Shopifyのプランごとの料金や特徴、機能がわからなくてお困りではないでしょうか。
Shopifyは低コストで高品質なECサイトを構築できる便利なECプラットフォームですが、プランによってはコスト高になる可能性があります。Shopifyの導入を迷っている人は、プランごとの機能や料金を比較検討した方がよいでしょう。
本記事では、Shopifyで提供されているプランの料金や特徴、機能について詳しく解説します。全プラン共通で使える機能やプランごとの固有機能も解説しますので、ぜひプラン選びの参考にしてください。

目次
Shopifyの5つのプラン
Shopifyの5つのプランの費用や手数料は下表のとおりです。
プラン名 | 初期費用 | 月額費用 | 取引手数料 | 無料トライアル |
Shopify Lite | 無料 | 9ドル | 2.0% | 14日間 |
ベーシック | 29ドル | 2.0% | ||
スタンダード | 79ドル | 1.0% | ||
プレミアム | 299ドル | 0.5% | ||
Shopify Plus | 2,000ドル~ | 0.15% | 要お問い合わせ |
Shopifyの取引手数料は、Shopifyペイメントを利用することで全プラン無料になります。
ここからはそれぞれのプランの詳細について確認してみましょう。
ECサイトを持っていない人向けの「Liteプラン」
Liteプランは、実店舗で商品を販売している人や自社のWebメディアにカート機能を導入したい人向けのプランです。Shopify上に自社ECサイトやストアは構築できませんが、既存の自社サイトに商品販売機能を搭載することができます。
Shopifyと自社の販売チャネルを連携できるPOS Liteを導入すると、実店舗販売を効率化したり自社の公式サイトに購入ボタンを配置したりできます。ダッシュボードや財務レポート、注文管理システムなど、商品やサービスを販売する上で便利な機能も豊富です。
基本的なEC機能を利用したい人向けの「ベーシックプラン」
ベーシックプランからは、Shopifyを使って自社ECサイトやオンラインストアを構築できます。
テーマエディターが標準搭載されていますので、専門的な知識がなくても簡単にサイトのレイアウトや色、フォントなどを変更できます。SSL証明書を発行できますのでセキュリティも万全です。商品や注文、顧客管理といった各種管理ツールも画面上からすべて利用できます。
高レベルのレポート機能を利用したい人向けの「スタンダードプラン」
スタンダードプランからは、ベーシックプランに実装されているすべての機能に加え、プロフェッショナルレポートを利用できます。
プロフェッショナルレポートとは、注文レポートや売上レポート、POS売上レポートといった高度なレポート機能です。時間経過によるユーザー数の変化や新規顧客とリピーターの売上数などを比較分析できます。
ECサイトの売上高が大きい人向けの「プレミアムプラン」
プレミアムプランからは、Shopifyの全機能に加え、カスタムレポートを利用できます。
カスタムレポートとは、Shopifyに保存されている各種データを好きなように条件付けして抽出できるレポートのことです。特定地域の売上情報を表示したり、月別の売上レポートを絞り込んだりできます。
大量販売を行う人向けの「Shopify Plusプラン」
Shopify Plusプランは、月額2,000ドルから利用できる大規模ECサイト向けのプランです。事業を成長させることに重点を置いており、登録できるアカウント数にも制限がありません。
一般的なeコマースプラットフォームだと販売を開始するまでに12~18ヶ月かかることも珍しくありません。しかし、Shopify Plusプランだと90日以内に商品を販売できるようになります。導入から運用までスムーズに進むので、スピード感を重視する人におすすめです。
すべてのプランで利用できるShopifyの主な機能
ここからはすべてのプランで利用できるShopifyの機能について解説します。
- 無制限の商品登録機能
- 無制限の帯域幅とオンラインストレージ
- Shopify Point of Sale
- ギフトカードの作成、発行機能
- さまざまなオンライン販売チャネルとの連携機能
- 不正注文の解析機能
- 手動での注文作成機能
- クーポンコードの発行機能
- カゴ落ち防止機能
- スタッフごとの権限付与機能
- 訪問者のデータを分析できるダッシュボード機能
- 販売データを解析できる財務レポート機能
- カスタマーサポート機能
1. 無制限の商品登録機能
Shopifyでは、登録できる商品数の制限がありません。在庫がある限りいくらでも商品が販売できます。
2. 無制限の帯域幅とオンラインストレージ
Shopifyでは、サーバーの通信量やオンラインストレージの容量に制限がありません。
