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ECプラットフォームとは?種類や主要サービスの特徴を解説

ECサイトの構築に利用するサービス選びは、ECへの参入準備を進めるうえで最初の重要ポイントです。どのような点を重視して、数多くあるサービスを比較・検討したらいいのでしょうか?構築期間やコスト、利用できる機能などを確認して、自社の目的や条件に合ったサービスを選定する必要があります。

本記事では、ECプラットフォームの種類やメリット、主要サービスの概要などを説明します。利用するECプラットフォーム選びの参考にしてください。

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ECプラットフォームとは?

開いたノートPCと散らばる雑貨類

ECプラットフォームの定義と自社EC・モール型ECの相違点について説明します。

ECプラットフォームの定義

IT分野における「プラットフォーム」とは、サービスやシステムの基盤となるシステムを指す用語です。また「ECプラットフォーム」は、EC向けサービスを提供する際のベースとなるシステムの総称です。

主に自社ECサイトの構築支援システムを、ECプラットフォームと呼びます。Web上のショッピングモールでECを行うECモールを含めて、ECプラットフォームと呼ぶ場合もあります。

自社ECとモール型EC

自社ECとは、ECプラットフォームを利用して構築・運用する自社のECサイトのことです。モール型ECとは、オンライン上のショッピングモールに加入して行うECを指します。一般的には、ECサイト構築に利用できるサービスをECプラットフォームと呼び、モール型ECをECモールと呼びます。

自社ECとモール型ECの主な相違点をまとめたのが、以下の表です。

比較項目自社ECモール型EC
サイト運営自社モール運営者
ドメイン独自ドメインモールのドメイン
コスト構築方法によって大きく異なる比較的低コストでECを開始できる
集客独自の集客対策が必要モール自体に集客力がある

ECサイト構築に利用できるECプラットフォームの種類3つ

机の上に半開きで置かれたノートPC

ECサイト構築に利用できる、ECプラットフォームの主な3つの種類について説明します。

  1. ASP型ECプラットフォーム
  2. ECパッケージ
  3. オープンソース

1. ASP型ECプラットフォーム

ASP型ECプラットフォームは、ショッピングカートや受注・配送管理といったECサイトに必要な機能を、オンライン上で提供するサービスです。ASP型ECプラットフォームを、単にECプラットフォームと呼ぶことも多く、ASPやレンタルショッピングカートと呼ばれることもあります。

ASP型ECプラットフォームを利用すれば、自社でレンタルサーバーを用意する必要はありません。ほかのECサイト構築支援サービスと比べて、比較的安いコストでECサイトを構築できます。一定の制限はありますが、デザインや機能をカスタマイズすることもできます。

ASP型ECプラットフォームの主な特徴をまとめたのが、以下の表です。

重視すべきポイント概要
費用・初期費用:無料~数万円程度
・月額費用:無料〜数万円程度
・決済手数料:3〜5%
構築期間1日~3週間程度
メリット初期費用が比較的安い、簡単な操作で構築可能、短期間で構築できる
デメリットカスタマイズに制限あり、自社システムとの連携が困難なケースがある

2. ECパッケージ

ECパッケージは、必要な機能をパッケージとして提供するECサイト構築支援サービスです。デザインや機能を自由にカスタマイズできます。構築・運用にはある程度まとまった費用が必要です。

ECパッケージの特徴をまとめたのが、以下の表です。

重視すべきポイント概要
費用構築費用の目安は数百万円程度、運用コストが必要
構築期間数カ月程度が目安
メリット基本機能が提供されている、カスタマイズの自由度が高い、運用サポートを利用できる
デメリットある程度まとまった構築費用・期間が必要

3. オープンソース

オープンソースは、インターネット上で公開されているプログラムのソースコードを用いた、無料のECパッケージです。カスタマイズや機能拡張の自由度が高い反面、構築・運用にはある程度まとまった費用が必要になります。

オープンソースの特徴をまとめたのが、以下の表です。

重視すべきポイント概要
費用構築費用の目安は数百万円程度、運用コストが必要
構築期間数カ月~半年程度が目安
メリット初期費用を低減できる、カスタマイズの自由度が高い
デメリット構築に専門スキルが必要、ある程度まとまった構築費用・期間が必要

ECプラットフォームを利用する3つのメリット

俯瞰で会議の様子を見る

ASP型ECプラットフォームを利用する、3つのメリットについて説明します。

  1. コストパフォーマンスの高さ
  2. 短い構築期間でECサイトを開設できる
  3. 構築・運用を手軽に実施できる

1. コストパフォーマンスの高さ

オンライン上で提供される機能を用いてECサイトを構築するため、最小限のコストで自社のECを開始できます。初期費用や月額費用が無料のサービスもあります。

2. 短い構築期間でECサイトを開設できる

基本的な構築作業は、ECプラットフォームの管理画面上での操作だけで完結します。プログラミングの専門スキル不要で、短期間でECサイトを構築できます。

3. 構築・運用を手軽に実施できる

ASP型ECプラットフォームでのサイト構築は、シンプルな操作で実施できます。レンタルサーバーの契約やシステムのアップデートも不要です。

主なECプラットフォーム7つの概要

ノートPCの上に置かれたスマホとイヤホン

代表的な7つのECプラットフォームの概要を、ASP型を中心に紹介します。

  1. Shopify
  2. BASE
  3. カラーミーショップ
  4. MakeShop
  5. STORES
  6. ecbeing
  7. EC-CUBE
販売額が10万円・100万円場合の固定費を、プラットフォームごと比較した資料もご用意しています。
こちらも参考に自分に合ったプラットフォームを見つけてください。

