社内外のスムーズなコミュニケーションが、ビジネスの重要なカギを握ります。場所を問わず、チャットや音声・ビデオ通話ができるビジネスチャットツールは、仕事の効率化を図る最適な手段といえるでしょう。
「チャットツールはたくさんの種類があるので、どれを選べばいいのかわからない」
このような方に向けて主要チャットツール6選をご紹介します。自社に最適なチャットツールを選んで仕事の生産性を向上させましょう。

目次
ビジネスチャットツール導入のメリット
ビジネスチャットツールは「メールよりも簡単に仕事のメッセージを伝えることができる」「ネット環境があれば、スマホですぐにメッセージの確認ができる」などの利点があり、多くの企業から注目を浴びています。
ビジネスチャットツールを導入することで得られるメリットを、大きく4つに分類してご紹介します。
スピーディーで円滑なコミュニケーションができる
ビジネスメールは冒頭のあいさつ文や形式的なフォーマットの使用が不可欠です。一方で、ビジネスチャットツールはメールのような形式的な挨拶や署名などを必要とせず、すぐに本題に入ることができるのでスピーディーなコミュニュケーションが可能となるでしょう。
また、ほとんどのビジネスチャットツールにチャット履歴上の検索機能がついているので、知りたいことや確認したいことを検索して過去の情報やメッセージを簡単に素早く探すことができます。ビジネスチャットツールに登録している人の検索ができるので、社内だけではなく社外の方ともやりとりが可能です。
ビジネスチャットツールによっては、社外の関係者をビデオ会議に招待できる機能を備えているものもあります。
社内コミュニケーションの活性化を図れる
チャットグループ内の人にメッセージを一斉通知できるので、一人ひとり個別に連絡せずにすむというメリットもあります。また、一人のみに伝えたいメッセージがある際にも個別に送ることが可能です。
直接話しにくいようなメッセージもチャットツールなら気軽に伝えることができるので、コミュニケーションの活性化が期待できるでしょう。
仕事を効率化できる機能が充実している
仕事で使う画像やファイル、動画を簡単に共有できるため、仕事をスムーズに進められるようになります。また、ビジネスチャットツールによっては、チャットボットというAIチャットを作成可能なので、カスタマーサポートや社内の問い合わせを自動化できて、業務の効率化をさらに加速化することができるのです。
セキュリティが強化されている
ビジネスでは、取引先や委託先と機密情報のやりとりをすることも多いため、強固なセキュリティ対策が求められます。その点ビジネスチャットツールは、SNSやLINEなどのプライベートチャットよりもセキュリティ対策がしっかりしているので、情報漏洩の心配もありません。
また、業務で使用されることを前提として設計されているので、入退社や人事異動の際にも簡単に変更や削除対応が可能です。
最適なチャットツールを選ぶポイント
「たくさんの種類があるので、どのビジネスチャットツールを選べばいいのかわからない」そう思っている方も少なくないでしょう。
数あるビジネスチャットツールのなかから最適なものを選ぶための4つのポイントをご紹介します。
チャットツールの導入企業ランキングを確認する
NTT西日本が運営するビジネス情報サイト「Biz Clip」が2021年11月に発表した「企業のビジネスチャット利用実態調査2021」によると、次の結果になりました。
- 1位 Microsoft Teams(62.8%)
- 2位 Slack(8.2%)
- 3位 Google Chat(7.6%)
- 4位 LINE WORKS(4.8%)
- 5位 Chatwork(3.6%)
導入企業数が多いということは、運営のしやすさや利便性が高い機能が備わっているともいえます。導入企業数が多いビジネスチャットツールを使用すれば、取引先が同じものを使っている可能性も高く、やりとりもスムーズになるでしょう。
使いやすいチャットツールを選ぼう
誰にでも簡単に操作できるチャットツールを選ぶことが、導入を成功させるポイントになります。「操作方法がわからない」「慣れるのに時間がかかる」と多くの社員が困惑するチャットツールを選んでしまうと社内浸透率も低くなり、チャットツールを導入したメリットが減少してしまうのです。
また、導入前後にサポートがあるチャットツールを選ぶことで、わからないことが起きた時にも早い段階で問題を解決することができます。
利用したい機能が揃っているか?
チャットツールを導入する前に、本当に必要な機能を洗い出しておくことをおすすめします。
- SNSと連携できる機能が必要か?
- 既読機能があったほうが便利か?
- ストレージ容量がたくさんあったほうが使い勝手がいいか?
