「LINEに広告を出したいけど、何から検討すべきだろう?」「LINE広告にはどんな種類があって、どのページに配信されるんだろう?」など、LINE広告の利用を初めて検討する際は、LINE広告の種類や仕組みについての疑問を持ってしまうことが少なくありません。
本記事では、LINE広告の種類と各広告の特徴、配信設定の種類、メリットとデメリット、費用相場などをわかりやすく解説します。

目次
LINE広告とは?
まず、LINE広告の主な特徴と、期待される効果について説明します。
LINE広告の特徴は?
LINE広告は、日本国内で月間9,200万人(2022年6月末時点)が利用するコミュニケーションアプリの「LINE」に広告を出稿するための広告配信プラットフォームです。
LINE広告には14の種類があり、広告出稿のターゲットや目的に合った広告を選択できます。ユーザーの性別や年齢、行動履歴などに基づいた精度の高いターゲティング設定が可能で、オンラインでの簡単な操作で設定作業を行えます。
LINE広告の効果
LINE広告を利用することで期待できる効果には、主に以下の4点があります。
- 約9,200万人という圧倒的な数のユーザーにアプローチできる
- 消費意欲の高いユーザーに向けた広告配信が可能
- 自社のLINE公式アカウントの情報を広告に活用できる
- 申し込みから配信設定までの作業をオンラインで効率よく実施できる
LINE広告の特徴や注意点を確認し、効果を最大限にする広告配信を検討しましょう。
LINE広告の全14種類の機能と表示場所(配信面)
LINE広告には14種類の広告があり、それぞれ配信面や機能などが異なります。広告の種類とそれぞれの機能、特徴を確認した上で、広告出稿の検討を行いましょう。
LINE広告には、以下の14種類があります。広告別の配信面と主な機能を一覧表で示し、各広告の特徴を説明します。
- トークリスト
- LINE NEWS
- LINE VOOM
- ウォレット
- LINEマンガ
- LINE BLOG
- LINEポイントクラブ
- LINEショッピング
- LINEチラシ
- LINEクーポン
- LINEマイカード
- LINE Monary
- ホーム
- LINE広告ネットワーク
LINE広告の機能一覧表
LINE広告の種類と配信面、主要機能を、以下の表にまとめました。
広告名 | 配信面 | 主な機能 |
---|---|---|
トークリスト | LINEアプリ内のトークリスト最上部 | ・トークリストと同一形式の広告スペース ・広告をクリックするとリンク先に遷移 |
LINE NEWS | LINEアプリ内のニュースページ | ・ニュースページの記事一覧ページ、約320媒体のアカウントメディアの記事一覧ページに広告を配信 |
LINE VOOM | LINE VOOMのおすすめ動画やフォロー中のコンテンツ閲覧ページ | ・LINE VOOM内のページに外部送客/ダイレクトレスポンス/アプリDL促進を目的とした広告配信が可能 |
ウォレット | LINE PayほかLINEの金融サービスのトップページ | ・ウォレット画面に広告を配信 |
LINEマンガ | LINEのスマートフォン向け電子コミックアプリ内 | ・国内最大の電子コミックサービスLINEマンガ内に広告を配信 |
LINE BLOG | LINEのブログサービス内のページ | ・公式ブロガー2,500組以上のブログが閲覧できるLINE BLOG内に広告を配信 |
LINEポイントクラブ | LINEのポイント付与サービス内のページ | ・月間PV数約3.2億のLINEポイント内に広告を配信 |
LINEショッピング | LINEのショッピングサービス内のページ | ・LINEアプリのショッピングページに広告を配信 |
LINEチラシ | LINEが配信するチラシメディア内 | ・ユーザーの近隣店舗のチラシを掲載するページに広告を配信 |
LINEクーポン | LINEのクーポンサービス内のページ | ・お得な情報に敏感な40~50代女性をメインターゲットとした広告を配信 |
LINEマイカード | ショップカードや会員証などをLINEアプリでまとめて管理できるサービス内のページ | ・ライフスタイルや商品情報への関心が高いユーザーに広告を配信 |
LINE Monary | お金に関するコンテンツを提供するサービス内のページ | ・お得な情報を求める30~40代女性、金融への興味が高い20代ユーザーをメインターゲットとした広告を配信 |
ホーム | LINEの各コンテンツへの入り口となるページ | ・LINEのホーム画面に広告を配信 |
