信リストの準備

メールを配信するための配信リストを準備します。メールの配信先が少ない場合、メールマーケティングの正確な効果が把握しにくいです。配信先が多ければ、幅広い属性のユーザーを集められます。

配信先が不足しているときには以下よりメールアドレスを収集して配信先を増やすようにしましょう。

  • 営業先で交換した名刺
  • 展示会やセミナーで入手した名刺
  • 自社サイトのホワイトペーパーから収集した顧客の情報
  • メルマガに登録されている会員情報
  • アンケートの集計結果

配信先のメールアドレスが集まったら、配信リストを作成しメールアドレスを一元管理できるようにします。

5.メールコンテンツの作成

設定したペルソナとカスタマージャーニーを元に、メールで配信するコンテンツを作成します。メールの文面はターゲットによって変更し、有益な情報や興味や関心をひく情報を意識しながら作成しましょう。

6.ツールを活用してメールを配信

完成したコンテンツを、メールで見込み顧客へ配信します。メールは手動配信も可能ですが、大量のメール配信、さらにメール配信後の効果測定も効率化できる各種ツールやシステムを導入する方法がおすすめです。

メールマーケティングに活用できるおもなツールには「メール配信ツール」「マーケティングオートメーションツール(MAツール)」があります。

メール配信ツール

メール配信ツールとは、メール配信に特化した機能を持つツールのことです。以下のような機能を搭載しています。

  • HTMLによるメール作成
  • 自動配信
  • 配信先グループの設定と配信
  • One to Oneメール配信
  • 配信日時指定
  • ステップメール配信
  • 配信エラーの解析
  • 自動配信停止
  • データの収集と解析

メール配信ツールを導入すれば、メールの作成から配信、さらに配信後のデータ収集や解析まで効率化できます。

マーケティングオートメーションツール

マーケティングオートメーションツール(MAツール)とは、メール配信も含めたマーケティングに特化したツールです。

メール配信はもちろん、自社サイトへの訪問や閲覧、資料ダウンロードなどメール配信後の顧客の行動データも収集、分析できます。メール配信ツールよりも機能が多く、多角的なマーケティングの分析に有効ですが、その分コストはかかります。

最初はメール配信ツールのみを使用し、マーケティングが軌道に乗ったらMAツールの導入を検討するのもよいでしょう。MAツールを導入すると、ほかのマーケティング業務の効率化にもつながります。

7.配信結果から効果測定

メール配信後、配信結果から効果を測定します。設定したKGIやKPIをもとに、以下の項目を確認しましょう。

  • メールの到達率
  • 開封率
  • クリック数
  • コンバージョン率(CVR)
  • 配信エラー数
  • ユーザーの受信拒否数

データを分析後、原因を考えて改善点や今後の課題を洗い出します。

開封率が低かった場合は「メールのタイトルがわかりにくかった」「配信元の情報がわかりにくかった」などが原因と考えられます。メールタイトルや配信元情報を改善しましょう。

クリック率が低かったときには「ボタンの位置がわかりにくかった」「文字が小さく押しにくかった」「内容がわかりにくかった」などが原因のため、ボタンの位置や大きさ、コンテンツの内容を改善します。

改善後は、再度KPIの設定へ戻り、コンテンツを改善しながらメールマーケティングを運用していきましょう。

メールマーケティングで顧客へ効果的なアプローチを行おう

メールのリーチ力の高さを活用したメールマーケティングは、ユーザーとの関係性を構築し、エンゲージメントなどの獲得につながるアプローチを行えます。低コストで導入でき、多くのユーザーにリーチできるため、現在でも重要なマーケティング手法のひとつです。有益な情報配信を続けることで、サイト訪問や資料請求など、ユーザーからのアクションも期待できるでしょう。

メールマーケティングの重要性を理解し、配信対象や目的に適した手法を用いてユーザーとのコミュニケーションを行うことが重要です。

参考サイト:
https://jp.marketo.com/content/email-marketing-basic.html
https://mtame.jp/marketing_foundation/mail_marketing/#a03
https://www.innovation.co.jp/urumo/mail-marketing/

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