従来であれば社内にいる正社員や契約社員、派遣社員に任せていた業務を、社外の人材に依頼することが増えてきました。一昔前ならアウトソーシングであり、現代であればクラウドソーシングも選択肢のひとつです。外部人材に依頼する際には、社外への依頼のルール、鉄則があります。これを守ることで、お互いに気持ちよく仕事を進めることが可能です。失礼のない仕事の依頼方法について解説します。

社外の専門家に仕事を依頼するときの鉄則5
正社員が減少の一途をたどっていますが、それに伴い仕事のやり方も大きく変わっています。特に専門的な知識が必要な仕事は、社内のリソースだけで対応することが難しく、社外の専門家に頼るケースが数多くあります。ですが「社外」の人に依頼することは「社内」で依頼をすることと異なる作法が要求され、この作法を知らないがためにトラブルに発展することも珍しくありません。
お互いに嫌な思いをせず、良い関係を築きながら社内外の人を巻き込んでうまく仕事をすすめるには、一体どのようなことに留意すべきなのでしょう。本稿では、「社外へ仕事を依頼するときの鉄則」をご紹介します。
鉄則1 お金の話を最初にし、見積もり条件を明確に
社外の人たちが最も不満に持つことの1つが、「こちらの時間に無頓着で、報酬の話をしないこと」です。社員であれば、原則その人の勤務時間中の時間資源は全て買い取っている、といえますが社外の人たちは違います。
極端なことを言えば、打ち合わせに参加してもらうことにも費用は発生しています。その場合、見積もりに打ち合わせにかかったコストが乗せられることになります。
そして「いつ発注してくれるのか」も見えないまま、何度も打ち合わせに呼ぶことは、最も嫌がられる行為の一つで、場所によっては「やるやる詐欺」と揶揄されます。
お金の話のアウトプットは見積書ですが、その内容は見積金額だけでは不十分です。見積もりは前提条件があって初めて機能します。必ず「見積もり条件」に、作業範囲、工数、作業場所、デザインの決定条件などの条件を明確にしましょう。
鉄則2 定期報告のルールを詳細に定める
次に重要なのが「報告ルール」です。社内と違い作業自体を見ることができません。発注側は「きちんとやっているのだろうか」が常に気にかかることでしょう。さらに報告が少ないと不信感に繋がります。
したがって、報告のルールを定めないと、意識のズレに繋がり、揉めごとになりかねません。社外の人間は「報告の頻度」に関して、皆様ほど頓着しない可能性もあるのです。
そこで「定期報告」のルールを必ず定めます。具体的に定期報告ルールは、頻度、内容、報告先、記録の様式などを決め、運用することになります。様式さえ決めておけば、知りたいことが漏れる心配もありません。
また、よっぽどのことがなければ虚偽の報告はないと思いますが、ときどきは現物をチェックし、報告との齟齬がないか実際に確認することも重要です。
鉄則3 やり取りの記録をわかりやすく残す
言った、言わないが、作業工数に影響して致命的になるケースをよく見ます。要求の追加、変更などは、中身だけでなく、回答期限、優先度、追加費用の発生の有無なども記録しておくべきでしょう。また、後から検索しやすいようにチャットワークなどのグループウェアをつかうなど、メールよりも手軽に検索できるサービスを使うと便利です。
また、データ、資料の受け渡しも「送った、送らない」で揉めるケースが多く、時に機密情報が漏れるケースもあります。機密情報は認識の違いがあるケースも多く、機密情報の定義を定め、送るときに機密であることを明示することも重要です。
鉄則4 作業は期限を定める
社外への発注は、遅れることを考慮して余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。期限を切ることは、社内で仕事を出すときの鉄則ですが、社外も例外ではありません。むしろ社内よりも厳しく定めます。
ちなみに、「できればやっておいて」「余裕があればお願いします」という言葉は社外では使えません。曖昧な状態で作業は進まないものと考えましょう。
鉄則5 カネでつながっているだけだからこそ、人間同士の付き合いを重視する
社内外を問わず、仕事は人間同士の付き合いです。「カネを払っているから」と不遜な態度で発注すれば良い関係を築くことはできません。いわゆる「下請け扱い」は厳禁です。近年では知識を外部から借りるパートナーシップを組む発注が増えています。
時には飲みに行くことも重要であり、むしろ社内よりも厚くしたほうが良いでしょう。なにせ、人事権で統制できない人たちにうまく働いてもらわないとならないのですから。
まとめ
まとめると、鉄則は以下の5つです。
