こんにちは。SLASH様。
家紋デザインを提案させていただきます。
■デザインコンセプト
今回のデザインにあたり「家紋や紋章」らしいものではなく、実用的で末代まで
使用できる家紋を目指しました。
家紋は家を表す印としての意味合いが強く、それに対して紋章は国・地域・団体などにも
広く用いられるため弱く、SLASH家様の印として家紋をデザインしました。
一般的に紋章には制約が無く、自由に制作・変更が可能な為、安易な素材で派手なデザイン
などを作りやすい分、どこかで見たことあるようなものになりがちです。
この様な理由から家紋の中の家紋を目指し制作しました。
・ 家紋について
「紋章」というのは、諸外国にもありますが、日本の「家紋」は、各自の苗字と共に
受け継がれた、日本人の家との関係を表わすもので、通常一部の地域・風習を除いて
本家のものを使用します。紋章を衣服に付ける用い方等は、日本独自のもので、
他の国には見られません。
家紋は、大きな縁談があったり分家したりする度に一部形を変える事もあります。
通常家紋は、家名と一緒に入る事が多いです。(例:門提灯であれば表に家紋、 裏に家名)
よって依頼の家名入れはこの提案では省略させて頂きました。
SLASH様の家紋は丸剣酢漿草ですのでこれを中心とした形にしました。
地黒の家紋は日向紋です。着物・礼服・喪服等などの紋付きで使用する家紋です。
・ 酢漿草(方喰)について
酢漿草は方喰(片喰)とも書き、その優雅な形状からか古来から人気があり、平安、鎌倉時代から
多く用いられていました。
酢漿草は繁殖力の強い雑草の一種で、子孫繁栄を意味するとも云われています。
またソフトなイメージにも関わらず、多くの武士に愛用されました。
より武門を強調する剣を付けた剣酢漿草紋もあります。
剣は刀ではなく神器の両剣を指し武勇や権力を意味しています。
酢漿草は西洋の花言葉では「賢い婦人」といいます。
葉がハート型なため女性や海外でも人気があるようです。
■提案1「組合角剣酢漿草」 001.jpg
提案する家紋は「組合角剣酢漿草:くみあいかくにけんかたばみ」です。
剣酢漿草には前述の意味で、ご先祖様の願いでもあります。
これらの意味の重みを活かすため、余計な手は加えずSLASH家様の家紋を発展させる事にしました。
提案の家紋には正方形が二つ組み合わした組合角にしています。これは両家(日米)が
手を取り合って助け合う意味です。
また西洋では正方形は四大元素のイメージから、「地上世界」「権威」「王国」「自然」
を象徴すると考えられています。
また組み合った正方形の頂点は八角となり、「八」は古代日本より聖数とされ下の方が
広がる事から「末広がり」を意味し、幸運とされています。
■総括
今回提案のデザインは、家紋の形式に法っています。従って家紋の名称をそのまま
家紋に関わる業者様に伝えて頂ければ、デザイン画を見せずとも描いて頂けます。
アメリカには紋章などを掲げる習慣が無く、イギリス、スコットランドの紋章院のような
機関はないようですが、双家で使用したいということですので、アメリカでの使用も想定しました。
そこで今回の提案ではアメリカ(アメリカ領事館・アメリカワールドセンター等)へ紋章等の
扱いについて問い合わせてみました。
The Institute of Heraldryというアメリカ陸軍の機関があり、陸軍・海軍の紋章、勲章、旗、
バッジ等の権利の管理をしています。一般に使用されるものはU.S.特許商標局になります。
U.S.特許商標局では、「アメリカだけでなく、その他の国のシンボルや紋章と似通ったデザイン
で、間違って使われる(関連性を示唆する)と思われるものは法律によって、
認められず、国鳥である白頭大鷲の使用はあまり好ましくない。」という回答でした。
アメリカでは多くの国の機関や州、軍部隊の紋章に白頭大鷲や銃が使われています。
さらに個人的な見解ですが、家紋は白黒で描かれるものがベストです。
このような観点から黒い大鷲はナチスドイツの象徴でもあり、多様な民族がいるアメリカでは
配慮すべきと考えました。また銃や刀に関しても武器という部分から子孫繁栄というご先祖様の
酢漿草の想いから外れると思い、デザインへの使用を見送りました。
アメリカで他人に商用として使われたくない等の理由であれば、
TrademarkとしてU.S.特許商標局に申請することが出来るようです。
http://www.uspto.gov/main/faq/
今回、アメリガ領事館への問い合わせに対する回答を待ったため、提案の提出が遅れました
ことご了承ください。また、質問・紋章的な装飾の追加等のご要望にはいつでも対応致します。
新しいご家族、並びにご両家皆々様のお幸せとご繁栄をお祈り申し上げます。