現在、本の原稿を執筆中。仮題『なぜ賃金は上がらないのか』副題ー株主利益至上主義の暴走-
結論は、失われた30年の前半期:不況とデフレで企業の経営者は賃上げどころではなく、破綻を防ぐのに精一杯。しかし、後半期は業績が回復、最近では史上最高の利益などと報道されているのに、賃金は上がらない。なぜか?
第二次大戦後のイギリスで、いわゆる修正資本主義、とりわけ福祉国家型の資本主義への修正があり、「揺りかごから墓場まで」という政策がとられた。しかし、労働組合の権限が大きくなりストライキが頻発、経済は停滞。そこでMilton Friedmanなど新自由主義が台頭し、企業の社会的責任は、利潤を上げること」とする「株主利益至上主義」が唱えられた。1979年サッチャー政権。
日本では2014年の伊藤レポートにより、ROE8%という目標値が東証などから要請された。この達成のためには利益を増やす(賃金を減らす)か、分母の自己資本を減らすことになる。経営者は、資本還元をふやすことで自己資本を減らし8%目標達成を企てる。そこにアクティビストが登場し、自社株買いを主張する。経営者はアクティビストに対峙することなく、自社株買いに莫大な資金を使う。賃上げを無視して。
といった構想で。これを裏付ける図が必要ということです。
前職:早稲田大学大学院会計研究科教授
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