ECサイトの売上アップやリピーターの確保に有効な施策のひとつが、メールマーケティングです。Shopifyではメールマーケティングを効率よく導入できるアプリ「Shopifyメール」を公開しています。
他にもシンプルな操作性や便利な顧客情報管理に利用できるなど、ShopifyメールはECサイトを運営する上で多くのメリットをもたらしてくれます。
本記事では、Shopifyメールの機能やメリット、設定方法、さらによくあるトラブルと対処法について解説しています。Shopifyメールをマーケティングに活用し、ECサイトの運営に役立てましょう。

目次
Shopifyメールの5つの機能
Shopifyメールとは、Shopifyで提供されているメールアプリです。Shopifyで運用しているECサイトのメールマーケティングに有効な、以下5つの機能が搭載されています。
- ストア情報の自動取り込み
- テンプレートによるメール作成
- 独自ドメイン使用可能
- セグメントごとのメール作成と送信
- キャンペーンごとの分析
それぞれの機能について解説します。
1. ストア情報の自動取り込み
Shopifyメールは、Shopifyですでに運用しているストアのロゴや商品情報、ストアカラーを自動で取り込みます。メールマーケティングのために再設定をする必要はないため、すぐにメールキャンペーンの作成から送信まではじめられるでしょう。ストアの顧客情報のインストールも可能なため、情報の再登録などの手間もかかりません。
2. テンプレートによるメール作成
Shopifyメールにはストア情報を自動で取り込むプリインストールされているテンプレートのほかにも、以下のようなメールマーケティング用のテンプレートが多種そろっています。
- 商品コレクション
- セール情報
- 再入荷情報
- ニュースレター
- 季節の行事やイベント向け
自動取り込みを利用してかんたんにメールを作成できるほか、レイアウトやボタン、画像などのカスタマイズも可能です。インライン編集やコンテンツブロックの移動可能など、シンプルで直感的な操作によってかんたんにメールの作成や編集ができます。
コーディングの知識がなくても、用途やターゲットに応じたメール作成が可能です。
3. 独自ドメインでメール送信できる
Shopifyでは、ストアのURLに独自ドメインを使用できます。Shopifyメールを使ってメールアドレスの設定をすれば、ストアのアドレスにも独自ドメインを使用可能です。
4. セグメントごとのメール作成と送信
Shopifyメールに反映させた顧客情報は、性別、年齢、購入回数など顧客の属性ごとにセグメント分けができます。セグメントごとにメールを作成し、一斉送信することも可能です。
5. キャンペーンごとの分析
メールマーケティングはただメールを作成、送信するだけでなく、メールのキャンペーンごとの分析も重要になります。Shopifyメールによって作成および送信されたメールは、キャンペーンごとに分析が可能です。分析できるデータは以下の通りとなっています。
- メール開封率
- 正常に配信されたメールの数を表す配信率
- 購読を解除した購読者数
- メール内のリンクをクリックした購読者数
- メールがスパムとして報告された回数
- メールからストアを訪れたユニーク訪問者数
- カートにアイテムが追加されたメールからの来店回数
- メールからストアにアクセスした顧客の注文数
- メールからのストア訪問により発生した金額
メールマーケティングの分析をすることで、メールの内容や配信回数、配信する顧客属性などの見直しや改善につなげられるでしょう。
Shopifyメールを導入する3つのメリット
Shopifyメールを導入することは、ストア運営にさまざまなメリットをもたらします。ほかのメールアプリと比較したときや、ストア運営においてShopifyメールのもたらすメリットは以下の通りです。
- ストアと同一プラットフォームで利用できる
- 操作がシンプルでかんたん
- 低コストでマーケティングができる
それぞれのメリットについて解説します。
1. ストアと同一プラットフォームで利用できる
Shopifyメールは、ストアを開業しているShopifyの中で利用できるメールアプリです。ストアですでに利用している商品情報や顧客情報などのデータをそのまま活用できるメリットのほか、同一プラットフォームのため操作の利便性が高いのも魅力となっています。
外部サイトや外部メールアプリを利用すると、Shopifyのサイトから一旦離脱してメールの作成や送信、分析をしなければいけません。Shopifyメールを導入することで、ストアの管理とメールキャンペーンの管理両方の業務をシームレスに進められます。
ストアで独自ドメインを使用しているなら、Shopifyメールでメールアドレスに独自ドメインを使用できます。メールマーケティング面でのブランディングにつながるだけでなく、顧客へストアからのメールであることをアドレスから通知できるため、確実にメールを届ける手段としても活用できます。
2. 操作がシンプルでかんたん
Shopifyメールは、HTMLによってメールの作成や編集を行います。ただし、HTMLのコーディングができなくても、かんたんにメールの編集ができる機能もそろっています。メール作成に使用できるテンプレートも豊富に用意されているため、用途に応じたものを選んでカスタマイズするだけで、ターゲットやメールキャンペーンの目的にふさわしいメール作成が可能です。
3. 低コストでマーケティングできる
ECサイトのマーケティング施策には、広告、SEO対策などがあります。広告の出向やSEO対策のためのツール導入など、マーケティングの施策の実行にはそれぞれでコストが発生します。
メールマーケティングはほかのマーケティング施策に比べて、実行時のコストが低いメリットがあります。さらに、Shopifyメールは月2,500通までなら無料でメールの送信が可能です。Shopifyメールを導入することで、低コストでマーケティングをはじめられるのもメリットのひとつでしょう。
Shopifyメールの設定方法<
これからShopifyメールを利用したい人のために、Shopifyメールの設定方法を解説します。設定方法は以下の6つの手順で行います。
- Shopifyメールのアプリをインストールする
