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■ゲームイラストとは
ゲームイラストとは、名称のとおりゲームに使用するイラスト全般を意味します。具体的にはキャラクターの作画や、背景、ボタンデザインなどです。ゲーム本編に使用し、テキスト以外のグラフィックデザインに関しては、多くがゲームイラストに該当します。
ゲームは音声と映像、さらにゲーム機器の振動などを活用して、ユーザーにさまざまな体験を提供します。RPGやパズルゲームなどはもちろん、テキスト主体のゲームであっても途中で挿入するイラストは必要です。ユーザーに楽しんでもらうゲームを制作するために、ゲームイラストをはじめとしたグラフィックスは欠かせないものといえます。
■ゲームイラストでよく使われる用語
ゲームイラストを制作するうえでよく使う用語には、以下のようなものがあります。基礎的なものをまとめましたので、ゲームイラストに携わりたい方は必ずチェックしてください。
ゲームイラストでよく使われる用語一覧
- ・アタリ:おおまかな位置や構図を示すもので「アタリをとる」などという
- ・トレース:写真やイラストを写し取る作業
- ・パース:遠近法を用いた背景に使用する透視図のこと
- ・立ち絵:主に会話パートで使用する立った状態のキャライラスト
- ・アイレベル:どの目線の高さから見た状態なのかを意味するもの
- ・アオリ・フカン:下から見上げる、また上から見下ろす視点
- ・SDイラスト:キャラクターを小さくデフォルメしたもの
- ・RGB・CMYK:カラーモードの種類
上記以外にもさまざまな用語が出てくるので、都度調べるようにしましょう。
■ゲームイラストの種類
ゲームイラストには、さまざまな種類があります。用語一覧でご紹介した「SDイラスト」も、ゲームイラストの一種です。そのほかにも、以下で紹介するような「背景アート」や「スチルイラスト」など、数多くの種類があるので、一通り把握しておくようにしましょう。
以下では、ゲームイラストの主な種類を5つご紹介します。自分が制作したいイラストはどういったものなのかを把握して、制作に進みましょう。
①キャラクターデザイン
キャラクターデザインは、キャラクターそのものの外見や特徴をデザインしたゲームイラストです。マリオやカービィ、スライムなどのイラストも、すべてキャラクターデザインによって生み出されたといえます。主人公や敵、仲間などのイラストをデザインするのがキャラクターデザインです。
キャラクターデザインは広い分類で、用語一覧で紹介した「立ち絵」や「SDイラスト」なども制作物に含まれます。キャラクターがどんな表情をするのか、手足はどのくらいの長さなのか、どのタイミングでどういった所作をするのかなど、キャラクターの目に見える部分をデザインしていくのがこのキャラクターデザインの作業です。
②背景アート
背景アートとは、ゲーム内のステージや場所の背景を描いたイラストです。建造物や植物はもちろん、地面なども背景アートの重要な要素になります。昨今ではゲームに登場するステージがファンから人気となるケースも少なくありません。どれだけコンセプトに合っていて、かつファンの心を惹きつけられる背景アートを制作できるかは、ゲームの人気をも左右するのです。
ゲームのステージや背景アートが人気を獲得している例は『任天堂スマッシュブラザーズ』で見られます。同ゲームでは、さまざまなゲームにおける代表的なステージから、任意のものを選択してバトルできるのです。背景アートのクオリティや世界観が高ければ、ゲームを深く愛してもらいやすくなるといえます。
③カードイラスト
カードイラストとは、カードゲームやトレーディングカードゲームで使用されるイラストのことです。カードごとにレアリティが設定されている場合もあります。また、現実に存在するカードの場合だと、ホログラムや凹凸加工をつかって、2次元では再現できないようなプレミア感を演出しているものも少なくありません。
もともとカードゲーム要素がないゲームであっても、メディアミックスの施策としてカードを制作するケースがあります。代表的なものは『ポケモンカード』です。3DCGを用いたキャラクターデザインをカードイラストに落とし込んだりする事例も多く見受けられます。
④インターフェースデザイン
