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格調高くしなやかに!個性を演出する筆文字ロゴの作り方

生活の様々な場面で目にするロゴ。アルファベットを組み合わせているタイプが多いように感じますが、筆文字のロゴも、様々な業種や業界で使用されています。
しかし、ひとくちに筆文字といってもフォントや色を変えるだけでガラリと印象が変わるもの。いざ作成しようと思っても、悩みどころは満載です。今回は筆文字ロゴの作り方について、実例をまじえてご紹介します。

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筆文字ロゴとは?筆文字ロゴが与える印象は?

筆文字ロゴ、ときくと、皆さんはどんなお店やサービスを思い浮かべるでしょうか。素材にこだわったスープが自慢のラーメン店?それともきな粉のパフェやあんみつが食べられる和風カフェ?肴と地酒が楽しめる居酒屋?

平成25年に「和食(日本人の伝統的な食文化)」がユネスコ無形文化遺産されるなど、国内外でもそのヘルシーさとおいしさが注目されている和食。四季をたくみに織り込んだ見た目の美しさにもこだわる和風の飲食店は、筆文字のロゴが和食のおいしさをあますことなく表現してくれそうです。

飲食店ばかりではないかもしれません。浴衣や着物のレンタルサービス、全国から選び抜いた和食器を並べたセレクトショップなど、日本の文化や伝統に根ざしたお店やサービスも、筆文字ロゴがよく似合います。

このように、筆文字ロゴを採用しているお店は職種も雰囲気も様々。筆文字ロゴのフォントにも様々なものがあり、各店舗、サービスともにそれぞれがぴったりと考えるフォントを使っています。

筆文字が与える印象は、はんなりとした柔らかさだったり、鮮やかな墨痕に想起される勢いだったり。扱うものの雰囲気に合わせたフォント選択が、お店やサービスの周知、そして集客にもつながります。

それでは、実際にカラーやフォントの異なる様々な筆文字ロゴを比較し、それぞれが与える印象についてチェックしてみましょう。

筆文字のロゴ事例

今から挙げる13の筆文字ロゴは、異なる業種の筆文字ロゴです。フォントも色使いも十人十色で、共通しているのは「筆文字である」ことのみ。13個をただ並べてみても見づらいので、「カラー」、「筆文字以外の要素」という2つの比較項目を設けました。それぞれのチェックポイントから13個のロゴを見ることで、筆文字ロゴが与える印象や可能性が見えてくるのではないでしょうか。

文字を認識する前にパッと目に飛び込んでくる要素である、「色」。筆文字は墨の色である黒がまず思い浮かびますが、複数の色を用いた筆文字ロゴもあります。といってもやみくもにカラフルにすれば良いというわけではなく、配色にはセンスが問われます。

また、日本語の分からない海外のゲストに、パッとイメージを伝えるためにはイラストや図形も効果的。文字とイラストや図形を組み合わせることで、アピールしたいことを的確に、そして万人に伝えることができるといえます。

それでは、13個の事例を「イラストとの組み合わせ」、「図形との組み合わせ」、そして「文字のみの構成」、この3種類にグループ分けし、それぞれがもたらす効果をチェックしてみましょう。

イラストの組み合わせ(3色以上)

「浜銀」のロゴ

藍色の背景に跳ねる魚、波の模様が粋な雰囲気を醸し出しています。右上の紋が、運営元である290年以上続く老舗旅館の風格をアピールしています。

このロゴデザインは、当選報酬25,600円、募集期間4日で集まった33件のデザイン案の中から採用されています。コンペの募集内容やその他のデザイン案も確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

浜銀のロゴコンペを確認する

「伝承プロジェクト」のロゴ
群青色と黒い筆文字が清々しい印象です。2色の組み合わせを、朱色とハサミのシルバーカラーがワンポイントとなり、きりりと引き締めているのが分かります。理美容師に関連するプロジェクトだということを、ハサミのイラストがさりげなくアピールしています。

このロゴデザインは、当選報酬21,600円、募集期間13日で集まった21件のデザイン案の中から採用されています。コンペの募集内容やその他のデザイン案も確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

伝承プロジェクトのロゴコンペを確認する

「鳴子屋一座」のロゴ
柔和な印象に仕上げた筆文字ロゴです。下部の薄墨カラーが日本的で格式高いイメージを演出しています。鳴子の紋をメインに置くことで、和太鼓劇団の雰囲気を的確に表現しています。

