プラグインとは、Shopifyの運用における課題を解決する便利ツールです。Shopifyのプラグインが数多い中、自社ECサイトにどれを使えばいいのか分からない方は少なくありません。しかし、プラグインを的確に選べば、Shopifyの使用中に起きる問題を簡単に改善できる可能性があります。
本記事では、プラグインでできることと選ぶ手順、EC運営に役立つアプリをご紹介します。ECショップを運営中の方や、これからShopifyで自社ECを始める方にも必読の内容です。ぜひ参考にしてください。

目次
Shopifyのプラグイン(アプリ)とは?
プラグインは、アプリケーションの機能を広げる際に使われるソフトです。プラグイン(Plug-in)は、英語で「差し込み」という意味でShopifyなどソフトウェアにアプリケーションコードを取り入れて、便利な機能を付け足します。
一般的にプラグインは、ソフトを便利に使用するために組み込まれるアプリケーションという位置づけです。実際、Shopifyでもプラグインを「アプリ」と呼んでいます。
Shopify対応のプラグインは、主にShopifyアプリストアからダウンロードが可能です。配送通知や不正探知アプリなどECの運営管理に役立つアプリのほか、集客支援アプリなど幅広い種類があります。
Shopifyのプラグイン(アプリ)の6つの種類とできること
Shopifyで使えるプラグインの代表的な6つの種類とできることを、以下の順でご紹介します。
- 商品の受注・出荷管理
- 顧客支援
- 集客・マーケティング
- コンバージョン支援
- サイトデザイン
- セキュリティ対策
1. 商品の受注・出荷管理
受注・出荷管理を支援するプラグインは、EC運営で必要な事務処理を効率化します。ネットでものを売るECでは、販売から出荷までの流れを確実に管理する必要があります。しかし、注文量が多いと商品の梱包や出荷作業に負荷がかかり、配送が遅れることもあるのです。
顧客は注文した商品が届く日を待ち望んでいるため、社内で回せる物量でも、商品の受注・出荷管理を確実に行い、予定通りに発送しなければなりません。そこで受注・出荷管理をシステム化し、正確かつ効率的に行うプラグインが役立ちます。
2. 顧客支援
顧客支援プラグインも、オンライン販売において便利なツールです。相手の顔が見えないEC販売において、リピーターの獲得や顧客満足度アップのため、カスタマーサービスに気を遣う方がとても多いです。実店舗であれば対面で応対できますが、非対面のECでは顧客の声を直接聞いてきめ細かく接客しにくい現状があります。
プラグインでできる顧客支援は、品切れ品の再入荷通知や、オンラインチャットサポートなど幅広いです。ECだからこそ、実店舗でありがちな「よくしてもらったから買うべき」という負担感を顧客に与えにくいメリットがあります。
3. 集客・マーケティング
多くの人にサイト訪問を促し、販売促進活動を駆使して売上アップを目指す施策もプラグインで対応可能です。集客・マーケティング戦略として、Googleで検索結果の上位に店舗HPが載るようにSEO対策をしたり、FacebookやInstagramなどのSNSから顧客流入を増やしたりする方法があります。
主に、構築したECサイトのスピードやページ解析を行ってサイト全体を良好に保ったり、SNS連携機能をつけたりするプラグインがあります。
4. コンバージョン支援
コンバージョンを支援するプラグインは、主に購入率をあげる役割を担います。例えば、ECサイト上で自動的にカスタマーレビューを提示したり、商品の在庫数をポップアップウィンドウで表示させたりして、購入を検討中の人に役立つ情報を提供します。
口コミ評価値など購入者のリアルな感想を参考にしたい人は多いため、カスタマーレビューの重要性は高いです。
5. サイトデザイン
販売商品の表示やサイトデザインをよりおしゃれに変えるには、プラグインが便利です。スマートフォンやパソコン端末を通して映る商品ビジュアルと説明が、顧客の購入判断の鍵になるからです。そのため、少しでも実物に近いカラーで商品写真を撮影し、ディスプレイの仕方にも工夫する必要があります。
Shopifyにはおしゃれなショップデザインが揃っていますが、他社との差別化を目指したい方にはデザインアプリの導入が役立ちます。
6. セキュリティ対策
顧客の住所やカード情報など個人情報を守るためのプラグインもあります。ネット販売が一般化する中、商品の決済や顧客の個人情報の漏洩には細心の注意を払わなければなりません。セキュリティ対策のプラグインは、カード情報を抜き取った犯罪者によるなりすまし購入や、キャンセル目的の不正注文も探知します。
ネット犯罪が巧妙化する中、商品代金を回収できないリスクがある不正購入は、事業者にとって死活問題です。カード詐欺や情報漏洩を防ぐためにセキュリティ対策が必要です。
自社ECに合ったShopifyプラグイン(アプリ)を選ぶ手順
Shopifyプラグインを導入するには、どうすればいいのでしょうか。アプリを選ぶ手順をご紹介します。
