ホームページ制作を自社で行うのが難しいなら、専門の会社やフリーランスへ外注することがあります。しかし、見積もりを見る際は、相場となる金額を理解した上で判断したいものです。
また、見積書を正確に読み取って費用が適切かどうか判断するためには、見積もり項目の意味についても理解しておきましょう。
本記事では、ホームページ制作のサンプル見積書や相場、料金表に含まれる見積もり項目の意味、見積もりの際の注意点などを紹介します。これからホームページ制作を外注するのであれば、ぜひご一読ください。

ホームページ制作のサンプル見積書(料金表)
ホームページ制作において、ページのボリュームや制作するサイトの種類などによって金額が大きく異なります。
こちらでは、下記の規模のホームページを例に、見積書サンプルを例示します。
- ケース1:20ページの中規模なコーポレートサイトの費用相場
- ケース2:10ページの小規模なプロモーションサイトの費用相場
それぞれの規模別に、詳しく見ていきましょう。
ケース1:20ページの中規模なコーポレートサイトの費用相場
コーポレートサイトの制作でページ数20ページ以上となると、かなりの制作費用が必要です。制作費用は会社によって異なりますが、概ね100万円前後は必要と考えておきましょう。
下記に、20ページの中規模なコーポレートサイトを制作する場合の見積書と大体の金額を例示します。
作業工程 | 金額 |
進行管理 | 10万円 |
目標設定 | 10万円 |
サイト設計 | 15万円 |
マーケティング | 10万円 |
デザイン | 15万円 |
画像撮影・選定 | 5万円 |
コーディング | 20万円 |
環境構築/機能設計費 | 15万円 |
テスト | 5万円 |
合計 | 105万円 |
あくまでも概算ですので制作会社やホームページに用いる技術などによって費用は異なります。
ケース2:10ページの小規模なプロモーションサイトの費用相場
プロモーションサイトなど10ページ程度の小規模なホームページの場合、制作費用の相場は40万円〜60万円程度です。下記に、10ページ程度の小規模なコーポレートサイトを制作する場合の見積書と大体の金額を例示します。
作業工程 | 金額 |
進行管理 | 5万円 |
目標設定 | |
サイト設計 | 5万円 |
マーケティング | 5万円 |
デザイン | 15万円 |
画像撮影・選定 | |
コーディング | 20万円 |
環境構築/機能設計費 | 5万円 |
合計 | 55万円 |
上記は概算であり、作成するホームページの内容によって金額が増減します。
ホームページ制作の相場は依頼先によってかなり違う
ホームページ制作の依頼先によって、相場となる金額が増減します。ここでは、ホームページ依頼先のジャンル別に、制作費が増減する理由を解説します。
- 集客ノウハウに強みがある広告代理店
- 高度な希望にも対応できる中規模Web制作会社
- フットワークが軽い小規模Web制作会社
- 柔軟に対応してくれるフリーランス
依頼先ごとの特徴を見ていきましょう。
集客ノウハウに強みがある広告代理店
広告代理店とは、広告主とメディアを取り継ぐために、市場調査や販売活動などの営業活動を行う企業のことを指します。広告代理店はホームページ制作後の集客を強みとしていますが、制作自体はWeb制作会社などへ外注することが多いです。
ホームページ制作会社の製作費に約2〜5割ほどが上乗せされることもあり、最終的な金額はWeb制作会社へ依頼するのに比べると高額になります。
高度な希望にも対応できる中規模Web制作会社
中規模なWeb制作会社には、Web制作に関する人材が豊富です。専門のデザイナーやコーダー、カメラマンなど、高い専門性を持ったスタッフが在籍しています。
例えば動画を主体にしたホームページ、予約フォームの設置など技術力が求められるホームページ作成にも対応できることが多いです。万が一のトラブル発生時にも、メンテナンス契約を結んでおけばスムーズに対応してくれます。
ただし高度な技術を必要とするホームページを作成するには、高額な費用が必要となることが多いです。予算と折り合いをつけながら、見積もりの内容を精査していきましょう。
フットワークが軽い小規模Web制作会社
小規模なWeb制作会社は、大手や中規模のWeb制作会社に比べると、スタッフの人数は限られています。規模が小さい分フットワークが軽いため、柔軟な対応をしてくれる会社が多いです。
例えばカフェや美容サロンなど、個人で小規模な商売をするのであれば、臨機応変な対応が期待できる小規模な制作会社の方が向いています。
小規模Web制作会社へ依頼すると、自社で作成するよりはコストがかかるものの、大きなWeb制作会社や広告代理店に依頼するよりはコストを抑えられることが多いです。
ただし制作内容によって見積もりの金額が異なりますので、複数社に見積もりを依頼して、比較検討してみるといいでしょう。
柔軟に対応してくれるフリーランス
ホームページ制作の新たな選択肢として増えているのが、フリーランスへの依頼です。フリーランスは会社に所属せずに自由に契約をしますので、柔軟な対応をしてくれます。
例えばSEO対策やWebデザイン、コーディングなどホームページ制作に関する専門知識が豊富にある人が、ホームページの制作を請け負っています。1人では対応しきれない場合も、複数のフリーランスが組んで対応してくれることも多いです。
