SEOの外部対策を検討する際には、被リンクに関する検索エンジンの評価基準やガイドラインを確認し、自社サイトに合った施策の実施方法を判断することが重要です。
本記事では、SEO外部対策を実施する方法や被リンクを獲得する際に留意すべき重要点などを解説します。自社サイトのSEO対策を検討する際に参考にしていただき、サイトの運用改善に役立ててください。

目次
SEOの外部対策とは
SEOの外部対策とは、他のサイトから高品質な被リンクを獲得することによって、検索エンジンの評価を向上させる施策です。
まず、SEOの外部対策と内部対策との違いと、外部対策のサイテーションについて説明します。
SEOの外部対策と内部対策の違い
SEOの外部対策とは、良質なコンテンツ作成や他のサイトとの信頼構築などの活動によって外部サイトからの被リンクを獲得し、検索エンジンからの評価を向上させる施策を指します。
一方のSEOの内部対策とは、サイト内のコンテンツ全般を対象にして行う施策のことです。クローラーと呼ばれる検索エンジンの自動巡回プログラムの巡回促進や、検索エンジンにサイト内の情報を正しく評価・登録させるインデックス最適化などの施策があります。
外部対策のサイテーションとは
SEOの外部対策におけるサイテーションとは、他のWebサイトやSNS上で特定のサイト名やメーカー名、ブランド名が記載されている状態のことです。サイテーションは、記載したサイトへのリンクが記載されていなくても構いません。
SEO外部対策を成功させるには、サイトに対するユーザーからの信頼性向上が重要になります。サイテーションは、そのサイトの信頼度を評価する重要な指標のひとつです。
好意的なサイテーションが増加することで、そのサイトに好意や信頼感を持つユーザーが増えていることも分かり、検索順位の向上につながります。
逆に否定的なサイテーションが増加してしまうと、検索エンジンからの評価が低下する要因になる可能性があります。ネガティブなサイテーションは、サイトの規模が大きくなるほど、増えやすい傾向が見られます。
SEO外部対策を進める際には、サイテーション全体に占める肯定的なサイテーションの割合を増やすことを目指した施策の実施が重要です。
Googleアップデートによる外部施策関連のSEOの歴史
Googleが検索エンジンの日本語対応を開始したのは、2000年のことです。この年から現在までに実施された、SEO外部対策に関連する検索エンジンの大規模アップデートの概要を、以下の表にまとめました。
検索エンジンの評価基準の変化を知ることは、有効な外部施策を検討する際に役立ちます。
時期 | アップデート名 | アップデート概要 |
---|---|---|
2003年4月 | カサンドラアップデート | 低品質な被リンク、バックリンク、隠しリンクがペナルティ対象となる |
2003年11月 | フロリダアップデート | 悪質なブラックハットSEO(無意味なキーワードの大量使用)がペナルティ対象となる |
2009年12月 | パーソナライズドサーチアップデート | ユーザーの所在地・検索履歴などによる検索結果のカスタマイズ導入 |
2011年2月 | パンダアップデート | コンテンツの品質・ボリュームを重視した評価基準を導入 |
2012年4月 | ペンギンアップデート | Google品質ガイドラインに反する被リンクがペナルティ対象となる |
2013年8月 | ハミングバードアップデート | 検索意図への対応性をサイト評価基準に導入 |
2015年4月 | モバイルフレンドリーアップデート | スマートフォン対応コンテンツの優先評価 |
2017年12月 | 日本語検索アップデート | 健康・医療系サイトに信頼性を重視した新たな評価基準を導入 |
2018年7月 | スピードアップデート | 表示速度が極端に遅いページの評価を下げる |
SEOの外部対策の11の方法
SEOの外部対策の主な実施方法には、以下の11項目があります。それぞれの方法の概要について説明します。
- トレンド記事の作成
- 独自調査に基づく1次情報の発信
- コンテンツデザインの改善
- RSSフィードの設定
- Googleビジネスプロフィールへの登録
- SNSの活用
- プレスリリースの配信
- 被リンク営業の実施
- 他サイトとの協力関係の構築
- 低品質なリンクの削除
- 外部対策の効果を測定
1. トレンド記事の作成
トレンド記事とは、話題性や時事性のあるテーマに関連するニュース・情報をまとめた記事のことです。
