会社から会社へ卸売をするなら、小売価格とは異なる商品価格が設定されていることが一般的です。また、取引先や販売総額などによって割引価格で販売することも多く、ECサイトでの設定に多くのECサイト運営者が悩まされます。
Shopifyなら、BtoBの卸売を対象にした販売にも対応可能です。
本記事では、ShopifyでBtoBのECサイトを構築する方法や導入時の注意点などを紹介します。ShopifyでBtoBのECサイトを運用することを検討しているなら、ぜひご一読ください。
外部パートナーに依頼する際も、このシートを活用することでやり取りがスムーズになります。
要件シートはエクセルでダウンロード可能なので、ぜひご活用ください。

目次
BtoBに向いているShopifyの6つの特徴
Shopifyは手軽にECサイトを構築できるECカートシステムです。基本機能と追加アプリを組み合わせることで、BtoBのECサイトも構築できます。ここでは、ShopifyがBtoBのECサイトの構築におすすめである理由を見ていきましょう。
- ECサイトを手軽に構築できる
- アプリで拡張機能を追加できる
- 販売の規模に合わせて料金プランを選べる
- 卸売にも対応している
- 越境販売に強い
- 自社でメンテナンスする必要がない
1. ECサイトを手軽に構築できる
Shopifyには70種類以上のテーマ(テンプレート)が用意されています。テーマを選んで必要なことを入力するだけで、ECサイトを構築できますので手間がかかりません。
他社と同じテーマの使用を避けたければShopifyには有料テーマもありますので、他社との差別化をしやすいです。
Shopifyには業界ごとにおすすめのテーマが分類されており、適切なテーマを選べます。
2. アプリで拡張機能を追加できる
Shopifyは基本機能以外に、アプリを追加することで拡張機能を追加できます。デザインやマーケティング、配送設定、SNSとの連携などに活用できるアプリが豊富にあり、必要な機能だけを追加可能です。
さらにShopifyには卸売に適したアプリもありますので、BtoBのECサイトを構築するのを助けてくれます。
3. 販売の規模に合わせて料金プランを選べる
Shopifyの料金プランは3つです。毎月29ドル・79ドル・299ドルのプランがあり、プランによって機能や手数料率などが異なります。
さらに大規模事業者向けのShopify Plusや、ウェブサイトやブログに商品を追加するだけのShopify Liteなどのプランもあり、選択肢は多いです。
このようにShopifyには複数の料金プランがあります。徐々に売上を伸ばして、売上規模に合わせてプランを変えていきたい事業者にもおすすめです。
4. 卸売にも対応している
卸売とは、商品をまとめて小売業者に売ることを指します。卸売価格は一般的に、市場価格よりも低価格です。小売業者は卸売で購入した商品を市場価格で消費者に販売します。
Shopifyなら、複数の方法でBtoBのECサイトを構築可能です。毎月の注文分をまとめての支払いなど、卸売特有の支払い設定も設定できます。このように、BtoCのECサイトに必要な機能を追加することで、BtoBの取り引きに対応可能です。
5. 越境販売に強い
Shopifyは海外で生まれたECカートシステムであり、世界175ヶ国以上で利用されている、越境販売に強いサービスです。Shopifyなら最大20の言語で販売できるよう設定でき、133の通貨に対応しています。
Shopifyには翻訳など国際化に対応したアプリも豊富にあり、多言語でのページ作成もしやすいです。
また、ShopifyはPayPalをはじめ100種類以上の決済方法に対応しています。Shopifyでは顧客に請求する税率を自動的に管理してくれるなど、海外への配送業務もスムーズにできる仕組みになっています。
6. 自社でメンテナンスする必要がない
Shopifyのサーバーは安定していて、稼働率99.98%です。Shopifyはセキュリティに対する十分な投資を行っており、万が一セキュリティ上の欠陥やバグがあった際にも、世界中のホワイトハッカーが24時間体制で対応しています。
つまり、欠陥やバグへの対応はASPであるShopify側で行ってくれ、自社で行う必要がありません。
またランサーズには、Shopify構築について知見の深いShopifyエキスパート多数在籍。
Shopifyを使ったECサイト構築などでお困りの際は、ぜひご活用ください。
ShopifyでBtoB向けECサイトを構築する3つのメリット
ShopifyはBtoCのサービスと思われがちですが、BtoBのECサイトの構築に適した特徴を持つASPです。ここでは、ShopifyでBtoB向けのECサイトを構築するメリットを解説します。
- ツールが充実していて構築しやすい
- 越境販売にも対応が可能
- 低コストでも始められる
1. ツールが充実していて構築しやすい
Shopifyには、ECサイトの構築に役立つテーマや、卸売機能を追加できるアプリなどのツールが充実しています。自社でシステムを1から構築せずともShopifyのツールを活用することで、時間や手間、構築費用を抑えてBtoBのECサイトを構築可能です。
