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発案からわずか1か月で15名体制のカスタマーサクセスチームをフルリモートで立ち上げ、チーム発足から半年でリード数は3倍に。ランサーズの社内事例

日本最大級のクラウドソーシングサービスである『Lancers』を運営している弊社。仕事を依頼(外注)したい企業と、仕事を受注したいフリーランスをオンラインでマッチングさせるフリーランスタレントプラットフォームを展開しています。

サービスが拡大する中で、発注者の方から「この依頼にマッチするサービスはどれか?」「どうやって発注したら良いか?」といったご相談をいただくことが増えたこともあり、「1か月でカスタマーサクセスチームを作る」というプロジェクトが立ち上がりました。結果として1か月後にはフルリモートのカスタマーサクセスチームを完璧に立ち上げ、業務の依頼に繋がる見込み客の数は3倍に、新規ユーザーの依頼転換率が約20%増加という効果を出しています。

今回は弊社のカスタマーサクセスチームにフォーカスを当て、どのようにこのスピード感での新規事業部の立ち上げに成功したのか。どのように業務効率化を上げ、効果に繋げることができたのか。この理由に迫っていきたいと思います。

取材者紹介

武田 伸一朗(たけだ しんいちろう)
大手人材派遣会社にて大規模コンタクトセンターのSV(スーパーバイザー)、GMOメイクショップ株式会社にてカスタマーサポートチーム責任者を経て、2018年3月よりランサーズに入社。ランサーズの新規クライアントを対象としたカスタマーサクセスチームの責任者として、全国のフリーランスを活用し、チームを一から立ち上げる。

デザイン・開発・動画編集・SNS運用など、経験豊富なプロに直接頼める!

部署立ち上げのきっかけ

―企業のニーズに応じたサービスを的確に案内するための「窓口」を作る必要があった

200種類以上の仕事を依頼することの出来る「Lancers」には、例えば「会社を立ち上げるので会社ロゴを作りたい」「既存のWordPressで作ったサイトを改修して欲しい」「新規事業の営業をサポートして欲しい」といった様々なチャネルから対応すべきリードが大量に入ってきてもインサイドセールスとして対応しきれる体制やリソースがなかったため、これらを解決するべく一定以上の人数での対応チームが必要となり、インサイドセールスも兼ねたカスタマーサクセスチームを立ち上げることになりました。

フリーランスを自社発注しチームを発足

―チーム人員は自社のプラットフォームを活用し、ほぼフリーランスでチームを構築。その方法は?

ー「1か月で15名体制の受発信可能な顧客対応チームを作る」。
〝1か月という短期間で0から採用活動をし、営業やカスタマーサポート等のBtoBの顧客対応経験がありつつチームの業務にフィットする人材を探し出し直接雇用を図ること〟は不可能に近いと思いました。

なので、自社発注プラットフォームを利用して仕事依頼を投稿し、弊社に登録しているフリーランスの応募を募りました。
募集後は全国各地から50名以上もの方々に応募を頂き、その中から15名のフリーランスを選定しました。
実力のあるフリーランスを活用することで、スキルや人員の不足等の問題もなく、インサイドセールスを兼ねたカスタマーサクセスチームを構築することができました。

――フルリモート下でのオンボーディングやコミュニケーション等のツールは?

そこはすごく課題感があったのですが、様々なツールを使い分けてフル活用すればフルリモートでも十分対応可能でした。
カスタマーサクセスについての研修、各種資料やマニュアル等のオンボーディングは、Gsuiteアカウントを用意しGoogleドライブを利用しながら行いました。
コミュニケーションツールは社内で利用しているものと同様、slackやZOOMを利用しています。

また、カスタマーサクセスチームでは欠かすことのできない受発信やチャット対応のツールは、フルリモートということもあり、株式会社RevCommが提供する『MiiTel』とメディアリンク株式会社が提供する『sinclo』というツールを導入し活用しています。

―チーム発足時に意識したこと

フルリモートなので、コミュニケーションには特に気を遣いました。例えば、目的が正確に伝わるように、繰り返し伝える・わかりやすく伝えることだったり、ただこちらの意思や指針を押し付けるのではなく、意見をしっかり聞きながら皆んなでチームを作っていくことを意識しました。
オフライン時とは違い、気軽に隣にいる人に聞けるような環境ではないので、オフライン時以上にすぐ相談・質問できるような、また、メンバー同士も打ち解けられるようなコミュニケーションの取りやすい空気感を作るよう心がけました。

―チームについて

弊社のカスタマーサクセスチームのフリーランスのメンバーは全国各地、各々の場所にて稼働しています。拠点は違えど、同一の目標に向かって、社員同様(もしくはそれ以上)のパワーを発揮し日々精力的に業務に取り組んでくれています。
チームのフリーランスメンバーは女性の割合が多いです。皆さんひとりひとりがすごく実力を持ち、熱意を持っているので、全員がチームにとってなくてはならない存在です。

――発足後に感じた課題感は?