ただしフリーランスの場合、個人によってスキルに差があります。どのフリーランスへ依頼するのがいいか、過去の実績などからよく検討してみてください。
フリーランスが多く所属していて発注できるサービスも多く登場しており、活用すればこれまでの実績を確認した上で依頼を検討できます。ランサーズでは、フリーランスにホームページ制作を定額で依頼できるスキルパッケージもありますので、検討してみてください。
料金表に含まれる見積もり項目の意味
ホームページ制作の見積もり項目にはさまざまな項目があります。見積書を理解してから発注するために、見積もり項目について理解しておきましょう。
こちらでは、ホームページ制作の見積もり項目について紹介します。
- 進行管理(ディレクション)
- 目標設定
- サイト設計
- マーケティング
- デザイン
- 画像撮影・選定
- コーディング
- 環境構築/機能設計
- テスト
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
進行管理(ディレクション)進行管理とは、「Webディレクター」や「プロジェクトマネジャー」のような立ち位置の人の作業のことで、その人に対する人件費などの費用が進行管理費です。
クライアントとの連絡や資料作成、ミーティングなどに充てる費用も進行管理費に含まれます。Webディレクターは、Webデザイナーらが円滑に制作できるよう、スケジュールや進行状況などを管理するのが役割です。
進行管理費はプロジェクト全体の10%程度が目安になっており、予算が増えるほど高額になる点を押さえておきましょう。
目標設定
ホームページを作成するに当たって、KPIやコンセプトなどの目標設定をすることが重要ですので、見積もり項目に含まれます。
KPIとは組織において、業績に対する評価を定量的に評価するための指標のことです。KPIを確認しながら、最終目標までの到達状況を確認します。
さらに、コンセプト決めや企画立案費用、競合分析なども、目標設定の行程です。
ホームページを作り替える場合には、現状のサイト分析も必要となりますので、その費用も上乗せされます。
サイト設計
サイト設計とは、ホームページの全体像であるサイトマップや、各ページの設計図であるワイヤーフレームを作成する工程です。
見積書によっては進行管理費にサイト設計費が含まれる場合もあります。しかし、サイト設計への注力度合いが大きいほど、別に記載していることが多いです。
また、サイト設計やワイヤーフレームをクライアント側が行う場合、サイト設計費は0円と記載されます。
つまり、どの程度の作業をWeb制作会社に依頼するのかによって、サイト設計費は大きく変動する点を押さえておきましょう。
マーケティング
マーケティングとは、アクセス解析や今後のSEO対策の戦略を設計することで、その費用がマーケティング費です。
アクセス解析は、ホームページの規模が大きくなればなるほど業務が大変になり、その分金額も高額になっていきます。
SEO対策は、対策したいキーワードの数やキーワードの人気度合いなどによって金額が大きく変わるのが特徴です。
今後のアクセスも重視したい会社ほど、マーケティング費用は高額になります。
デザイン
ホームページ制作で必ず発生する項目のひとつが、ページデザインをするための費用です。IllustratorやPhotoshopなどのデザインソフトを使って、PCやスマートフォンで表示される、ホームページの外観を作成していきます。
デザイン費は制作会社によって見積もり方法が異なりますが、代表的なのは下記の方法です。
- 制作するページ単位
- 工数や人件費単位
TOPページなどの重要なページは作業工数が多くなりますので、項目が分けられていることがよくあります。
予算を絞りたい場合や自社に知識があるスタッフがいる場合、全てのページではなく重要度の高いページのみ制作を依頼することもあります。どのページを制作会社へ依頼するのかをよく検討して制作会社に伝えた上で、見積書をもらうようにしてください。
画像撮影・選定
ホームページに使用する写真の撮影をWeb制作会社へ依頼する場合に、撮影費用が発生します。また、撮影を依頼しない場合でも、Web制作会社によっては画像選定に料金が発生する時もありますので、見積書をよく確認しましょう。
画像撮影を依頼する場合、カメラマンによって得意なジャンルやスキルが異なり、仕上がりに大きく差が出ます。カメラマンの過去の作品を見せてもらうなどして確認し、依頼するかどうかを決めるといいでしょう。
また、ロゴの作成など画像作成を依頼する場合には、別途料金が発生します。
コーディング
Webデザインでホームページの仕様が決まっても、そのままではホームページに掲載できませんので、コーディングが必要です。コーディングとはWebデザインをもとに、HTMLやCSS、JavaScriptなどの言語を使って、Webサイトとしての体をなすようにすることを指します。
特に集客を目的とするホームページの場合、コーディングの出来が検索エンジンでの表示順位に影響することもあります。
また、異なる画面表示で表示を調整してくれる「レスポンシブデザイン」に対応させる場合は、対応しないホームページより料金が高くなる点に注意してください。