2. 越境販売にも対応が可能
Shopifyの強みは越境販売に強い点です。Shopifyなら多言語・複数通貨に対応でき、翻訳や通関書類の作成、通貨換算など面倒な作業を助けてくれるアプリも充実しています。
海外の取引先とBtoBのECサイトで取り引きしたいなら、Shopifyがおすすめです。
3. 低コストでも始められる
BtoBのECサイトを運営していく上で、毎月のコストはできるだけ抑えたいものです。
Shopifyのプランの概要は下記の通りです。
月額料金/手数料 | ベーシックプラン | スタンダードプラン | プレミアムプラン |
毎月の料金 | 29ドル | 79ドル | 299ドル |
クレジットカード手数料(Shopifyペイメント) | 3.4〜4.15% | 3.3〜4.1% | 3.25〜4.05% |
取引手数料 (Shopify ペイメントを利用していない時) | 2.0% | 1.0% | 0.5% |
Shopifyのアプリを追加すると、アプリによっては手数料がかかります。
Shopifyなら最初は低料金のプランからでも始められますので、BtoBのECサイトからの売上が伸びたら料金を変更するといった使い方も可能です。
ShopifyでBtoB向けECサイトを構築する3つの方法
ShopifyでBtoB向けのECサイトを構築できることがわかったら、構築方法を検討しましょう。ShopifyでBtoB向けのECサイトを構築するには、下記の方法があります。
- Shopifyの管理画面でパスワード保護機能を使う
- 別の卸売ストアを開く
- Shopifyアプリを活用する
1. Shopifyの管理画面でパスワード保護機能を使う
小売をせずにBtoBのみの販売をするなら、Shopifyのパスワード保護機能を有効にしましょう。Shopifyでパスワード保護ストアを作成することで、小売業者向けの商品を設定できます。
さらにパスワード保護機能とパスワード保護アプリ「Locksmith」と組み合わせると、高度なカスタマイズも可能です。プロフィールにタグを付けたり、国別に抽出したりして、Shopifyで閲覧可能な在庫の種類をカスタマイズできます。
ただしこの方法では、Shopifyで顧客ごとに異なる価格設定はできない点には注意してください。
2. 別の卸売ストアを開く
すでに小売のECサイトがある事業者は、Shopify Plusへアップグレードすることで、卸売チャネルを追加できます。管理画面から卸売チャネルを追加すると、Shopifyで小売業者を対象とした新たなチャネルを開設可能です。既存の小売ECサイトの顧客が持つIDとパスワードでは、Shopifyの卸売チャネルにはアクセスできません。
Shopifyで卸売チャネルを開設すると、同じ商品でも顧客ごとに異なる価格表を使って取り引きできます。小売業者との契約内容や取り引きの規模などに合わせて、相手によって異なる価格を設定可能です。
卸売チャネルを開設できる機能を持つShopify Plusには、月額2,000ドル~の料金がかかります。卸売で大規模な取り引きを行っているなら検討してみてください。
3. Shopifyアプリを活用する
Shopify Plusなら卸売チャネルを追加できますが、販売規模が少ない会社にとっては毎月の負担が大きいです。通常のShopifyの料金プランの範囲内で卸売チャネルをつくりたければ、Shopifyアプリを活用しましょう。
Shopifyアプリストアで「卸売」「Wholesale」などで検索すると、卸売に使えるアプリを見つけられます。既存のレビューや毎月負担すべき手数料などを比較しながら、使いやすいアプリを選んでください。
英語表記になっているアプリは、ブラウザの翻訳機能を使うと大まかな意味を確認できます。
卸売機能Wholesale Clubとは
「Wholesale Club(ホールセールクラブ)」とは、BtoB卸売価格を提供するためのShopifyアプリです。アプリを追加してテーマへの設定を行ったら、顧客タグに応じて会員レベルを指定でき、会員レベルに応じた割引価格を設定できます。
後払い設定にも対応しているなど、企業間取引での商慣習に即したアプリです。
「Wholesale Club」は14日間無料で利用できますが、無料期間経過後は下記の料金が発生します。
利用料金 | そのほかの決済手段 | 機能概要 |
BASIC PLAN | 24ドル | 300件 |
PROFESSIONAL PLAN | 49ドル | 上限なし |
月額24ドルのプランでも毎月300件までの注文に対応していますので、事業規模が小さい会社には十分です。上位のプランなら注文数の制限がなく、49ドルを超える料金はかかりません。
ランサーズには、Shopify構築について知見の深いShopifyエキスパート多数在籍。
Shopifyを使ったECサイト構築などでお困りの際は、ぜひご活用ください。
ShopifyでBtoB向けECサイトを運用する際の5つの注意点
BtoB向けのECサイトをShopifyで運用するにあたって、下記のような注意点があります。
- ターゲットをはっきりさせる
- 決済方法の設定に注意する
