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ECサイト向けCMSとは?メリットやおすすめサービスを解説

自社のECサイトを構築するうえで、まず検討すべきことはサイト構築に利用するサービスの選定です。自社に適したサービスを選ぶ際には、どのような点を重視すべきでしょうか?構築期間や費用の目安を知り、必要な機能やサポートが提供されているサービスを選定することが重要です。

本記事では、ECサイト向けCMSの種類や利用するメリット・デメリット、主要CMSの概要などを説明します。自社ECの開設を検討する際の参考にしてください。

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ECサイト構築用のCMSとは?

ノートPCで作業する人

ECサイト向けCMSの定義と種類について説明します。

CMSの定義

CMSとは、Contents Management System(コンテンツマネジメントシステム)の略語で、Webコンテンツを構築・運用するためのシステムを指す用語です。CMSを利用することで、HTMLやCSSといったプログラミングの専門スキル不要で、Webサイトを構築できます。

ECサイト向けCMSは、ショッピングカートや決済機能、配送管理機能などのECサイトの基本機能を備えたツールです。一般的に、比較的規模の大きいECサイトの構築用ツールを、ECサイト向けCMSと呼びます。

ECサイト向けCMSの2つの種類

ECサイト向けCMSには、2つの種類があります。

  1. オープンソース型CMS
  2. パッケージ型CMS

それぞれの主な特徴は以下のとおりです。

1. オープンソース型CMS

オープンソース型CMSは、インターネット上で公開されているプログラムのソースコードを用いた、無料のECパッケージです。カスタマイズや機能拡張の自由度が高い反面、構築・運用にはある程度まとまった費用が必要になります。

2. パッケージ型CMS

パッケージ型CMSは、必要な機能をパッケージとして提供するECサイト構築支援サービスです。デザインや機能のカスタマイズの自由度の高さや、サポート体制が充実していることなどが、主な特徴です。オープンソース型と同様、構築・運用にはある程度まとまった費用が必要になります。

また、広い意味でのECサイト向けCMSには、ShopifyやBASEなどのASP型ECプラットフォームも含まれます。

ECサイトの構築をCMSで行う3つのメリット

薄型マウスとノートPC

ECサイトの構築にCMSを利用する3つのメリットについて説明します。

  1. プログラミングの知識・スキルが不要
  2. カスタマイズが簡単にできる
  3. コストを抑えたサイト構築が可能

1. プログラミングの知識・スキルが不要

CMSを利用したECサイト構築では、プログラミングの専門スキルやプログラミング言語の知識は、基本的に不要です。管理画面上の操作によって、初期設定やサイト運用を実施できます。

2. カスタマイズが簡単にできる

デザインの変更やページの追加、機能拡張といったカスタマイズが容易にできることも、CMSの大きなメリットです。CMSが提供するテンプレートを変更するだけで、サイト全体の統一感を保ったまま、全てのページのデザインを一括変更できます。文字情報や画像の追加も、簡単な操作で実施できます。

3. コストを抑えたサイト構築が可能

CMSにある豊富なテンプレートを使えば、新規ページを簡単に作成できるため、ECサイトの構築費用を抑えることができます。ECに新規参入する際には、各CMSの費用と機能を比較して、自社の条件に合ったコストパフォーマンスの高いサービスを選ぶことをおすすめします。

CMSをECサイト構築に利用する際の3つのデメリット

窓際でノートPCを開く

ECサイト構築用のCMSを利用する際に注意すべき、3つのデメリットについて説明します。

  1. デザインのカスタマイズが難しい場合がある
  2. 利用するCMSの操作方法を理解することが必要
  3. 他サービスで構築したECサイトの移行が困難なケースがある

1. デザインのカスタマイズが難しい場合がある

ECサイト向けCMSは、基本的にデザインや機能を自由にカスタマイズできます。ただしカスタマイズの内容によっては、通常の手順ではなく、プログラミング言語を使った作業が必要になるケースもあります。CMSを導入する前に、カスタマイズの制限や条件などを詳細に確認しておきましょう。

2. 利用するCMSの操作方法を理解することが必要

ECサイトの構築を開始するまでに、利用するCMSの初期設定の手順や基本的な機能の操作方法を理解する必要があります。設定や操作に関する質問や相談への対応を希望する場合は、チャットやメール、電話でのサポート体制が充実しているサービスを選定しましょう。

