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社外のフリーランスと企業の想いを共有できるか?

自社内で正社員が行っている仕事を切り分けて、積極的に外注しようと考える企業が増えています。しかし、単純な事務作業ではない仕事、たとえば広告やニュースレターなど営業活動に直接かかわる仕事をフリーランスが受注して、果たして企業の想いを伝えることができるのでしょうか。

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経営者から投げかけられたある疑問

想い
2015年の秋、とある場所で経営者達の定例勉強会が行われていました。その会のテーマは、在宅フリーランスをどうやって自社で活用するか。参加者のほとんどがフリーランスとの仕事を一度も経験していない社長です。

会にはフリーランスを実際に活用している企業と仕事を請けているフリーランスが参加して、熱心にパネルディスカッションが行われました。

想定されているフリーランスの活用方法としては、事務作業の代行やチラシ、パンフレットの制作、HPの制作・運用代行など。矢継ぎ早に質問が飛び交う中、一人の女性経営者からこんな質問が投げられます。

「正社員でないフリーランスに、我が社の想いを共有した仕事が本当にできるの?」

初対面のデザイナーやライターなどに仕事を任せてしまって本当に大丈夫なのか、という不安からの発言でした。雇用関係ではなく、あくまで外注先でしかないフリーランス、それも一度きりの契約になるかもしれない相手です。そうしたフリーランスを企業の仲間として迎え入れることが果たしてできるのか。確かに、もっともな疑問といえます。

これに対するフリーランスの反応

フリーランス

この質問に対し、多数のフリーランスを抱えている企業の社長とパネラーをつとめていたフリーランスはこう答えました。

「フリーランスは成果が出なければ、その後の契約が取れません。ですから、会社に利益を出すことにとても真剣に取り組みます。会社のことを考えて仕事をするのは、正社員と引けをとらないはずです」

「私は、クライアント様とは『一期一会』だと思っています。初めてで最後かもしれない仕事だからこそ真剣に想いを理解しようとつとめます。制作は在宅で行いますが、打ち合わせには足を運びますし、メールやスカイプなどでコミュニケーションもまめに取ります」

そして、この出来事をSNSで紹介したところ、驚くほど多くのフリーランスから「同感だ」との反応が寄せられました。

正社員でないフリーランスでも、企業の想いを共有したよい仕事ができるのか? この質問に、多くのフリーランスが「YES」と答えたのです。

答えは社長自身の中にある

社長

「想いを共有する」とは、自社のことをよく分かった上で自社の利益になるような仕事を真剣に行うという意味でしょう。雇用関係にある正社員なら、それができなければなりません。しかし、組織に属さないフリーランスが自社のためにそこまでしてくれるのか。

実は、この答えは問いかけをした社長自身の中にあります。

社長なら、新規のお客様に出会ったときにどんなことに気をつけるでしょうか。相手の困りごとを真剣に聞くはずです。その上で、どうしたら自社が役に立つのか考え、最も良いと思われる解決策を提案するでしょう。万一「私のことを分かってくれない」という声がお客様からあれば、それはクレームになってしまいます。

フリーランスも、まったく同じです。フリーランスは個人事業主。つまり一人社長です。クライアントは大事なお客様ですから、たとえ初対面でも大切な想いを最大限に理解しようとつとめます。

もっとも、フリーランスが短い間にクライアント企業の想いを共有するには、いくつかのコツがあります。また、発注企業の側の姿勢も重要です。そこで次に、両者が心がけておきたいことをいくつかピックアップしてみます。

より良い関係のために、フリーランスが心がけてもらうこと

・本当のニーズを探る
住宅が欲しいと考えている人にただ住宅を売っても、顧客満足度は上がりません。今の家が寒すぎるという理由で家を建てたいのなら温かい家を造らなければなりませんし、物が多くて困っているなら収納力のある家を建てなければ満足してもらえません。

フリーランスも正しいゴールを知って仕事をしましょう。ときには、クライアントが気づいていない点も含めて提案することも大事です。そのためには、丁寧なヒアリングが重要です。

・途中で必ず擦り合わせをする
フリーランスによくあるトラブルとして「出来上がってみたら全然イメージと違うものになっていた」ということがあります。つきあいの浅いフリーランスが企業の趣向を完全に把握することは難しくて当たり前。ですから、仕事完成に至る前に少なくとも2、3回はラフを提出するようにしましょう。認識の齟齬が小さいうちにマメに修正することがポイントです。

より良い関係のために、発注企業が心がけておきたいこと

発注企業

フリーランスに良い仕事をしてもらうには、発注側の意識も重要です。

・対等なパートナーであるという意識
フリーランスは企業と対等な立場で仕事をするパートナーです。外部者であるからこそ、社員からはなかなか出ないアイデアや視点をもたらしてくれる場合も少なくありません。初めて一緒に仕事をする相手でも、パートナーであるとまずは信頼して仕事をするという姿勢が大事です。

・コミュニケーションを取る
頻繁に顔を会わせることができないからこそ、顔が見えるようなコミュニケーションを取る必要があります。明日、会社で会って話をすればいいということができないのがフリーランスです。言わなくても分かるはず、という考え方は通用しません。説明責任は発注者側にあると心得て、きちんと言葉なり、資料なりで想いをつたえるようにすることが大事です。

・タイムフローは明確に
仕事は納期が大事です。一つの仕事が遅れれば、続く仕事に影響を与えます。フリーランスは会社とは別の場所で仕事をしており、他の案件も同時進行していることが普通ですから、依頼する仕事は一部であったとしても、プロジェクト全体のタイムスケジュールを示して具体的な納期を提示するようにしましょう。これは自社の仕事を滞らせないためのリスクヘッジでもあります。

・良いフリーランスを見分けるポイント
初対面のフリーランスをなかなか信用しがたいという場合もあるでしょう。そのときは、そのフリーランスが継続取引のあるクライアントを持っているかチェックするのも一つの方法です。すでに他社から信用を得て継続案件を持っているフリーランスなら、新しいクライアントともきちんとした関係を築けるはずだからです。

まとめ

フリーランス
多くのフリーランスは、特定の組織に属さず複数の企業と取引をします。しかし、だからといって企業の想いを共有できないわけではありません。短い間にクライアントを理解し、クライアントのためになる仕事をしようと常に真剣に仕事をしています。

正社員でないフリーランスでも、企業の想いを共有したよい仕事ができるのか?答えは、YESです。

上記に述べたような対応をしてくれるフリーランスなら、必ずやクライアントの想いを伝える良い仕事ができるはずです。まずは、信頼して一件、一緒に仕事をしてみてはいかがでしょうか。

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