LINE広告ネットワーク | LINEファミリーアプリや3rd Partyアプリ内 | ・LINEとLINE関連サービスに加え外部アプリにも同時に広告を配信 |
1. トークリスト
トークリストは、日本国内の月間アクティブユーザー数9,200万人以上(2022年6月末)のLINEの中でも最も頻繁にアクセスされる画面で、SNSを利用しないユーザーにも届きやすい広告です。大規模なキャンペーン告知やプロモーションに適しています。
2. LINE NEWS
LINE NEWSは、月間アクティブユーザー数6,800万人以上(2019年7月時点:LINE調べ)を有するサービスです。このサービス内の記事一覧ページに広告を配信します。
LINE NEWSユーザーは、LINE購入意欲が高くインフルエンサー的な傾向を持っていることが主な特徴として挙げられます。新商品・サービスのプロモーションや即時性を重視した広告に適しています。
3. LINE VOOM
LINE VOOMの月間アクティブユーザー6,800万人以上のうち4,900万人以上(2019年8月時点:LINE調べ)が月に1回以上LINE VOOM上の広告に接触しており、反応を得やすい広告メディアとなっています。
LINE VOOMユーザーの年齢層は10代から60代までと幅広く、SNSでのアプローチが難しい年齢層にも広告を届けることができます。
4. ウォレット
月間5,400万人以上のユーザー(2020年2月時点:LINE調べ)に「LINEのお財布」として利用されるLINEウォレットのタブに掲載する広告です。
ウォレットタブは、10~50代の幅広い年齢層のユーザーに利用されており、女性ユーザーの利用率が高い傾向にあります。
5. LINEマンガ
LINEマンガは、スマートフォン向けの電子コミックサービスです。日本国内でのアプリダウンロード数は2,300万を超え(2019年8月時点)、スマホマンガのアプリダウンロード数ランキング1位を記録しています。
ユーザーの年齢層では20~30代の比率が60%と高く、この年齢層を主要ターゲットにした広告配信におすすめです。
6. LINE BLOG
LINE BLOGでは、2,500組以上の公式ブロガーがブログを開設しており、多種多様なユーザーが情報発信の場として利用しています。
LINE BLOGのユーザー属性は、男女比率が約3:7で女性が多く、年齢層では20~40代が中心となっています。購買意欲の高い年齢の女性を対象とした広告配信に適しています。
7. LINEポイントクラブ
LINEポイントクラブは、指定条件をクリアすることでポイントが付与されるサービスです。
月間PV数3.2億(2019年5月~2019年10月平均値)に上る国内最大級のポイントサービスで、40~50代の女性をメインとしたお得な情報に敏感なユーザーに向けた広告を配信できます。
8. LINEショッピング
LINEショッピングはファッション関連や雑貨関連をはじめとする、1億点以上の商品を購入できるLINEアプリ内のショッピングサービスです。2019年9月時点で会員登録数は3,000万人を超えています。
ユーザーの男女比率は約3:7で女性が多く、購買意欲の高い女性をメインターゲットとした広告配信に適しています。
9. LINEチラシ
LINEチラシは、店舗の特売情報を閲覧可能なデジタルチラシサービスです。LINEユーザーごとに最適化された、近隣店舗のチラシやおすすめ商品情報が掲載されます。
LINEチラシは、スーパーやドラッグストアなどの近隣店舗で商品購入を検討しているユーザーで、購買意欲の高いユーザーへのアプローチに最適な広告です。
10. LINEクーポン
LINEクーポンは、日本全国約5万店舗(2020年9月時点)のショップで利用できるクーポンサービスです。
LINEクーポンのユーザーの男女比率は女性が70%、40~50代の年齢層が全体の6割を占めています。リーズナブルな商品情報に関心が高い40~50代の女性をメインターゲットにした広告配信に適しています。
11. LINEマイカード
LINEマイカードは、店舗のポイントカードや会員証などをLINEアプリ内でまとめて管理できるサービスです。
登録ユーザー層は女性が約6割で、10代後半から50代以降までの幅広い年齢層に利用されています。お得な商品・サービスやライフスタイルに関する情報に関心が高いユーザーにアプローチできる広告です。
12. LINE Monary
LINE Monaryは、お金に関する知識を深めるためのコンテンツを提供するサービスです。