3. 他サービスで構築したECサイトの移行が困難なケースがある

既存のECサイトからCMSを利用したサイトへ移行する際には、データの消失やサイトの検索順位が下がるリスクがあります。既存サイトのバックアップを取り、適切な手順で移行作業を進めることが大切です。

ECサイト向けオープンソース型CMS7選

スマホを見ながらノートPCで作業する

ECサイト向けの、主要オープンソース型CMS7種類の概要を紹介します。

  1. EC-CUBE
  2. Welcart
  3. Adobe Commerce
  4. CS-Cart
  5. Zen Cart
  6. osCommerce
  7. Commerce21

1. EC-CUBE

EC-CUBEは、デザインや決済、集客、顧客管理など350種類以上の拡張プラグインを備えたオープンソース型CMSです。カスタマイズの自由度の高いデザインテンプレートも、特徴のひとつです。

利用プランの概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
スタンダードプラン・初期費用:70,000円
・販売額500万円までなら49,800円~/月
・販売額500万~1,000万円までなら49,800~84,800円/月
※500万円以上の販売額の超過分×0.5%を加算
・販売額1,000万円以上なら84,800円/月
・ページ管理
・フリーページ作成
・レイアウト管理
・テンプレート機能
・レスポンシブ対応
・デバックモード機能
・プラグイン機能

EC-CUBEの公式サイト

2. Welcart

Welcartは、WordPress専用のECサイト向けオープンソースです。WordPressのサイトにWelcartのプラグインを追加するだけで、簡単にECサイトを開設できます。ログイン画面や管理画面はWordPressと共通となっており、サイト運用を効率よく行うことができます。

利用プランの概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
通常プラン無料・商品管理
・在庫管理
・会員管理
・受注管理
・受注CVS
・クレジットカード決済対応

Welcartの公式サイト

3. Adobe Commerce

Adobe Commerceは、ビジネスの規模を問わず、消費者向け・企業向けECの両方に対応する豊富な機能を備えた、オープンソースです。カスタマイズ性の高さやきめ細かなサポート体制によって高い評価を得ています。

利用プランの概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
Adobe Commerce Pro要問合せ・主要アプリケーションのサポート
・迅速なサポート対応
・カスタマイズの強化
・50GBのテスト
・画像の最適化
・パフォーマンス監視ツール
・専任の担当者
・自動データバックアップ

Adobe Commerceの公式サイト

4. CS-Cart

CS-Cartは、35,000以上のECサイトが利用され、13年以上の歴史を有するオープンソースです。豊富な機能と操作性の高い管理画面、越境ECに適した多言語・多通貨対応機能などの特徴を持っています。

利用プランの概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
スタンダード版198,000 円・商品管理
・受注管理
・アクセス解析
・テーマエディター
・会員情報フィールド
・27言語対応
・翻訳モード
・クーポン発行
・無料テクニカルサポート

CS-Cartの公式サイト

5. Zen Cart

Zen Cartは、使いやすさと高いオリジナリティを兼ね備えたECサイト作りを支援する、オープンソースです。カスタマイズの自由度が高いデザインテンプレート、顧客の利便性を重視した商品検索機能や商品詳細ページなどの特徴を備えています。

利用プランの概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
通常プラン無料・商品オプション設定
・クーポン発行
・ポイント機能
・多言語・多通貨対応
・1,000以上のモジュールでの機能追加

6. osCommerce

osCommerceは、ECサイト向けの豊富な機能を標準装備したオープンソースです。インストールするだけで、すぐにECサイトを開設することができます。

利用プランの概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
通常プラン無料・カテゴリー・商品管理
・商品オプション登録
・カスタマーレビュー管理
・特価商品登録
・顧客管理機能
・注文管理機能
・アンケート管理

osCommerceの公式サイト

7. Commerce21

Commerce21は、大規模ECに必要な機能やサービスを備えた、拡張性の高いCMSです。オープンソースによる内製化をサポートし、ECの成長を継続させるサービスを提供しています。

利用プランの概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
セルサイドソリューション要問合せ・数百億円規模の ECサイトにも対応可能
・万全なセキュリティ対策
・複数ショップの構築
・トータルソリューションの提供
・自由度の高いデザイン

Commerce21の公式サイト

ECサイト向けパッケージ型CMS3選

ECサイト向けの、代表的なパッケージ型CMS3種類の概要を紹介します。

  1. ecbeing
  2. EC-ORANGE
  3. Bカート

1. ecbeing

ecbeingは、日本国内の1,400社以上に利用されているパッケージ型CMSです。消費者向けECと法人向けECの2種類のパッケージがあります。消費者向けECパッケージには、ECの基本機能に加えて、集客対策をはじめとするマーケティング機能も豊富に備えられています。

