発注者の視点|動画パートナー探しの始まり

目次
「ニッチな動画依頼、最適なパートナーはランサーズで見つかった」
Photo 砂原さん
2024年、株式会社サニーサインを起業し、ロードサイン向けのデジタルサイネージ広告を手がける砂原さん。これまで動画制作を依頼していた方の「動画作成スキル」と「自分たちが求める品質」に差が生まれてしまい、新たなパートナーを探す決断をします。
ただし、同社が手がけるデジタルサイネージ広告は、動画業界でもニッチな領域。新たなパートナーが見つかるか、懸念を抱えたまま動画クリエイター探しが始まります。
このページでは発注者の「株式会社サニーサインの砂原さん」と、プロの動画クリエイターとして活躍する齊藤さん(ランサーネーム:studiovine。以下、齊藤さん)、両者の出会いから現在までをご紹介します。
「ランサーズで動画制作の発注を検討している」という方は、ぜひご一読ください。
動画制作会社は高額、フリーランスは不安…ランサーズを選んだ理由は?
──Q.発注者としてランサーズに登録した経緯と、そのなかで葛藤などがあれば教えてください。
砂原さん
「事業を始めるにあたって動画制作を外注する必要があります。動画制作会社から提示された金額と、私たちが想定していた制作費用が合いませんでした。そこで、フリーランスを探そうとクラウドソーシング系のサービスを一通り確認しました。
知り合いから、フリーランスは『途中で投げ出されることが多いよ』や『品質を担保できるか分からない』という声を耳にしていました。そのなかでも『ランサーズさんなら、いい人がいるかも』という方もいたので、それなら試しにとランサーズに登録したのが経緯です。
屋外のデジタルサイネージを作っている方ってあまりいないんですよ。さらにロードサイン向けの動画制作経験者はいないだろうと。当社の動画に対応できる人が本当に見つかるのか?そんな不安は常にありましたね。この不安を解消するためにコンペを開催してみました。ここでスキルを確認し、本当に発注できる人が見つかるのかを試すことにしました」。
コンペで実感した、登録者数の多さとクリエイターの質
──Q.コンペはいかがでしたか?
砂原さん
「設定した予算のコンペに32名ものクリエイターさんが集まってくれました。依頼内容はあえて詳細を詰めず、大まかな指示に留めました。これは、与えられた情報をどう解釈し、動画としてアウトプットするのか、クリエイターさんの読解力や提案力を見るためです。
スキルと同時に『ビジネス感覚』も重視しました。最終的なお客様とのやりとりも発生するため、コミュニケーション能力は必須です。例えば、修正指示の意図を的確に汲み取れない方だと、余計な工数がかかりお互いにとってマイナスだと考えました。
実際にコンペに提案されたものを確認すると、『この人と取引したい』と思える方が数名いましたね。最終的には作品だけではなく、経歴も確認した上で3名ほどお声がけさせていただきました」。
※当時の内容はこちらをご参照ください。https://www.lancers.jp/work/detail/5063273
──Q.動画制作会社さんと比較してクオリティはいかがでしたか?
砂原さん
「求めていたのは、インパクトがありつつも、過度にリッチすぎない動画です。もちろん、特定の表現においては制作会社の方が得意なケースもあるかもしれませんが、私たちの業界で求められる『目を引き、情報を伝える』という観点では、ランサーズで見つけたプロの方々のクオリティは制作会社と遜色ないと感じています」。
※上記の状態から、両者がどのようにパートナーシップを結ぶようになったのでしょうか?ここからは、齊藤さんの視点でお話をお伺いしていきます。
制作者の視点|齊藤さんが選ばれた理由
ニッチな分野でも、齊藤さんが制作できた理由とは?
Photo 齊藤さん
齊藤さんは芸術系の国立大学出身。動画制作だけでなく美術史、視覚の仕組みやモニターの構造など工学的な知見まで幅広く学んでいました。また営業・ディレクター職としてクリエイターや工場への発注者として8年ほど勤務。そのため企業内における担当者の立場になって「意思決定のしやすさ」や「スピード感」といった大切さを熟知。クライアントや視聴者に寄り添った提案を強みとする動画クリエイターとして活動しています。
▼齊藤さんのプロフィール
https://www.lancers.jp/profile/kawake
実績数200件超え。高評価率99%(209件中207件)。齊藤さんがここに至るまで
──Q.ランサーズの登録から積極的に活用するまでの経緯を教えてください
齊藤さん
「発注者として働いていましたが『つくる側ってカッコいいな』という想いが芽生えたのが2014年ころ。その時にランサーズを知り『登録だけしてみた』という感じです。
コンペ形式の案件だけ『チャレンジできる時に応募する』という使い方をしていました。その後、転機が訪れたのは出産のタイミングです。自宅でできる仕事を探していた時に、改めてランサーズの活用を考えました。動画制作の仕事を自宅で完結できる環境はとてもありがたかったです」。
──Q. 初めて受注した内容と、ランサーズを活用して良かったと感じたことを教えてください
齊藤さん
「初めのうちは案件の競争率がとても高いので、自分の提案が選ばれる気はしませんでした。自分の実力が分からなかったので『コンペで判断してもらおう』と考えコンペで複数応募しました。そこである案件に対する提案で発注者が大変喜んでくださって受注に繋がったのを覚えています。
ランサーズはオンラインで完結するプラットフォームのため、日本や世界のどこにいても仕事を受注することができます。私は九州在住なのですが、地元にはない規模の大きな企業とお仕事ができたとき、そういった機会に恵まれたときは、ランサーズを始めて良かったなと感じます」。
──Q. ランサーズのプロとして案件を受注するコツはありますか?
