社内で無駄な作業に費やしている時間が増えているので、業務を効率よく改善できる方法を知りたいという担当者の方も少なくありません。そこで今回は、実際に中小企業などで行われた業務改善の事例を取り上げて、効率的に業務の無駄を改善する方法についてご紹介します。

実際に行われた業務の無駄の改善法
全国のさまざまな中小企業で実際に行われた11の業務改善の事例を、以下で具体的にご説明します。
作業前のヒアリングで必要な仕事のみに集中(A社の場合)
A社では、企業から各種調査の依頼を受けて文書で返答する業務を行っています。業務改善前は、調査を依頼されたものについてすべて調べて報告していたため、依頼者にとって必要のない情報も報告していたのです。
そこで、調査を受ける前に「何を目的としてその調査を依頼したいのか」を明確にさせてから、必要な事項のみを調査して報告するようにしたところ、調査から報告までの時間が大幅に短縮されるだけでなく、依頼者の要望を満たす報告ができるようになりました。
無駄な作業の顕在化(B社の場合)
B社では、業務上必要な作業にかかった時間と無駄な作業に費やした時間とを明確化していなかったので、外出掲示板に明示されていない離席などの無駄な作業が平然と行われていました。そこで無駄な作業を顕在化させてその作業に費やしていた時間を減らした結果、作業効率が見事に向上したのです。
このように業務効率化をするためにはコア業務とノンコア業務を見極めることが第一と言えます。
お茶くみ当番の廃止(C社の場合)
C社では、早朝に女性社員が全社員分のお茶をいれるのが日課となっていましたが、その作業に費やしていた時間はなんと20分。そこでお茶は飲みたい人が自分でいれるようにルールを変更したところ、女性社員はお茶いれに費やしていた時間を自分の業務に回せるようになりました。
業務マニュアルの作成(D社の場合)
D社では、手順がわかりづらい業務や数ヶ月に1回程度の業務を行う際、頻繁に担当者に確認したり思い出したりしながら仕事をしていたため、作業時間の無駄が発生していました。そこで業務マニュアルを作成し、全員がマニュアルを確認して業務を行えるようにしたところ、作業フローの確認などの無駄な時間が省かれ、効率よく業務ができるようになったのでした。
書類を山積みにせずにファイルなどを使って作業机の上をキレイにする(E社の場合)
E社の数人の社員は、机の上に書類を出しっぱなしにしていたり乱雑に置いていたりしたため、いざというときに必要な書類を取り出せなかったり、無くしたりといったことが。そこで、書類をファイリングして机上を綺麗にしたところ、どれが必要な書類なのかがひと目でわかるようになり、書類を無くすことがなくなりました。また、デスク上が綺麗になったことで仕事がしやすくなったのです。
各課に書類を配布する時間を削って、配布ボックスを設置(F社の場合)
F社では庶務が社内連絡文書などを各課に直接配布していましたが、その業務を廃止して、代わりに社内の1カ所に課ごとの配布ボックスを設置しそこに文書などを置くようにしたところ、庶務が自分の仕事に集中できるようになりました。
コンピュータ(エクセルマクロ)を使って自動化する(G社の場合)
G社では、経理担当者が従業員数十名の労働時間計算をエクセルで行っていたため、膨大な作業時間を費やしていました。また、記入ミスをすることがあり、最初から一つずつ確認する業務が発生することも。そこでエクセルマクロを導入し作業を任せたところ、記入ミスをすることなく一瞬で作業が完了したため、年間約50万円のコストをカットすることに成功したのです。
データベースの構築(H社の場合)
H社では、顧客からの質問に対する返答が受ける社員によって異なってしまっており、しばしば顧客を混乱させることも。そこで過去の回答を利用できるように回答事例をデータベース化したところ、どの社員が質問を受けてもほとんど同じ回答ができるようになりました。
業務担当の見直し(I社の場合)
I社では、英語は得意であるが海外在住経験のない社員に海外案件を任せていたため、意思疎通に難があり顧客の獲得に失敗していました。そこで業務担当の見直しを考え、社内に即戦力になり得る社員を探したところ、海外在住経験のある社員が別の部署にいたため、その社員に海外案件を任せたところ、顧客を順調に獲得できるようになったのです。
