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WordPressでECサイトを構築するべき?向き・不向きを解説

WordPressを利用して、ECサイトを構築すべきかどうか迷っている人も多いのではないでしょうか。ordPressでは、プラグインを利用することで簡易的なECサイトを構築できます。しかし、WordPressによるECサイト構築には向き・不向きがあるため、自社のニーズに対応できるかどうかを見極める必要があります。

本記事では、WordPressでECサイトを構築する方法やWordPressによるECサイト構築に向ている会社・向いていいない会社について解説しますので、ぜひご覧ください。

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WordPressでECサイトを構築する2つの方法

ECサイト構築
WordPressでECサイトを構築する方法は、プラグイン・テーマを利用する方法と、外部のECサービスとWordPressを連携させる方法の2つに分けられます。それぞれの方法について解説します。

1. プラグイン・テーマを利用する

1つ目は、プラグイン・テーマを利用する方法です。プラグインとは、WordPressにさまざま機能を追加するための仕組みです。

プラグインの中には、EC機能を追加できるものもあります。EC用のプラグインを導入すれば、決済機能や商品管理機能、顧客管理機能など、ECサイトの基本的な機能を利用できます。プラグインによって利用できる機能は異なるため、プラグインを導入する際は、自社に必要な機能を利用できるか事前に確認することが大切です。

ECサイトのデザインは、コンバージョン率に影響を与える重要な要素です。WordPressサイトのデザインは、テーマをインストールすれば変更できます。WordPressでECサイトを構築する際は、ECサイト用のテーマを導入するとよいでしょう。

2. ECサービスとWordPressサイトを連携させる

2つ目は、外部のECサービスとWordPressサイトを連携させる方法です。WordPressにEC機能を追加するのではなく、商品の販売や決済時にECサービスを利用します。

WordPressは、ブログ形式のサイト構築を得意とするシステムであるため、ECサイト用のプラグインの機能では、自社のワークフローに対応できない場合もあります。ECサービスは、ECに特化したシステムのため、サービスが多岐にわたります。ECサービスとWordPressで役割を分ければ、それぞれの長所を活かしながらECサイトを運用できます。

WordPressを用いたECサイト構築に向いている会社の特徴

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WordPressサイトをすでに運用している会社や、シンプルなECサイトの構築を予定している会社は、WordPressによるECサイト構築に向いています。WordPressによるECサイト構築に向いている会社の特徴を解説します。

WordPressサイトを既に運用している

自社で既にWordPressサイトを運用している際は、プラグインを導入したり、ECサービスと連携させたりすることによって、既存のサイトをECサイトとして活用できます。通常、新規で立ち上げたECサイトへの検索流入が増えるまでには、数ヶ月掛かります。既存のWordPressサイトでアクセスをある程度集められているのであれば、短期間で検索流入を獲得できる可能性があります。

既にWordPressサイトを運用しているのであれば、本格的にEC事業に参入する前のテスト運用にも活用できるでしょう。

販売予定の商品の数が少ない

販売予定の商品数が少ない会社も、WordPressによるECサイト構築に向いています。WordPressは、ユーザーがサーバへアクセスするたびにデータベースからデータを読み込んでページを生成する、動的CMS(コンテンツマネジメントシステム)と呼ばれるシステムです。その都度ページを生成しなければならない分、商品数が増えてくるとECサイトの動作が重くなる恐れがあります。

しかし、販売予定の商品数が少ないサイトであれば、サーバへの負荷も小さいため、WordPressでECサイトを構築しても、表示速度が遅くなる心配がありません。

商材が多様な決済方法を必要としない

ネットショッピングでは、クレジットカードで決済するユーザーが多いのが実情です。一方で、代引きやコンビニ払いなど、クレジットカード以外の方法で決済するユーザーも一定数存在します。ECサイトがユーザーの希望する決済方法に対応していない場合は、ユーザーが離脱する原因にもなります。ユーザーの取りこぼしを防ぐために、複数の決済方法を用意するECサイトが多くなっています。

しかし、自社ECサイトのターゲットが利用する支払い方法が、クレジットカードなど主要な決済方法に限られるのであれば、WordPressで構築したECサイトでも十分対応できるでしょう。

WordPressでのECサイト構築に向いていない会社の特徴

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大規模なECサイトを構築する場合や独自の機能を実装したいときは、WordPressによるECサイト構築は避けたほうがよいでしょう。本項では、WordPressでのECサイト構築に向いていない会社の特徴について解説します。

大規模なECサイトの構築を予定している

WordPressは動的CMSです。ユーザーがアクセスするたびにページを生成しなければなりません。ECサイトで取り扱う商品数が増えてくるとサーバへの負荷が大きくなり、ページの表示速度が遅くなる可能性があります。そのため、WordPressは大規模なECサイトの構築に向いていません。

大規模なECサイトを構築したい場合は、ECに特化したシステムを利用するなどほかの方法を検討した方がよいでしょう。

独自機能の実装を希望している

WordPressでECサイトを構築する場合に利用できる機能は、基本的に導入するプラグインやECサービスに依存します。既存のプラグインやECサービスの機能では、自社のニーズに対応できない可能性もあります。ECサイトの機能を細かくカスタマイズしたい場合は、カスタマイズ性の高いECシステムの導入や自社専用のECシステム開発も視野に入れた方がよいでしょう。

