Shopify(ショッピファイ)の利用を検討する際に、決済方法選びは重要なポイントのひとつです。「Shopifyの決済にはどんな方法があるのか?」「Shopify Paymentのメリットは?」といった疑問を持つ方も多いでしょう。
本記事では、Shopifyの決済方法に関する疑問の解消に役立つShopify Paymentの特徴や他サービスとの比較、導入・設定方法などを解説します。

目次
Shopify Paymentとは
Shopify Paymentとは、Shopifyが公式に提供している決済サービスです。
Shopify Paymentを利用すれば、外部の決済サービスのアカウント不要で、Shopifyのストアでのオンライン決済がすぐ利用可能になります。
Shopify PaymentをShopifyの決済に利用する5つのメリット
Shopifyストアでの決済にShopify Paymentを利用する主なメリットは、下記の5点です。
- 取引手数料が無料になる
- 越境ECに対応
- 決済手続きが簡単
- 管理画面で支払額を確認できる
- 審査不要ですぐに利用できる
それぞれのメリットの詳細を確認してみましょう。
1. 取引手数料が無料になる
Shopify Paymentを利用する最大のメリットは、取引手数料が無料になることです。日本などShopify Paymentに対応した国や地域のほとんどで、取引手数料がかかりません。
ShopifyでのECサイト運営にかかるコストには、月額利用料以外に、商品が購入された時に発生する決済手数料や取引手数料、売上の振込手数料などがあります。Shopify Paymentを利用すれば取引手数料が無料になり、売上が増えてもその分コストが高くなる心配はありません。
また、振込手数料や初期費用も不要です。
2. 越境ECに対応
Shopify Paymentは2021年11月時点で日本やイギリス、オーストラリアなど世界17の国と地域にあるShopifyの拠点で利用できる決済サービスです。
Visa、JCB、Mastercard、American Expressといった世界中で使用されているクレジットカードブランドに対応しています。また、日本円以外の通貨での決済も可能で、越境ECに適した決済サービスです。
3. 決済手続きが簡単
Shopify Paymentは国内外のクレジットカードだけでなく、Shop PayやApple Pay、Google Payの「エクスプレス決済」という、認証手続きが不要な決済方法にも対応しています。Shopify Paymentでの購入が2回目以降のユーザーは、クレジットカード情報や住所などを自動入力できます。
4. 管理画面で支払額を確認できる
Shopify Paymentを導入すれば、Shopifyの管理画面で支払い額をリアルタイムで確認できます。保留中の支払い額や次回支払い日の確認もでき、支払いが銀行口座に振り込まれた際のメール通知も設定可能です。
5. 審査不要ですぐに利用できる
Shopify Paymentの導入に書類提出や審査は必要ありません。決済サービスに登録するための準備や、審査期間中の販売中断などがなく、Shopifyでストアを開業してすぐに利用を開始できます。
Shopify Paymentの手数料
Shopify Paymentで発生する手数料について、確認してみましょう。
1. Shopifyの手数料の仕組み
Shopify Paymentを利用すれば、取引手数料と振込手数料は無料になります。必要なのは、商品の販売数に応じて発生する決済手数料だけです。
2. Shopify Paymentの決済手数料
Shopify Paymentの利用時に発生する決済手数料について、詳しく紹介します。決済手数料は、カードブランドと利用プランによって異なります。利用プラン・カードブランド別の決済手数料を下表にまとめました。
Lite | ベーシック | スタンダード | プレミアム | Plus | |
VISA、Mastercard | 3.40% | 3.40% | 3.30% | 3.25% | 3.15% |
American Express、海外発行のクレジットカード | 3.90% | 3.90% | 3.85% | 3.80% | 3.75% |
JCB | 4.15% | 4.15% | 4.10% | 4.05% | 3.75% |
Shopifyで利用できる主な外部決済サービスの特徴と手数料
Shopifyで利用できるShopify Payment以外の決済サービスのうち、代表的な5つのサービスの特徴と手数料について説明します。
1. Amazon Pay(アマゾンペイ)
Amazon Payは、Amazonアカウントに登録された住所やクレジットカード情報を使って、Amazon以外のECサイトでの決済もできる決済サービスです。
初めて利用するECサイトでも、Amazon Payを利用すればクレジットカード情報などの入力する必要はありません。Amazonアカウントにログインするだけで、決済に必要な情報が自動入力されます。
Shopifyでは無料でAmazon Payを導入できます。Amazon Payの導入は日本に拠点を置く法人が対象で、amazon.co.jpに登録済みのアカウントを持っていることが条件です。
対応ブランド | Visa、JCB、MasterCard、American Express |
決済手数料 | 4% 4.5%(デジタルコンテンツ) |
振込手数料 | 無料 |
2. KOMOJU(コモジュ)
KOMOJUは、日本や韓国、ヨーロッパ各国で利用されている主な決済手段に対応する決済サービスです。Shopifyのストアにも簡単な手続きで導入できます。
複数のマーケットでの取引をひとつの契約で実施できるため、越境ECにも適しています。主要なコンビニでの決済に加えてPayPay、メルペイ、LINE Payの一括導入も可能です。
対応ブランド | Visa、Diners Club、MasterCard、American Express、JCB |
決済手数料 | 2.75%(コンビニ支払い) 3.6%(Visa、MasterCard) 3.85%(JCB、Diners Club、American Express) |
振込手数料 | 無料(入金金額が3万円以上の日本国内への振込) 216円(入金金額が3万円未満の日本国内への振込) 2,500円(海外送金) |
