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Webデザインの費用相場は?節約のための工夫も解説!

Webサイト制作のためにWebデザインを依頼する際に、気になるのは費用相場です。何もわからずに、制作会社に丸投げした結果、思っていた以上の見積を提案されて驚いたという方は少なくありません。

本記事では、Webサイトの制作を担当する方のために、Webデザインの費用相場を工程ごとに解説します。また、デザインの制作費用をできるだけ節約するための方法も紹介するので、Webサイト制作の参考にしてください。

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Webデザインの費用相場

見積書
Webデザインの費用相場について、以下で解説します。

同じページ数でも100万円以上の差がある

Webデザインの費用に明確な価格帯というものはありません。

例えば、制作するサイトが大規模の企業ページで、ページ数が同じ80ページだとしても、費用の幅は「150万~500万円」と100万円以上の差が生まれてしまいます。そのため、費用相場を知りたいときは、具体的に以下のことを決めておく必要があります。

  • サイトの規模
  • 依頼する作業内容

Webデザインの費用の決め手は工数

ページ数だけでWebデザインの費用が決まらないなら、何で費用を決めているのでしょうか。

Webデザイナーのスキルや制作物の数、保守管理など、デザインの制作費用を決める要素は数多くありますが、決め手となるのは「工数」です。企画案や構成案、デザイン案、ページ数、システム導入など、作業の数が多ければ多いほど時間がかかり、費用は高くなります。

Webデザインといえども、考え方は建築工事と同じです。制作工程にかかる「日数 × 人数」が費用の決め手といえます。そのため、前述したとおり相場を知る前に、「サイトの規模」と「依頼する作業内容」だけでも決めておく必要があるのです。

Webデザインに必要な工程

デザインイメージ
Webデザインで必要になる工程の詳細をご紹介します。

ディレクション

ディレクションは、依頼主からサイトを作成する目的や要望をヒアリングし、企画、構成、設計を行うのが主な仕事です。ディレクターは制作進行も担当しており、デザイナー、コーダー、プログラマー、ライター、イラストレーターなどの進捗や品質管理を行います。

つまり、全体の出来を管理するのがディレクションの仕事なのです。工程全体のディレクション費用をおそろかにすると、Webサイト全体の質が下がってしまうでしょう。

ディレクションの費用相場は、下表のとおりです。

費用対象費用相場
ディレクション費用Webサイト作成の費用全体の2~3割

動画・画像制作

動画や画像については、自社商品や社内風景、スタッフの写真など、オリジナルのものを使用する場合と、オリジナルでなくてもいい場合があり、それによって作業内容は異なります。

動画・画像工程の概要
オリジナル・プロのカメラマンに依頼する
・費用は依頼するカメラマンによる
非オリジナル・素材集から使用する動画・画像を購入する
・費用は素材の価格による

プロのカメラマンに依頼するケースでは、数日かけて撮影することもありますが、社内風景なら半日程度で撮影できます。ドローンを使った撮影手法では、別途料金がかかるでしょう。遠方のロケのときは、ロケハン費用や交通費が必要になるかもしれません。

ワイヤーフレーム制作

ワイヤーフレームとは、どのコンテンツをどこの位置に配置するのかを示す、いわばWebサイトのレイアウト図のことをいいます。一般的に、ワイヤーフレームを担当するのはディレクターですが、ライターやデザイナーが行う場合もあるでしょう。

ワイヤーフレームを作成するのに、デザイン性は求められておらず、ぱっと見ただけでどこに何を配置するのかを依頼主やデザイナーに伝えることが重要視されます。

ワイヤーフレームを作らないケースもありますが、ヒアリングした内容を正確にデザインに落とし込むためには、ワイヤーフレームを作成する方がオススメです。デザインの戻しも減るため、作業日数が削減でき、最終的に費用が節約できるケースもあるでしょう。

サイトデザインの制作

全体の方針とワイヤーフレームを作成したら、次に行うのはサイトデザインです。サイトデザインでは、トップページや下層ページなど、さまざまなページデザインをデザイナーが担当します。ロゴやイラストが必要なら、イラストレーターに依頼したり、デザイナーが作成したりしなければなりません。その場合、別途費用が必要になります。