齊藤さん
「例えば「発注者からの見積もり依頼」に対する提案や、発注者とメールのやり取りをする時、コピー&ペーストしただけのような文章は読む気にならないですよね。私の場合は『御社の案件の場合、私はこういうことができます』と伝え、相手が判断しやすいコミュニケーションを心がけています」。
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現場のやりとり|プロジェクトが動き出す瞬間
発注者が決断しやすいようにコミュニケーションを交わす
Photo 齊藤さん
──Q. サニーサインの砂原さんから連絡がきた時を覚えていますか?
齊藤さん
「メッセージで金額や条件面を教えていただきました。自分の得意分野でしたし、これから中心でやっていきたいお仕事内容でしたので嬉しかったです」。
──Q. メッセージの返信をもらえるよう工夫している点はありますか?
齊藤さん
「先方も急いでいる可能性が高いので、まずはスピード感をもった対応ですね。できないことを言われても、ここまではできるとお返ししたり、メッセージを受け取った時には決断できないことも『〇日の〇時にはわかります』と、連絡したりすることで相手が判断しやすい返信をするように配慮しています」。
──Q. 案件を進めるにあたって、何を重視しましたか?
齊藤さん
「今回はタイトなスケジュールでしたので、スピード感を最優先しました。完成イメージを早期にすり合わせるため、類似事例なども参考にしつつ、まずは一度形にしてご確認いただき、フィードバックをもらう形で進めるのが効率的だと考えました。
この分野の動画制作は初めてだったので、動画内の展開スピードやトンマナにズレはありましたが、修正を重ねる中で的確に調整していきました。
結果としてご希望の納期に間に合わせることができ、砂原さんにも喜んでもらえたと感じています。後日、私が制作した動画が屋外ビジョンで放映されている様子を、砂原さんが送ってくださいました。自分の仕事が形になったことを実感できて、とても嬉しかったのを覚えています」。
初めて仕事をお願いした、当時の舞台裏とは?砂原さんの本音に迫る
──Q. 齊藤さんに依頼した経緯を教えてください
砂原さん
「急遽入った案件なのですが、『経験豊富なクリエイター』に作ってほしいと考えました。齊藤さんのプロフィールを拝見し、動画制作だけでなく営業職のご経験もお持ちだった点に魅力を感じ、お声がけしました」。
──Q. 齊藤さんとやりとりした印象はいかがでしたか?
砂原さん
「第一印象からとても好感をもてました。多様なご経験をお持ちだからこそ、こちらの立場や意図を深く理解しようとしてくれる方だと感じます。ご自身の作りたいものではなく、私たちの『伝えるべきもの』を丁寧に作る方です。
私たちの業界の場合、発注者である私の言葉をそのまま受け取って制作するのではなく、視聴者にむけて刺さる広告を作ることが大切です。齊藤さんはその点を深く理解し、一緒に考えていけるパートナーですね」。
──Q. 実際に仕事をはじめて初稿や修正対応はどうでしたか?
砂原さん
「初稿を拝見した際、『少しイメージと違うな』と感じる部分はありました。ただ、最初から100%完璧なものが制作されることは稀ですので、それは想定内です。そこから、当社のやり方や意図を的確に汲み取り、素早く対応してくれたことで信頼感が増しました。
修正への対応は非常に迅速かつ的確でした。そして分かりやすかったです。過去、様々なシーンで動画の制作を依頼して一緒に制作してきた経験では、修正は複数回に及ぶことが当たり前です。ただ、齊藤さんに関しては修正が2,3回で済みました。忙しい中だったと聞いていますが返信もスムーズで迅速に対応いただけたなと感じています」。
お互いの印象|これからも続く関係性へ
細部まで配慮する、動画クリエイターとしてのこだわりとは?
Photo 齊藤さん
──Q. 発注者のご意向に沿って柔軟に対応している印象がありますが、そうした対応力は意識しているポイントなのでしょうか?
齊藤さん
「私は芸術家、というタイプではありません。私が作っているのは作品ではなく商品だと考えています。「自分がこうしたい」ではなく、お客様の頭の中にあるイメージを自らの技術で表現することを常に意識しています。
ただ、一方で今後は『これが私なんだ』という仕組みや商品を生み出していけるよう挑戦していきたいですね」。
──Q. ランサーズを利用している感想を教えてください。
齊藤さん
「いまでは動画の媒体や用途が多様化しています。何が正解なのかその現場ごとで真剣に発注者様とその先にいるお客様と向き合いながら考えて、制作に取り組んでいきます。今後もより多くの方に喜んでいただける動画を一つでも多く手がけていきたいです」。
発注者である砂原さんから見たランサーズというサービスとは?
Photo 砂原さん
──Q. 齊藤さんを一言で表すならどんなクリエイターさんですか?
砂原さん
「視聴者の感覚で寄り添ってくれるクリエイターさんですね。発注者である私をはじめ、広告主、そして最終的な視聴者。それぞれの立場を尊重してくれていますが、たまには齊藤さん自身の想いを聞かせてもらってもいいのにな(笑)。とも思っています。初めて依頼してから5カ月ほどになりますが、これからも継続的にお取引をしたいなと考えています」。
──Q. 最後に、動画クリエイターを探す企業さんへひと言お願いします。
砂原さん
「私たちのような事業において動画のような制作物を作る際、ケースによってはかなりニッチなスキルを求めることもあります。そんな時でもランサーズで公募したり、フリーランスの一覧から探してみれば良い人が見つかるはずです。
他の業界は分からないですが、少なくとも私たちのケースでは、非常に専門的な「ロードサイン向けデジタルサイネージ広告」を制作できる方と出会えました。登録されているクリエイターさんの数が多く、選択肢(クリエイターの多さ)が豊富な点は、発注者として非常にありがたいですね」。