- メールマーケティングアクティビティを設定する
- 差出人メールアドレスを変更する
- メールを作成する
- 送信テストをする
- 送信またはスケジューリングをする
それぞれの手順についてくわしく解説します。
1. Shopifyメールのアプリをインストールする
まずShopifyメールアプリを以下の手順でインストールしましょう。
- Shopify メールアプリページに移動する
- 「アプリを追加する」 をクリックする
- 「アプリをインストール」をクリックする
2. メールマーケティングアクティビティを設定する
Shopifyメールのインストールが完了したら、作成および送信するメールマーケティングアクティビティの設定をします。
- Shopifyでマーケティングに移動する
- 「キャンペーンを作成する」をクリック
- 「Shopify メール」をクリック
- メールテンプレートを選択する
- 「送信先」フィールドをクリックして、リストから選択する
- メールの件名を入力する
3. 差出人メールアドレスを変更する
Shopifyメールは、デフォルトで差出人メールアドレスが「○○ shopifyemail.com」または「○○@shopifyemail.com」となっています。独自ドメインを使用しているときには、メールアドレスにも独自ドメインを反映させなければいけません。Shopifyメールから差出人メールアドレスの変更を以下の手順で行いましょう。
- 管理画面から「設定」に移動
- 「ストアの詳細」をクリック
- 「連絡先情報」セクションで「編集」をクリック
- 「送信元のメールアドレス」で、メールアドレスを変更する
- 「保存」をクリック
4. メールを作成する
Shopifyメールのキャンペーン設定やメールアドレス変更が完了したら、送信するメールの作成へ入ります。
- Shopifyでマーケティングに移動
- 「キャンペーンを作成する」「Shopify メール」をクリックする
- カスタマイズするテンプレートを選択する
Shopifyメールでは、以下の内容の作成やカスタマイズができます。
- テキスト
- ボタン
- 画像
- ヘッダー
- 商品
- ギフトカード
- 割引
- テキスト入り画像
- 複数列
- フッター
ターゲットに合わせた内容のテキストにするだけでなく、ボタンや画像、ヘッダーやフッターを装飾したり、編集したりすることで魅力的なメールの作成も可能です。ギフトカードや割引の設定もできるため、セールやリピーターへのキャンペーンメールなどにも活用しましょう。
5. 送信テストをする
作成したメールのエディタから「テストを送信」すると、実際に送信するメールがプレビューできます。送信前にテキストの内容やメール全体のデザインについて確認をし、必要に応じて修正を行いましょう。メールが完成したら、そのままShopifyストアに関連付けたメールアドレスへテスト送信ができます。
6. 送信またはスケジューリングをする
プレビューやテスト送信後、問題なければ「送信」を2回クリックするとメールが送信できます。なお、手動送信のほかにも1週間に5回のメールキャンペーンを自動送信できる機能も利用できます。送信スケジュールはメールアクティビティからあらかじめスケジュール設定が可能です。
新商品入荷やセールなど、顧客へメールを届けたいタイミングでスケジュールを設定し、効果的なメールマーケティングにつなげましょう。
Shopifyメールのよくあるトラブルと対処方法
Shopifyメールを導入または設定するときに、以下のトラブルが発生することがあります。
- Shopifyメールが利用できない
- Shopifyメールが届かない
- Shopifyメールの設定ができない
Shopifyメールのよくあるトラブルと対処方法を解説します。
1. Shopifyメールが利用できない
Shopifyメールを利用するには、Shopifyの有料サブスクリプションを利用していることが条件です。Shopifyの無料トライアル期間では利用できません。Shopifyのいずれかの有料サブスクリプションを申込後にShopifyメールを導入しましょう。
2. Shopifyメールが届かない
Shopifyメールが届かない場合、以下のいずれかが原因です。
- Shopifyメールがスパムとして認識されている
- 送信先のメールプロバイダやメールアドレスに問題がある
Shopifyメールが顧客側のメールプロバイダからスパムとして認識されている場合には、スパムとして認識される原因を排除しなければいけません。メールがスパムとして認識される主な原因には、以下のものがあります。
- 送信失敗率が高い
- メール解除率が高い
- 購読者のエンゲージ率が低い
送信回数やメールの内容などを改善しましょう。なお、顧客側のメールプロバイダやアドレスに問題があるときは、ショップ側で行える対処方法はありません。
3. Shopifyメールの設定ができない
Shopifyメールの設定方法が分からない、人的リソースが不足しているなどの理由でShopifyメールの設定ができないときがあります。またはShopifyメールの作成や送信はできても、メールキャンペーンの分析やメールの改善ができないときもあるでしょう。
Shopifyメールの設定や分析で困ったら、外注するのも有効です。Shopifyメールの設定や、メールマーケティングに強いプロのフリーランスへ依頼ができます。Shopifyメールでの困りごとやリソースが不足している業務に応じたフリーランスを選んで依頼が可能です。
すでにShopifyメールを導入しているときには、メール改善の依頼もできます。顧客へのメール送信率向上やメールからのコンバージョン率向上にも、フリーランスへの依頼を活用しましょう。
Shopifyメールでのマーケティングを加速させよう
ShopifyのメールアプリであるShopifyメールの機能や導入することで得られるメリット、Shopifyメールの設定方法やよくあるトラブルへの対処法を解説しました。
ShopifyメールはShopifyストアと同一プラットフォームでメールマーケティングが実現できる便利なアプリです。ストアの商品最大化や集客アップ、利益向上のためにぜひShopifyメールでのメールマーケティングを導入しましょう。
