ブログやSNS、自社メディアなどで商品を紹介することで、ECサイト以外でも販売機会が得られます。今いるページやサイトから顧客を移動させずに商品を販売できる方法として有効なのが、Shopifyの購入ボタンです。購入ボタンを設置することで、閲覧者を現在のページから離脱させることなく、コンバージョンに導けます。
Shopifyの購入ボタンは、ECサイト以外からの売り上げアップはもちろん、これからEC事業を立ち上げたい人にも多くのメリットがあります。本記事では、Shopifyの購入ボタンの概要やメリット・デメリット、活用シーンについて解説します。デメリットへの対策方法も解説していますので、ぜひ参考にしてください。

目次
Shopifyの購入ボタンとは
Shopifyの購入ボタンには、以下の特徴があります。
- 外部サイトに埋め込み可能なボタン
- 外観のカスタマイズができる
- スマートフォンにも対応
- Shopifyストアがなくてもツールとして使える
それぞれの特徴について解説します。
1. 外部サイトに埋め込み可能なボタン
Shopifyの購入ボタンとは、Shopifyの自ストアに登録している商品を、外部ページからも購入できるようになるボタン型のツールです。SNSなど、ECストアではない自サイトから離脱することなく商品購入ができるため、販売チャネルの拡大による売り上げアップがのぞめます。
2. 外観のカスタマイズができる
Shopifyの購入ボタンは、以下の項目がカスタマイズできます。
- 色
- サイズ
- フォント
- レイアウト
- 購入ボタンクリック後の表示
設置したいページのレイアウトや雰囲気にあった購入ボタンを作成して設置可能です。なお、購入ボタンの外観にShopifyなどのロゴも入りません。
3. スマートフォンにも対応
Shopifyの購入ボタンは、モバイルフレンドリーな特徴も持っています。スマートフォンからの購入ボタンの作成および設置も可能です。顧客がスマートフォンから購入ボタンを通じて購入することも可能なため、閲覧者の環境を問わない販売方法として活用できます。
4. Shopifyストアがなくてもツールとして使える
Shopifyの購入ボタンは、すでにShopifyでECサイトとしてストアを運用している場合はもちろん、ストアがない場合でも利用できます。商品登録や在庫管理のみをShopifyで行い、販売アクセスはSNSや自サイトに設置した購入ボタンのみという使い方も可能です。
ストアを開設することなく、商品やサービスの販売を行いたいときにも向いています。
Shopifyの購入ボタンが設置できる場所
Shopifyの購入ボタンが設置できる代表的なページやプラットフォームは以下の通りです。
- 自サイトやブログ、オウンドメディア
- LINE公式アカウント
- メール
それぞれの詳細について解説します。
1. 自サイトやブログ、オウンドメディア
自サイトやブログ、オウンドメディアなど、HTMLのソースコードに対応しているサイトやページにShopify購入ボタンが設置できます。ただしWordPressで構築したサイトに設置したいときには注意が必要です。WordPress.orgで作成したページなら設置できますが、WordPress.comで作成したページには設置できません。
2. Twitter
Shopifyのストアのマーケティングのために、SNSを導入している企業や店舗も多くなりました。各SNSにもShopifyの購入ボタンは設置できます。Twitterは拡散力とリアルタイム性が高いSNSです。新商品や人気商品の入荷時など、ツイートを購入ボタンと一緒に発信することで売り上げアップが期待できるでしょう。
3. Facebook
FacebookページにShopify購入ボタンを設置することも可能です。Facebookはビジネス目的での利用者や企業ページも多くなっています。BtoBの商品やターゲットをふまえたShopify購入ボタンを設置したいときにも有効です。
4. Instagram
Instagramは画像と動画によるプロモーションに向いているSNSです。画像投稿やストーリー投稿時に、自社や商品のブランディングとともに購入ボタンを設置するのがよいでしょう。