注目度の高いテーマに関する情報を迅速に提供することによって、被リンクを増加させる効果が期待できます。
Googleが無料提供しているGoogleトレンドというツールを利用すれば、トレンドになっているキーワードを簡単に調査できます。
2. 独自調査に基づく1次情報の発信
自社で実施した独自調査の結果や、収集したデータに基づく情報を発信すると、被リンクを獲得しやすくなります。
コンテンツに記した情報の根拠となるデータは、多くのサイトで必要とされています。独自に収集した1次情報であるコンテンツは、他サイトで引用されやすく、被リンク獲得に効果的です。
3. コンテンツデザインの改善
情報やデータを視覚的に表現したインフォグラフィックは、多くのユーザーにとって理解しやすいと評価されるため、被リンク獲得に役立ちます。
情報を簡潔にまとめた漫画やイラストなども、被リンクを獲得しやすいビジュアルコンテンツです。
4. RSSフィードの設定
RSSフィードとは、自社サイトの更新情報をRSSという形式のデータで提供するGoogle Chromeの機能です。自社サイトにRSSフィードを設定することによって、ユーザーはサイト内のコンテンツの引用やリンクの貼付を簡単にできるようになります。
2022年9月現在では、Android端末のみにRSSフィードが提供されていますが、デスクトップ向けChromeでの提供を準備中であると発表されています。
5. Googleビジネスプロフィールへの登録
Googleビジネスプロフィールは、企業情報や店舗情報を登録・管理できる無料サービスです。
会社名・住所・電話番号・URL・画像・ビジネスカテゴリなどの情報を登録すれば、Googleの検索結果ページやGoogleマップに登録情報が表示されます。
実店舗を持つ企業にとって、Googleビジネスプロフィールは非常に効果的な被リンク獲得施策のひとつです。
6. SNSの活用
自社サイト内のコンテンツにTwitterやFacebook、Instagramといった主要SNSの共有ボタンやショートカットアイコンを掲載することで、SNS上での共有が促進されやすくなります。
SNS上でのサイテーションを増加させて、より多くのユーザーに自社サイトを認知してもらうことは、SEO外部対策にとって重要な施策のひとつです。
7. プレスリリースの配信
自社サイトの人気コンテンツや、ユーザーの興味を集めやすい自社に関するトピックをプレスリリースとして配信する手法も、外部対策に役立つ取り組みです。
サイトの認知度だけでなく、サイトを運営する企業への関心を高める効果も期待できます。
8. 被リンク営業の実施
被リンク営業とは、他のサイトに被リンクを貼る依頼をする活動です。
被リンク営業を行う際に重要なのは、すでに自社サイトとの信頼関係が構築されているサイトや、自社サイトのコンテンツと関連性が高いサイトを対象にすることです。
こうしたサイトであれば被リンク獲得の見込みが高く、被リンクの品質を高めやすくなります。
9. 他サイトとの協力関係の構築
外部SEO対策を進める際には、自社だけではなく他サイトの運営会社との協力関係を築いていくことが重要です。
他のサイトとのコンテンツの共同作成や、共同キャンペーンの実施といった取り組みによって、複数のサイトとパートナーシップが強化されやすくなります。その結果、良質な被リンクが獲得しやすくなります。
10. 低品質なリンクの削除
定期的に自社サイトの被リンクを確認し、品質の低いサイトからの被リンクを発見した際は、リンク元への削除申請やリンクの否認を実施しましょう。
品質に問題のあるサイトからの被リンクを放置すると、検索エンジンからの評価が低下し、場合によってはペナルティを受けてしまうリスクもあります。
被リンクの確認方法については本記事「自社メディアの被リンクを確認する方法」の項を参考にしてください。
11. 外部対策の効果を測定
SEO外部対策の効果を定期的に測定し、今後の施策実施に活かすようにしましょう。
SEO対策の効果測定には、GoogleサーチコンソールやAhrefs(エイチレフス)などの専用ツールの利用をおすすめします。
外部対策の効果測定ツールでは、主に以下の項目が測定できます。
- サイト全体の被リンク数
- サイト内の各ページの被リンク数
- リンク元のURL
- リンク元からの被リンク数
- 検索順位の推移
- 競合サイトの被リンク状況
これらの項目を定期的にチェックすることで、自社の外部対策の有効性を客観的に確認することができ、施策の改善に活用できます。
SEOの外部対策による外部リンクの効果と評価
被リンクがSEOで重視される理由
