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ShopifyにチャットBotを導入するメリットや手順を解説

自社のShopifyストアで行っているカスタマーサポートに不満や問題を感じたことはありませんか?利用者がスムーズに商品を購入できるストア作りは、購入率や売り上げを向上させる重要課題です。カスタマーサポートの品質向上や効率化、負担軽減に向けた取り組みを検討しましょう。

本記事では、Shopify Botの概要やメリット、導入手順、おすすめアプリなど、チャットBotをストアに導入する際の重要点を解説します。

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Shopify Botとは?

ECサイト運営計画
まず、Shopify Botの概要について説明します。

Botの定義

Botとは、決められた作業を自動的に行うプログラムやアプリを示す言葉です。

手動では時間や労力を要する作業を効率化するBotは、Webサイト上の問い合わせ対応やSNSへの投稿などに活用されています。近年増加しているAI(人工知能)を利用したBotは、単純作業だけでなく、柔軟性がある程度必要な作業にも利用可能です。

ECサイトで利用される2種類のBot

ECの分野で利用される代表的なBotには、以下の2つの種類があります。

1. ECサイトに設置されたチャットBot

事前に設定した文章を使って、ECサイトの訪問者との会話を行うのが、チャットBotです。AIを使ったチャットBotは、定型文ではなく訪問者からの問い合わせに応じて、適切な返答を自動作成します。

2. 商品の購入プロセスを自動化する購入Bot

購入Botは、ブランド名や価格などの条件に合った商品の検索と購入手続きを自動的に行うBotです。購入Botは、転売目的の大量購入に悪用されるおそれがあります。Shopifyでは、Plusプランを利用中のストアに対して、Botによる購入を防止する機能を提供しています。

ShopifyのチャットBotアプリの基本機能

Shopifyでは、チャットBot機能を持つShopifyアプリが数多く提供されています。

代表的なチャットBotアプリに共通する基本機能は、以下の通りです。

  • ストア訪問者への自動応対
  • 会話履歴の閲覧・ダウンロード
  • 有人対応のチャットとの切り替え
  • FAQデータの更新
  • チャットボットのボタンや画面のカスタマイズ

ShopifyにチャットBotを導入するメリットとデメリット

botを活用する人
ShopifyストアにチャットBotを導入する、主なメリットとデメリットについて説明します。

チャットBotを導入する3つのメリット

自社のストアにチャットBotを導入する主なメリットは、以下の3点です。

1. 24時間対応

ShopifyストアにチャットBotを導入すれば、基本的に24時間365日、利用者からの問い合わせ対応が可能になります。曜日や時間帯を問わず、商品や購入方法に関する質問にすぐに対応することで、ストアに対する利用者の満足度や好感度を高めることが期待できます。

2. 購入率の向上

ECサイトにアクセスした人のうち、実際に商品を購入した人の割合を、購入率やコンバージョン率と呼びます。購入率は、サイトの運用状況を評価する重要な指標のひとつです。訪問者の質問にすぐに対応するチャットBotの導入は、購入しないままサイトから離れる訪問者を減らし、購入率の向上につながるものです。

3. 人件費削減

チャットBotを導入すれば、問い合わせに対応するスタッフが常駐する必要がなくなり、ストア運営にかかる人件費を抑えることができます。

チャットBotを導入する2つのデメリット

ShopifyにチャットBotを導入する際に留意すべき主なデメリットは、以下の2点です。

1. 柔軟な対応ができない

チャットBotは、訪問者からの問い合わせに自動で対応します。設定した定型文だけでなく、AIを使ったチャットBotでは、質問内容に即した返信を自動的に作成できます。

しかし、想定外の質問に対しての返答は、基本的に不可能です。チャットBotで対応できない問い合わせについては、有人対応できる時間帯の告知やメールでの質問を促すといった対応が必要になります。

2. 機能説明などが日本未対応のアプリが多い

Shopifyアプリには、機能説明や画面表示が英語のみで、導入後のサポートも日本語未対応なものが多くあります。英語だけの説明や画面表示に不安を感じる場合は、日本語に対応したアプリの選択、あるいはShopifyやECサイトに関する知識と英語スキルを兼ね備えた、プロへの相談をおすすめします。

ShopifyにチャットBotを導入する手順

ECサイト運営
ShopifyストアにチャットBotアプリを導入する基本的な手順を説明します。

  1. 導入するチャットBotの選択
  2. Shopifyアプリの追加
  3. アプリ上で必要項目を入力
  4. Shopifyストアにチャットボタンを設置
  5. 各種設定の実施