5. LINE公式アカウント
LINE公式アカウントはすでに友達登録をしている人に対して情報を発信できます。購入ボタンとメッセージを一緒に送信すれば、商品や店舗、企業に興味を持っている潜在層やリピーターへのアプローチにも有効です。
6. メール
HTMLメールにShopifyの購入ボタンを埋め込む方法もあります。ニュースレターやメールマガジンなどに入れて配信することも可能です。メールを受け取った顧客をメールから離脱させることなく商品の購入へ誘導できます。
Shopifyの購入ボタンを設置する8つのメリット
Shopifyの購入ボタンを設置することで、以下の8つのメリットが得られます。
- ページの離脱による販売機会損失を防げる
- 販売チャネルが拡大できる
- 別にECサイトを構築する必要がない
- 購入ボタンを幅広くカスタマイズできる
- セキュリティが万全
- 決済や在庫管理もできる
- メンテナンス不要
- 設置方法がかんたん
それぞれのメリットについて解説します。
1. ページの離脱による販売機会損失を防げる
ただECサイトで商品を取り扱っているだけでは、商品のコンバージョンにはつながりません。ECサイトの売り上げアップには、いろいろなマーケティング試作やプロモーションが必要です。
商品をSNSやブログ、オウンドメディアなどで紹介することはプロモーションとしても有効となっています。ところが、商品をクリックすることで滞在していたページからECサイトに誘導され、その場で離脱する閲覧者も多くいます。
Shopifyの購入ボタンは、現在のページから離脱することなく商品の購入から決済まで完了するのが魅力です。ページの離脱による販売機会の損失を防げるため、SNSなど外部サイトで商品を紹介するプロモーションとも相性がよくなっています。
2. 販売チャネルが拡大できる
Shopifyの購入ボタンは、幅広いSNSやWebページに設置できます。すでに自社製品を購入したことのあるリピーター層のほか、商品や自社に興味のある潜在的な購買層へのアプローチにもつなげられます。
また、PCだけでなくスマートフォンに対応した購入ボタンも設置可能です。顧客へ閲覧環境を問わない購入体験を提供できるため、販売チャネルの拡大にもつながります。
3. 別にECサイトを構築する必要がない
実店舗と自サイト、ブログやSNSは持っているものの、オンライン上でEC事業を展開していない場合は、現在の自サイトにECページを構築するか、別にECサイトを構築するかの選択肢があります。モール型ECサイトやECプラットフォームサービスを利用すればかんたんにECサイトを構築できるものの、すでに自サイトを持っている場合別々のプラットフォームで管理するため、運用業務などに手間がかかります。
Shopifyの購入ボタンを利用すれば、既存のサイトやSNSなどに購入スペースを設けられます。さらに、Shopifyにも購入ボタン専用のライトプランがあります。ライトプランではECサイト構築はできませんが、購入ボタンの機能が使え、月9ドルと運用コストが安いのが特徴です。
購入ボタンを活用すれば自サイト以外にECサイトを開設することなくカート機能を設置できます。すでにサイトを持っていてEC事業をこれから展開したいときにも便利です。
4. 購入ボタンを幅広くカスタマイズできる
Shopifyの購入ボタンは、見た目から購入ボタンのクリック後のアクションまでカスタマイズできます。設置したいページやサイトの雰囲気を崩すことなく設置できるのもメリットです。
5. セキュリティが万全
既存のページやサイトから直接購入できるボタンは、Shopify購入ボタンではなくアプリなどを開発して設置することもできます。ところがセキュリティ対策を万全にしないと、顧客の住所や氏名、電話番号などの顧客情報、クレジットカード番号などがアプリやツールから流出してしまう危険性もあります。
Shopifyの購入ボタンは、販売から決済までShopifyの強固なセキュリティ環境の下で完了できます。セキュリティ対策が万全のため、購入する顧客側へ安全性の高い販売体験を提供できます。さらに販売側もセキュリティに対する手間やコストをかける必要がありません。