3. PayPal(ペイパル)
PayPalは、世界に3億6,000万人以上のユーザーを持つ国際的な決済サービスです。クレジットカードのほか、銀行口座からの支払いにも対応しています。オンライン取引での商品の未配送といったトラブルに備えたサービスも利用可能です。
Shopifyストアでは、初期状態からPayPalが利用可能です。最初の売上後にアカウント登録用メールが送信されます。海外での使用率が高いサービスで、越境ECに必要なサービスが豊富に用意されています。
対応ブランド | Visa、JCB、MasterCard、American Express、銀聯など |
決済手数料 | 3.6% + 40円(国内標準レート:月額取引量で変動) |
振込手数料 | 出金額5万円以上は無料 出金額5万円未満は250円/件 |
4. Apple Pay(アップルペイ)
Apple Payは、iPhoneやiPad、Mac上のSafariでのオンラインショッピングで活用されている、Appleユーザー向けの決済サービスです。Apple Payでの決済では、デバイス固有の番号と独自の取引コードが使用され、高度なセキュリティを確保します。
Shopify Paymentの決済設定画面では、Apple Payのアイコンにチェックを入れるだけで利用が開始できます。
対応ブランド | JCB、MasterCard、American Express |
決済手数料 | Shopify Paymentと同額 |
振込手数料 | 無料 |
5. 携帯キャリア決済
「ドコモ払い」「auかんたん決済」「ソフトバンクまとめて支払い」などのキャリア決済は、各キャリアのIDとパスワード認証を利用した決済サービスです。ユーザーは商品の購入代金を、携帯電話料金とあわせて支払います。クレジットカードを持っていないユーザーも利用できます。
対応ブランド | NTT DOCOMO、au、SoftBank |
決済手数料 | 6.4%、15%(デジタルコンテンツ) |
振込手数料 | 無料 |
Shopify Paymentを導入する5つの手順
Shopify Paymentをストアでの決済に導入する具体的な手順は、下記の通りです。
1. 管理画面で [決済] を選択
まず、Shopifyの管理画面の「設定」にある「決済設定」をタップ・クリックします。
2. 「決済設定」ページでShopify Paymentを有効にする
「決済設定」画面で、Shopify Paymentの「アカウントの設定を完了する」をタップ・クリックします。他の決済サービスを利用しているなら「プロバイダを変更する」を選択して、Shopify Paymentを有効にします。
3. ストアと銀行の情報を入力
ストアや銀行の情報などを入力して登録します。情報の登録・設定完了後、すぐに利用できます。
登録が必要な項目は、下記の6点です。
- 会社(個人事業主)情報
- 個人情報
- 銀行口座(支払い受け取り用)
- 銀行情報
- サービスの詳細
- カード明細書に表示する請求書情報
情報を入力後に「アカウントの設定を完了する」をタップ・クリックすれば初期設定が完了します。
4. 詳細設定
登録を完了した後に、各種設定を行います。Shopify Paymentセクションの「編集」ボタンを選択します。ここで設定したい項目にチェックを入れます。
設定する項目は以下の6つです。
設定項目 | 概要 |
通知 | 支払い受け取り時の通知メールを受信するかどうかを選択します。 |
CVV(Card Verification Value)の認証に失敗した支払いを拒否する | CVVはクレジットカードの裏面にある3桁もしくは4桁の数字を指し、セキュリティコードと呼ばれることもあります。カードが存在していることを証明し、不正注文を防止します。 |
郵便番号の認証に失敗した支払いを拒否する | クレジットカード会社に登録済みの郵便番号と入力された請求先の郵便番号を比較して、認証に失敗した支払いを拒否します。こちらの項目も不正注文を防止するための設定です。 |
3Dセキュア認証 | VISAやMastercardでのオンライン取引では、追加認証が必要になります。購入者は支払い時に3Dセキュア認証での本人確認を行います。 |
支払い方法 | VISA、JCB、Mastercard、American Expressから利用可能なカードブランドを選択します。初期設定では、全てのカードが利用できる設定になっています。 |
簡単な支払い | クレジットカード情報や配送先情報の入力を簡単にする決済手段を選択できます。 |
5. テスト取引
必要な設定が完了した後に、テストモードを使って顧客が注文に対して支払いを実行する方法と、ストアのスタッフが注文を処理する方法をテストします。テストに使うカード番号などの情報は、ブランド別に決められたテスト用の数字を入力します。
テストモードを有効にしている間は、実際の支払い受け付けが停止されるので、十分に注意しましょう。
決済方法など運用に関する疑問はShopifyのプロに相談
オンライン決済の方法など、Shopifyストアの運用面に課題が生じた場合は、Shopifyの構築・運用経験が豊富なプロへの相談を検討しましょう。
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Shopify Paymentの特徴を理解し、最適な決済方法を選択しましょう
この記事では、Shopifyの公式決済サービスであるShopify Paymentについて、下記の5つのポイントに沿って解説しました。
- Shopify Paymentのメリットは取引・振込手数料が無料、審査不要など
- Shopify Paymentの決済手数料は利用プランごとに異なる
- Shopifyで利用できる外部決済サービスの特徴
- 初期設定からテストまでのShopify Payment導入手順
- 決済などShopifyの運用改善をサポートするプロの条件
決済方法は、ECサイトの訪問者が購入を決める要因のひとつです。この記事を参考にしていただき、Shopifyストアの運用改善につながる決済サービスを選定してください。決済方法など、ネットショップの運用に関する悩みや疑問は、豊富な実績と専門スキルを持つランサーズのフリーランスへの相談をおすすめします。