もし自社商品がメディアで紹介されるなどしてECサイトへの訪問者が爆発的に増えた場合や月に数千個の画像ファイルをアップロードしたりした場合でも、追加費用がかかりません。
3. Shopify Point of Sale
Shopify Point of Saleとは、Shopifyが提供するPOSシステムのことです。導入すると販売データの管理が簡単になり、実店舗でも商品を販売しやすくなります。iPhoneやAndroidのアプリを活用してデータの管理が可能です。
Shopifyでは下記の2つのPOSサービスが提供されています。
- Shopify POS Lite
- Shopify POS Pro
通常プランで利用できるのは、Shopify POS Liteのみです。
より高度なPOS機能をお求めの場合は、月額89米ドルを支払ってShopify POS Proを利用する必要があります。Shopify POS Proには、スタッフへ権限を付与したり、無制限にPOSスタッフを追加したりできる機能などが豊富です。
4. ギフトカードの作成、発行機能
2021年11月現在、Shopifyでは新型コロナウイルスによる景気後退を受けて、すべてのプランでギフトカードの作成、発行機能が利用できます。ベーシックプラン以下は、本来であれば利用できない機能なので、いずれ使えなくなることを踏まえた上で導入を決めた方がよいでしょう。
5. さまざまなオンライン販売チャネルとの連携機能
Shopifyでは、ECサイトやFacebook、Instagramといった、さまざまなオンライン販売チャネルと連携できます。利用方法は非常に簡単で、Shopifyアプリストアから専用のアプリを追加するだけです。
6. 不正注文の解析機能
Shopifyペイメントを導入すると、不正注文の解析機能が利用できます。
不正注文とは、ユーザーが納得していないのに注文が発生している状態のことです。放置すると運営側がクレジットカードの手数料などを余分に支払わなければならなくなる可能性もでてくるため、できるだけ防止する必要があります。
ECサイトでは、第三者のクレジットカードを悪用した「なりすまし注文」や後払い決済を選択したのに代金を支払わない「取り込み詐欺」、代引引換を選択したのに商品を受け取らない「いたずら注文」など、不正注文による被害が頻繁に発生しています。
それぞれECサイトの売上やCVRに悪影響を及ぼすため、Shopifyの不正注文の解析機能を利用して防止しましょう。
7. 手動での注文作成機能
注文作成機能とはサイト運営者が手動で新しく注文を作成して、顧客に請求書を送信できる機能です。
注文を作成した時点では下書きのままですが、顧客が商品の支払いを済ませた時点で正規の注文として処理されます。電話やメールで顧客から注文を受けてからすぐに注文書を作成したいときなどにおすすめです。
8. クーポンコードの発行機能
クーポンコードの発行機能とは、サイト運営者が新規顧客に対しクーポンコードの招待メッセージを送信したり、SNSのフォロワーやメールリストに特別クーポンを配布したりできる機能です。
クーポンコードの発行機能は、知名度の高いインフルエンサーと協働してShopifyのECサイトを宣伝したいときなどに活用できます。一時的に売上を増大させたい人や顧客満足度を高めたい人におすすめです。
9. カゴ落ち防止機能
カゴ落ちとは、商品がショッピングカートに入ったまま購入されない状態のことです。ECサイト運営者にとっては顧客の購入機会の損失となるために、できるだけ防止する必要があります。
Shopifyでは、ショッピングカートに商品を入れたままサイトから離脱したいユーザーに対し、商品のリンクを記載したリカバリーメールを送信できます。対象者に対してクーポンコードを配布するなど、メールの内容を自由にカスタマイズすることも可能です。
ショッピングカートに入った商品は、ユーザーが商品の支払いを放棄したと判断した時点で削除されます。
10. スタッフごとの権限付与機能
Shopifyでは、管理画面にアクセスできるスタッフに権限を付与できます。Shopifyのタイムライン機能を利用すると、各スタッフが行った操作内容を確認することも可能です。
そのほか、重要なデータにアクセスできるスタッフを制限したり、商品の登録や注文完了などを特定のスタッフに割り振りしたりできます。
11. 訪問者のデータを分析できるダッシュボード機能
ダッシュボード機能では、売上金額や販売数の推移、平均注文金額などの重要データを確認できます。今月の売上金額と3か月前の売上金額を比較したり、Shopifyにアクセスしてきたユーザーがどこから来たのか分析したりできます。
12. 販売データを解析できる財務レポート機能
Shopifyではすべてのプランで、売上や支払い、総利益などの販売データを確認できる財務レポート機能を利用できます。各セクションに設置されている関連レポートのリンクからより詳しい情報も得られます。
