
個人のパワーが世界を動かしはじめた。個人の力を外部調達し、企業経営に活かす。
これまでは、世界におけるいわば最大の権力者は言うまでもなく、国家でした。一個人など、国家の前では吹けば飛ぶような存在でした。
しかし、インターネットやSNSを介して個人が情報発信を行う現在においては、その主従関係は事実上なくなりつつあるともいえ、21世紀はまさに、個人の力が目覚ましく台頭する時代だといっても過言ではないでしょう。
また、企業経営にとっても、個人の能力や人的ネットワークがオンライン上で可視化されている今、優秀な人的リソースを社内に限定する必要はなく、人材の外部調達が企業の競争力を左右する時代がすぐそこまでやってきているのです。
会社が”消える”時代。一方で、「優秀なタレント」の力はますます強くなる
終身雇用が現実的なものでなくなった今、私たちは会社が“消える”時代を生きているとも言えます。そもそも、終身雇用という仕組みは、もともと欧米にはほとんど存在しませんし、雇用システムが最近までは比較的うまくいっていた日本においても、2000年代以降、正社員比率は減少の一途を辿っていることは多くの人の知るとおりです。
3人に1人が非正規社員であると言われる現在において、日本的経営の代名詞とも言うべき終身雇用は、一部で崩壊しつつあるといってよいでしょう。実際、創業30年を迎えたソフトバンクが、次の30年間、何のために事業を行い、どのような世界を実現していくのかについて示した「ソフトバンク新30年ビジョン」によれば、企業の99.98%はこの30年以内に消えると予測されています。
一方で、個人の力はますます強くなることが予測されており、大統領の指針にもなる最高情報機関として知られ、CIA、国防総省など米国16の情報機関のデータを統括するNICの元トップ分析官は、個人へのパワーシフトを素晴らしいことだとしつつも、エンパワメントされた個人が、あらゆる領域で国家の脅威と指摘しています。まさに21世紀は個人の時代と言えるのです。
「優秀なタレント」がイノベーションを起こす
21世紀は個人がイノベーションを起こす時代です。イノベーションの元となるアイデアは、社内にある場合もありますし、社外にある場合もあります。今後も社内の人材がイノベーションのきっかけを創りだしていくことは無くならないでしょう。
しかし、そこに外部の人材、外部のアイデアをプラスしていけば、よりイノベーティブな製品ないしはサービスを生み出せるのはいうまでもありません。多様性の重要性が叫ばれていますが、同質なものだけでは新たな価値をなかなか生み出せなくなった昨今のビジネス社会において、何でも自前主義で行うのではなく、外部の知恵を取り入れながらイノベーションを起こしていくという「オープンイノベーション」的な考え方がますます重要になっていくことはほぼ間違いありません。
そういった文脈を踏まえても、クラウドソーシングは非常に有効な選択肢のひとつとなることは間違いないでしょう。組織ではなく、個がイノベーションを起こす時代がまさに到来しているのです。
優秀なタレントを生かす企業こそが、これからの時代を生き抜く企業
個人がイノベーションを起こす時代においては、優秀な個人を生かす企業こそが、これからの時代を生き抜く企業といえます。
実際、優れた人材を確保することの重要性はますます高まっており、世界的に著名な経営コンサルタントとして知られる大前研一氏によれば、世界中で1%以下の金利でカネが調達できる今、もはや「カネ」は経営に必須のものではなくなりつつあり、経営の要諦が「ヒト・モノ・カネ」から「ヒト・ヒト・ヒト」になりつつあると指摘しています。
これからの時代はまさに「ヒト」なのです。優秀な個人を生かす企業こそが、これからの時代を生き抜く企業といえるのです。
優秀なタレントを簡単に外部調達できる時代
優秀な人材を確保するためには、これまでは転職エージェントや人材派遣会社を使うことが一般的でしたが、クラウドソーシングを活用すれば、優秀な人材を簡単に「外部調達」することができます。このことは企業側からしてみれば、計り知れないメリットがあります。中小企業やベンチャーがメリットを享受できることは言うまでもなく、大企業の担当者にとっても、少額の発注で外部人材が動いてくれることは、個人の裁量で進められる仕事の幅が拡がることにもつながり、そこから享受できる恩恵は計り知れません。
また、個人の側からしてみても、クラウドソーシングを活用することで、個人レベルで仕事を受注し、場所や時間に縛られることなく、仕事を行うことが可能となります。企業側、個人側の双方に多くのメリットをもたらすクラウドソーシング。今後ますます重視されるであろう「外部人材の活用」という観点でも、外すことのできない選択肢となりそうです。
