Excelで行っている定型業務は、マクロやVBAを使って自動的に処理することで、作業効率が飛躍的にアップします。
自動化したい作業が見えているけれど、自社でマクロやVBAの開発ができる人材がいない、というケースは少なくありません。
その場合は、Excelマクロ・VBA開発を外部に発注してみてはいかがでしょうか。
本記事では、Excelマクロ・VBA開発を外注するメリットと依頼するべきかどうかの判断のポイント、気になる費用相場についてまとめました。
Excelマクロ・VBAで業務効率をアップしたいとお考えの方はぜひご一読ください。

目次
一体いくら?EXCELマクロ・VBA開発の費用相場
まずは、Excelマクロ・VBAの開発を外注する場合の費用相場について解説します。
費用相場一覧
Excelマクロ・VBA開発の費用相場について考えるには、依頼する機能の複雑さに着目します。以下に、大まかな費用相場と開発期間の目安をまとめました。
依頼する機能の複雑性 | 費用相場 | 開発期間の目安 |
---|---|---|
簡単な使用 | 5万~10万円 | 1週間程度 |
要件定義・設計が必要 | 10万~100万円 | 機能によるが3か月以上 |
依頼する機能があまり複雑でない場合、口頭でやりたいことを具体的に伝えるだけで、開発者は作業を進められます。
シンプルな仕様の場合は、予算として5万円から10万円程度を見込んでおけばいいでしょう。
依頼する機能が複雑で口頭で伝えきれないような場合は、要件定義や設計が必要になり、機能によって費用相場は10万円から100万円とかなりの振れ幅があります。
口頭で要望を伝え、開発者がもらった情報をもとに要件定義や設計を進め、仕様の合意を取ってから開発を進める、というのが一般的な流れです。
外部データベースにデータを格納したり、帳票のデザインから始めたり、といった対応が必要な場合は、複雑な仕様として判断します。
使用する人間が多く全社で使用する場合も、仕様は複雑になりがちです。
EXCELマクロ・VBA開発を依頼するメリット
Excelマクロ・VBA開発を依頼するメリットは以下の通りです。
- 定型でかつボリュームのある作業を省力化
- 本格的なシステム開発に比べて安価で短納期
- ほとんどのパソコンに入っているためインストール不要
これらのメリットについて順番に解説します。
作業効率が劇的に上がる
毎月行っている旅費の精算、進捗管理など、日ごろ職場でExcelを利用する機会は多いのではないでしょうか。VBA開発まで視野に入れると作業の効率化ができる範囲は大きく広がります。以下は、VBA開発で可能になる主な機能です。
機能 | 内容 |
---|---|
Excelデータの集計・編集 | 複数のExcelファイルを連携して必要な書類を作成 集計データの分析ロジックを組み込みデータ編集 |
操作できる画面の追加 | ユーザーインターフェースにより入力した情報から処理パターンを変えるなど できることが増え。機能もわかりやすい |
定型ファイルの作成 | PDFやCSV形式のファイルを読み込んでExcelで作ったフォーマットに落とし込む(転記の手間がかからない) |
ログ解析 | 大量のアクセスログを読み込んで分かりやすい形に整形して集計・解析 人力では大変な解析処理も可能 |
サイトクローリング | Internet ExplorerやMicrosoft EdgeとVBAを連携させてデータをダウンロードできる |
MS Officeアプリケーション同士の連携 | Accessやパワーポイントなどと連携可能 SQLを発行してAccessからデータを取得 逆にAccessにデータを帆損することもできる |
作業効率アップとなるもうひとつの要因は、これまで人力でやってきた作業を自動化すると人為的なミスが発生しなくなる点です。
ミスがはくなると、ミスの調査やリカバリーをする必要がなくなる分、さらに工数を削減できます。
その他のマクロできる業務効率化事例もご確認ください。
安価で短納期
大がかりなプログラムやシステムの開発に比べて、Excelマクロ・VBA開発は安価で開発期間も短くて済みます。
ただし、VBA開発は自由度が高いため、やりたいことはほとんどできてしまいます。
外部データベース連携などに凝りだすと、多機能になる分開発期間もかかり、開発費用も高騰する点には注意しましょう。
インストール不要で誰でも使える
Excelは、職場で使っているパソコンにほとんどインストールされているプログラムです。そのため、他に特別なプログラムをインストールする必要はありません。
納品物は、基本的にはマクロを含んだExcelファイルのみ。
Excelを起動して、マクロを動作させるだけで誰でも使える手軽さが魅力です。
ここに注意!Excelマクロ・VBA開発を依頼する際のポイント
Excelマクロ・VBA開発を依頼する場合は、いくつか注意点や確認ポイントがあります。
作業範囲を明確にする
Excelマクロ・VBA開発を依頼する際、どこまでの作業を頼むかを明確にしましょう。
いろいろな機能を盛り込みたいなら、ツールを使ってどのようなことを実現したいかを口頭で説明して、要件定義や設計以降のフェーズを頼みます。
簡単な仕様なら外部仕様までは自社で決めて、開発のみを頼むのもひとつの方法です。
自社で設計書まで作成するかどうかでかかる費用は違います。
開発費用のみを頼む方が費用は抑えられます。
ただ、自社できちんと要望定義書や外部仕様書にまとめられないなら、上流工程も外注するように検討しましょう。
また、Excelマクロ・VBA開発そのもの費用だけでなく、保守費用、機能追加があったときの費用をどうするかの取り決めも重要です。
