新規事業やサービスを行う上で欠かせないのが、ユーザーインタビューです。データだけではわからない意見や課題、ニーズをユーザーインタビューにより知ることができ、新規事業やサービスに活かせられます。
そんなユーザーインタビューをターゲットに依頼したいと思っても、どうやって募集したらいいのか、謝礼はいくらにすればいいのか悩むもの。
ユーザーインタビューの実施を検討している方のために、意見をしっかり集められる5つの手法や、謝礼の相場などをご紹介。募集方法や謝礼の相場を押さえ、ユーザーインタビューを成功させましょう。

目次
ユーザーインタビューがもたらす効果
ユーザーインタビューとは関心のあるテーマを知るために、一人のユーザーに対して質問を行うものです。ユーザーインタビューを行うことで、サービスや商品、サイトやアプリケーションなどについて、ユーザーからどう思われているのか知ることができます。
商品やサービスなどの改善のアイデアは、ユーザーが持っているもの。どんな部分が良かったのか、どの点が印象に残ったのかといった質問を投げかけていくことで、改善案などが得られます。
ユーザーインタビューを募集するための5つの手法
商品企画やサービスの改善など、さまざまな場面で利用できるユーザーインタビュー。そんなユーザーインタビューを効果的に集めるために、初めて行う方でも実施できる募集方法を5つご紹介します。
インタビュー方法①:機縁法
機縁法とは、ユーザーインタビューの協力者を募るために人を介して探し出す方法。友人や同僚、知人といった繋がり、ネットワークでの紹介を通じて、条件に合う対象者を見つけることが可能です。
機縁法は人から人の紹介なので、紹介者の信頼を損なうようなことがほとんどなく、約束を守れる方が集められるのがメリットです。また機縁法は人を介することで、インターネットにアクセスしにくい層(お子さんや高齢者、富裕層など)にもアプローチできます。
インタビュー方法②:スクリーニング法
ユーザーインタビューの対象者を絞るため、最初にアンケート調査を行うやり方です。
インタビューの対象となるイメージを落とし込んだ簡単なアンケートを作成し、該当する方を選定していきます。
最近ではインターネットを利用してアンケートを行うのが一般的。自分たちで1から行うと手間のかかるスクリーニング法も、クラウドソーシングを利用すれば、適切な価格でスムーズにアンケートを募ることができます。
スクリーニング法はアンケート作成や送付の手間が掛かるものの、機縁法よりも幅広い範囲からインタビュー対象者を探し出せるのがメリットです。
インタビュー方法③:クラウドソーシング
より多くの母数の中からインタビュー対象者を募りたい場合は、クラウドソーシングで直接募集するのも選択肢の一つ。
ユーザーインタビューの募集を掲載することで時間や場所にとらわれず、対象者を幅広く募ることができます。適切な価格でインタビューがお願いできるのもメリットです。
クラウドソーシングを利用してユーザーインタビューの対象を募る際は、複数のサービスの利用や、対象者に合わせてサービスを変えることもおすすめ。対象者を効率よく募ることができます。
インタビュー方法④:自社のサービスを利用している方にインタビュー
すでに自社の商品が販売されていたり、サービスがリリースされていたりする場合は、実際に利用している方にインタビューするのも手段の一つです。
顧客のデータベースや営業の管理リストからインタビューしたいと思うユーザーをピックアップし、メッセージを送ってアポを取ります。
自社のサービスをすでに利用している方であれば、ほぼノーコストでユーザーインタビューが行えるでしょう。
インタビュー方法⑤:マッチングサービス
ビジネスやプライベートなど、さまざまな場面で利用されているマッチングサービスの中には、ユーザーインタビューで利用できるものもあります。
ユーザーインタビューで利用できるマッチングサービスの中には、チャットにて1対1でやり取りできるものもあり、顔が見えない分対象者がリラックスしやすく本音が聞きやすいです。
ただし、マッチングサービスはマッチするまで時間が掛かったり、相手から返信が来なかったりする場合があるため、他の方法と並行して行うのがおすすめです。
ユーザーインタビューのおすすめの実施方法
ユーザーインタビューを行うにはどうすればよいのでしょうか。具体的な実施方法を2点、解説していきます。
調査会社に任せる
- 多くの人へのユーザーインタビューを行いたい
- インタビューフローの作成や対象者の募集もお願いしたい
- インタビュー後のレポートの作成なども一括でやってもらいたい
そんな時は、調査会社にお願いするのがおすすめです。
