副業やフリーランスという働き方が広がり、外部人材として複数の企業で活躍する人が増えています。一方で発注側の企業からは、「人材が多すぎて誰がいいのかわからない」「候補者とやりとりをするのが面倒」という声も聞こえてきます。
そこでランサーズでは、コーディネーターが人材のスカウトの代行や面談のサポートなどを行う「マッチング代行サービス」を展開しています。
今回はランサーズと連携協定を結んでいる静岡銀行の協力のもと、マッチング代行サービスを利用して初めて外部人材に仕事を依頼したマルマツビューロー株式会社(静岡市)の代表取締役の伊藤様と取締役の麓様にインタビューを実施。サービスを利用した経緯や依頼内容、利用した感想などをお聞きしました。

目次
問い合わせ対応に月100時間! FAQサイトを設置して工数を削減したい
――御社の事業内容を簡単に教えてください。
麓:当社は車のライト、照明器具、航空機のランプなど、光計測の分野を得意としています。特に自動車用灯具に関しては、定められた配光規格に基づき、基準適合の合否判定を行うシステムの開発を主に手がけています。創業は1988年で、静岡を拠点に全国のランプメーカーと取引をしています。
――マッチング代行サービス利用前は、どのような課題を抱えていましたか?
麓:お客さまから日々さまざまなお問い合わせをいただくのですが、お客さまが直接触れる部分がソフトウェアになるため、問合せのほとんどがソフトウェア部門に集中しています。回答の大半はソフトウェア開発部門が行うのですが、多いときには1日に10件ほど問い合わせがあり、調査が必要なものもあるため、問い合わせ対応にメンバー全員の対応時間を合計すると月100時間ほどかかっており、メインの開発業務が圧迫されていました。開発が佳境を迎えたタイミングに問い合わせが集中したときには、開発部門が疲弊してしまっていました。
――問い合わせ対応の負担を軽減するために、これまでどういった対策を講じてきましたか?
麓:過去の問い合わせ内容をまとめて、社内で検索できるようにしていました。ただ検索の仕方によって求めている回答が見つからないことも多く、活用しきれていませんでした。
そこでお客さまが自ら調べられるように、FAQサイトの作成をすることにしました。お客さまにとってもすぐに解決策がわかるため利便性がアップし、開発部門もFAQで解決できないものだけ対応すれば済むので負担が軽減されます。
ところがFAQサイトを作るとなると、それを担当するのもソフトウェア部門なんです。開発と問い合わせで手一杯なのに、FAQページを作る余裕はありません。そのため制作が先延ばしになっていました。
初めての外部人材活用、コーディネーターが入ることで安心感
――御社ではこれまで外部人材を活用したことはありますか?
伊藤:実は試験的に始めた事業でランサーズを使ったことがあり、とても良かったという話を担当者から聞いていたので本業でも利用する方向で検討を進めていました。ところがこれまで基本的に社員が出社して対話をしながら開発をしていたため、当時の経営陣も「仕事は出社してするものだ」という意識が強く、賛同が得られなかったのです。また機密情報も多く、Web会議ができる環境も整っていなかったため、利用には至りませんでした。
――外部人材活用を考えたものの実現しなかったということですが、今回ランサーズのマッチング代行サービスを利用することにした経緯を教えてください。
伊藤:2024年の秋に静岡銀行の担当者にこの悩みを相談した際に「ランサーズのマッチング代行サービスを使ってみてはどうか」というご提案いただいたんです。
普段からコミュニケーションをとっている静岡銀行が間に入ってくれるので、不明点があれば対面でフォローしてもらえます。またこの3年の間に当時の経営陣は退職し、Web会議の環境も整いました。それにFAQサイトの制作であれば、機密情報も含まれていないので社外に頼みやすかった。「ダメだったら別の人を探せばいい。まずはやってみよう!」と利用を決めました。
――マッチング代行サービスでは、担当コーディネーターが御社に代わって人材を探します。どのような人材要件を設定しましたか。
麓:今回はFAQサイトの制作になるので、Webサイト制作に詳しいというのを第一条件にしました。FAQのテキストを考えたり、サイトを運用したりしていく部分は弊社で行うつもりだったので、FAQサイトの構築と管理方法のレクチャーをお願いしました。
――ランサーズ専任エージェントからは何人紹介されましたか。その中で今回依頼した人材を選んだ決め手を教えてください。