5つの項目の概要は以下の通りです。

1. 導入するチャットBotの選択

数多くあるチャットBotアプリの中から自社サイトに最適なものを選定するには、まずチャットBot機能を提供するShopifyアプリの比較・検討を行います。

Shopifyのアプリストアでは、機能や名称などでアプリを検索でき、各アプリの紹介ページには概要や料金プランなどが記載されています。

無料プランや、利用開始から一定期間の無料体験を実施しているアプリも少なくありません。自社のストアに必要な機能やコスト面の条件などを明確にした上で、導入するチャットBotアプリを決定しましょう。

Shopifyアプリストア

2. Shopifyアプリの追加

Shopifyアプリストアで選択したアプリを自社のストアに追加する手順は、以下の通りです。

  1. Shopify アプリストアにログイン
  2. 追加するチャットBotアプリをクリックして選択
  3. アプリのリストページで「アプリを追加する」をクリック
  4. 管理画面で「アプリをインストールする」を選択してアプリの使用を許可
  5. インストールしたアプリを管理画面のアプリ管理ページで確認

3. アプリ上で必要項目を入力

アプリの利用開始時に必要な管理スタッフ名や連絡先などの項目を、インストール完了後に表示されるアプリの初期設定画面の表示にしたがって入力します。

4. Shopifyストアにチャットボタンを設置

次にShopifyストアにチャットボタンを設置します。主なチャットBotアプリでは、使用するチャットBotの種類を選択するだけで、テンプレートのチャットボタンがストア上に表示されます。

ボタンのカスタマイズ機能があるアプリでは、テンプレートのボタンを使用するか色やサイズをカスタマイズするかを選択した上でボタンを設置します。

5. 各種設定の実施

導入したチャットBotアプリで利用できるチャットボタンの表示時間帯やチャット画面のデザイン変更などの設定は、以下の手順で行います。

  1. Shopifyの管理画面から「アプリ」画面に移動
  2. アプリ名の横にある「概要」を選択
  3. 「各種設定を編集」を選択して必要な設定を行う

具体的な設定項目はアプリごとに異なりますが、いずれのアプリでもインストールからチャットBotの利用開始までの所要時間は5分程度となっています。

おすすめShopifyチャットBotアプリ7選

botを活用する女性
ShopifyストアにチャットBotを導入できる、7つのShopifyアプリの概要を紹介します。

  1. 顧客との各種コミュニケーションを一元管理「チャネルトーク」
  2. 見やすく使いやすいチャットBotを提供「Tidio ‑ Live Chat & Chatbots」
  3. 質問対応や顧客情報に基づくおすすめ商品表示「GoBot AI Chatbot + Quiz」
  4. カスタマイズできる多機能チャットボタンを搭載「WhatsApp Chat & Abandoned Cart」
  5. 顧客情報を効率よく収集「Reamaze Live Chat Helpdesk」
  6. 利用者の購入率を向上させるサポートを提供「Live Chat, Chatbot, Cart Saver」
  7. カスタマーサポートの自動化を実現「Relish AI Chatbot, Quiz, FAQ」

各アプリの概要は以下の通りです。

1. 顧客との各種コミュニケーションを一元管理「チャネルトーク」

「チャネルトーク」は、接客チャット・カスタマーサポートに関する豊富な機能を持つアプリです。

アプリの画面表示や運用支援などは、全て日本語に対応しています。有人チャットは、Shopifyの購買履歴やカート情報といった顧客情報と自動連携でき、個々の顧客に合った対応が可能です。有料プランには14日間の無料体験があります。

各プランの料金と概要は以下の通りです。

利用プラン利用料金プラン概要
無料プランなし・接客チャット
・LINE公式アカウントやInstagramビジネスアカウントと連携可能
・問い合わせ履歴の閲覧:30日間
X-Smallプラン3,000円/月・月間アクティブユーザー:3,000人以下
・無料プランの全機能
・CRMマーケティング機能の配信
・問い合わせ履歴の閲覧:無制限
Smallプラン5,000円/月・月間アクティブユーザー:8,000人以下
・無料プランの全機能
・CRMマーケティング機能の配信
・問い合わせ履歴の閲覧:無制限
Mediumプラン7,000円/月・月間アクティブユーザー:20,000人以下
・無料プランの全機能
・CRMマーケティング機能の配信
・問い合わせ履歴の閲覧:無制限
Largeプラン15,000円/月・月間アクティブユーザー:80,000人以下
・無料プランの全機能
・CRMマーケティング機能の配信
・問い合わせ履歴の閲覧:無制限
Enterpriseプラン20,000円~/月・月間アクティブユーザー:80,000人超
・無料プランの全機能
・CRMマーケティング機能の配信
・問い合わせ履歴の閲覧:無制限