- 自社ECで改善したい課題を明確化する
- Shopifyの機能で対応できるか確認する
- Shopifyアプリストアで検索、条件に合わせて選ぶ
- ダウンロード後、インストールする
1. 自社ECで改善したい課題を明確化する
プラグインを選ぶ前に、自社ECの課題を洗い出すことから始めることをおすすめします。EC運営でよく聞かれる課題は以下の通りです。
- ECサイト訪問者が伸びない
- 購入率が伸びない
- 受注・発送管理が負担になっている
- 顧客の問い合わせ対応に手が回らない
次にこれらの課題に優先順位をつけて、どのような解決策が必要か明確にします。例えば、サイト訪問者が伸びない問題には、ネット検索や広告運用でサイトへ誘導するなどの施策が考えられます。
2. Shopifyの機能で対応できるか確認する
課題の解決策としてプラグインを探す前に、本当に必要か確認してください。Shopifyは使いやすく設計されているため、アプリを付加しなくても解決できる余地があるためです。
例えば、基本的な配送設定は、配達管理アプリを別途ダウンロードしなくても使用できます。配送料や送料無料の条件をシステムに反映させるなど、ECショップの基本的な設定が可能です。Shopify機能でまかなえることも多いため、プラグインを取り入れる前に調べることをおすすめします。
3. Shopifyアプリストアで検索、条件に合わせて選ぶ
プラグインの種類を決めた後は、Shopifyアプリストアで探してみましょう。Shopifyストアでプラグインを選ぶときの注意点をまとめてみました。
- プラグインの概要を確認
- 金額を確認(有料・無料)
- 無料体験の有無を確認
- 口コミをチェック
プラグインの概要は、口コミ評価と同様に熟読することをおすすめします。また、試用例を示す「デモストア」があるアプリは、実装されたサイトを確認できるためイメージがしやすく、選ぶ際の参考になります。
4. ダウンロード後、インストールする
プラグインを決めたら実際にダウンロード後、インストールして使用を開始します。
なお、Shopifyは、カナダ発のECサイト開発・運営を助けるアプリケーションソフトですが、2018年から日本語にも対応しています。しかし、Shopify対応のプラグインの中には日本語未対応のものもあるため、使い方がわかりづらく感じる方もいるかもしれません。
そのようなケースに備えて、無料体験期間を活用して使い心地を確認することをおすすめします。
サイト運営に役立つプラグイン10選をご紹介
ECショップ運営に役立つShopifyのプラグインと利用プランを、以下の順でご紹介します。
- 【商品の出荷関連】配送日時指定
- 【商品の出荷管理】Ship&co
- 【顧客支援】再入荷通知 Back in Stock
- 【集客・顧客支援】One Click Social Login
- 【顧客支援】Tidio ライブチャットとチャットボット
- 【集客・マーケティング】Plug in SEO
- 【集客・マーケティング】Klaviyo
- 【コンバーション支援】Judge.me
- 【サイトデザイン】Image Slider Image On Hover
- 【セキュリティ対策】Beacon 不正管理システム
1.【商品の出荷関連】配送日時指定
「配送日時指定」は、顧客が商品の購入時に配送日時を指定できるようにするアプリです。購入画面にシンプルな配達希望欄を作ることが可能で、購入者は選ぶだけで簡単に配達指定ができます。事前に配達日時指定ができると、顧客が購入するタイミングをはかる必要はありません。
旅行期間を避けたり、宅配事業者に再配達依頼をしたりしなくて済むため、商品がカートに入ったまま決済処理されない「カゴ落ち」の防止になります。14日間の無料体験があります。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
ノーマル | 9.8ドル/月 | ・配送日と時間帯を指定 ・最短の配送希望日を反映 ・主要配達業者に対応 ・非対面配達、長期休暇設定可能 |
アドバンスト | 19.8ドル/月 | ・ノーマルプランの全機能 ・ネクストエンジン用のデータ作成 |
2.【商品の出荷管理】Ship&co
「Ship&co」は、手のかかる出荷管理を効率化するアプリです。商品の購入から発送までにかかる工程を一括で管理し、クリックひとつで簡単に注文・出荷管理ができます。海外向けの越境ECにも対応可能です。
受注後システム上のオーダーステイタスに応じて、送り状の発行から、出荷案内メールの送付まで自動で行います。スタッフの出荷作業の負担を減らし、人的コストの節約も目指せるため、特に物流の多い方やECショップを複数運営する方におすすめです。14日間の無料体験があります。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
従量制プラン | 33円/発送 | ・複数のECサイトの注文・発送業務をクラウド管理 ・1クリックで送り状、請求書を作成 ・発送後の追跡情報の表示、出荷案内メールの自動送信 |