1. Shopify

Shopifyは、約170万社が利用する世界最大規模のECプラットフォームです。豊富なテンプレート、機能拡張に利用できる6,000以上ものShopifyアプリが提供されていること、海外に商品を販売する越境EC向け機能が充実していることなどが、主な特徴です。14日間の無料体験があります。

各プランの料金と概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
Shopify Liteプラン・初期費用:無料
・9ドル/月
・ECサイトを構築せず既存のサイトやブログ、SNSに標準機能を追加するプラン
・スタッフアカウント数:1アカウント
ベーシックプラン・初期費用:無料
・29ドル/月
・カード決済手数料:3.4%~
・個人・小規模事業者のショップ向けプラン
・スタッフアカウント数:2アカウント
スタンダードプラン・初期費用:無料
・79ドル/月
・カード決済手数料:3.33%~
・中規模ショップ向けプラン
・スタッフアカウント数:5アカウント
・海外ドメイン設定
プレミアムプラン・初期費用:無料
・299ドル/月
・カード決済手数料:3.25%~
・大規模ショップ向けプラン
・スタッフアカウント数:15アカウント
・海外ドメイン設定
・カスタムレポート作成
plusプラン・初期費用:無料
・2,000ドル/月
・カード決済手数料:3.15%~
・大企業、取引量の多いショップ向け最上位プラン
・スタッフアカウント数:無制限
・追加料金不要で最大9のサイトを追加
・管理画面のカスタマイズ
・チェックアウトのカスタマイズ

Shopifyの公式サイト

2. BASE

BASEは、約160万のネットショップが利用する、初期費用・月額費用が無料のECプラットフォームです。基本テンプレートに加えて、クリエイターが作成したテンプレートも豊富に提供されています。ネットショップに必要な決済方法をすぐに導入できる「BASEかんたん決済」や、充実したサポート体制も、BASEの特徴です。

利用料金と概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
通常プラン・期費用:無料
・月額費用:無料
・決済手数料:3.6%+40円
・サービス利用料:3%
・拡張機能
・BASEかんたん決済
・集客・販促サポート

BASEの公式サイト

3. カラーミーショップ

カラーミーショップは、日本のECプラットフォームのパイオニアとして2005年に誕生したサービスです。提供されている機能の豊富さやサポート体制の充実度などが主な特徴です。有料プランには30日間の無料体験があります。

各プランの料金と概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
フリープラン・初期費用:無料
・月額費用:無料
・決済手数料:6.6%+30円
・デザインテンプレート登録数:最大5
・登録画像数:最大4/1商品
・フリーページ:10ページ
・ディスク容量:200MB
レギュラープラン・初期費用:3,300円
・3,300円/月
・決済手数料:4%~
※決済手段により異なる
・デザインテンプレート登録数:最大10
・登録画像数:最大50/1商品
・フリーページ:10,000ページ
・ディスク容量:5GB
ラージプラン・初期費用:3,300円
・7,945円/月
・決済手数料:4%~
※決済手段により異なる
・デザインテンプレート登録数:最大10
・登録画像数:最大50/1商品
・フリーページ:10,000ページ
・ディスク容量:100GB

カラーミーショップの公式サイト

4. MakeShop

MakeShopは、日本の商習慣に合致した651もの機能を豊富に備えたECプラットフォームです。ECサイト構築用の機能に加え、顧客管理や販売促進、集客用の機能も充実しています。15日間の無料体験があります。

各プランの料金と概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
プレミアムプラン・初期費用:11,000円
・11,000円/月
・カード決済手数料:3.19%~
・商品数:最大10,000
・副管理者アカウント:最大5アカウント
・HTMLメール配信数:最大500,000通/月
エンタープライズプラン・初期費用:110,000円
・55,000円/月
・カード決済手数料:3.14%
・商品数:最大50,000
・副管理者アカウント:最大10アカウント
・HTMLメール配信数:無制限(1配信につき最大200,000通)
・専任サポート担当

MakeShopの公式サイト

5. STORES

STORESは、きめ細かなサポート体制やシンプルでわかりやすい操作性が特徴のECプラットフォームです。初期費用・月額費用ともに無料のフリープランでも、ECサイトに必要な多種多様な機能が利用できます。

各プランの料金と概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
フリープラン・初期費用:無料
・無料/月
・決済手数料:5%
・デザインエディタ
・ネット予約システム
・メールマガジン配信
・クーポン発行
・アイテム画像数:最大15件
スタンダードプラン・初期費用:無料
・2,178円/月
・決済手数料:3.6%
・フリープランの全機能
・独自ドメイン
・アクセス解析
・決済手段のカスタマイズ
・アイテム画像数:最大30件