インターフェースデザインとは、アイコンやボタンといった操作に用いる部分をデザインしたものです。ユーザーが快適に利用できるように、見やすく操作しやすいデザインが求められます。また、世界観に没入できるように、ゲーム本編と親和性のあるデザイン性も求められます。
さらに、ほかのゲームとある程度は統一されたデザインである必要もあります。唯一無二の独創的なデザインすぎてしまうと、どう操作すればよいか分からなくなってしまうためです。昨今はマニュアルを見なくても操作できるユーザーインターフェースが求められます。ぱっと見て理解できるような、普遍的なデザインであるかどうかも重要です。
⑤スチルイラスト
スチルイラストは、背景がついた一枚絵のイラストを意味します。ゲーム内のイベント(会話シーン)に用いるのが一般的です。スチルイラストの下部にセリフ用の枠を表示し、枠内にセリフテキストを表示している場面は、多くのゲームユーザーが目にしているでしょう。
スチルイラストは、一枚で動画と同等の情報量が必要です。例えば、アイテムゲットであれば「エリアAにおいてアイテムBを獲得し、主人公はこんな感情になった」といった要素すべてが一枚の絵から読み取れなくてはなりません。また、数分間表示されても耐えられる程度のクオリティが求められるため、ほかのイラストと比べてもかなりの制作時間を要します。
■ゲームイラスト制作で使用するツール
ゲームイラストを制作するのに使用するツールには、イラスト制作用ソフトやペンタブレットなどがあります。代表的なものは、以下のとおりです。
- ・PC:使用するソフトの推奨スペックを満たすもの
- ・イラストソフト:Adobe PhotoshopやCLIP STUDIO PAINTなど
- ・ペンタブレット:wacomユーザーが多い、液晶タブレットだと制作しやすい
昨今では、タブレットを使用してイラスト制作をする人も増えてきました。タブレットでイラスト制作をするメリットは、無料で利用できるソフトが多い点、そして液晶タブレットとしての役割を果たしてくれる点です。しかし、ペンタブレットに比べると筆圧の感度が良くないものが多くあります。
液晶タブレットはいわゆるタッチパネルタイプのもので、通常の「板タブ」と呼ばれるものよりも直感的にドローイングしやすくなっています。本格的に制作したいなら、感度や機能に優れた液晶タブレットを使用するのがおすすめです。
■ゲームイラストを作成する方法・手順
ゲームイラストを作成する場合は、まずコンセプトを擦り合わせてから、ラフを作成し、ディテールを詰めていくといった段階を踏みます。どの工程もとても大切で、飛ばしてはいけないものです。途中の工程を飛ばしてしまうと、全体的なバランスが悪くなったり、理想とは異なるイラストに仕上がったりしてしまいます。
コンセプト擦り合わせ
まずは、コンセプトの擦り合わせです。コンセプトが決まっていなければ、この段階で必ず決めましょう。コンセプトが決まっていなければ、どういった点に配慮し、どのような方向性でゲームイラストを作るかが定まりません。以下のポイントも参考にしつつ、しっかりと擦り合わせます。
コンセプトを擦り合わせる際のポイントリスト
- ・どんな世界観のゲームか決める
- ・現実世界に則したものか、異世界のものか考える
- ・各キャラクターの設定を詰める
- ・現実世界に合わせたものであれば、資料(文献、写真集など)を取り寄せる
異世界のものであっても「1650年代の海賊のような」「13世紀ごろのヨーロッパ的な」のように、参考となる設定を用意するケースは多くあります。もし、現実世界において参考にできそうなものがあれば、文献や写真集などを集めて、さらにコンセプトを詰めていきます。
下描き(ラフ)作成
コンセプトが固まったら、キャラクターや背景のラフを制作します。イラストの構図を決定する大切な工程です。各キャラクターの等身や身長などを考慮しつつ、正確にアタリをつけていきます。
下描き(ラフ)作成に使用するツール
- ・ペンタブレットとイラスト制作ソフト
- ・紙とペン、スキャナー
昨今では少なくなりましたが、ラフのみ手書きで行うイラストレーターもいます。手書きのラフをスキャナーでパソコンに取り込み、ソフト上で完成させる手法です。なお、昨今はタブレット端末のスキャンアプリの精度も向上しているため、スキャナーを持っていない場合にはタブレットの利用も可能です。
ディテール追加