さらにExcelのバージョンアップ対応もお願いするかどうか決めておきましょう。
Excelのバージョンを変えると、マクロやVBAの仕様が変わってしまい動作しなくなる可能性もあるためです。
複数人での作業やデータ量が膨大な場合には不向き
Excelマクロ・VBA開発でできることはたくさんあります。
しかし、複数人でひとつのExcelを参照してデータを記入する場合や、データ量があまりにも多い、という利用シーンでは、Excelマクロ・VBAはあまり向いていません。
複数人での作業が必要な場合は、Google DriveやGoogleドキュメントを活用した方が便利です。
大量データをExcelで扱うと、動きが遅くなったり突然落ちたりする可能性もあります。数十万行ものデータを扱いたい場合は、素直にプログラム開発をした方が満足いく結果得終えられるでしょう。
相見積もりを取る
実際にExcelマクロ・VBA開発の外注先を決める際は、複数の依頼先に相見積もりを取るようにしましょう。
相見積もりを取ることで、希望する機能を持つ開発の費用相場がだいたいどのくらいか、数字として確認できます。
どのバージョンのExcelを使うか明確にする
Excelのバージョンによって、マクロやVBAの挙動が変わる場合があります。
どのバージョンのExcelを使うかは、要望の中に必ず盛り込みましょう。
職場のパソコンに入っているExcelのバージョンが複数ある場合は、それらのバージョンすべてで動作するように依頼するか、職場のExcelバージョンを統一するかを検討します。
Excelマクロ・VBA開発の依頼先にはフリーランスがおすすめの理由
Excelマクロ・VBA開発の依頼先には、システム開発会社とフリーランスがあります。
システム開発会社は、チームでの開発が可能なため、VBA開発で開発規模が多くなりそうな場合に検討するといいでしょう。
そこまで開発規模が大きくならないと見込まれる場合はフリーランスへの依頼もおすすめです。
ここでは、フリーランスをおすすめする理由を3つにまとめて解説します。
求めるスキルの人材を確保しやすい
フリーランスは、過去の実績や得意分野をクラウドソーシングサイトのプロフィール欄や自身のポートフォリオサイトに登録しています。
具体的な実績が記載されているので、同じような機能の開発を依頼する際、スキルセットが合致する人材を確保しやすくなります。
相見積もりしやすい
クラウドソーシングサイトは、希望のスキルを持つフリーランスを探しやすいよう、フリーランスの実績や資格などの情報を細かく設定しています。
同じようなスキルを持つフリーランスを検索するだけで簡単に発見できるため、相見積もりも簡単に出しやすい点も、フリーランスをお勧めする理由のひとつです。
見積もりのやり取りをする中で、フリーランス側のコミュニケーションスキルや相性も分かります。
機動力の高さ
フリーランスと直接打ち合わせをして仕事を進めていくため、機動性が高くすぐに対応してもらえる点も魅力です。
間に他の人や会社が入る形だと、どうしてもタイムラグが発生して機動力が落ちます。
フリーランスにExcelマクロ・VBA開発を依頼する流れ
フリーランスにExcelマクロ・VBA開発を依頼する場合は、以下の流れで仕事を進めましょう。
1.依頼するための資料を作成2.複数のフリーランスに相見積もりを取る3.依頼者を決めて詳細な設計を詰める4.完成したExcelマクロ・VBAの検収5.支払いと保守開始
どのような作業が発生するかを順番に見ていきます。
1.依頼するための資料を作成
Excelマクロ・VBA開発で、どのようなツールを作成したいか定め、ツールの作成依頼資料を作成します。
ツールでどのようなデータを加工して、最終レポートはどのような形式なのかを提示できれば、受注側も大まかな見積もりが可能です。
細かい機能についてはExcelマクロ・VBAに詳しくないと網羅できません。
機能のも裏を目指すと資料作成が大変になるため、ツールによってどのような成果を得たいかという要件の方をすべて出すようにだけ意識しましょう。
2.複数のフリーランスに相見積もりを取る
ツールの依頼資料が完成したら、複数のフリーランスに相見積もりを取ります。
その際、費用と期間および設計のラフイメージを提示するよう求めましょう。
提案内容が自社にもっともフィットする人を探して、依頼先を決めます。
3.依頼者を決めて詳細な設計を詰める
Excelマクロ・VBA開発の依頼先を選定したら、そのフリーランスから詳細設計を提示してもらいましょう。
詳細設計では、どのようなメニューと画面を作り、入力のExcelと出力するExcel、どのデータが入力データで、出力データはどのような形式なのかを明示してもらいます。
この段階で何度かやり取りをして、双方合意に至ったら、開発を進めるようにします。
4.完成したExcelマクロ・VBAの検収
納品されたExcelマクロ・VBAの挙動は、依頼側で必ず検収しましょう。
開発前に作成した詳細設計書と、最初に作成したツールの依頼資料に記載されている挙動がすべて作りこまれているか、エラーが発生したときの対処法などをテストします。
修正してもらいたい場合はフリーランスに修正依頼を出しましょう。
注意したい点は、設計書や依頼資料に入っていない機能をやはり付けてほしい場合、追加料金が発生することです。
機能追加については、別途フリーランスと相談しましょう。
5.支払いと保守開始
支払を完了して納品した後、保守契約を結ぶ場合は保守を開始します。
使い始めはどうしても不具合や操作上の疑問点が発生するため、支障なく業務で使えるようになるまでは、問い合わせができるような契約を結んでおくと安心です。