デザインに必要な費用はデザイナーの能力や作業量によって大きくことなります。下層ページなどは、デザインを統一できるので、費用を節約することができるでしょう。サイトデザインにかかる費用相場は、下表のとおりです。

費用対象費用相場
トップページ5万~16万円
下層ページ1デザインにつき2万~7万円

コーディング

デザインが完了したら、コーディング作業を行います。コーディングとは、デザインをHTMLやCSSといったWebサイト作成専用の言語を記述することで、ブラウザから閲覧可能な状態を作る作業です。コーディングはSEOの対策の点でも重要な役割を担う作業でもあります。

PCだけでなくスマホやタブレットなど閲覧環境が多岐にわたる昨今では、異なる画面サイズでの表示を自動調整してくれる「レスポンシブデザイン」が重要です。しかし、レスポンシブデザインに対応するコーディングは、非対応のWebサイトのコーディング費用の約1.5倍になるので注意しましょう。

ページ数によって費用は変わりますが、1ページごとのコーディングの費用相場は下表のとおりです。

費用対象費用相場
トップページ
(レスポンシブ)
3万~4.5万円
下層ページ
(レスポンシブ)
1デザインにつき1万2千~3万円
トップページ
(非レスポンシブ)
2万~3万円
下層ページ
(非レスポンシブ)
1デザインにつき8千~2万円

サーバー・ドメイン、ホームページ管理

Webサイトが完成しても、それで終わりではありません。以下の費用が必要になります。

  • サーバーのレンタル料
  • ドメイン料
  • ホームページの保守管理費用

完成したサイトをインターネット上で公開するためには、Webサイトのコンテンツデータをレンタルサーバーにアップロードしなければなりません。また、WebサイトのURLである「ドメイン」にも費用が発生します。サーバーへのコンテンツデータのアップロードとドメインの取得は、制作会社に依頼せずとも自社で行うことができます。

サイトの保守管理にも費用がかかります。サイトを更新しようとしたら突然消滅したり、デザインが壊れてしまったり、ハッキングされたりといった現象に、サイト管理未経験者が対応するのは非常に困難です。制作会社と保守メンテナンス契約を行うことで、更新やメンテナンスを丸投げすることができます。

管理費は、作業数によってさまざまですので、契約時に綿密に打ち合わせをしましょう。

SEO対策

SEO対策とは、Googleなどの検索エンジンで上位に表示するための対策です。サイトを公開した以上、アクセスアップは必要不可欠と言えます。誰も閲覧しなければ、売り上げはあがりません。そのための施策として、SEO対策を依頼する必要があります。

狙うべきキーワードやコンテンツの制作方針などのコンサルティングを依頼する場合、以下の費用が発生します。

費用対象費用相場
SEOのコンサルティング月々5万円

Webデザインの費用をできるだけ抑えるには

デザインをする女性
Webデザインの費用をできるだけ抑える方法を解説します。

サイトの規模を見直す

Webサイト制作の費用を節約する上でもっとも大切なのは「機能に無駄がない」「Webサイトが目的に沿っている」ことです。

不要な機能は、制作費が無駄になるどころか、SEOの妨げになったり、サイト閲覧者の脱落を招いたりします。そのため、依頼した業者に、自社の要求をどれだけ伝えられるかが重要です。

また、企画案、構成案を決める打ち合わせの段階で、制作内容を吟味することも大切です。双方の作業内容を確認し、役割を明確にすることで、手戻りや工数が削減できます。追加作業が発生すれば、製作日数が増え、追加対応分の制作費用も発生します。

Webサイト制作の費用を節約するためには、追加作業や手戻りをできるだけ少なくすることが大切です。

自社でできる工程は自社で巻き取る

依頼先の作業数を減らすことができれば、その分、Webサイト制作の費用を節約できます。自社でできる作業はできるだけ自社で巻き取るようにしましょう。例えば、サーバーをレンタルしたりドメインを取得することは、素人でも簡単に対応可能です。