調査会社ならさまざまなリクルート手法で人を集めたり、豊富な経験を持つモデレーター(司会者)がバランス良く話を振りながらユーザーインタビューを進めてくれたりします。
費用は掛かるものの、調査会社ならワンストップで行えるのがメリット。ノウハウを持っていない方でも、ユーザーインタビューが実施できます。
自分たちで行う
ユーザーインタビューは調査会社にお任せするだけでなく、自分たちで行うことも可能です。
1.事前準備(質問リストの作成や参加者の募集など)
2.インタビューの実施
3.意見をフィードバック
という流れで、ユーザーインタビューを行っていきましょう。
【ユーザーインタビューの進め方】
ユーザーインタビューを行う際に気を付けたいのは、インタビューの進め方。
「はいorいいえ」「AかB」というようにどちらかの答えを選択させるのではなく、オープンエンド型質問(自由に回答できる質問)を行いましょう。そうすることで、潜在的なニーズを知ることができます。
【ユーザーインタビューで気をつけたいこと】
ユーザーインタビューを自分たちで行う際は、誘導尋問や反発心を招きかねない「なぜ」という言葉を投げかけるのはNG。代わりに「〇〇について教えてください」と、質問の仕方を変えるのがおすすめです。
質問の仕方に気をつけて、インタビューを進めていきましょう。
【自分たちで行うなら、クラウドソーシングの利用もおすすめ】
インタビューを行うのが難しい場合は、クラウドソーシングを利用するのも一つの手段。
直接対象者を探すだけでなく、ユーザーインタビューにノウハウを持つフリーランスのインタビュアーを探すことができ、適切な価格でお願いできます。
インタビュー自体はフリーランスの方に任せ、それ以外は自分たちで行うのも選択肢の一つです。
ユーザーインタビューの費用相場
ユーザーインタビューを行う際、実際にどれくらいの費用が掛かるのでしょうか。
調査会社に任せる場合や直接インタビューを行う際の謝礼、クラウドソーシングでの相場をご紹介します。
調査会社に依頼した場合の費用相場
ユーザーインタビューを調査会社に任せる場合、基本料金に加えオプション料金がかかります。
基本料金以外にかかる費用は次の通りです。
- 企画費
- リクルート費
- モデレーターの費用
- インタビュー対象への謝礼
- 報告書の作成費
- 会場費
など。
上記の費用は必ずしもかかるものではなく、自分たちで行えばコストを抑えられるものもあります。
ユーザーインタビューはインタビューをするターゲットの人数や、どこまで任せるのかによって費用が異なるため、相場はまちまちです。
価格の参考として、調査会社大手2社の費用をご紹介します。
▼株式会社マクロミル
1対1で行うデプスインタビューの基本料金:190,000円から(6名実施)
費用例:アルコール飲料に関するインタビュー
事前調査やインタビューフロー設計、分析や発言録・レポートなどの納品物がある場合、サンプル数12人で費用の合計は2,700,000円。
▼株式会社アスマーク
6人に対するインタビュー。対象者のリクルートや調査票のチェック、修正、提案を合わせた料金:118,400円(税別)。
ユーザーインタビューの謝礼の費用相場
ユーザーインタビューを自分たちで行った場合、対象者に払う謝礼の相場は60分のインタビューで8,000円から12,000円ほど。
インタビュー時間が増えると、その分謝礼も増えていくことも覚えておきましょう。
(目安:90分で15,000円)
インタビュー対象が一般企業の上級管理職や医者などになると、テーマによっては60分で謝礼が20,000円を超えることもあります。
クラウドソーシングの費用相場
クラウドソーシングでインタビューを直接募集する場合、費用の相場は一人当たり500円から5,000円前後です。内容やインタビュー時間によって、費用が異なります。
フリーランスの方にインタビューから原稿執筆までお願いする場合の相場は、5,000円から12,000円程度です。こちらも内容やインタビュー時間によって費用が異なります。
関連:インタビューのコツや依頼方法
ユーザーインタビューを成功させて新規事業やサービスに活かそう!
新規事業やサービスに活かせる意見を取り入れるためには、ユーザーインタビューが不可欠です。
ユーザーインタビューは調査会社に任せてもいいですし、クラウドソーシングを利用して自分たちでやることもできます。
クラウドソーシングのランサーズなら直接インタビューを募ったり、ユーザーインタビューができるフリーランスのインタビュアーを見つけたりすることも可能です。
ユーザーインタビューを成功させ、新規事業やサービスに活かせる意見をしっかり集めましょう。