ラフが完成したら、ラインや表情、装飾などのディテールを追加していきます。キャラクターデザインであれば、服装や背景要素などを追加していくのが、ディテール追加の工程において行う作業です。
色付け前の線画をしっかりと完成させるのが、このディテール追加の工程となっています。色付けにおいて迷わないように、各ディテールを仕上げるのが重要です。例えば服装ひとつでも「ズボンとシャツの境界線はどこか」「髪はどこまで伸びていて、どのくらいのボリュームなのか」など、正確に把握できるレベルまで仕上げる必要があります。ディテール追加の作業が甘いと、各部位の境界線があいまいで色が付けにくくなるので、丁寧に進めます。
カラー・テクスチャ追加
ディテールを追加して線画が完成したら、色や質感を追加していきます。微妙な色合いの違いによって、イラストのもつ意味や雰囲気が大きく変わります。最初に決めたコンセプトも再度確認しながら、適切な色と質感に仕上げることが重要になります。
レタッチ
カラー・テクスチャ追加まで完了したら、レタッチをして仕上げます。レタッチとは、全体的なバランスを整える作業です。線画から修正する場合もありますが、カラーやテクスチャを修正して調和をとるケースのほうが多くあります。
■ゲームイラストを依頼する際のポイント
ゲームイラストを作成するには、長い期間と高いスキルが求められます。自力で作成するのが難しければ、外部のイラストレーターに依頼するのがおすすめです。ただし、イラストレーターに依頼する場合は、ポイントをおさえておかないと、理想とはほど遠いものが仕上がってしまう可能性もあります。以下で、ゲームイラストを依頼する際のポイントを3つご紹介しますので、参考にしてください。
目的・要件を伝える
まずは、ゲームイラストを制作する目的や要件を明確に伝えましょう。なぜ作ってほしいのか、どんなゲームを作りたいのかといった点を、出来る限り細かく共有してください。もし、指示書やレギュレーションなどがあれば、必ず共有しておきましょう。
目的や要件があいまいだと、イラストレーターもどういったイラストを制作すればよいのか、またどういった点に注意すべきかが分かりません。場合によっては、制作をスタートしてから費用が倍近くになってしまう可能性があります。どのようなイラストが必要かが明確だと、イラストレーター側も作業量がイメージしやすくなり、納期や予算もしっかりと提示できるはずです。お互いにストレスなく取引ができるよう、あらかじめイラスト制作の目的と要件をまとめておいてください。
スケジュール・納期は適宜相談する
ゲームイラストの納期は、対応人数や枚数、求めるクオリティなどによって大幅に変わります。また、立ち絵なのか一枚絵なのかによっても、納期は異なります。さらに、制作する人の作業スピードやスキルによって納期が数週間単位で違うケースも多くあります。
納期は、おおまかな目安はありますが、上記のようにさまざまな要因によって変動するものです。ラフなら1時間、清書なら5時間などと決めすぎず、コミュニケーションを取りながら調整していきましょう。コンセプトの擦り合わせからやるのであれば、2週間以上みてもまったく問題ありません。納期を切り詰めすぎて、クオリティが落ちたり依頼先にストレスがかかったりしないよう注意してください。
著作権の取り扱いを明確にする
ゲームイラストの制作において特に重要なのが、著作権の取り扱いです。著作権を発注者(自分)に譲渡してもらうのか、それともイラストレーターに帰属するのかによって契約内容が異なります。また、イラストレーターに著作権が帰属する契約だった場合は、二次利用費用が発生するなど、ゲームの展開方法にも影響します。
著作権は出来る限り発注者に譲渡してもらうのが無難ですが、両者でよく協議してください。イラストレーターによっては、プロフィールページに「著作権は制作者に帰属します」と明記しているケースも少なくありません。依頼をする際は、プロフィールページもしっかりと確認したうえで、著作権について直接確認するようにしてください。
■ゲームイラスト制作をランサーズで依頼する方法
ゲームイラスト制作を依頼するなら、ランサーズを活用するのがおすすめです。ランサーズとは、依頼主と受注者(ランサー)をつなぐサービスで、さまざまな分野のプロに仕事を依頼できます。ゲームイラスト制作に関してもさまざまな受注者が登録しているので、自分に最適な人が見つかります。