Googleでは、被リンクをWeb上の「投票」だと判断しており、どのサイトが他のサイトから信頼できる情報源として投票を得ているのかを分析しています。
質の高い被リンクの獲得数が多いサイトやページは、多くの投票を集めた有益で信頼性の高いサイト・ページとして検索エンジンから認識され、検索順位が向上する大きな要因となります。
被リンクの質は最重視される
SEOの外部対策において、もっとも重要となるのは被リンクの質です。
検索エンジンでは、ユーザーにとっての利便性や信頼性の高さを基準として順位付けが行われます。
他のサイトから自然発生的に付けられる「ナチュラルリンク」は、利便性や信頼性の高さの証明となる上質なリンクとして評価されます。特に信頼性の高いサイトからのナチュラルリンクは、高く評価されます。
逆に低品質だと評価されているサイトからの被リンクは、SEOにとってマイナス要因となるケースがあるので、注意が必要です。
被リンクの量も重視される
SEOの外部対策では被リンクの質だけではなく、被リンクの量も重視されます。
単純に被リンク獲得の量が多ければ高評価につながるわけではなく、品質的に問題のない被リンクの量を増やすことが重要です。
ちなみにひとつのサイトから10の被リンクを得るよりも、10のサイトから1リンクずつ被リンクを獲得しているサイトのほうが、多くのユーザーから支持されていると判断されて、高く評価されます。
自然発生的で上質な被リンクの増加を目指して、外部施策を検討しましょう。
SEOの外部対策はユーザーの満足度を上げるのが近道
SEO外部対策を成功させる基本条件は、ユーザーの満足度を向上させることです。
ユーザーの検索意図に沿った信頼性の高いコンテンツを作ることが、ユーザーの満足度向上につながります。SNSとの連携をはじめ、ユーザーがサイト内のコンテンツをシェア・拡散しやすい工夫も必要となります。
ユーザーの満足度を上げることによって、質の高い被リンクが獲得しやすくなります。
SEOの外部対策は、他のサイトから評価されることを目的とするため、コントロールが難しい面があります。効果的な外部施策を実施するには、ユーザーの満足度を高めるコンテンツ作成に取り組み続けることが重要です。
こんな被リンクはペナルティ
Googleが定めるガイドラインに抵触する方法での被リンク獲得は、検索順位の低下やインデックス削除などのペナルティ対象になる可能性があります。
Googleがガイドラインに示している、被リンクに関する違反行為には以下のような項目があります。
- 被リンクに関連した金銭の授受
- 被リンクに関連した物品やサービスのやり取り
- 特定の商品について紹介してもらい、被リンクと引き換えにその商品を無料提供する
- 過剰な相互リンクや、相互リンクだけを目的としたページの作成
- 大量のキーワードをアンカーテキストリンクに使った、大規模な記事マーケティングやユーザー投稿のキャンペーン開催
- 自動化プログラム・サービスなどを使用したサイトへのリンク作成
こうした方法で被リンクを獲得していると判断されると、SEO対策にとって深刻なダメージが生じます。十分に注意しましょう。
自社メディアの被リンクを確認する方法
自社サイトの被リンク獲得数やリンク元は、専用ツールで簡単に確認できます。ここでは、被リンク状況の確認に利用できる代表的なツールである、Googleサーチコンソールでの確認方法を説明します。
Googleサーチコンソールを使用した被リンクの確認手順は、以下の通りです。
- Googleサーチコンソールに登録・ログインする
- トップ画面左のメニュー一覧から「リンク」を選択
- 「リンク」内の「外部リンク」を確認
この手順で、URLを入力したWebサイト各ページの被リンク数、リンク元ごとの被リンク数、被リンク設定時に多く使われているアンカーテキストなどがチェックできます。
自社メディアの外部対策に迷ったらプロに相談しよう
本記事では、SEOの外部対策について、以下のポイントにそって取り上げました。
- SEO外部対策とSEO内部対策の違い
- 外部施策に関連するSEOの変遷
- SEO外部対策を実施する11の方法
- 外部施策による被リンク獲得の効果と評価
- ペナルティ対象となる被リンク
- 被リンク数・リンク元の確認方法
本記事を参考にして、自社サイトの運用改善につながるSEO外部対策の実施準備を進めてください。
SEO外部対策に関して自社での解決が難しい課題が生じた際は、SEOコンサルやSEO対策代行などのサービスを提供するプロが数多く登録するランサーズに、ぜひご相談ください。