このロゴデザインは、当選報酬21,600円、募集期間14日で集まった21件のデザイン案の中から採用されています。コンペの募集内容やその他のデザイン案も確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

鳴子屋一座のロゴコンペを確認する

「温泉宿「倭荘」」のロゴ
背景の和紙風なテクスチャーが和の雰囲気を醸し出しています。ロゴと組み合わせた筆文字のフォントはぽってりとしていて堂々としたイメージ。アルファベットを用いた紋が、湯治宿を現代風に提供する温泉宿であることを的確に表現しています。

このロゴデザインは、当選報酬54,000円、募集期間9日で集まった85件のデザイン案の中から採用されています。コンペの募集内容やその他のデザイン案も確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

温泉宿「倭荘」のロゴコンペを確認する

イラストの組み合わせ(2色)

イラストの組み合わせ(2色)
筆の柔らかさを活かしたイラストが印象的な筆文字ロゴです。にぎやかなデザインも、黒色と朱色で統一することで散らかった印象にはなっていません。力強さを感じさせる赤い円とそこからはみ出すような造形から元気な雰囲気が伝わってきます。

このロゴデザインは、当選報酬30,000円、募集期間4日で集まった47件のデザイン案の中から採用されています。コンペの募集内容やその他のデザイン案も確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

立ち飲み屋「ちかっぱ」のロゴコンペを確認する

「訪日外国人むけ寿司握り体験ツアー」のロゴ
こちらもイラストが目立つ筆文字ロゴです。朱色をメインすることで、明るいイメージになり、海外のゲストの目に留まりやすい色になっています。寿司を握る手は、日本語の分からない海外のゲストにもツアーの内容がひと目でわかるピクトグラムの役目を果たしています。

このロゴデザインは、当選報酬21,600円、募集期間6日で集まった29件のデザイン案の中から採用されています。コンペの募集内容やその他のデザイン案も確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

訪日外国人むけ寿司握り体験ツアーのロゴコンペを確認する

「中野七頭舞」のロゴ
色数をおさえたことにより、デザイン性の高い文字がひときわ映える筆文字ロゴです。文字に跳ね上がるような勢いを感じさせます。

このロゴデザインは、当選報酬37,800円、募集期間14日で集まった40件のデザイン案の中から採用されています。コンペの募集内容やその他のデザイン案も確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

中野七頭舞のロゴコンペを確認する

「豪商」のロゴ
シンプルですが、力や勢い、老舗の雰囲気を感じさせるロゴです。家紋風のマークは、文字情報と組み合わせて見ることで、記憶に残りやすいデザインといえます。

このロゴデザインは、当選報酬54,000円、募集期間9日で集まった36件のデザイン案の中から採用されています。コンペの募集内容やその他のデザイン案も確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

豪商のロゴコンペを確認する

図形との組み合わせ

図形との組み合わせ
モーヴカラーと朱色がやさしい風合いです。柔らかいフォントに配した2つの円が調和や安心をイメージさせます。

このロゴデザインは、当選報酬21,600円、募集期間13日で集まった18件のデザイン案の中から採用されています。コンペの募集内容やその他のデザイン案も確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

季の結びのロゴコンペを確認する

「アパートの看板「桜」」のロゴ
黒地に白抜き、ビビットなカラーが印象的。漢字の点を花びらにするというアレンジが、シンプルなロゴに個性を与えています。

このロゴデザインは、当選報酬21,600円、募集期間14日で集まった83件のデザイン案の中から採用されています。コンペの募集内容やその他のデザイン案も確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

アパートの看板「桜」のロゴコンペを確認する

文字のみの構成

文字のみの構成
黒い背景が格式を感じさせるデザインです。赤い印がワンポイントになっています。しなやかなフォントを最大限に活かしたロゴといえます。

このロゴデザインは、当選報酬54,000円、募集期間9日で集まった64件のデザイン案の中から採用されています。コンペの募集内容やその他のデザイン案も確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

割烹 旬水 Kappo Shunsuiのロゴコンペを確認する

「旬菜遊膳しみず」のロゴ
やわらかなフォントと色味を抑えたデザインが格式の高さを醸し出す筆文字ロゴです。余計なものを入れないシンプルさが、料理店の格式を感じさせます。

このロゴデザインは、当選報酬21,600円、募集期間5日で集まった36件のデザイン案の中から採用されています。コンペの募集内容やその他のデザイン案も確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