月額プラン | 2,090円/月 | ・従量制プランの全機能 ・月100出荷数まで対応 |
テーラードプラン | 要問い合わせ | ・従量制プランの全機能 ・ビジネス規模に合わせて価格を調整 ・専門サポートが受けられる |
3.【顧客支援】再入荷通知 Back in Stock
「Back in Stock」は、品切れ商品が入荷した際に顧客にメールで再入荷通知を行います。サイト訪問時に、欲しい商品が売り切れていたら、ポップアップウィンドウで再入荷時の連絡をするかどうか聞くシステムです。連絡方法は、メールか携帯電話のSMSから選べます。
再入荷情報をタイムリーに知らせれば、購入意志があるユーザーも販売者も「成約」チャンスを逃しません。また、14日間の無料体験があります。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
無料 | なし | ・Eメール通知5件まで ・顧客リスト数の上限なし ・分析とレポート |
スタートアップ | 19ドル/月 | ・100件のSMSおよびEメール通知 ・顧客リスト化と分析機能 ・メールマーケティングアプリ(Klaviyo、Mailchimp等)に連携 |
スモールビジネス | 39ドル/月 | ・500件のSMSとEメール通知 ・顧客リスト化と分析機能 ・メールマーケティングアプリ(Klaviyo、Mailchimp、Shoelace等)に連携 |
ミディアムストア | 59ドル/月 | ・5,000件のSMSとEメール通知 ・顧客リスト化と分析機能 ・メールマーケティングアプリ(Klaviyo、Mailchimp、Shoelace等)に連携 |
4.【集客・顧客支援】One Click Social Login
「One Click Social Login」は、SNSアカウントを使ってECサイトにログインできるようにするアプリです。
初めて訪問したECショップでは個人情報の入力が負担になり、顧客が会員登録するハードルが高くなりがちです。しかし、FacebookやTwitterなど既存のSNSアカウントに連携することで、簡単にログインが可能です。店舗側も顧客がECサイトから離脱しにくくなるメリットが期待できます。15日間の無料体験があります。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
ベーシックプラン | 2.99ドル/月 | ・10以上のソーシャルネットワークとのソーシャルログインボタンの統合 ・ユーザー数無制限 ・ログインボタンのカスタマイズ |
スタンダードプラン | 4.99ドル/月 | ・ベーシックプランの全機能 ・顧客の動向分析 ・CSSでソーシャルログインボタンを更にカスタマイズ |
プロプラン | 9.99ドル/月 | ・スタンダードプランの全機能 ・ログインボタンをポップアップ化できる ・ポップアップされたログインボタンの表示箇所を決められる |
「One Click Social Login」の公式サイトで詳細を確認する
5.【顧客支援】Tidio
「Tidio」は、ECサイトに24時間対応のAIライブチャットを追加するアプリです。応対に時間と労力がかかるカスタマーサービス業務をAIで効率化できます。商品に関する質問や在庫確認、決済方法など顧客が購入前にかかえる質問に即座に応えることができるため、コンバージョン率アップにつなげます。
顧客とのコミュニケーション手段は、メールやメッセンジャー、Instagramにも対応しているため、便宜に合わせて対応可能です。迅速丁寧なカスタマーサービスで、顧客満足度の向上も期待できます。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
無料プラン | なし | ・チャットオペレーター3人まで ・月100人までのチャットボット ・モバイルアプリにも対応 ・訪問者をリスト化 |
コミュニケータープラン | 15ドル/月 | ・無料プランの全機能 ・アカウントアクセスを許可 ・ライブタイピング閲覧 ・利用者のプロフィールを分析 |
チャットボットプラン | 39ドル/月 | ・無料プランの全機能 ・チャットボットが無制限 ・チャットボットのテンプレート、エディター機能 ・タスク自動化ツールZapierとの連携 |
6.【集客・マーケティング】Plug In SEO
「Plug In SEO」は、ECサイトをGoogleで上位表示させるためのSEO対策プラグインです。サイトがGoogleにマイナス評価されないようにフィルタリングします。
例えば、リンク切れページやサイト読み込み速度など、SEO視点で問題がある際にユーザーに速やかに通知し、改善を促します。アプリ1つでオールインワンのSEO対策が可能で14日間の無料体験があります。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