LINE Monaryのユーザーのうち、女性比率が約60%で、年齢層では20~40代が全体の約60%を占めています。お得な情報に関心が高い30~40代の女性や、金融関連に興味を持っている20代のユーザーをターゲットとする広告に適しています。
13. ホーム
LINEユーザー自身のページであり、LINEの各種サービスへの入り口でもあるホームタブに広告を掲載します。
14. LINE広告ネットワーク
LINEとLINE関連サービスが対象の広告配信に加えて、LINEが提携する外部アプリへも広告を配信できます。
LINE広告ネットワーク全体の月間アクティブユーザー数は約1.1億(2020年3月時点)に上り、大規模なキャンペーンやプロモーションに適した広告配信方法です。
LINE広告のターゲティング設定
LINE広告のターゲティング設定とは、ユーザーの属性やLINE上の行動履歴などによって、広告の配信先を設定する機能のことです。
LINE広告のターゲティング設定には、以下の7種類があります。
- オーディエンスセグメント配信
- オーディエンス配信
- LINE公式アカウントの友だちオーディエンス配信
- 類似配信
- 友だち追加
- LINE Dynamic Ads
- アプリのエンゲージメント配信
1つずつ詳しく解説していきます。
1. オーディエンスセグメント配信
オーディエンスセグメント配信では、ユーザーがLINEに登録した年齢・性別・地域などの情報や、ユーザーの行動特性に基づいて作成されたセグメント別に広告グループを選定し、広告を配信できます。
広告への反応を得やすいユーザーだけに広告を表示するため、高いコストパフォーマンスが期待できます。
2. オーディエンス配信
オーディエンス配信は、ユーザーのデータに基づいて広告配信の対象ユーザーを設定する方法です。
自社での購入実績のあるユーザー限定の配信や、購入履歴のないユーザー向けに初回購入を促進する広告を配信することが可能です。
設定に利用できるオーディエンスには、以下の種類があります。
- ウェブトラフィックオーディエンス
- LINE公式アカウントの友だちオーディエンス
- IDFA/AAIDアップロード
- モバイルアプリオーディエンス
- 動画視聴オーディエンス
- 電話番号アップロード
- メールアドレスアップロード
- 画像クリックオーディエンス
3. LINE公式アカウントの友だちオーディエンス配信
LINE公式アカウントの友だちのオーディエンスを対象に広告を配信する設定方法です。このオーディエンスに基づいた類似オーディエンスも作成可能で、潜在顧客へのアプローチにも役立ちます。
4. 類似配信
類似配信は、作成済みのオーディエンスに類似した特性を持つユーザーを対象にした配信設定です。
類似オーディエンスの類似度は「自動」あるいは1~15%から選択します。類似度を高く設定すれば、広告へのアクションの期待値は向上しますが、対象者数は少なくなります。逆に類似度を低くすれば、アクションの期待値は下がりますが、対象者数は増加します。
5. 友だち追加
友だち追加設定を利用すれば、LINE広告を使用して認証済みのLINE公式アカウントの友だちを獲得できます。自社の商品・サービスに関心を持つユーザーにアプローチできる設定方法です。
6. LINE Dynamic Ads
LINE Dynamic Adsは、ユーザーの商品閲覧履歴に基づいて、興味がありそうな特定商品の広告を表示する方法です。自社の広告に関心を持つユーザーへの配信が可能で、遷移先を商品別に遷移先を設定できます。
7. アプリのエンゲージメント配信
アプリのエンゲージメント配信は、LINEアプリをインストールしている休眠ユーザーが対象の配信設定です。商品閲覧や購入といったLINEアプリ内での行動履歴に基づいたターゲティング設定が可能です。
LINE広告のメリットとデメリットを理解しよう
LINE広告のメリットは?
LINE広告の最大のメリットは、ユーザー数が多くアプローチ力が高いことです。
日本国内の主要SNS利用者数(月間アクティブユーザー数)は、以下の通りです。
- LINE 9,200万人
- Twitter 4,500万人
- インスタグラム 3,300万人
- Facebook 2,600万人
LINEは若年層からシニア層まで幅広く利用されているため、自社のターゲットに合った手法で広告を配信することで、効果的なアプローチが可能になります。
広告やターゲティング設定のメニューが豊富で、自社のターゲットに最適な広告配信方法を選択できます。LINE広告を運用することで、広告から自社のLINE公式アカウントへの友だち追加を促すこともできます。
LINE広告のデメリットは?