また、写真撮影が趣味のスタッフがいれば、写真素材の撮影を担当してもらうことも1つの方法です。

可能であればワイヤーフレームの作成も自社で行えると、企画・構成の打ち合わせがスムーズです。どのようなページが必要なのかを洗い出し、予め案として作成してから制作会社との打ち合わせに臨めば、最低限の作業を依頼するだけで済みます。

ただし、デザインやコーディングなどの専門的な知識・技術が必要な作業は、制作会社に任せるのが得策です。特にデザインは素人とプロでは大きな違いが生まれます。

無料Web制作サービスを活用する

無料のWeb制作サービスを活用すれば、ある程度のWebサイト制作の費用を節約できます。無料ブログを利用して画像も商用利用可能な無料素材と自社作成の画像・写真を使えば、無料でオウンドメディアを制作することも可能です。

また、無料ではありませんが、ホームページビルダーのようなビルダーアプリを購入すれば、アプリが指定する場所にコンテンツを載せるだけでWebサイトが作成できます。

とはいえ、無料Web制作サービスを利用している会社はいくつも存在するために、Webサイトの出来は小綺麗ではあるものの、どこかで見たようなオリジナリティの欠ける量産型サイトになってしまう恐れがあるでしょう。無料Web制作サービスを利用する際は、全て無料の素材で済ますのではなく、プロにどこまで依頼するべきかを、しっかりと話しあうことをおススメします。

サイトの規模ごとの費用相場

デザイン画面
ここからは、サイトの規模ごとの費用相場を紹介します。あくまで相場であって、素材の量や取材記事、追加コンテンツの有無によって追加費用が発生する場合があるので注意しましょう。

5ページ前後の小規模コーポレートサイト

会社案内や名刺代わりの目的でWebサイトを制作したいなら、5ページ前後の小規模なコーポレートサイトでまとめられます。トップページの下層に、以下の4つのページが必要です。

  • 事業、サービス案内
  • 会社案内
  • プライバシーポリシー
  • お問い合わせ

Webサイト制作作業の工程は以下のとおりです。

  • ディレクション
  • トップページのデザイン・コーディング
  • 下層ページのデザイン・コーディング
  • メールフォームシステム

小規模なコーポレートサイトを制作する際の費用相場は以下のとおりです。

費用対象費用相場
5ページ前後の小規模コーポレートサイト15~65万円

駆け出しのフリーランスに依頼した場合の費用は15万円、高値は広告代理店に依頼した場合のものです。小規模なコーポレートサイトなら無料のホームページ作成サービスを利用して自社で作成するという選択肢もあります。

CMSを利用した中規模コーポレートサイト

自社のサービスや商品を詳細に紹介したり、問い合わせを増やしたりすることが目的なら、WordPressのようなCMS(コンテンツ管理システム)が必須です。サイトの構成は、トップページの下層に以下の要素が必要になります。

  • 新着情報
  • 事業・サービス概要
  • 商品一覧
  • 会社案内
  • プライバシーポリシー
  • お見積フォーム
  • お問い合わせ

新着情報と商品一覧の下層にそれぞれの詳細ページを作成していきます。Webサイト制作作業の明細は、以下のとおりです。

  • ディレクション
  • トップページ、下層9ページのデザイン・コーディング
  • メールフォームシステム
  • CMS導入

CMSを利用した中規模のコーポレートサイト制作の相場は以下のとおりです。

費用対象費用相場
CMSを利用した中規模コーポレートサイト30万~125万円(+10万円でブログ導入)

駆け出しのフリーランスなら30万円、高値は広告代理店に依頼した場合です。プラス10万円程度をかければ、SEO対策のためのブログも導入できます。またCMSはセキュリティ対策も重要です。作成しただけで終わりではなく、作成後の保守・メンテナンスも視野に入れておく必要があります。

有料CMSを利用した大規模コーポレートサイト

大規模のコーポレートサイトしたいなら、WordPressのような無料のオープンソースCMSではなく有料のCMSを使います。サービスや商品紹介ページの更新を自社で行うなら、無料のCMSだと管理が煩雑になってしまうためです。そのため、CMS維持費も計算に入れておきましょう。