麓:面談したのは1人だけです。というのも最初にご紹介いただいた人材が、当社が求めていた人そのものだったんです。ランサーズのサイト上にある外部人材の紹介ページを見たところ、口コミ評価がとてもよく、リピーターも多かった。実際に面談をしてみると、技術面の質問に対する回答が適確で、サイト制作に精通していることが伝わってきました。そこで11月に最初に面談をして、翌月には契約をしました。
外部人材からの提案に感心、制作スピードの早さに驚き
――実際の制作過程で驚いたこと、印象に残っていることはありますか。
麓:一番驚いたのは制作期間の短さですね。社内で制作した場合は3カ月から半年ほどかかるという想定だったのですが、外部人材の方から「同様のサイトを制作したことがあるので、1カ月ほどでできると思います」と言われたんです。正直、信じられませんでしたね。
あとは依頼した内容だけでなく、プラスアルファで提案していただいた内容がとても良かった。具体的には、当初は保守契約のないお客さまがサイトにアクセスした場合、ログイン画面が出てFAQは閲覧できないようにするつもりでした。それに対して「契約外のお客さまに不親切になるため、FAQは保守契約のあるお客さまを対象としたサービスであることをテキストで説明しましょう」とアドバイスしてくれたんです。
また契約更新のたびにFAQ閲覧用のパスワードを新規で発行するのは手間がかかり、作業漏れの恐れもあることから、管理画面で簡単に閲覧権限を切り替えられる仕様も提案してくれました。アクセス解析機能も盛り込んでもらいましたね。
――当初の想定に比べて、かなり機能が充実したのですね。制作開始から1カ月ほど経ちましたが、現在の進捗を教えてください。
麓:すでにテストページは完成していて、当社が望んでいた通りのものが出来ています。今は色など細かな調整をお願いしていて、来週には操作マニュアルと合わせて納品いただく予定です。仕事が早いですよね。価格と制作期間、クオリティは想像以上で、非常に満足しています。
今後社内でよくある質問と回答のテキストを入れて、4月ごろに本格公開をするつもりです。とても良いものを作ってくれたので、しっかりと運用していきたいと思います。
「社外にも優秀な人材がいる」。外部人材活用という新たな選択肢で気持ちも楽に
――初めての外部人材活用でしたが、利用して感じたメリットを教えてください。
伊藤:メリットは二つありました。一つ目は「忙しいときだけ」「頼みたい仕事だけ」など、自社の都合に応じて仕事を頼めるという点です。人を採用すると固定の人件費がかかってしまいますが、ランサーズなら必要なときだけ優秀な人材に依頼できます。
特に緊急の業務をやっているときの1分1秒は非常に貴重です。FAQサイトが完成すれば問い合わせ対応の時間が削減でき、よりメイン業務に集中できるようになるので、開発にいい影響を与えてくれると期待しています。
二つ目は、従業員にとって学びが大きいという点です。開発部門は普段はなかなか外部の技術者とのやりとりがないのですが、外部のプロの方とのやりとりや成果物から、新たな知識や視点を得ることができました。彼らの刺激にもなったと思います。
――今後、どのように外部人材を活用していきますか。
ソフトウェア開発関連での活用を考えています。当社には優れた技術者がおり、彼らも「自分たちで対応できる」という自負があります。ですが今回の経験で、社外にも非常に優秀な人材がいて、安心して仕事を任せられるということがわかりました。「忙しいときは外部人材に頼めばいい」と思えるようになり、気持ち的に楽になったと思います。
――今回の経験をふまえて、外部人材を活用したことがない企業にメッセージをお願いします。
伊藤:当社も外部人材活用は考えていたのですが、多数の人材の中から自社が求める人を探すのは大変で、苦労して選んだ人が期待外れだったらどうしようという心配もあり、踏み出せずにいました。
でもマッチング代行サービスはランサーズの専任コーディネーターが自社に代わって人材を探してくれるので、紹介される人材の質は心配ありません。それに面談の日程調整など細かな作業も担ってくれるほか、契約面も柔軟に対応してくれるので、時間も手間もストレスも省けました。初めての外部人材活用を考えている企業には、最適だと思います。
取材・文:ひろみね
https://www.lancers.jp/profile/Merry5
報道記者、大学職員を経てフリーライターに。インタビューやコラムなどを多数執筆している。