LINE広告のデメリットとしては、富裕層へのアプローチが弱いことが挙げられます。
LINE自体が手軽に利用できるアプリであるため、LINE広告は比較的安価な商品の販売促進には最適ですが、高額商品の購入を促す広告出稿にはあまり適していないと考えられます。
自社の製品やサービスが高額であれば、LINE広告を「自社や製品・サービスの認知度を高める」という目的で利用することをおすすめします。
LINE広告の広告フォーマット(広告 サイズ)
LINE広告で利用できる広告フォーマット(広告サイズ)を、静止画と動画別にご紹介します。
静止画のフォーマット
LINE広告が対応している静止画の広告フォーマットの名称と画像サイズは、以下の通りです。
- Card(1200 x 628px)
- Square(1080 x 1080px)
- Carousel(1080 x 1080px ※スライダーで最大10点掲載可能)
- 画像(小)(600×400px)
フォーマットによっては利用できない広告種類があり、利用の可否は変更される場合があります。
動画のフォーマット
LINE広告で利用できる動画広告のフォーマットには、以下の3種類の表示比率があります。
- Card(16:9)
- Square(1:1)
- Vertical(9:16)※LINE VOOM上の表示比率は3:4
フォーマットによっては利用できない広告種類があり、利用の可否は変更される場合があります。
LINE広告の費用相場・料金
LINE広告の料金について、LINE公式ページでは、広告出稿の目的別に予算と出稿期間の目安を示しています。そのうち、LINE広告の予算決めの参考となる情報を、以下の表にまとめました。
利用目的 | 費用目安 | 出稿期間 | 想定される効果 |
---|---|---|---|
Webサイトへの集客 | 30万円/月 | 3か月 | 3か月で3万PVのサイト流入 |
LINE公式アカウントの友だち増加 | 10万円/月 | 3か月 | 3か月で1,500人の友だちを獲得 |
※想定される効果は、LINE広告の各種機能を利用した際の想定で、実際の効果を保証するものではありません。
LINE広告の課金方式には、クリック課金(CPC=Cost Per Click)、インプレッション課金(CPM=Cost Per Mile)、友だち追加課金の3種類があります。
課金方式ごとの費用相場は、以下の通りです。
課金方式 | 課金単位 | 費用目安 |
---|---|---|
クリック課金 | ユーザーが広告をクリックしてリンク先に遷移した回数 | 24~200円/1クリック |
インプレッション課金 | ユーザーの画面に広告が表示された回数 | 400~1,000円/1,000回表示 |
友だち追加課金 | LINE公式アカウントに追加された友だちの件数 | 100~400円/友だち追加1件 |
LINE広告の掲載不可の業種や商材
LINE広告の利用に際しては、LINEが定める「LINE広告審査ガイドライン」に沿った審査を受ける必要があります。LINE広告の審査では、LINEのガイドラインとあわせて、関連法令や業界別の自主基準・ルールなどを遵守していることが求められます。
LINE広告審査ガイドラインには、LINE広告を出稿できない業種や商品・サービスが示されています。
以下の項目に該当すると審査で判断された場合、広告アカウントの開設不可や運用の停止、LINE広告に関する契約の解除といった措置がとられることがあります。
- 宗教関連の商品・サービス
- パチンコなどのギャンブル関連(公営競技・公営くじを除く)
- アダルト向けサービス
- 出会い系、マッチングサイト(一部LINEが認めた場合を除く)
- ネットワーク販売業
- 探偵業
- たばこ、電子たばこ
- 武器全般、毒物、劇物
- 政党の政治活動に関するキャンペーンなど
- 公益法人、NPO/NGO、社団法人(一部LINEが認めた場合を除く)
- 犬や猫などの生体販売
- 整骨院、接骨院、鍼灸院など
- 未承認の医薬品や医療機器など
- 消費者金融などの貸金業や質屋(一部LINEが認めた場合を除く)
- 情報商材や自己啓発セミナーなどのネット関連ビジネス
- 募金、寄付、クラウドファンディングなど(一部LINEが認めた場合を除く)
- その他、LINEが不適合と判断した業種・業態、商品・サービス
LINE広告の特徴に合った活用プランを検討しましょう
本記事では、LINE広告について、以下の重要点を中心に説明しました。
- LINE広告の種類と機能
- ターゲティング設定の種類
- LINE広告のメリット・デメリット
- LINE広告の費用相場
- LINE広告に掲載不可の業種と商品・サービス
本記事で取り上げた情報を参考にしていただき、LINE広告の特徴を活かした、効果的な広告配信の検討を進めてください。
LINE広告に関して自社での解決が困難な課題・疑問などに直面した際には、LINE広告運用に精通したプロが数多く登録しているランサーズに、お気軽にご相談ください。
