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佐藤可士和さんに学ぶ、生産性が上がる打ち合わせ方法
仕事で多くの案件を抱える人は、日々たくさんの打ち合わせに忙殺されて、自分の仕事に取りかかる頃にはもうグッタリ……、そんな人が多いのではないでしょうか? 日中はいつも忙しくて、ゆっくり考えてる時間なんてない! と嘆いている人は、“打ち合わせ”そのものを見直す必要があるかもしれません。
常に30を超える様々な業種のプロジェクトに関わりながらも、発想力豊かなプロダクトを生み出し続けている佐藤可士和氏は、アイデアをまとめる作業は打ち合わせ中に完了しているといいます。
まず、大前提として可士和氏は “会議”と“打ち合わせ”を別物であると定義しています。
“会議”とは、社内での情報共有や経営トップやマネジメント層が案件を承認する場。
“打ち合わせ”とは、参加する人たちとアイデアを交換して、みんなで議論し決断して、どんどんプロジェクトが進んでいくような、会議に上げられる前段階のとてもクリエイティブな場だといいます。
質の高いアウトプットを生み出すために、可士和氏は日頃、どのような打ち合わせを行っているのか、著書である『佐藤可士和の打ち合わせ/佐藤可士和著/ダイヤモンド社』から、紐解いていきたいと思います。
打ち合わせ中にアイデアをまとめる
打ち合わせは、「真剣勝負の場」と考え、事前に必要な情報をインプットした上で、自分なりの考えを準備して参加することが大事だと述べます。相手の話を全力で聞いて考え、アイデアを出すことに注力するために、メモはすべて議事録担当に任せているそうです。
打ち合わせ中は真剣に考え、アウトプットを繰り返していれば、新たにアイデア出しをする時間は必要なくなりますね。
席順に配慮する
経営者と打ち合わせをする場合は、あえて他の社員は参加させず、一対一で相手の本音を引き出し、タテマエやキレイゴトで物事が進まないように注意しているそうです。
特に、利害の異なる複数のメンバーが参加する打ち合わせでは、キーマンが誰かをきちんと把握した上で、利害関係がぶつかる者同士は、真正面に座らせないように配慮することが大事だといいます。
場の空気を意識的に作り出して、スムーズに話し合いが進むように、気を配ることがプロジェクトを成功させる秘訣のようですね。
否定をするならば代案を出すこと
可士和氏は、相手の意見に反対したり、否定したりすることを悪いことだとは考えていません。ただし、もし否定をするならば相手より質の高いアイデアを代案として出すことをルールとしているそうです。
打ち合わせの場で、鶴の一声で何もブレストされずに物事が決定してしまったり、強い意見の人に流されてしまったりということが起こりがちです。
メンバーの納得感がないままに進められたプロジェクトが、成功するはずがありません。参加者みんなが頭をフル回転させて意見交換し合えるように、代案をルール化することを取り入れてみてはいかがでしょう。
「リリース日」を最初の打ち合わせで決める
可士和氏は、プロジェクトがスタートするとき、最初の打ち合わせで「大きな方針」を必ず決めるそうです。
いつまでに、何をするのかが明確にし、わかりやすいゴールとして「リリース日」を設定することが大事だといいます。
先に発表の場となる「リリース日」を決めてしまえば、そこから逆算していつまでに何をしないと間に合わないのかがわかるので、次の打ち合わせまでにやるべきことが明確になり、プロジェクトが進めやすくなりますよね。
参加者の「利害関係」を把握しておく
同じプロジェクトメンバーとはいえ、立場によって利害関係が異なるもの。どのような力関係が働いていて、応援者や反対者がどれだけいるのかを把握した上で、全員が同じゴールに向かうように、ベクトルを合わせていくことが大事だと可士和氏はいいます。
事前に全員が同じゴールに向かって協力し合う関係性を築くには、時間がかかるもの。参加する人たちの利害関係まできちんと理解しておくことが、プロジェクトを成功させる秘訣なのです。
可士和氏が実践する、クリエイティブな場として機能する打ち合わせ術、いかがでしたか?
今回、ご紹介した内容は、あくまで打ち合わせの基本です。プロジェクトを滞りなく進める具体的な方法については、『佐藤可士和の打ち合わせ』に詳しく書かれていますので、ぜひ学んでみてくださいね。