- 情報をこまめに更新する
- 必要な書類を発行できるようにしておく
- 割引方法を確認する
1. ターゲットをはっきりさせる
BtoBのECサイトでは、取り引きする相手は企業や個人商店などです。BtoCビジネスに比べて、ターゲットが限られていますので、ECサイトを構築する前に明確なターゲット設定をしておきましょう。
ビジネスの取り引きは、個人消費に比べて合理的な理由で行われます。せっかくShopifyでBtoBのECサイトを構築してもターゲット設定が曖昧だと、顧客となる企業に選ばれることなく、売上が伸びないままになってしまうこともあるでしょう。
まずは自社の取引相手となるターゲットをはっきりさせて、取引先が情報を認識しやすいデザインを選び、ShopifyでBtoBのECサイトを構築してください。
2. 決済方法の設定に注意する
小売のECサイトでは、支払いはクレジットカード決済やID決済などで行うのが主流です。しかし、BtoBの商慣習では、請求書を使った後払いを用いることがよくあります。
ShopifyでBtoBのECサイトを構築するなら、後払いで購入できるよう設定することが欠かせません。Shopifyアプリなどを使ってBtoBのECサイトを構築するのに必要な機能を追加して、自社と取引先との商慣習に合う支払い方法を使えるよう設定しましょう。
3. 情報をこまめに更新する
BtoBのECサイトに掲載している情報をアップデートしないままだと、情報伝達やクレーム対応など、かえって手間がかかってしまうことがあります。ECサイトに古い情報を掲載したままにせず、新しい情報に更新されたら、ECサイトの情報も忘れずに更新しましょう。
4. 必要な書類を発行できるようにしておく
BtoBの取り引きでは、発注書や請求書、領収書などの発行を求められることがあります。既存の機能で明細書は発行できますが、それ以外の必要な書類を発行できるようアプリを追加するなどの方法で対応しておきましょう。
発注書・請求書・領収書などを発行できるアプリとしては「Order Printer」などがあります。英語表記のアプリやHTMLなどWebデザインの知識が求められるアプリもありますので、必要な部分のみを専門家に依頼することも検討してみてください。
5. 割引方法を確認する
BtoBの取り引きでは、取引先によって販売価格が異なることも多いです。また、販売数量によって割引率が上がることもありますので、BtoBのECサイトを構築する前に確認しておきましょう。
BtoBでの価格設定が市場価格から一律の割引なのか、固定額での販売なのか、まとめ買いでの割引などをよく確認して、BtoBのECサイトへ販売価格を登録してください。
BtoBのECサイトを自社で構築できるか検討してみよう
ShopifyはBtoBのECサイトを構築するのに適したECカートシステムですが、専門知識が必要な部分もあります。また、設定する内容が多く、自社で行うのに不安を持つ人が多いでしょう。そこで、自社で構築するかどうかの判断基準となる点を見ていきましょう。
- BtoBのECサイト構築は割引率の設定など行うべきことが多い
- ShopifyのBtoBのECサイト構築はフリーランスへの依頼を検討してみよう
BtoBのECサイト構築は割引率の設定など行うべきことが多い
BtoBのECサイトを構築する際、自社で行うと作業の負担が大きく、通常業務に支障を来してしまうこともあります。特に商品登録や割引率の設定、発注書など書類との連携などは行うべきことが多く、不慣れだと大変です。
さらに、ページのカスタマイズやアプリの設定などで、HTMLなどWebデザインの知識が求められることもあります。
ShopifyでのBtoBのECサイト構築はフリーランスへの依頼を検討してみよう
自社の負担を減らそうとShopifyでBtoBのECサイトを構築する時に外部へ依頼すると、時間や金銭的なコストが気になることも多いです。そこで、経験豊富なフリーランスへECサイトの構築を依頼することも検討してみましょう。
ランサーズならShopifyでのECサイト構築の経験豊富なフリーランスや、Shopify Expertsが複数在籍しています。
オンラインから問い合わせると最短即日対応できますので、ぜひ問い合わせてみてください。
外部パートナーに依頼する際も、このシートを活用するとスムーズなやり取りが可能です。
要件シートはエクセルでダウンロード可能なので、ぜひご活用ください。
ShopifyならBtoBのECサイトも構築しやすい!導入を検討してみましょう
本記事ではShopifyでBtoBのECサイトを構築する方法についてお話ししました。再度、ポイントをまとめます。
- Shopifyはアプリを追加すれば手軽に卸売に対応が可能
- 越境販売に強い
- アプリやテーマが充実していて構築しやすい
- 請求書などの書類作成に対応しているアプリも追加できる
- 価格の登録前に取引先ごとの割引価格を確認しておくとスムーズに作業できる
ShopifyならBtoBのECサイトの作成は手軽にできますが、専門知識が必要な部分や作業分量が大きい部分もあります。自社で対応しきれない作業は、フリーランスなどの専門家へ依頼することも検討してみてください。
