ビジネスの世界では避けて通れないマーケティング。「聞いたことはあるけど、自分の口では説明できない…」「任されたけど、具体的に何をやったらいいんだろう…」といった悩みを抱えていませんか?結論から言うと、マーケティングとは商品が「売れる仕組み」をつくることです。具体的な手法については多岐にわたるため本文で解説していきます。この記事を読めば、マーケティングの全体像が理解でき、自分がとるべき具体的な手法がわかるようになるでしょう。

目次
マーケティングとは? | 基礎を解説
まず初めにマーケティングの基本的概念について解説していきます。
マーケティングの概要
ビジネスの世界で飛び交うマーケティングという用語ですが、その意味を正しく理解できている人は少ないのではないでしょうか?
マーケティングとは一言で表すと「商品が売れる仕組み」を作ることです。
マーケティングという言葉に対して連想されることの多い、市場分析や戦略の策定といった活動はすべて商品が売れる仕組みを作るための一つの工程に過ぎません。
マーケティングの目的
かの有名なドラッカーによれば、商品が売れる仕組み作りであるマーケティングの目的は「販売を不必要にすること」です。
つまり、マーケティングが目指すものは顧客が本当に欲しているものを理解して、販売活動をせずともサービスや商品が自ずと売れる状態を作り上げることになります。
マーケティング業務は幅広くて大変!
次にマーケティング業務を5つに分けて解説します。
マーケティングの全体像を知ると、市場分析やプロモーションといった活動がマーケティングのほんの一部であることがよくわかるでしょう。
1. マーケティングリサーチ
マーケティングを行う際、まず初めに必要になるのがマーケティングリサーチです。
マーケティングリサーチとは、企業が商品開発やサービスの提供のためにユーザーが抱えている問題やニーズを調査することを指します。
競合のマーケットシェアや市場規模といった定量的な評価だけでなく、数値化できないユーザーの心理も調査することがマーケティングリサーチの特徴です。
マーケティングリサーチについて詳しく知りたい方は『マーケティングリサーチとは?手法や3つの事例もご紹介!』で解説しているので、ぜひご確認ください。
2. STPの決定
次にSTPを決定します。
STPとは、以下の3点のことです。
- セグメンテーション:市場の細分化(年齢・職業・収入など)
- ターゲティング :狙う市場の決定
- ポジショニング:自社の訴求ポイントの明確化
セグメンテーションで市場を細かく把握してから、ターゲティングでどの市場を狙うのか決めて、最後にポジショニングで競合との差別化や自社の訴求ポイントを明確にする流れになります。
3. マーケティングミックス
次にマーケティングミックスを定めます。
マーケティングミックスとは、構成要素の頭文字をとって4Pとも呼ばれるマーケティングの中の実行戦略のことです。
構成要素である4Pは以下の4つを指します。
製品(Product)
STPで定めた顧客のニーズを満たす製品コンセプトを定め、それを実現する製品やサービスを開発します。
製品はマーケティングミックスの中でも極めて重要な構成要素です。
価格(Price)
商品やサービスの適切な価格を決定します。
価格を定める上で、競合のプライシングや顧客の価格相場観、ブランディングといった観点が重要です。
チャネル(Place)
チャネルとは、製品やサービスを販売するための媒体のことです。
実店舗やテレビ通販、オンラインといった販路の中から最適なものを選ぶ必要があります。
プロモーション(Promotion)
プロモーションとは、製品やサービスの存在・機能・価値を効果的に伝えていく販売促進のための手段です。
インターネット広告やチラシ、テレビCMといった手段の中から適したものを選定します。
4. マーケティングミックスの実行
次にマーケティングミックスの実行です。
実行前の計画に落とし込む段階で、目標数字だけでなく「誰が」「何を」「いつ」「どのようにやるか」といったことも明確にする必要があります。
計画の落とし込みが完了したらそれに沿って実行しましょう。
5. 計画の管理と改善
最後に計画の管理と改善です。
マーケティング活動をただ計画通りに実行すれば良いわけではなく、PDCAサイクルを回し続けることが重要になります。