6. 決済や在庫管理もできる
Shopifyの購入ボタンから販売機会を実現するためには、在庫管理や商品登録、決済などの処理も必要です。Shopifyには、すでにECサイトの運用に必要な機能がそろっています。Shopifyの機能を利用することで、決済や在庫管理などECサイトに必要な業務も効率よく進められるでしょう。
7. メンテナンス不要
Shopifyの購入ボタンは、ECプラットフォームサービスであるShopifyに付帯した機能です。メンテナンスはShopify側で定期的に行われるため、購入ボタンを設置した側でのメンテナンスは不要になります。
8. 設置方法がかんたん
Shopifyの購入ボタンは、以下の手順で設置できます。
- 管理画面から「購入ボタン」 に移動
- 「購入ボタンを作成する」をクリック
- 商品購入ボタンをクリック
- 購入ボタンを作成する商品を選んで「選択する」をクリック
- 必要に応じて購入ボタンをカスタマイズする
- 「コードをコピーする」をクリック
- 購入ボタンを設置するページにコードをはりつける
かんたんな手順で設置できるため、コーディングやアプリ開発の知識も必要ありません。
Shopify購入ボタンのデメリットと対処方法
Shopify購入ボタンはメリットが多くある一方、以下のような3つのデメリットもあります。
- 複数商品の購入ができない
- サブスクリプションに対応していない
- 販売終了商品が購入される場合がある
それぞれのデメリットと対処方法を解説します。
1. 複数商品の購入ができない
Shopifyの購入ボタンは、ひとつの購入ボタンにつきひとつの商品しか購入できません。購入ボタンから複数の商品をまとめて購入することは不可能です。同じ商品でサイズ違い、カラー違いの商品も同様です。
紹介したい商品が複数ある場合には、商品ごとに購入ボタンを作成して対応するか、ECサイトへのリンクを貼って誘導するかの対応が求められます。
2. サブスクリプションに対応していない
Shopifyでは定額購入であるサブスクリプションサービスの販売も可能です。ところが、サブスクリプションの販売は購入ボタンでは対応していません。サブスクリプションの商品やサービスを販売したい場合にも、ECサイトの販売ページへ誘導する必要があります。
3. 販売終了商品が購入されることがある
Shopifyの購入ボタンは、ボタンを設置したページから購入ボタンに設定した商品をいつでもどこでも購入できます。すでに販売終了している商品やサービスでも、在庫がある状態なら購入ボタンから購入できてしまうのです。そのため、購入ボタンを設置した古いSNSやサイトのページから販売期間外の商品が購入されてしまう場合があります。
販売期間外の商品の購入を防ぐためには、Shopifyの購入ボタンをどこに設置したか管理しておくのが重要です。該当する商品やサービスが販売終了になったら購入ボタンを削除する、ページに「現在は販売を終了しています」などの注意書きを入れるなどの対策を行いましょう。
Shopifyの購入ボタンをより活用するならフリーランスに依頼
Shopifyの購入ボタンは、いろいろなページやプラットフォームに設置でき、多くのメリットもあります。一方で購入ボタンのメリットを最大化するために購入ボタンを商品ごとに作成する、設置した購入ボタンを管理するなどの対策も必要です。
購入ボタンの設置や管理に手間を感じるときには、フリーランスに作業を依頼することも可能です。ブログやSNSなど購入ボタンを掲載するページの作成も一緒に依頼できます。
Shopifyの購入ボタンで売り上げアップにつなげよう
Shopifyの購入ボタンの概要や設置できる場所、メリット・デメリットと対策方法を解説しました。Shopifyの購入ボタンを活用することで、現在のページから閲覧者を離脱させることなくコンバージョンが実現できます。
新たにECサイトを構築することなく、幅広いチャネルから商品の販売も可能です。Shopifyの購入ボタンを導入し、売り上げアップや新たな顧客の発掘につなげましょう。