消費者向けEC(BtoC)パッケージの概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
BtoCパッケージ要問合せ・注文管理
・顧客分析
・SEO対策
・ブログ機能
・ポイント・クーポン発行
・会員ランク機能
・リッチサジェスト機能
・アンケート管理

ecbeingの公式サイト

2. EC-ORANGE

EC-ORANGEは、汎用性の高さが特徴的なパッケージ型CMSです。リリースから15年の歴史をもち、日本でのECパッケージの代表格とされるサービスです。強固なセキュリティ対策を実施して、安全に運用できるECサイト構築をサポートします。

利用プランの概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
通常プラン要問合せ・商品詳細情報の表示
・ 会員ランク機能
・商品レビュー登録
・ポイント機能
・アンケート作成機能
・顧客管理
・お問合わせ管理

EC-ORANGEの公式サイト

3. Bカート

Bカートは、BtoBサイトに特化したパッケージ型CMSです。通常のECパッケージでは対応が難しい複雑な取引条件やシステム要件にも、カスタマイズ不要で利用できます。30日間の無料体験があります。

利用プランの概要は以下のとおりです。

利用プラン利用料金プラン概要
通常プラン・初期費用:80,000円
・9,800~79,800円/月
※月額費用はサイトの規模に応じて6段階に分けられます
・会員制サイト機能
・クローズドサイト機能
・決済方法の個別設定
・会員情報のダウンロード
・画像ファイル管理
・販売(販路)制限設定
・販売期間設定

Bカートの公式サイト

外部サポートを活用してCMSでのECサイト構築を成功させる3つのポイント

CMSを利用したECサイト構築を成功させるために、外部からの支援を受ける際に重視すべき、3つのポイントについて説明します。

  1. CMSでのECサイト構築に関して外部委託を検討すべき主な業務
  2. CMSでのECサイト構築支援をプロに依頼する効果
  3. ECサイトの構築支援を依頼するプロの選定条件

1. CMSでのECサイト構築に関して外部委託を検討すべき主な業務

CMSでのECサイト構築の成功に向けて、外部への相談や委託を検討すべき主な業務には、以下の5点があります。

  1. 利用するCMSの選定
  2. 自社サイトのコンセプト策定
  3. 構築に関する各種作業
  4. デザインのカスタマイズ・機能拡張
  5. 集客や販売促進に関する施策の立案・実施

CMSの利用方法やサイト構築に関して、社内対応が難しい業務がある場合は、ECサイト構築に精通したプロに相談してみましょう。

2. CMSでのECサイト構築支援をプロに依頼する効果

自社サイトの構築・運用を外部のプロに委託することによって、多くのメリットが得られます。社内では発見しにくかった課題の抽出や課題解決のためのアドバイスなどを受けることができます。

3. ECサイトの構築支援を依頼するプロの選定条件

CMSを利用したECサイト構築に関する業務の委託先を検討する際のポイントには、以下の5点があります。

    1. ECサイト構築に関する専門知識や実績
    2. CMSを使った構築実績
    3. 自社の業界や商品に関する知識と支援実績
    4. 対応や判断の迅速さ
    5. 高いコストパフォーマンス

ランサーズでは、ECサイトの構築に精通したフリーランスが数多く活動しています。業務委託先の選定時には、ぜひランサーズのフリーランスにご相談ください。

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CMSの特徴を理解したうえで自社のECに最適なサイト構築を実現しましょう

本記事では、ECサイト向けCMSについて、以下の重要点に沿って説明しました。

  1. ECサイト向けCMSには、オープンソース型とパッケージ型の2種類がある
  2. CMSでのサイト構築には、カスタマイズのしやすさやコスト低減などのメリットがある
  3. CMSでのサイト構築時には、カスタマイズの制限や既存サイトからの移行などに注意が必要
  4. 自社の希望や条件に即したCMSを選定すべき
  5. CMSでのサイト構築を成功させるために、外部委託を検討すべき

数多くのサービスがあるECサイト向けCMSの特徴やコストを比較して、自社に最適なサービスを選定することは、容易ではありません。本記事で取り上げたCMSに関する情報を参考にして、ECサイトの構築準備を円滑に進め、目的に合ったサイト作りを実現してください。

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