WordPressでECサイトを構築する4つのメリット

メリット
WordPressでECサイトを構築するメリットとしては、下記の4つが挙げられます。

  1. 低コストでECサイトを作成・運用できる
  2. テーマやプラグインを利用すれば簡単にカスタマイズできる
  3. ECサイトと集客用のブログを同じシステムで運用できる
  4. SEO対策による検索流入の増加が期待できる

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

1. 低コストでECサイトを作成・運用できる

WordPressは無料で利用できます。加えて、プラグインやテーマも無料で利用できるものが多く存在します。WordPressでECサイトを構築すれば、初期費用を削減できます。ランニングコストもサイトに改修を加えない限り、サーバ・ドメインの費用や決済手数料など、最小限のコストでECサイトを運営できます。低コストでECサイトを構築・運用できる点は、WordPressの大きなメリットです。

2. テーマやプラグインを利用すれば簡単にカスタマイズできる

WordPressは、テーマやプラグインをインストールすれば、ECサイトをカスタマイズできる点もメリットです。WordPressはプログラミングの知識がない人でも、Webサイトを構築できるように設計されたシステムです。

無料・有料を問わず、さまざまなWordPress用のテーマ・プラグインがネット上で公開されています。細かなカスタマイズは難しいもののCMSの中ではシェア率が高く、プラグインも豊富なためさまざまな機能を追加しやすいでしょう。

3. ECサイトと集客用のブログを同じシステムで運用できる

WordPressには、ECサイトとブログを同じシステムで運用できるメリットもあります。EC専用のシステムの方が機能が充実しているケースも多いですが、WordPressにECプラグインを導入すれば、基本的なECサイトの機能はカバーできます。

小規模なECサイトを構築する場合や基本機能だけで自社のニーズを満たせるのであれば、WordPressでも十分対応できるでしょう。WordPressはECサイトとブログを一本化できるので、運用の効率化も期待できます。

4. SEO対策による検索流入の増加が期待できる

WordPressは、ブログ形式のサイト構築が得意なシステムです。ECサイトの集客では、SEO対策とWeb広告がよく用いられます。しかし、ECサイトで取り扱う商品によってはネット上での競争が激しく、Web広告のコストが高騰するケースも少なくありません。加えて、競争が激しいカテゴリーでは、SEO対策による商品ページの上位表示が難しい場合もあります。

近年は、集客用のコンテンツでユーザーを集めた上で、ECサイトや商品ページへユーザーを誘導する企業も増えています。WordPressであれば、集客用のページをブログ感覚で作成できます。

WordPressでECサイトを構築する3つのデメリット

先にWordPressでECサイトを構築するメリットをご紹介しましたが、導入を検討する前にデメリットも知っておくことが大切です。WordPressによるECサイト構築のデメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  1. EC機能の細かなカスタマイズには向かない
  2. セキュリティに注意が必要
  3. 決済方法の柔軟性が低い

それぞれのデメリットについて解説します。

1. EC機能の細かなカスタマイズには向かない

機能の細かなカスタマイズが難しい点は、WordPressのデメリットといえるでしょう。WordPressで構築したECサイトで利用できる機能は、使用しているプラグインやECサービスに依存します。WordPressを細かくカスタマイズするためには、プログラミングの知識が必要です。社内にPHPやMySQLなどを扱えるエンジニアが在籍していなければ、カスタマイズを外注するしかありません。

2. セキュリティに注意が必要

WordPressは、ソースコードが公開されているオープンソースのシステムです。悪意のある攻撃者がぜい弱性を見つければ、悪用される恐れもあります。

ECサイトでは、顧客の住所や連絡先など、機密性の高い情報を扱います。万が一、個人情報が流出してしまえば、自社の信用を失う可能性があります。WordPressでECサイトを構築する場合は、WordPress本体やプラグインを最新の状態に保つ、管理ページへのアクセスを制限するなどのセキュリティ対策が必須です。

3. 決済方法の柔軟性が低い

WordPressには、決済方法の柔軟性が低いデメリットもあります。対応している決済方法は、プラグインによって異なります。そのため、プラグインが対応していない決済方法は導入できません。

WordPressだけでは、導入したい決済方法に対応できない可能性もあります。特にLINE Payなどのクレジットカード以外の決済方法を導入したい場合は注意が必要です。

WordPressでECサイトを構築する際に備えておきたい5つの基本機能

WordPressで構築したECサイトで利用できる機能は、使用するプラグインやECサービスによって変化します。ECサイトを構築する際に最低限備えておきたい以下の5つの基本機能について解説していきます。

  1. ユーザーの操作性を意識したカート機能
  2. 使い勝手のよい顧客管理機能
  3. 集計が簡単な売上管理機能
  4. ワークフローにマッチした受注・在庫管理機能
  5. 問い合わせページ