無料プラン | なし | ・サイト速度やSEO問題をチェック ・無効なリンクなどを検出 ・問題の改善手順を提案 ・メールサポート |
プラスプラン | 20ドル/月 | ・SEOを自動で改善 ・壊れたリンクを修正 ・定期的なSEOチェックとレポート機能 ・カスタマーサポートが受けられる ・トレーニングビデオあり |
プロプラン | 29.99ドル/月 | ・プラスプランの全機能 ・サイトのSEO審査が受けられる ・サイト速度のレポート機能 |
7.【集客・マーケティング】Klaviyo
「Klaviyo」は、店舗のキャンペーン情報などをメールやSMSで送信するアプリです。顧客にメールマガジンを送る際に役立ち、購入履歴から関連商品の割引情報をメールで知らせる使い方も可能です。
一度ECサイトで購入したことがある人向けのメールマーケティングは、リピート購入やお店のファンができるマーケティング手法です。Klaviyoではメールは250件、SMSは50件の連絡先まで無料で使えるため、負担なく始めることができます。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
無料プラン | なし | ・メール宛先250件まで送信 ・連絡先50件までSMS送信 ・顧客リストを条件別にグループ分け ・175以上のテンプレートで簡単にメールをデザイン |
Emailプラン | 20ドル/月 | ・無料プランの全機能 ・連絡先500件までメール送信 ・追加のチャットサポート |
SMSプラン | 5ドル/月 | ・連絡先150件までSMS送信 ・カスタマイズできるレポート機能 |
8.【コンバーション支援】Judge.me
「Judge.me」は、商品の購入者によるカスタマーレビューを掲載するアプリです。口コミや評価は、ECサイトのコンバージョンを左右する大事な要素です。このアプリでは、購入者に対し自動でメールを送ってカスタマーレビューを集めます。
また、レビューの表示欄はデザインをカスタマイズできるため、自社ECのイメージに合わせてレビューを掲載できます。無料プランでもレビューに写真や動画を添付可能です。購入をお悩みの顧客により参考になる情報を伝え、コンバージョンアップが目指せます。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
無料プラン | なし | ・カスタマービューを無制限でリクエスト可能 ・レビューデザインをカスタマイズ ・写真と動画でレビュー可能 ・Google検索で表示可能 ・SNSで共有可能 |
Awesomeプラン | 15ドル/月 | ・無料プランの全機能 ・Q&A、問い合わせフォームの設定 ・回答した顧客に割引クーポン進呈 ・Googleショッピングに表示 ・ZapierやKlaviyoに連携 |
9.【サイトデザイン】Image Slider
「Image Slider」は、ECサイトで登録した商品画像をホバー表示するプラグインです。
ホバー表示とは、商品にカーソルをのせるだけで画像が切り替わる加工のことです。例えば、ドレスを着用したモデルの写真にカーソルが触れただけで、ポーズや角度が変わります。ドレスがおしゃれに映るだけでなく、別の角度からも見られるため着用イメージも描きやすくなります。
ECサイトでは、商品を手に取って買うことが難しいため写真が大切です。プラグイン1つで写真をおしゃれに映し出せます。また、10日間の無料体験があります。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
フルアクセス | 4.99ドル/月 | 各商品ページとコレクションページの商品画像にホバー効果をつける |
10.【セキュリティ対策】Beacon 不正管理システム
「Beacon 不正管理システム」は、クレジットカードの不正利用や転売目的の悪質注文などを検知するアプリです。EC業界の拡大が進む中、ショップ運営者を苦しめる不法行為が問題視されています。
アカウントの乗っ取りや決済カードの不正利用など、EC事業者を苦しめる不正は後を絶ちません。不正を事前に探知し、被害にあわないために対処することをおすすめします。14日間の無料体験があります。
利用プラン | 利用料金 | プラン概要 |
FRAUD MANAGEMENT | 0.03ドル/件 | ・常に詐欺分析 ・顧客認証を強化 ・不審な顧客をブラックリストに載せる ・不正注文を自動キャンセル |
「Beacon 不正管理システム」の公式サイトで詳細を確認する
プラグインを導入してShopify業務の効率化を図ろう
Shopifyはプラグインを使うことで、以下の拡張機能を高めることが可能です。
- 商品の受注・出荷管理
- 顧客支援
- 集客・マーケティング
- コンバージョン支援
- サイトデザイン
- セキュリティ対策
自社サイトの課題や状況に合わせて、優先順位の高いソリューションを探してみてください。
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