旬菜遊膳しみずのロゴコンペを確認する

「炭火焼肉 喬」のロゴ
白抜き、黒抜き、ともに勢いを感じさせるデザインです。大きく置かれた文字が豪快なインパクトを見る人に与えます。

このロゴデザインは、当選報酬21,600円、募集期間6日で集まった63件のデザイン案の中から採用されています。コンペの募集内容やその他のデザイン案も確認できますので、ぜひ参考にしてみてください。

炭火焼肉 喬のロゴコンペを確認する

イラストや図形を用いたロゴは2色ないし、3色で制作されており、文字のみで構成されているロゴは2色以内の色味をおさえたデザインが多いことが分かります。ロゴ作成の際は、アピールしたい内容に合わせて、色使いやデザインについてアイデアを練る必要があるのです。

それでは、次に具体的な作成方法について調べてみましょう。

筆文字ロゴの作成方法

実例を見たところで、具体的な筆文字ロゴの作成方法についてご紹介します。

筆文字の既存フォントを用いて自分で作成する

最も手軽にできるのは、筆文字の既存フォントを用いて自分で作成する方法です。ペイントツールや筆文字が書けるアプリを使用するなど、無料で筆文字ロゴを作成する方法はいくつもあり、それらを使えばコストを抑えることができます。

しかし自分でアプリを作成する方法は、「細部にこだわることができない」のがデメリットです。ロゴは、店舗や事務所だけでなく、SNSやセールスレターなど、様々なシーンで使用するもの。手軽に作れるからといって中途半端なものを作成するのは、事業そのもののマイナスになりかねません。

プロフェッショナル向けのデザインソフトで作成する

こだわりの筆文字ロゴを自分で作成したい場合、アプリを使うよりも幅広いデザインが可能なプロフェッショナル向けのデザインソフトIllustratorを使う方法もあります。しかし、自分でソフトを使って作成する場合に気になるのは「著作権」です。

創作的に表現したものは、有形無形に関わらず「著作物」といい、その創作性の有無を「著作物性」という言葉で言い表します。ロゴの場合、著作物性が認められるものと認められないものがあります。文字で作成したロゴは、基本的に著作物性がないと判断されるケースがほとんどです。

基本的に万人に向けられた共有物であり、デザインよりも情報伝達という実用的機能を備えたものであるというのが、その判断の根拠になっています。しかし、先ほど示したように、ロゴには著作物性が認められるものと認められないものがあるので、作成する際は気をつけましょう。

書家に依頼する

既存フォントではなく、オリジナリティを追求したい場合、書家とコンタクトをとって、直接依頼する方法もあります。「書家検索.com」など、依頼を受けてくれる書家を検索する専用のサービスを使用すれば、好みの書体やデザインで作成を検討してくれる書家を探すことが可能です。

しかしながら、このサービスで検索可能なのは書道の知識に長けた「書家」。フォントだけでなく、ロゴ全体の雰囲気やデザイン性にこだわりたい場合は、デザインとフォント両方の知識を兼ね備えたロゴデザイナーに依頼するのが便利です。

デザイナーに依頼する

依頼を受けるロゴデザイナーは、筆文字とデザイン性というロゴ全体のバランスをとったアイデアを提供してくれるので、運営している店舗やサービスにぴったりのロゴを手にいれることができます。

まとめ

筆文字ロゴは、フォントの選択に始まり、文字をどのように組み合わせるか、また、イラストやカラーを取り入れるかどうかなど、様々な可能性を秘めています。文字情報を押し出すデザインもあれば、柔らかい雰囲気、勢いのある図案など、全体のイメージで伝えたいことを表現するタイプもあります。

そうした数多ある可能性を一つ一つ試していくのは労力も時間もかかる仕事。経験とセンスを活かして請け負ってくれるプロの手に任せるのが一番です。餅は餅屋ということわざにあるように、専門的な事柄は専門家に任せましょう。

では、ロゴの専門家やデザイナーをどのように探せば良いのでしょうか。予算や納期が限られていて、デザイナーを探す術も分からない‥‥そんな時に便利なのがクラウドソーシングです。

クラウドソーシングサービスであるランサーズに登録しているデザイナーは、ロゴ作成の経験豊富なプロフェッショナルばかりです。店舗やサービスの顔となる筆文字ロゴの作成依頼を出せば、多くのランサーが見つかるはずです。

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