13. カスタマーサポート機能
Shopifyでは、24時間365日いつでも電話やメール、チャットで問い合わせできます。ただしShopify Liteのみ、電話でのサポートを受け付けていません。
チャットと電話サポートは英語しか対応していないため、利用するにはある程度の英語力が必要です。日本語で質問したい場合は、メールサポートを利用しましょう。
プランごとに異なるShopifyの機能や特徴
プランごとに異なるShopifyの機能や特徴について解説します。
スタッフアカウント数
それぞれのプランで追加できるスタッフアカウントの数は以下の通りです。
Shopify Lite | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus | |
スタッフアカウントの数 | 1 | 2 | 5 | 15 | 無制限 |
追加できるスタッフアカウントの数が多いほど、規模の大きいECサイトを管理しやすくなります。それぞれのスタッフにアクセス権限を付与できるため、チーム体制でのサイト運用も可能です。プラン選択では、ECサイトの運営人数も考慮に入れましょう。
各種レポートへのアクセス機能
Shopifyでアクセスできるレポートの種類を、下表でプラン別に解説します。
Shopify Lite | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus | |
集客レポート | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
在庫レポート | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
行動レポート | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
マーケティングレポート | × | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
注文レポート | × | × | 〇 | 〇 | 〇 |
売上レポート | × | × | 〇 | 〇 | 〇 |
POS売上レポート | × | × | 〇 | 〇 | 〇 |
利益レポート | × | × | 〇 | 〇 | 〇 |
顧客レポート | × | × | 〇 | 〇 | 〇 |
カスタムレポート | × | × | × | 〇 | 〇 |
Shopifyでは、プランに応じてアクセスできるレポートに制限があります。
Shopifyのレポート機能を利用したい場合は、ベーシックプラン以上を選択する必要があります。ただし、ベーシックプランやスタンダードプランではアクセスできる領域に制限があるため、サイト分析やマーケティング分析に力を入れたい人には不向きです。
Shopifyのレポート機能を存分に活用したい場合は、プレミアムプラン以上を選択しましょう。各プランどのくらいレポートにアクセスできるかは、契約時にカスタマーサポートへ問い合わせすることをおすすめします。
在庫のロケーションを割り振る機能
Shopifyで割り振れる在庫のロケーションの数は、以下の通りです。
Shopify Lite | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus | |
在庫ロケーションの数 | 3 | 4 | 5 | 8 | 20 |
Shopifyのプランは、保有する在庫ロケーションの数に合わせて決める必要があります。今後在庫ロケーションの数を増やしていく場合は、ロケーションの使用可能数に余裕のあるプランを選ぶとよいでしょう。
また、Shopify Plusではカスタマーサポートに問い合わせすることで、最大数以上のロケーションを設定できる場合もあります。
配送料の合計をチェックアウト時に表示できる機能
プレミアムプランとShopify Plusには、外部サービスで計算した配送料をチェックアウト時に表示してくれる機能があります。スタンダード以下のプランでも月額料金を支払うと利用可能です。
ただし月額請求から年間請求に変更した場合は、スタンダード以下のプランでも無料で配送料の自動表示機能を利用できる可能性があります。また、確実に配送料の自動表示機能を利用したい場合は、プレミアムプランかShopify Plusの利用をおすすめします。
各種クレジットカードの手数料
Shopify Lite | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus | |
日本 | 要問い合わせ | 3.40% | 3.30% | 3.25% | 要問い合わせ |
海外/AMEX | 要問い合わせ | 3.90% | 3.85% | 3.80% | 要問い合わせ |