というのも、思った通りの結果が得られないことは往々にしてある事態で、その上で適宜修正する必要があるからです。
サービスによってマーケティング手法は変わる
次にマーケティング手法を全部で8点紹介します。
WebサイトやWebサービスを活用したWebマーケティングを細かく分けると、SNSマーケティングや動画マーケティングなど手法は多岐に渡ります。扱うサービスや商品によって適したマーケティング手法が変わるため、手法の選定は適切に行いましょう。
SNSマーケティング
SNSマーケティングとは、TwitterやFacebookといったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用して、企業や商品の認知度、コンバージョン(商品購入や会員登録など何かしらの成果)などを高めていくマーケティング手法のことです。
企業と顧客が直接コミュニケーションをとれるため、顧客の共感を生みやすく、ファンを作りやすいというメリットがあります。
その一方で、やり方を誤ると炎上を引き起こしブランドイメージを低下させる恐れがあるため、注意が必要です。
関連:SNS運用の代行
動画マーケティング
動画マーケティングとは、テレビCMやYouTube動画などを使ったマーケティング手法のことです。
テキストや画像と比較すると情報量が極めて多いため、訴求力が高く、印象に残りやすいといった特徴があります。
動画マーケティングについて詳しく知りたい方は『動画マーケティングとは?目的や動画制作の方法、メリット・デメリットをご紹介』で解説しているので、ぜひご覧ください。
印刷物マーケティング
印刷物マーケティングとは、顧客が購読している新聞や雑誌などの出版物に自社の記事やコンテンツを掲載するマーケティング手法のことです。
O2Oマーケティング
O2OマーケティングのO2Oとは「Online to Offline」を意味しています。
Webサイトやアプリといったオンライン上で来店動機となるメリットを提示することで、オフラインに顧客を誘導する施策のことです。
典型的な例として、オンラインサービス上での割引やサンプル提供のクーポンの発行があげられます。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、一貫性のあるコンテンツを発信し続けることを通じて見込み客を獲得するマーケティング手法のことです。
例えばブログやYouTubeの個人チャンネルがコンテンツマーケティングに該当します。
他の手法と比較すると、価値あるコンテンツを発信し続ける労力が大きいですが、一度興味を持ってもらえると顧客が自発的に目を向けてくれるようになる点は大きなメリットです。
コンテンツマーケティングについてより詳しく知りたい方は『コンテンツマーケティングとは?効果やメリット・デメリット、実践方法を解説』からご確認いただけます。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、主にSNSで多くのフォロワーやファンを持つインフルエンサーをプロモーションに起用するマーケティング手法のことです。
インフルエンサーマーケティングの特徴として、ターゲティング が比較的しやすいということがあげられます。
例えば、美容系ユーチューバーを起用して、動画内で商品紹介をしてもらうと、必然的に美容に対する関心のあるユーザーに対してアプローチできることになるのです。
MAツールを用いたメールマーケティング
マーケティングオートメーション(通称MAツール)を用いてメールマーケティングを実施する手法です。
MAツールを使えば、今まで手動で行っていたメール作成や顧客リストの精査、顧客のサービスに対する興味レベルによって適切なメールを自動配信することが可能です。
メールマーケティングだけでなくウェブサイトの分析、キャンペーンの管理といった業務をMAツールで一括管理することで、従来のメルマガ配信よりも効率的にマーケティングを行うことが可能です。
オムニチャネル
オムニチャネルとは、一言で表すと「あらゆるメディアで顧客との接点を作り、販路を意識させない販売戦略」のことです。
あらゆるメディアというのは、実店舗やECサイトなど全てのチャネルを指します。
これにより、ECサイトの商品を店舗で支払って、近所のコンビニで受け取るといった購入体験ができるようになりました。