セキュリティ対策とコミュニケーションに関してでした。
セキュリティ対策については、発足前からどうしようかと悩んでいましたが、仮想デスクトップ(コンピューターのデスクトップ環境を拡張するソフトウェアの一種)オプションとNDA締結で対応しました。
また、コミュニケーションについては日本全国のフリーランスを起用しているので難しい部分もあり、改善しようと意識はしているものの、ちょっとしたことや思ったことを気軽に相談出来るかどうかの点ではまだまだ課題感はあるかなと思います。

――なるほど。コミュニケーションについてはオンラインだとなかなか難しい部分もありますよね…。昨今のコロナ禍では業務をするうえでの影響はありましたか?

カスタマーサクセスチームでは、全くと言っていいほど影響はありませんでした。
発足後すぐからフルリモートの体制を整えていたので、コロナ禍でも問題なくチームを稼働させることができています。

チームを発足したからこそ得られた効果

―チーム発足後に得られた効果

カスタマーサクセスチームを立ち上げてからはすぐに効果が得られました。
対応件数は300件以上増加した月もあり、フィールドセールスに繋げられる、またはランサーズのプラットフォームでの依頼に繋がる見込み客の獲得数が発足から半年で約3倍に増加しました。
また、新規ユーザーの仕事依頼を投稿いただける依頼転換率や1件あたりの依頼単価も10〜20%向上しました。
ランサーズを利用したいけどサービスの種類が多くてどれを利用したらいいのかわからない、自分のニーズに合ったフリーランスを探すのが面倒。こういった潜在層の顧客にニーズをヒアリングし適切なサービスをご案内することで、ランサーズを利用してみようという気持ちが前向きになったことが直接的な数字や効果に現れたのではないかと思います。

――予想してなかったこんな効果もありました!

何か外注案件を検討する際に、カスタマーサクセスに相談してくれるリピーターのクライアントが増えたこと、また、元々はランサーズの利用方法が全く分からず相談頂いていたクライアントが、自ら積極的にランサーズに依頼してくれるようになったことです。ランサーズを使うコツや活用方法を、カスタマーサクセスを通して認知しているからこそ、何度も利用して頂いたり、利用方法を知ることで更なる活用をして頂けているのではないかと思います。

それから、チームのメンバーはセールスやカスタマーサポート業務の経験者ばかりを集めたので、経験に基づいて自主的なスキルアップや改善提案の動きが素晴らしく、今ではメンバー主催で勉強会が開催されることもあります。

カスタマーサクセスチームの今後

依頼転換率の向上、これまで以上にフィールドセールスへ繋げていけるよう日々クライアントの対応を行っていきたいと思います。

――今後どんなチームにしていきたいか

これからもクライアントの「ランサーズで何か依頼したい」「でもどうしたら良いか分からない」「これを依頼できるのかが分からない」等々の不明点を丁寧に解消し、クライアントの重要な業務であってもランサーズに相談いただけるように、また継続して依頼していただけるようなチームにしていきたいです。
そしてゆくゆくは、経験を積んだカスタマーサクセスチームのメンバーの中から他部署やランサーズに依頼いただく企業様の業務に入って、マネジメントしていけるくらいの人材を育てたいと考えています。

――カスタマーサクセスの導入を検討している企業様へメッセージ

インサイドセールスやカスタマーサポート、カスタマーサクセス等、社内の顧客接点において重要な組織であっても、ランサーズをご利用いただくことで想定以上のパフォーマンスと成果を期待できます。また、このコロナ禍ではより一層言えることなのですが、コミュニケーションやセキュリティ面での対策をしっかり行えば、社内にチームを置くよりも分業し社外にもチームを設置することで、業務効率化を図ることができます。
導入を検討されている企業様は、是非一度ご相談頂ければと思います。

まとめ

取材後記

弊社では他部署内でもフリーランスを自社発注し同じチームとして動くということはよくあるケースですが、立ち上げの時点でフリーランスがメインのチーム編成は過去にもありませんでした(チーム内の社員は今回取材した武田含め2名のみ)。
適正な人材が早急に必要、またタスクやより多く人材が必要な業務に対して、直接雇用よりもフリーランスを活用し分業することが時間の短縮や組織の流動化を高めることにも繋がります。
今回は初の社内事例記事掲載ということでカスタマーサクセスチームを取材しましたが、ランサーズではどのような社内ノウハウを生かしチームを編成しているのかを探るため、今後続々と社内での取材をしていきたいと思います!

取材・文:大谷舞子

ランサーズについて

弊社のカスタマーサクセスチームの事例をまとめたホワイトペーパーはこちら↓
https://hosting.lancers.jp/lp/btob_marketing/download.html

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