環境構築/機能設計
ホームページを作成するには、コーディング以外にも下記のような技術的な費用が発生します。
- 環境構築
- 機能
具体的にどのような費用のことを指すのかを、紹介していきます。
環境構築
環境構築とは、ホームページを公開するのに必要な環境を整えるために必要となる費用のことです。具体的には、下記のような費用が含まれています。
- サーバーやドメインのセットアップ
- CMSの開発・組み込み
- SSLへの対応
- セキュリティへの対応
これらの費用は制作会社によって対応してくれる内容や費用が異なります。どの部分までの作業が見積もりの費用に含まれているのかをよく確認してから発注しましょう。
機能
ホームページに特殊な機能を実装させたいなら、見積書に機能設計費が計上されることが多いです。具体的には、下記のような機能を搭載する場合に別途費用が計上されます。
搭載する機能 | 機能の概要 |
問い合わせフォーム | ホームページ閲覧者からの問い合わせを受け付けるために設置するWebフォームの |
ネットショップ・カート機能 | ホームページ上で買い物ができるようにする機能 |
会員登録機能 | メールアドレスなどの個人情報を登録した会員に対して限定のお知らせやセールなどのサービスを提供するための機能 |
レビュー機能 | ネット上でユーザーやファンの声を集めて、ホームページに掲載する機能 |
サイト内検索機能 | ホームページ内の情報をキーワードで検索する機能 |
上記のような機能をホームページに搭載したいなら、制作会社に伝えて見積もりに計上してもらいましょう。
テスト
一通りホームページが完成したら、問題なく表示・動作するか制作会社でテストを行います。複数のブラウザやOSを用いて正しく表示されるかどうかを検証しますので、かなり手間がかかります。
ブラウザだけでも種類が多く、膨大な手間がかかることになりますが、予算によってテストにかける工数の調整も可能です。どの程度の検証を行うのかを制作会社と話し合うといいでしょう。
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見積もりの際の注意点
ホームページ制作の見積もりを依頼するなら、いくつか注意しておくべき点があります。見積もりをもらってから戸惑わないためにも、下記のような点に注意しましょう。
- 要件をまとめておく
- 納期のスケジュールをすり合わせる
具体的にどういうことなのか、詳しく紹介します。
要件をまとめておく
ホームページ制作では、希望すればたくさんの機能を搭載できますが、機能が増えるほど予算が上乗せされます。ホームページ制作にかけられる予算には限りがある会社が多いですので、希望する内容の優先順位や予算を明確にしておきましょう。
まずはホームページ制作で実現したいことや搭載したい機能、ターゲット層や必要なページをはっきりさせてください。どんなホームページを作りたいのかがはっきりしていないと、イメージとは全く違うものができあがることもあります。
大体のページ数がはっきりしたら、予算の相場を調べてみてから大体の予算を提示しつつ見積もりを依頼するとスムーズです。
見積書だけで判断できる自信がなければ、併せて提案書も提出してもらうのもおすすめです。
見積書や提案書が手元に届いたら必ず内容を確認してください。自社にとって不要な工程が含まれていることもあるからです。もしわからない部分があるなら質問して、何の作業が見積もり内容に含まれているのかを理解しておきましょう。
納期のスケジュールをすり合わせる
ホームページ制作を始めてからそのホームページが完成して公開されるまでには、さまざまステップがあります。クライアントである依頼者がチェックしなければならないステップもいくつかあり、制作会社に依頼すれば完成するという訳ではありません。
例えばデザインの確認、必要な機能が搭載されているかなど、制作会社に確認を求められたら、期日までに確認して返答する必要があります。
制作会社は納期に間に合うようスケジュールを決めていますので、依頼者の返答が遅れると納期の遅れにつながることがあります。指定されたそれぞれの期限までに求められたことに対応し、修正や調整が必要な場合はなるべく早く伝えるようにしましょう。
ランサーズでフリーランスへ見積もりを依頼してみよう
今回は、ホームページ制作の見積もりを依頼する際、押さえておきたい予備知識を紹介しました。
ホームページ制作にあたって、これまで聞いたことがないような専門用語が出てくることがあり、人によっては戸惑うことがあります。
また、依頼する制作会社選びも悩みの種です。一般的には、広告代理店やWeb制作会社に依頼することが多いですが、どうしても費用がかさんでしまいます。
少しでも制作費用を抑えたいとお考えなら、フリーランスへの依頼を検討してみましょう。
ランサーズなら経験豊富なフリーランスが全国に多数在籍していて、地元のフリーランスから探すことも可能です。相性がいいフリーランスが見つかれば、長期で関係を築くことにもつながります。
経験豊富なフリーランスなら自社の希望に合わせて的確な提案をしてくれますし、製作者と直接連絡が取れますので、スムーズにやりとりが可能です。
フリーランスへの依頼を検討しているなら、ぜひ一度ランサーズへ一度問い合わせてみてください。