機能が多いチャットツールほど高額になるので、使いたい機能を把握してまとめておくことがコスト削減にもつながるでしょう。
コストパフォーマンスを検討
チャットツールによっては、月額費用だけではなく初期費用がかかるものもあります。また、有料チャットツールのほとんどが、1名につき月額費用がかかる仕組みになっているので、どのくらいの人数で利用するのがコストパフォーマンス的にいいのかを導入前に検討しておきましょう。
「正社員、契約社員までは使用可能で、業務委託、派遣社員、パート、アルバイトはどうするか?」などの線引きをはっきりさせておくことも重要です。まずは、試しに無料プランから開始できるチャットツールを利用して、使いやすいかどうか試してみてから段階を踏んで利用人数を増やしていくのも有効的でしょう。
おすすめ主要チャットツール6選
導入企業数が多いおすすめ主要ビジネスチャットツール6選を紹介します。それぞれの特徴を見極めて、最適なチャットツールを選びましょう。
Office 365導入企業におすすめ「Microsoft Teams」
前述した「ビジネスチャットツールの調査ランキング」のなかでも、ダントツでトップだったのがMicrosoft Teamsです。その理由として考えられるのが、Microsoft TeamsがOffice 365に組み込まれているサービスなので、すでに導入している企業は追加コストがかからずに使用できます。
Office 365を導入済みなのに、Microsoft Teamsが無料で使えることに気づいていない企業も多いかもしれません。
また、導入することでWordやExcel、PowerPointなどのOffice製品をスマホでも使用できるようになります。さらには、セキュリティで保護されたクラウドへどこからでも簡単にファイルの共有やアクセスができる利便性を備えているのもポイントです。
有料基本プランの料金 | プラン概要 |
430円/月 (年間契約) | ・最長30時間のグループ会議 ・1つのグループ会議の参加者が最大300人 ・1人につき10GBのクラウドストレージ ・電話/Web サポートがいつでも利用可 |
世界150ヶ国以上の企業で導入されている「Slack」
Slackは、世界150ヶ国以上の企業で導入されている世界シェアNO1のビジネスチャットです。一日のアクティブユーザー数は日本だけでも50万人に達しています。特徴的なのは、2,000種類以上のアプリケーションと連携可能で、メール、Googleカレンダー、Zoom、SNSなど、使いたい機能をカスタマイズできることです。
直感的な操作にも優れていて、テキストに枠をつけたり文字に色をつけたりできるので、テキスト投稿時に読みやすくわかりやすいレイアウトを作成することもできます。また、絵文字でリアクションができる機能や、絵文字を自作できるという遊び心も備えているのも特徴です。
有料基本プランの料金 | プラン概要 |
850円/月 | ・全部のメッセージが閲覧可能 ・アプリの活用、組み合わせが無制限 ・グループ音声通話やビデオ通話が最大15名まで可 ・社内外を問わず関係者をSlackチャンネルに招待可 |
国産で使い勝手のいい「Chatwork」
Chatworkは、導入企業が30万社以上の国産のチャットツールです。サーバーや通信はすべて暗号化されていて国際的なセキュリティ規格を取得し、大企業や官公庁も導入できるハイレベルなセキュリティ基準を誇ります。
さらに、チャットボット機能やTwitterとの連携も可能で、自分宛てに新しいメッセージが来るとGmailで通知する機能も備えています。また、グループ内にタスク機能を追加でき、タスクの完了・未完了状態を確認できて、日にちは時間を30分単位に区切って期限を追加可能です。
有料基本プランの料金 | プラン概要 |
600円/月 (年間契約で500円/月) | ・複数人での音声通話やビデオ通話可 ・1人につき10GBのストレージ ・グループチャット数無制限 ・退職と同時に会社側でアカウント削除可 |
Googleサービスと連携できるGoogle Chat
Google ChatはGmail内でも、アプリ単体でも使用可能です。メールでは時間がかかってしまうようなやりとりでも、チャットでコミュニケーションができるので、効率的に仕事をすることができます。
また、スマートリプライという受け取ったメッセージの内容に基づく簡単な返信候補が表示される機能があり、ビジネスの加速化を進めることが可能です。また、Google Workspaceと併せて使用するとGoogleドライブやGoogleカレンダーなど60を超えるサービスと連携できます。
Google Workspaceには、ビジネスに役立つ機能が充実しているので、新しいアプリを追加するコストや手間を省けるでしょう。
有料基本プランの料金 | プラン概要 |
680円/月 (Google Workspaceに加入時) | ・100人までビデオ会議に参加可能 ・1人につき30GBのクラウドストレージ ・強度なセキュリティ、ユーザーの管理可 ・Standard サポートつき |
Facebookのビジネス版!「Workplace」
Workplaceは、全世界で26億人のユーザーがいるFacebookのビジネス版チャットツールです。馴染みやすい画面で、短期間で様々な情報を閲覧することができます。また、情報に対して「いいね」やコメント、共有が可能です。
さらに、ビジネス用の安全性の高いセキュリティを備え、Office 365やGoogle Workspaceを組み込んで活用できます。リモート勤務中にも社内で活用しているすべての人とつながることができるので、チャット、ライブ配信などの機能を利用して、社内コミュニケーションを活発にすることができるでしょう。
