オフィスを新しく立ち上げたり、オフィスを移転したりする際には、オフィス内や他のオフィスとのネットワーク構築を行わなければいけません。その際、オフィス間のネットワーク構築を一新しようと考える企業もあります。ネットワーク構築は専門的な知識が必要なため、外注することも珍しくありません。そこで気になるのが、ネットワーク構築の費用です。この記事では、ネットワーク構築を依頼した場合の費用の一例や、ネットワーク構築の費用を抑えるポイントなどについてご紹介します。

ネットワーク構築を依頼すると費用はいくらになる?
ネットワーク構築にはさまざまな作業が必要であり、それぞれに費用がかかります。どの作業をどれだけ行うのかによって、ネットワーク構築費用は変わるのです。
ネットワーク構築の費用は
1.ネットワーク設計
2.ネットワーク設定
3.LANの配線、無線LANの設定
4.VPN設計
の4つで構成され、全て外注することも、一部のみの外注も可能です。
ネットワーク設計
ネットワーク設計の相場はおおよそ10万円前後~となっていて、環境や要望に応じたネットワークを設計するために必要な費用です。設計するネットワークの規模によっても異なります。
また、ネットワークを構築した場合にはネットワーク構成図も必要となり、こちらも相場は10万円前後~です。
ネットワーク設定
こちらはネットワークそのものではなく、パソコン本体にネットワークをつなげる作業です。ネットワーク設定の費用相場はおおむね5千円~1万円程度となっています。
この費用は、作業を行うパソコンの台数によっても変動します。
LANの配線、無線LANの設定
ネットワーク構築に必要なLANケーブルの配置や、HUBの設置などにかかる費用のこと。配線する数が増えればそれだけ費用もかかります。規模にもよりますが、相場は20万円程度になるでしょう。
無線LANを利用する場合には、その設定も必要となります。無線LANネットワークの設計・構築を行う場合の費用は、5万円前後からです。
VPN設計費用
VPNは従来の専用線による接続ではなく、インターネット回線などの公衆ネットワークを利用して遠隔地のパソコン同士を接続するサービスです。VPNの設計・構築は2万円~5万円程度の相場で導入できますが、設定や接続が必要となる数や契約のプランなどによっても変動します。
費用相場一覧
最後にネットワーク構築にかかる費用を相場表とすると以下になります。
見積もり項目 | 費用相場 |
---|---|
ネットワーク設計 | 10万円前後~ |
ネットワーク設定 | 5,000~10,000円 |
LANの配線、無線LANの設定 | 20万円前後 ※無線LANなら5万円前後 |
VPN設計・構築 | 2万円~5万円 |
費用を抑えるためのポイント
ネットワーク構築を依頼する際には、いくつか費用を抑えるためのポイントがあります。ネットワーク構築のコストを抑えたいと考えている方は、チェックしておきましょう。
ネットワーク型のストレージを導入する
ストレージはパソコンの記憶媒体のことで、一般的にはHDDやSSDなどが用いられます。ストレージは、ネットワーク用のサーバーにも必要です。従来のサーバー用ストレージは1台のサーバーに直接接続するDASという方式が採用されていて、複数のサーバーで共有することができず、サーバーを増やすとストレージも別に用意する必要がありました。
近年の主流になりつつあるネットワークストレージは、サーバーに直接接続するのではなく、ネットワークを介して接続します。同じネットワーク内にあるパソコン全てで共有できるので、サーバーが増えても新しいストレージを用意する必要がありません。サーバーだけでなく他の業務用のPCとも共有できるので、ストレージの費用を抑えることができます。
VPNを導入する
前述したように、VPNはインターネット回線などを利用して遠隔地のパソコン同士を接続するサービスです。VPNの大きなメリットのひとつとして、通信コストの削減があげられます。
専用線は回線を完全に専有するため、大容量のデータのやりとりも安定しますが、拠点間の距離が離れるほどコストが高くなります。これに対してVPNは拠点間の距離によってコストが変動しないため、専用線に比べて回線の接続費用を抑えることができるのです。
サーバーの仮想化
従来の物理サーバーは、ひとつのサーバーにひとつの役割しか持てませんでした。例えばWebサーバーとファイルサーバー、データベースサーバーを用意しようと思うと、3台の物理サーバーをネットワークでつなげる必要があったのです。これを解消したのが、サーバーの仮想化です。
サーバーを仮想化することで、1台のサーバーの中に複数の仮想マシンを構築することができます。それら一つひとつに役割を割り当てることができるので、上述した3つの役割を1台のサーバーに持たせることもできるのです。物理サーバーの数が減れば設置費用が削減できるのはもちろん、関連したネットワーク機器の費用やメンテナンス費用も抑えることができます。
費用以外に注意すべきポイントは?
ネットワーク構築を依頼する際には、費用以外にもいくつか注意すべきポイントがあります。
構成図は、誰でも構成がわかるように
ネットワークを構築した際にはネットワーク構成図を作成しますが、特に決まったフォーマットがあるわけではありません。そのため、場合によってはネットワークを構築した本人にしかわからないような図になっていることも。後々のことを考えて、わかりやすいネットワーク構成図を書いてもらうようにしましょう。
障害に備えた対策
ネットワークに何らかの障害が発生すると、作業の中止やデータの消失といった問題に発展することもあります。ネットワークを構築する際には、予期せぬ障害に備えてバックアップ体制や予備システムを構築しておくことが大切です。
十分なセキュリティ対策の導入
ネットワークを構築する際には、セキュリティ面も十分に気をつける必要があります。近年は情報漏えいや不正アクセスといった問題がニュースになることも珍しくないため、「うちは大丈夫」ではなく、自分ごととして捉えなければいけません。アクセス権限の設定やウィルス対策など、必要な措置を取りましょう。
ネットワーク構築を外注する場合の依頼先
ネットワーク構築の外注先としては、企業の情報システムの構築を請け負うSIer(システムインテグレーター)を始めとしたシステム開発会社があげられます。また、回線を提供する通信系の会社などがネットワーク構築を請け負うケースもあります。
こうしたネットワーク構築を請け負う会社は、ネットワーク構築に関する知識や経験、ノウハウが豊富です。初めてネットワーク構築を外注するという場合でも、安心して任せることができるでしょう。また、会社には複数のネットワークエンジニアが所属していることが多いため、何らかのトラブルの際にもフォローが効きやすいというメリットもあります。
ネットワーク構築は専門の会社以外にも、フリーランスに依頼するという選択肢もあります。フリーランスの大きな特徴は、ネットワークエンジニアと直接つながることができるというところ。会社を通さずに契約できるため適切な費用で依頼しやすく、また直接やりとりできることで柔軟な対応ができます。
ネットワーク構築を外注する選択肢としては、主に上記の2種類が考えられます。それぞれの特徴を考えて、状況に見合ったほうを選びましょう。
まとめ
ネットワーク構築は、作業内容や導入が必要な台数などによって費用が変わります。今回ご紹介したように費用を抑えるためのポイントもいくつかあるので、ネットワーク構築を外注する際にはよく確認しておきましょう。
フリーランスのネットワークエンジニアを探したい場合は、クラウドソーシングを活用すれば見つけやすいでしょう。おすすめは、ランサーズです。ランサーズには多くのエンジニアが登録しているので、自社の業種やさまざまな条件に見合ったエンジニアを探しやすいといえます。
