やらなければいけないけれど手間のかかる業務は、マクロを導入することで大幅に時間を短縮できます。業務が効率化できて便利と言われているマクロですが、実際に何ができるのかわからなければ導入をためらうものです。
そこでマクロの導入を検討している方のために、マクロとはどんなものなのか、導入事例、メリットとデメリット、マクロを上手に利用するおすすめの方法などをご紹介します。

目次
マクロとはどんなもの?
業務効率化に一役買うマクロとは、実際どんなものなのでしょうか。マクロの基本的なことや、VBAとの関係性、RPAとの違いをご紹介します。
マクロは作業を効率的にする機能
マクロとはExcelなどのソフトで行う一連の作業を記録し、自動で実行する機能の総称です。データの集計や分類をはじめ、時間と手間のかかるルーティンワークを記録することで、マクロが人間の代わりに作業を行い、作業時間の大幅短縮が可能になります。
また作業の記録段階で間違えなければミスが生じず、正確かつ連続で作業が行えるため、業務の効率化とともに確認作業の負担を減らし、制作物のクオリティアップも図れます。
マクロとVBAの関係性
マクロについて調べていると見かけるのが、VBAという単語です。このVBAとはVisual Basic for Applicationsといい、マクロを操作する際に使われるプログラミング言語の一種です。
プログラムを作るVBAを使いこなせれば、より多くの業務の自動化が実現可能となります。マクロとVBAは時折一緒にされることもありますが、実際は全くの別物です。
- マクロ・・・操作の自動化が可能となる便利な機能
- RPA・・・便利なマクロを動かすためのプログラム
と覚えておくとわかりやすいでしょう。
RPAとの違い
マクロと同じく作業を効率化させるのに一役買うのが、RPAです。RPAはRobotic Process Automaitionの略。事務や総務、経理といったバックオフィス業務などを自動効率化する技術です。
マクロとRPAの違いは次の通り。
- マクロ・・・Excelを始め、officeアプリケーションなどで行えるものが対象。Excelなどofficeアプリケーション内での単純作業に適している。
- RPA・・・パソコンでできる作業全般が対象。Excelなどではできない、高負荷な作業や複雑な作業などに適している。
自動化したい業務の内容に合わせて、マクロとRPAを使い分けるとよいでしょう。
【関連記事】
【RPAツールのおすすめ3つ!】費用相場やRPA導入事例も紹介
マクロの導入でできること
時間のかかる作業を自動で行い、業務の効率化を図れるマクロ。導入した際はどんな作業が自動化できるのでしょうか。具体例と導入事例を4つずつご紹介します。
ボタンひとつで表計算やグラフ作成ができる
数字のコピペや売上の集計、個別集計など、手間のかかるルーティンワークもマクロを使うことで自動化できます。
シンプルな四則演算だけでなく、複雑な表計算やグラフ作成などの作業も記録しておけば、手間のかかる作業もボタン一つで可能に。マクロならミスや入力漏れも防げるため、資料作成などを効率よく行えます。
▼マクロの導入事例1
- BEFORE・・・製造業のデータ分析のため、手入力でグラフを作成していた。作業量が膨大でデータの入力間違えも多発していた。
- AFTER・・・データ取得後に自動でグラフを作成するマクロを利用。グラフ作成にかかっていた10時間分の作業を削減できた。
メルマガなどのメール送信
メルマガや日報など、定期的にフォーマットを利用して作成するメールや、大量のメールを一斉送信したい時にもマクロは利用できます。
マクロを利用してできる一例は、次の通り。
・メールソフトと連携してメールの自動作成と自動送信
・メールの送信先を抽出し、リストにまとめて一括送信
・メール本文における氏名を自動で挿入
など。
マクロなら手作業で行っていたメール作成の手間と時間を削減しつつミスもないため、素早くかつ正確にメールの送信ができます。
▼マクロの導入事例2
- BEFORE・・・日報メールの作成を手作業で行っており、残業時間が増える要因の一つになっていた。
- AFTER・・・日報メールの下書き作成にマクロを使用。メールの作成時間を他の業務に充てたり、残業時間を減らしたりすることができた。
Webサイトから必要な情報を自動取得
各Webサイトにある商品名や価格といった情報を定期的に取得したり、大量に取得したりする際は、マクロを利用すると便利です。
指定したWebサイトにアクセスし、商品名や価格など必要な情報を自動で拾ってまとめるようにマクロを設定。するとリサーチをする時間と手間が省け、データ分析をスムーズに行えます。
▼マクロの導入事例3
- BEFORE・・・マーケティング会社において、Webのデータに毎回手動でアクセスし、各データを一つずつ目視で確認していた。
- AFTER・・・Webデータの解析にマクロを利用し、14時間かかっていた作業を削減。確認ミスも減り、担当者の負担軽減も実現できた。
情報の分割・まとめが可能に
マクロを利用すれば、一つのセルに記入してある情報の分割・まとめという作業も行えます。住所を地名と番地で分割したり、別々だった都道府県と市区町村をまとめたりすることが可能。またマクロなら、複数のセルに分かれていたデータもまとめられ、情報の整理がスムーズにできます。
セルだけでなく、マクロを使えばシートの分割やまとめも可能に。数社のデータが入り混じったシートを、会社別のシートにデータを自動で振り分けたり、複数のデータをまとめたりもできます。