サイトのページ構成は、以下のとおりです。

  • トップページ
  • 新着情報関連
  • ブログ関連
  • 事業サービス関連
  • その他ページ

「その他ページ」は、一例として下層ページ数を50ページ、メールフォームを5種類と仮定して費用相場を紹介します。

Webサイトの制作作業の明細は以下のとおりです。

  • ディレクション
  • トップページ、下層50ページのデザイン・コーディング
  • メールフォームシステム
  • CMSの導入

有料CMSを利用した大規模コーポレートサイトの制作相場は以下のとおりになります。

費用対象費用相場
有料CMSを利用した大規模コーポレートサイト150万円以上

規模が大きくなるので、フリーランスひとりで作成することはまず不可能です。この場合、制作会社を通して作業をしてもらうことになります。広告代理店に依頼した場合は、プラス50万円以上を考えておきましょう。

一般向け物販用ECサイト

個人向けのECサイトは導入するショップシステムの種類によって金額が変わります。節約したいならオープンソースソフトウェアのEC-CUBEを利用するのがオススメです。

物販用ECサイトの構成は以下のとおりです。

  • トップページ
  • 商品一覧
  • プライバシーポリシー
  • 特商法の表記
  • お問い合わせ
  • 商品詳細

物販用ECサイトの制作作業明細は以下のとおりです。

  • ディレクション
  • トップページ、下層4ページのデザイン・コーディング
  • メールフォームシステム
  • EC-CUBEの導入

一般向け物販用ECサイトの相場は以下のとおりです。

費用対象費用相場
一般向け物販用ECサイト50万~100万円

EC-CUBEはフリーランスでも扱える場合が多いため、駆け出しのフリーランスなら50万円程度で請け負ってもらえるでしょう。大手の広告代理店に依頼した場合には、200万円以上かかる場合があります。

BtoB向け物販用ECサイト

BtoB向け、いわゆる卸向けのECサイトは完全会員制で、一般には商品を非公開にできる必要があります。お得意様ごとに料金設定ができる仕組みも要るでしょう。仕入れのためのシステムも導入可能です。24時間365日、パソコン、スマホ、タブレット、どれでも発注できるようになります。

EC-CUBEでも導入できるので、ここではEC-CUBEを利用した場合の相場を紹介します。

BtoB向け物販用ECサイトの構成は、トップページの下層に以下を用意します。

  • 商品一覧
  • プライバシーポリシー
  • 特商法の表記
  • 利用案内
  • お問い合わせ

商品一覧の下層に商品詳細ページも必要です。BtoB向け物販用ECサイト制作の作業明細は、以下のとおりです。

  • ディレクション
  • トップページ、下層6ページのデザイン・コーディング
  • メールフォームシステム
  • EC-CUBE(+各種プラグイン)の導入

BtoB向け物販用ECサイト制作の費用相場は以下のとおりでしょう。

費用対象費用相場
BtoB向け物販用ECサイト100万~500万円

サイトの規模は大きいですが、フリーランスにサイトを作成を依頼するだけ(商品詳細ページや画像素材を自社で巻き取る)なら80万円程度に抑えることもできるかもしれません。広告代理店に依頼した場合、500万円以上かかる場合もあります。

Webデザインの相場を知って適切な業者に依頼しよう

Webデザインの費用は目的によって大きく変わるために、相見積を取っても各社で価格が大きく違う場合があります。

安易に安い価格でWebデザインの依頼をしてしまうと、想定していた規模よりも小規模なWebサイトを提案されてしまうかもしれません。相場を知らなければ、気づかずに制作が進んでしまうために、想定どおりのWebサイトに作りかえるには、かなりの追加費用が発生してしまう可能性もあるでしょう。

適正なWebデザインの費用相場を知っておけば、見積によって依頼先が規模を勘違いしていることがわかるので、説明しなおして再提案してもらえます。Webデザインを依頼する前に、サイトの目的と規模を自社でしっかり把握することで、適切な業者に依頼することができるでしょう。

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