JCB | お問い合わせ | 4.15% | 4.10% | 4.05% | 要問い合わせ |
各種クレジットカードの手数料は、プランのグレードが上がるごとに安くなる傾向があります。
国別のドメイン設定機能
国別のドメインとは、日本やアメリカといった国ごとに設定される固有URLのことです。海外市場向けにECサイト運営する場合は必ずURLに含めなければなりません。たとえばアメリカ国内でECサイトを運営する場合は「.com」というトップレベルドメインを使用する必要があります。
Shopifyの国別ドメイン設定機能は、スタンダードプラン以上から利用できます。トップレベルドメインに加え、サブドメインも自由に設定可能です。
国際価格の自動設定機能
Shopifyで利用できる国際価格の自動設定機能を、下表でプラン別に解説します。
ベーシック | スタンダード | プレミアム | Shopify Plus | |
国と地域のページを表示 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
価格の端数処理に関する設定 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
カスタムの端数処理の設定 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
価格調整の設定 | × | 〇 | 〇 | 〇 |
国と地域の商品価格の設定 | × | × | 〇 | 〇 |
Shopifyでは海外の為替レートをもとに、国際価格を自動調整してくれる機能を利用できます。手動で為替レートを固定して、商品価格の変動を抑えることも可能です。国際価格の自動設定機能により、海外の顧客が現地の通貨で気兼ねなく自社商品を購入できるようになります。
Shopifyのプラン料金を安くするポイント
Shopifyの利用に際し、できるだけコストを抑えたいという人も多いのではないでしょうか。プラン料金を安くするポイントを解説します。
年間単位で契約する
Shopifyの年間契約を利用すると、1年契約で10%、2年契約で20%の割引が受けられます。長期間にわたりShopifyを運営していく場合は、年間単位での契約も検討しましょう。
Shopifyのアプリを利用して必要な機能を追加する
Shopifyのアプリを利用して必要な機能を追加した方が、プランをアップグレードするより安く済む可能性があります。たとえば「Product Options and Customizer」は、商品のカラーやロゴ、サイズなどを無料でカスタマイズできるアプリです。ユーザーに見やすい商品ページを作成できます。
Shopifyのアプリストアには、無料の高機能ツールが数多くリリースされていますので、普段からどのようなアプリがあるのか確認しておくとよいでしょう。
ランサーズでShopifyの構築・移行・運用を依頼する場合の費用相場
ランサーズでShopifyの構築・移行・運用を依頼する際の費用相場を紹介します。外注時の参考にしてください。
依頼項目 | シングルプラン | ベーシックプラン | カスタムプラン |
Shopifyの構築 | 20万円~ | 30万円~ | 要お問い合わせ |
既存のECサイトをShopifyに移行 | 20万円~ | 30万円~ | 要お問い合わせ |
集客 | ・SEO施策:3,000円~ ・広告運用:運用金額の20% ・SNS運用:5,000円~ | ||
コンテンツ制作 | ・記事制作:文字単価1円~ ・動画制作:50,000円~ ・メールマガジン制作20,000円~ | ||
運用 | ・ページ制作:2,000円~ ・商品撮影:5,000円~ ・商品データ作成・登録:1件20円〜 ・カスタマーサポート:1時間1,500円~ | ||
分析・改善 | ・サイト分析:5,000円~ ・デザインカスタマイズ:3,000円~ ・アプリ導入、設定:5,000円~ ・コンサルティング(決済設定):3,000円~ ・コンサルティング(運用改善のアドバイス):1時間5,000円~ |
Shopifyでは自社に合ったプランを選ぼう
Shopifyには、以下の5つのプランが用意されています。
プラン名 | プランにおすすめの方 |
Shopify Lite | 自社メディアにカート機能を追加したい人や実店舗販売にPOSを導入したい人向け |
ベーシック | ECサイトの運営経験が浅い人向け |
スタンダード | チーム体制でECサイトを運営したい人向け |
プレミアム | ECサイトの運営実績がある程度ある人向け |
Shopify Plus | 日々の取引量が多い大規模ECサイトを運営する人向け |
アップグレードするごとにできることも増えますので、自社の目的やECサイトの規模に合わせて最適なプランを選びましょう。