STORESの公式サイト

6. ecbeing

ecbeingは、日本国内の1,400社以上に利用されているECパッケージです。消費者向けECだけでなく、法人向けや越境ECなど、多種多様なECサイト構築に適したパッケージを提供しています。
一般顧客向けECパッケージの概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
BtoCパッケージヒアリング後に見積を提示・在庫管理
・注文管理
・顧客分析
・SEO対策
・ポイント・クーポン発行
・会員ランク機能
・アンケート管理

ecbeingの公式サイト

7. EC-CUBE

EC-CUBEは、高度なページデザイン機能や350種類以上の機能を追加できるプラグインをもつオープンソースです。

利用プランの概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
スタンダードプラン・初期費用:70,000円
・販売額500万円まで
49,800円~/月
・販売額500万~1,000万円
49,800~84,800円/月
※500万円以上の販売額の超過分×0.5%を加算
・販売額1,000万円以上
84,800円/月
・ページ管理
・フリーページ作成
・レイアウト管理
・テンプレート機能
・レスポンシブ対応
・デバックモード機能
・プラグイン機能

EC-CUBEの公式サイト

ECプラットフォームを利用する際の2つの注意点

ECサイト構築にECプラットフォームを利用するうえで注意すべき、以下の2つのポイントについて説明します。

  1. 必要な機能の有無
  2. カスタマイズの自由度

1. 必要な機能の有無

利用するECプラットフォームを選定する際には、自社のECサイトに必要な機能が提供されていることや、利用する機能が無料か有料かを確認する必要があります。構築の簡便さやコスト面だけを重視して利用するサービスを選定してしまうと、導入後にECサイトの機能に不満を持つことになりかねません。コストやスケジュールとあわせて、ECプラットフォームが提供する各種機能についても慎重に検討しましょう。

2. カスタマイズの自由度

デザインや機能のカスタマイズにどの程度の制限があるのかは、各ECプラットフォームや利用プランによって異なります。デザインや機能のカスタマイズについては、利用を検討するECプラットフォームそれぞれの最新情報を確認して、自社のECサイトに適したサービスの選定が必要です。

ECプラットフォームでの構築業務を外部委託する際の3つのポイント

ECプラットフォームを利用したECサイト構築に関する課題解決のサポートを、外部に委託する際の3つのポイントを説明します。

  1. 外部への相談・委託を検討すべき業務
  2. ECサイトの構築・運用の課題をプロに相談するメリット
  3. 業務の委託先を選定する際の重要点

1. 外部への相談・委託を検討すべき業務

ECプラットフォームでECサイト構築を行ううえで、外部委託を検討すべき主な業務は、以下の5点です。

  1. 利用するECプラットフォームの選定
  2. 自社サイトのコンセプト策定
  3. 構築作業
  4. デザイン・機能のカスタマイズ
  5. 集客対策や販売促進活動などの運営業務

構築の準備段階から運営までで、社内での解決が困難だと予想される業務がある場合は、ECサイト構築の知識と実績を持つプロへの相談をおすすめします。

2. ECサイトの構築・運用の課題をプロに相談するメリット

ECサイトの構築・運営業務を外部に委託するメリットは、具体的な課題を解消することだけではありません。自社の課題に関連した運用改善のための提案や、サイト運用に関するアドバイスを受けることもできます。

3. 業務の委託先を選定する際の重要点

ECサイト構築に関する業務の委託先を選定する際に重視すべきポイントには、以下の5点があります。

  1. ECサイト構築に関する専門スキルと実績
  2. ECプラットフォームでの構築実績
  3. 自社の業界やECサイトで販売する商品に関する知識と支援実績
  4. 委託業務に関する判断や対応のスピード
  5. コストパフォーマンスの高さ

ランサーズには、ECサイトの構築・運用実績を豊富に有するフリーランスが数多く登録しています。委託先の選定にお悩みの際には、ランサーズにご相談ください。

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自社に適したECプラットフォームを利用してECサイト作りを円滑に進めましょう

本記事では、ECプラットフォームに関する情報を、以下のポイントに沿って取り上げました。

  1. ECプラットフォームには、ASP型ECプラットフォームやECパッケージなどの種類がある
  2. ECプラットフォームを利用することで、コストの低減や構築期間の短縮などのメリットが見込める
  3. 各ECプラットフォームの料金や特徴を比較したうえで、利用するサービスを選定すべき
  4. 利用開始前に、自社サイトに必要な機能の有無の確認が必要
  5. ECプラットフォームでのサイト構築に関する課題は、プロへの委託を検討すべき

ECプラットフォームの機能やサービスは、急速に進展しています。サイト構築に利用するECプラットフォームを検討する際には、各サービスに関する正確な情報を確認して、自社に最適なサービスを選定することが重要です。本記事を参考にしていただき、自社のECサイト構築を円滑に進めてください。

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