ゲームイラスト制作を依頼する方法には「直接依頼」「案件掲載」「出品パッケージからの依頼」などがあります。以下では、出品パッケージから依頼する方法を解説しますので、参考にしてください。
出品パッケージを探す
出品パッケージとは、受注者(ランサー)が自分のスキルをパッケージにして出品するサービスです。どんな依頼をどのくらいの料金で対応できるかが明記されているので、初めてランサーズを利用する人でも依頼しやすいシステムです。
出品パッケージを探す際は、まずトップページ上部にある「パッケージを探す」から、希望する依頼のジャンルを選択していきます。ゲームイラストであれば「デザイン・Webデザイン」の中の「ゲームイラスト制作・デザイン」から選べます。画面左側の絞り込み検索も活用しながら、自分の希望にぴったりの出品パッケージを探してみてください。
無料見積もり相談
気に入った出品パッケージが見つかったら、無料見積もり相談をしてみましょう。まず出品パッケージの画面から「ベーシック・スタンダード・プレミアム」のいずれかを選択して「まずは相談する(無料)」と書かれた青いボタンを押してください。
見積もり相談の画面では、オプション料金や希望納期、秘密保持契約の有無、相談内容の業種、依頼内容の詳細などを入力していきます。依頼内容の詳細を記入する欄には、ゲームを制作する目的やコンセプト、世界観など今決まっている情報を細かく記載していきましょう。要望をしっかり伝えると、納期や予算、スキルなどミスマッチを防げます。
発注
無料見積もり相談をして特に問題がなければ、発注をしましょう。発注後も、コンセプトを詰めたり、ラフの確認をしたりとさまざまな作業があります。
また、ランサーズでは仮払いシステムを導入しており、仮払いがされないと業務をスタートできないルールとなっています。仮払いとは、依頼主がランサーズ側に依頼料を一時預かりしてもらい、無事に納品されたら受注者に依頼料が支払われるシステムです。仮払いを行い、発注業務を進めましょう。
確認・納品
ゲームイラストが納品されれば、確認をしましょう。色や質感はもちろん、全体的なバランスや統一感、コンセプトにあわない部分はないかなど、細かくチェックしましょう。修正してほしい点があれば、具体的に場所と修正内容を指示したうえで、なおしてもらいましょう。修正に関しても納期を設定しておくとスムーズです。
修正してもらい問題がなければ、納品してもらって依頼は完了です。イラストを納品してもらえたら、お互いに評価をしてランサーズ上での依頼は終了となります。
■一般的な制作会社へ「ゲームイラスト作成」を依頼した際の料金相場
ゲームイラスト作成を一般的な制作会社に外注する場合、オリジナルキャラクターのデザインで約50,000円〜、スチルイラストで約90,000円〜といった料金が多いようです。
上記は相場例の一つですが、実際には描く時のタッチ、技法、テイストなどによって変わってきます。リアルさをより高い技術を必要とするイラストならそれだけ高額になります。
またデザイナーの実績やクオリティによっても大きく変わってきます。
依頼の際には相見積もりをとって思い描くイメージと予算にあった業者を探すようにしましょう。
内容 | 相場例 |
---|---|
オリジナルキャラクターのデザイン | 約50,000円〜 |
小物追加 | 約5,000円〜 |
スチルイラスト | 約90,000円〜 |
背景 | 約50,000円〜 |
企業 | 内容 | 価格 |
---|---|---|
企業A | キャラクター制作 | 約16,000円 |
ポーズパターン追加 | 約5,000円 | |
企業B | キャラクター | 約35000円 |
立ち絵 | 約45000円 | |
小物追加 | 約5,000円 | |
ポーズ(3パターン) | 約60,000円 | |
企業C | キャラクター立ち絵 | 約50,000円〜 |
SDキャラ | 約20,000円〜 | |
スチルイラスト | 約90,000円〜 | |
背景 | 約50,000円〜 |
※大凡の価格を表示しています。実際の料金は依頼内容や会社によって異なります。
※こちらで記載している金額はランサーズ上の依頼金額ではありません。
※当社調べの「一般的な制作会社や企業に依頼した際の目安の依頼料金」となります。