まとめたデータはマクロを利用して、売上順や日付順に並べ替えられるのもポイント。情報を素早く整理し、注力すべき業務に専念できます。
▼マクロの導入事例4
- BEFORE・・・売上データをExcelファイルで管理。取引先ごとに伝票を作る必要があるが、データが整理されておらず膨大な時間がかかる。
- AFTER・・・マクロを使用してExcelデータを整理。伝票の作成時間を大幅に削減。
取引先ごとにシートを分割し、自動でテンプレートに記載。マクロなら日付順に並び変えや残高の記載も自動で行ってくれるため、作業時間を大幅に短縮できました。
マクロを導入するメリットとデメリット
業務の効率化に大きく貢献するマクロ。そんなマクロにもメリットとデメリットがあります。メリットとデメリットをしっかり把握した上で、導入を検討しましょう。
メリット
1.手入力の時間を削減できる
時間と手間のかかる作業や、毎日繰り返し行う業務をマクロで対応することで、時間に余裕が生まれます。
その時間を活用することで、従業員を利益に直結する業務に専念させること可能に。業務効率化に加え、会社の収益向上が望めます。
2.比較的簡単にシステムの作成が可能
マクロは他のシステム開発よりも、比較的簡単に作成できるのがメリット。マクロの場合プログラミング言語の使い方を覚えなくとも、元々用意されているマクロの記録という機能を使うことで、プログラムの作成が可能です。
他のプログラミングと比べると、マクロは導入のハードルが低いといえます。
3.開発コストや運用コストが適切
マクロはExcelをはじめとしたofficeアプリケーションなどに備わっている機能のため、改めてソフトを購入する必要がありません。
運用の際もExcelなどが起動できる環境さえあれば問題ないため、開発コストや運用コストがかさまず、適切な価格で利用できるのもメリットです。
4.他のアプリケーションとの連携も可能
マクロはExcelやWord、PowerPoint、Outlookといったアプリケーションを連携させて使用することも可能。アプリケーションを連携させたマクロなら、PowerPointでの資料作成やメールの送信も行え、より業務の効率化が図れます。
【関連記事】
【こんなにある!?】中小企業で行われた業務改善の事例
デメリット
1.マクロの取得に時間がかかる
マクロの作成はプログラミング言語を使用する他のシステムと比べてハードルが低いものの、それでも技術を1から取得することは、人によっては時間がかかるものです。
普段からExcelなどを使わない人であれば、マクロの取得にはさらに時間がかかる可能性があります。
2.退職リスクがある
マクロの作成やメンテナンスを担当していた人が他の部署へ移ったり、退職したりした場合、エラーが発生すると対処が難しいのがデメリットです。
またExcelなどのアプリケーションのバージョンが変わった際、改修が必要にも関わらずマクロを作成した人がいないとなると対応ができず、マクロが利用できないため業務に支障をきたす場合も。
退職リスクを避けるため、マクロを自社で作成して利用する際は、誰でも引き継げる状態にしておくことが大切です。
3.複雑な処理には向いていない
マクロを使って複雑な処理を行うとシステムが対応しきれず処理速度が遅くなってしまい、かえって作業に時間がかかる場合もあります。
あくまでも単純な作業にマクロを利用するようにしましょう。
マクロを使うなら外注するのも選択肢の一つ
マクロの作成は自力でもできますが、作成した経験がないと一つずつ調べながら進めていくことになります。その場合はどうしても時間がかかるものです。業務を効率化するはずが、むしろ業務以外の作業時間を増やすことになってしまいます。
今まで時間のかかっていた作業を効率化してくれるマクロ。自社で作成するのも良いですが、外注するのも選択肢の一つです。
ランサーズでマクロの作成を外注する
マクロの外注はランサーズがおすすめです。ランサーズにはマクロが得意なフリーランスの方が多数在籍しており、マクロの作成を適切な価格で依頼できます。
マクロに関する実績や今までの経歴、対応可能な業務などを確認し、この人に任せてみたいと思う方が見つかった際は、まずはお見積もりから相談してみてはいかがでしょうか。
マクロを外注する際の費用の相場
マクロの場合、他のプログラミング言語に対して比較的簡単に作成できるため、開発費用は抑えられる傾向があります。
依頼内容によって費用は異なりますが、マクロの作成費用はおおよそ10~20万円が相場です。単純な作業をするだけのマクロであれば、費用は内容によっては1万円以下になる場合も。
反対にデータ量が大量にあったり、自動化する作業自体にボリュームがあったりする場合は、費用が高くなる傾向があります。その場合でも他のプログラミング言語と異なり、100万円以内に抑えることが可能です。
【関連記事】
EXCELマクロ・VBA開発の費用相場、フリーランスに依頼するとどうなる?
マクロの導入で業務を効率化させ、仕事をサクサク進めよう
マクロを導入することで、今まで手間と時間がかかっていた業務を大幅に効率化することが可能。単純作業を自動で行ってくれるマクロならミスも防げ、負担を減らしつつ正確な成果が手に入れられます。
マクロは自分たちで覚えて作成するだけでなく、外注するのも選択肢の一つ。多数のフリーランスが在籍するランサーズなら、マクロが得意な方も見つかります。マクロを利用して業務の効率化を図り、仕事をサクサク進めて成果を上げてみてはいかがでしょうか。
【関連記事】
【こんなにある!?】中小企業で行われた業務改善の事例