有料基本プランの料金 | プラン概要 |
450円/月 | ・ファイルストレージ無制限 ・無制限にグループ作成可能 ・投稿とコメントを自動的に翻訳 ・メンバー、グループ、コンテンツの管理可 |
ITに強くない人にも受け入れられやすい「LINE WORKS」
LINE WORKSはLINEのビジネスチャットツールのことです。お馴染みのスタンプ機能や既読機能もそのまま使用できて、面倒なセットアップは不要のため、ITに強くない人でも受け入れやすいでしょう。ビジネス用なのでセキュリティ面もしっかりしています。
スマホはもちろん、パソコンでも簡単に使用でき、ファイル共有やノート機能はもちろん、チームやメンバーの予定を共有できるカレンダー機能もあり便利です。また、LINEチャットボットを取り入れれば、AIによる自動応答メッセージを作成可能なので、業務の効率化を図ることができます。
有料基本プランの料金 | プラン概要 |
300円/月 | ・ユーザー数無制限 ・100GBのストレージ ・200人まで音声・ビデオ通話・画面共有可能 ・カスタマーサポート |
自社にあうチャットツールを比較して検討しよう
前章では主要ビジネスチャットツール6選を紹介しました。
「自社に最適なものはどれなのだろう?」と迷っている方に向けて、有料基本プランの比較表や選ぶ際に役立つポイントをご紹介します。
ビジネスチャットツール6選比較表
それでは、6つのビジネスチャットツールの有料基本プランを比較してみましょう。
チャットツール | 有料基本プランの料金 | プラン概要 |
Microsoft Teams | 430円/月 (年間契約) | ・最長30時間のグループ会議 ・1つのグループ会議の参加者が最大300人 ・1人につき10GBのクラウドストレージ ・電話/Web サポートがいつでも利用可 |
Slack | 850円/月 | ・全部のメッセージが閲覧可能 ・アプリの活用、組み合わせが無制限 ・グループ音声通話やビデオ通話が最大15名まで可 ・社内外を問わず関係者をSlackチャンネルに招待可 |
Chatwork | 600円/月 (年間契約で500円/月) | ・複数人での音声通話やビデオ通話可 ・1人につき10GBのストレージ ・グループチャット数無制限 ・退職と同時に会社側でアカウント削除可 |
Google Chat | 680円/月 (Google Workspaceに加入時) | ・100人までビデオ会議に参加可能 ・1人につき30GBのクラウドストレージ ・強度なセキュリティ、ユーザーの管理可 ・Standard サポートつき |
Workplace | 450円/月 | ・ファイルストレージ無制限 ・無制限にグループ作成可能 ・投稿とコメントを自動的に翻訳 ・メンバー、グループ、コンテンツの管理可 |
LINE WORKS | 300円/月 | ・ユーザー数無制限 ・100GBのストレージ ・200人まで音声・ビデオ通話・画面共有可能 ・カスタマーサポート |
従業員数が1,000名以上の企業は「Microsoft Teams」
無料プランで100名まで、基本有料プランで300名までのオンライン会議を開催可能なので、従業員数が1,000名以上の企業やOffice 365を導入済みの企業は「Microsoft Teams」をおすすめします。また、約40の多言語にも対応しているので、外国人の社員が多い、海外に取引先が複数あるという企業にも有効的です。
SEやプログラマーが複数在籍するIT企業は「Slack」
Slackは2,000以上のアプリをカスタマイズできるので、IT企業やIT知識が高い社員が多い企業におすすめです。逆にITに関する知識が少ない社員が多い企業は、たくさんの機能を上手く活用できず、宝の持ち腐れになってしまう可能性があります。
使いやすさを求めている企業は「Chatwork」
Chatworkは、ビジネスチャットツールに最低限必要な機能が揃っていて、使いやすさにも定評があります。複雑な機能を求めず、シンプルな機能を求めている企業におすすめです。
日頃からGmailやGoogle Meetsを使っている企業は「Google Chat」
普段からGoogleが提供しているサービスやGmail、Google Meetsを使用している企業は、Google Chatをおすすめします。同じGoogleのサービスなので、無料ですぐに連携可能です。
社員同士の交流を活性化したい企業は「Workplace」
WorkplaceはFacebookと同じように、ニュースフィードに自分のグループ以外の社員が投稿した記事を閲覧できます。部署間の垣根を外して社員間の交流を活性化したい企業におすすめです。
カジュアルにやりとりしたい企業は「LINE WORKS」
LINE WORKSは、直感的に操作ができ、スタンプ機能も使えるため社員間でカジュアルにやりとりしやすいです。プライベートで使用している人も多いので導入の敷居も低く、多くの社員から受け入れられやすいでしょう。
最適なチャットツールを選んで、業務効率化を実現させよう
これまでビジネスチャットツール導入のメリットや最適なチャットツールを選ぶポイント、6つの主要なビジネスチャットツールを解説しました。自社にあうものを選択できるように比較表や選ぶ際に役立つポイントを参考にして最適なものを選び、業務効率化を実現しましょう。
また、ランサーズにはチャットツールの自動応答機能・チャットボットの開発ができるプロのフリーランスが複数登録しています。チャットボットの運用を検討している方は、ぜひご検討ください。