【担当者必見】マーケティングの内製化と外注のメリット・デメリット
次にマーケティング業務の内製化と外注の双方のメリット・デメリットを解説します。
内製化のメリット・デメリット
マーケティング業務を内製化するメリット・デメリットを解説します。
内製化のメリットは以下の3点です。
- 自社サービスや業界の理解があるため、ユーザーニーズを捉えやすい
- 社内にノウハウが蓄積される
- 社員の育成につながる
一方、内製化のデメリットは以下の2点です。
- 人件費がかかる
- 知識やスキルの習得に時間がかかり、すぐに効果を得られない
実際にWebマーケティング業務の内製を検討しているシーンを想像するとわかりやすいです。
内製であれば、「既存のユーザーにどのようなコンテンツがウケるか」といったことが比較的イメージしやすくなります。
また、Webマーケティングのスキルを持つ社員が育ち、ノウハウも蓄積されていくため、長期的に見ればメリットが大きそうです。
その一方で、社員に時間をかけてスキルや知識を身につけてもらう必要があるため、人件費がかかる上に、短期的な成果を出すのは難しいでしょう。
外注のメリット・デメリット
次に外注するメリット・デメリットを解説します。
外注するメリットは以下の2点です。
- 社内の人的資源を他の業務に充てられる
- 大量のコンテンツ制作が可能
一方、外注するデメリットは以下の3点です。
- ノウハウが蓄積されにくい
- マーケティングのスキルを持つ社員が育たない
- 外注に費用がかかる
Webマーケティング業務の外注で想像してみましょう。
外注すると、慣れないWeb業務の初期設定から運用まで、豊富な知見を持つプロが一貫して行ってくれます。そのため、成果が出るスピードが早い上に、自社の社員を他の業務に充てることが可能です。
また、Webメディアにコンテンツ(動画やコラム等)を載せたい時、外注することで短期間のうちに大量のコンテンツ制作が可能となります。
その一方で、マーケティングのスキルを持った社員が育たず、ノウハウも蓄積されにくいです。
また、外注には当然費用がかかります。
案件次第では、月額10万円以下から外注可能ですが、「メディア運営を全て引き受けてもらいたい」といった依頼の場合は、月額50万円を超えることが一般的です。
ただし、法人ではなくフリーランスに依頼することで作業を部分的に発注することができ、費用調整をすることも可能です。外注を検討する場合は、制作会社とフリーランスをうまく使い分けるといいでしょう。
マーケティング業務の外注事例
次にマーケティング業務の外注事例を2つ紹介します。
外注事例1. 株式会社 才流 (SAIRU Inc)
株式会社Shirofuneが、BtoBマーケティング支援を手掛ける株式会社才流に外注した事例を紹介します。
外注の背景は、プロダクト作りを志向する社員が多く、社内でマーケティングを引き受ける社員がいなかったというものです。
マーケティングの実行を全て才流に任せており、1ヶ月でターゲットリードを200件以上獲得した実績があります。
コンテンツ作成からプライシング変更まで。深く入り込んだマーケ支援ができるのは才流ならでは|株式会社Shirofune
外注事例2. フリーランス活用事例(ランサーズ株式会社)
次にfreee株式会社が法人ではなく、フリーランスを活用した事例を紹介します。
外注の背景には、専用Webサイトの立ち上げに必要な人材の不足がありました。
人材不足でサイトの立ち上げの断念すら考えた状況でしたが、外注の結果、たったの1ヶ月という圧倒的なスピード感でWebサイトの立ち上げに成功しました。
freee株式会社のご利用事例
まとめ
マーケティングとは「商品が売れる仕組み」を作る全ての工程を指す言葉です。
戦略の策定や市場分析、チャネルの選定からサービスの開発まで、極めてやることが多く誰か1人で完結できる業務ではありません。
とはいえ、社内にスキルを持った人材が都合よくいるとは限らないでしょう。
そんな時は、プロにお願いできるマーケティングの外注を検討してみてはいかがでしょうか?
特にフリーランスの活用であれば、会社に依頼するよりも適切な価格で引き受けてもらうことが可能です。
プロの力を借りて「販売を不必要にする」マーケティングを今からはじめてみましょう。