工程管理シートを作成(J社の場合)
J社の社員の中には、業務の進捗具合がはっきりとわかっていない社員も多く、必要以上に書類のやり取りが長期化したり、やるべき業務を忘れていたりする事態が起こったことも。そこで全社員に事務処理の工程管理シートを作成させ、処理ごとに進捗を記入させるようにしたところ、作業効率が向上しました。
アシスタントに頼めることを頼む(K社の場合)
K社では、社員の仕事を補助するためのアシスタントを雇用しています。しかし、「自分で作業をしたほうが安心だから」という理由でアシスタントを活用しない社員が多くいたため、その分余計な業務時間が発生していました。
そこで、本当に専念しなければならない業務に集中してもらうために、アシスタントをもっと活用するように周知したところ、多くの社員が雑務をすべてアシスタントに任せるようになったため、作業時間が削減されるだけでなく効率的に業務が行われるようになったのです。
その他の業務効率化の手法・アイデア
実際にあった事例をいくつかパックアップしましたが、その他の事例もみていきましょう。
社内チャットツールの活用
社内コミュニケーションには社内チャットツールを活用するのがおすすめです。パソコンやスマホなどで、個人・複数のメンバーと気軽にテキストコミュニケーションがとれます。
また、相手とのタイミングが合わず話せない、忙しく対応できないときにも便利です。
問い合わせ対応の自動化
お客さまからの問い合わせを対応する人員を社内で抱えていませんか?
現在は、「チャットボット」を活用して、問い合わせ対応の人件費を削減することに成功した企業は多数あります。
一度はチャットボットに問い合わせ対応を任せることを検討してみてはいかがでしょうか。
チャットボット開発を活用してサービスを充実!外注するべきか否か?
アウトソーシング
社外の人材や専門企業に該当の業務を依頼する方法をアウトソーシング(外注)といいます。
単純なルーティン業務から専門性の高いものまで発注することができ、発注先も法人から個人までさまざまです。
先にあげたチャットボットの開発や正社員がやる必要のない単純作業は、アウトソーシングすることを検討してみてもいいでしょう。
事務代行会社のサービスを活用する手も!
上述した事例の中には、会社によっては自社内で行うことが難しい方法もあります。その場合には、事務代行会社のサービスを利用する方法があります。事務代行サービスを利用する利点には、主に以下の3つがあります。
利点1:その道のプロに任せられる
事務代行サービスでは、自社内で見つかった無駄を改善するためのスキルをもつ方に依頼できるため、安心して仕事を任せることができます。
利点2:IT分野に特化している事務作業を任せられる
上述した業務改善の事例のうち、エクセルマクロの利用やデータベースの構築は、ある程度コンピュータに慣れている人でなければ取り入れるのが難しい方法です。事務代行のサービスを利用すれば、そのような人材が自社内にいなくても業務を改善できます。
利点3:アシスタントなど新たに人を雇う際にかかる人件費よりも安く済む
自社内の無駄を発見し、その無駄を埋めるために新たに人員を雇うとなると、多くの人件費がかかります。雇用すると毎月一定のお金を給料として用意する必要がありますが、事務代行ならば業務を依頼した分だけお金を支払えばよいため、雇う場合と比べてコストを大幅にカットできます。
まとめ
多くの中小企業は、さまざまな方法で業務の無駄を改善しています。ただし、その方法の中には自社だけで取り組むことが難しい方法もあります。
業務の無駄を改善することが難しければ、事務代行サービスやクラウドソーシングを活用するのも選択肢のひとつです。
ランサーズには、幅広い職種や経験をしたフリーランスが登録しています。
エクセルマクロの開発や記事の制作、経理・秘書業務の代行など対応できるフリーランスは多岐にわたります。
ぜひ、業者だけでなく、フリーランスにお仕事を依頼することを検討してみはいかがでしょうか。