1. ユーザーの操作性を意識したカート機能

カート機能はECサイトに不可欠な機能です。カート機能は、支払いまでの間一時的に商品を買い物かごに保管しておく機能です。商品をカートに保管しておけば、複数の商品の代金をまとめて支払えます。消費税や送料、割引などの計算もカートで実行します。

カート機能が扱いにくいと、ユーザーがサイトから離脱する可能性もあります。WordPressでECサイトを構築する際は、ユーザーの操作性がしっかり考慮されているかどうかチェックしましょう。

2. 使い勝手のよい顧客管理機能

顧客管理機能は、住所や購入商品などユーザーの情報を管理するための機能です。顧客管理機能は、単にユーザーの情報を保管するための機能ではありません。特定の条件にあてはまるユーザーを抽出したいときにも活用できます。例えば、使い捨てコンタクトレンズのリピート購入を促したい場合、顧客管理機能で購入時期・数量をもとにコンタクトレンズがなくなりそうなユーザーを抽出すれば、効率よくアプローチできます。

顧客管理機能は、ECサイトの販促やマーケティングでよく利用する機能です。可能であればECサイトを構築する前に使い勝手を確認しておきましょう。

3. 集計が簡単な売上管理機能

売上管理機能は、ECサイトの売り上げの把握に欠かせない機能です。ECサイト全体の売り上げはもちろん、商品別・期間別の売り上げを集計する際に利用されます。売上管理機能を活用すれば、自社の売れ筋商品や商品が購入されやすい時期などを把握できます。

プラグインを選ぶ際は、自社の商品の特性とマッチした集計方法に対応しているかどうか確認しましょう。

4. ワークフローにマッチした受注・在庫管理機能

受注・在庫管理機能は、注文処理の状況や在庫、発送状況などを管理するための機能で、ECサイトのワークフローを確認できます。

受注・在庫管理機能は、使用するプラグインによって使い勝手が異なります。自社のワークフローに合わないプラグインを導入してしまうと業務効率が低下する可能性もあるため、どのプラグインを導入するのか慎重に検討しましょう。

5. 問い合わせページ

問い合わせページはECサイトに必須です。問い合わせフォームを設置しておけば、ユーザーからの質問などに対応できます。ECサイトの売り上げを増加させるには、ユーザーの動向に合わせて定期的にサイトを改善しなければなりません。ユーザーの問い合わせには、売上向上につながるヒントが隠されている可能性もあります。

しかし、デフォルト(初期)の状態のWordPressには、問い合わせフォームが備わっていません。WordPressサイトに問い合わせフォームを設置するためには、プラグインを使用する必要があります。WordPressでECサイトを構築する際は、ユーザーのために問い合わせページを用意しましょう。

ECサイト構築におすすめのWordPressプラグイン3選

WordPressでECサイトを構築できるプラグインは、種類が多い上に、機能や使い勝手も異なります。「どのプラグインを選べばよいのかわからない」という方のために、おすすめのプラグインを3つご紹介します。

1. WordPressECサイトの定番「WooCommerce(ウーコマース)」

WooCommerceは、世界中で利用されているECサイト構築プラグインです。物販はもちろん、サービスの定期購読などにも対応しています。在庫管理機能やレビュー機能、顧客管理機能などが標準で備わっています。利用できる決済方法は、決済プラグインに依存します。プラグインを追加すれば、PayPalやStripeなどさまざまな決済方法を追加できます。

WooCommerce(ウーコマース)の公式サイト

2. 標準で日本語に対応している「Welcart(ウェルカート)」

Welcartは、日本国内で高いシェアを誇るECサイト構築プラグインです。海外製のプラグインは日本語に対応していないものも少なくありませんが、Welcartは標準で日本語に対応しています。

Welcartには、顧客管理機能や在庫管理機能などECサイトに必要な基本機能が備わっています。国内15社のクレジット決済サービスに標準で対応している点も特徴です。

Welcart(ウェルカート)の公式サイト

3. デジタル商品向けの「Easy Digital Downloads」

Easy Digital Downloadsは、デジタル商品の販売に特化したECサイト構築プラグインです。標準でPayPalでの決済に対応しています。顧客管理機能や割引機能はもちろん、カート機能を利用すれば「すぐに買うボタン」なども設置できます。

プラグインの追加によってはメール配信システムMailchimpとも連携できるため、メールマガジンを利用したマーケティングの自動化も可能です。

Easy Digital Downloadsの公式サイト

WordPressを活用すれば簡単にECサイトを構築できる

本記事では、WordPressを使用したECサイト構築に向いている会社・向いていない会社の特徴を解説しました。

WordPressは、大規模なECサイトの構築には向いていません。一方で、WordPressを活用してECサイトを構築すれば、低コストでEC事業をはじめられます。既にWordPressサイトを運用している場合や、取り扱い商品数が少ない小規模なECサイトを構築したい方は、WordPressを活用するとよいでしょう。

ランサーズには、WordPressを使用したECサイト構築・運用の経験が豊富なフリーランスが多数登録しています。WordPressによるECサイト構築を検討している方は、お気軽にご相談ください。

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