「チャネルトーク」の詳細を確認する

2. 見やすく使いやすいチャットBotを提供「Tidio ‑ Live Chat & Chatbots」

「Tidio ‑ Live Chat & Chatbots」は、チャットとメッセンジャーを活用したカスタマーサポート用アプリです。

ライブチャットや電子メール、メッセンジャーでの顧客対応を、1つのパネルで一元管理できます。チャットBotの導入・利用が手軽にできるアプリとして定評があります。専用のモバイルアプリも無料提供されています。

各プランの料金と概要は以下の通りです。

利用プラン利用料金プラン概要
無料プランなし・3人のチャットオペレーター
・月間100人までのサイト訪問者とのチャットボット利用
・訪問者リスト
COMMUNICATORプラン15ドル/月・無料プランの全機能
・ライブタイピングプレビュー
・訪問者分析
CHATBOTSプラン39ドル/月・無料プランの全機能
・無制限のチャットボット利用
・チャットボットテンプレート
・ビジュアルチャットボットエディター

「Tidio ‑ Live Chat & Chatbots」の詳細を確認する

3. 質問対応や顧客情報に基づくおすすめ商品表示「GoBot – AI Chatbot + Quiz」

「GoBot – AI Chatbot + Quiz」は、訪問者へのおすすめ商品表示機能を持つチャットBotアプリです。

AIを活用したカスタマーサポート用チャットBotによって、ストア運用の効率化を実現します。購入ガイド付きアンケートに基づき、個々の利用者におすすめ商品を表示できます。

利用料金と概要は以下の通りです。

利用プラン利用料金プラン概要
無料プランなし
※追加料金が適用される場合あり
・チャットBot機能
・購入ガイド付きアンケート
・顧客データの収集

「GoBot ‑ AI Chatbot + Quiz」の詳細を確認する

4. カスタマイズできる多機能チャットボタンを搭載「WhatsApp Chat & Abandoned Cart」

「WhatsApp Chat & Abandoned Cart」は、多機能ボタンを搭載したチャットBotアプリです。

Shopifyストアにチャットボタンをわずか数分で追加できます。色や説明文、設定などのカスタマイズも簡単です。購入しないまま放置されているカートの利用者向けリマインダー機能もあります。7日間の無料体験があります。

利用料金と概要は以下の通りです。

利用プラン利用料金プラン概要
通常プラン4.99ドル/月・カスタマイズできるチャットBot
・放置されたカートのリマインダー機能
・注文・配送情報の配信

「WhatsApp Chat & Abandoned Cart」の詳細を確認する

5. 顧客情報を効率よく収集「Reamaze Live Chat & Helpdesk」

「Reamaze Live Chat & Helpdesk」は、チャットBotを活用したカスタマーサービス用のアプリです。

自動的に顧客情報の入力を促すメッセージをチャットで送信し、効率よく顧客情報を収集できます。ストアでの注文状況を自動で顧客に送信する機能も備えています。14日間の無料体験があります。

各プランの料金と概要は以下の通りです。

利用プラン利用料金プラン概要
BASICプラン29ドル/月・無制限のメール受信ボックス
・ライブチャットとチャットBot
・FAQ
・1000無料プッシュ通知
PROプラン49ドル/月・BASICプランの全機能
・マルチストア
・SMSとVOIPの統合
・ライブビュー
PLUSプラン69ドル/月・PROプランの全機能
・顧客満足度調査
・FAQ履歴の閲覧
ENTERPRISE CUSTOMプラン899ドル/月・機能のカスタマイズ
・優先サポートの提供

「Reamaze Live Chat & Helpdesk」の詳細を確認する

6. 利用者の購入率を向上させるサポートを提供「Live Chat, Chatbot, Cart Saver」

「Live Chat, Chatbot, Cart Saver」は、チャットを活用した豊富なカスタマーサービスを提供するアプリです。

リアルタイムの訪問者リストに沿って、個々の利用者のアクセス経路やカートの内容に即した情報をチャットで提供します。

各プランの料金と概要は以下の通りです。

利用プラン利用料金プラン概要
無料プランなし・ライブチャット
・オフラインチャットBot
ESSENTIALプラン21ドル/月・ライブチャット
・チャットBot
・Instagram DM
・Facebookチャット
PROプラン29ドル/月・ESSENTIALプランの全機能
・チャットの評価・レポート
・データのエクスポート

「Live Chat, Chatbot, Cart Saver」の詳細を確認する

7. カスタマーサポートの自動化を実現「Relish AI Chatbot, Quiz, FAQ」

「Relish AI Chatbot, Quiz, FAQ」は、カスタマーサポートの自動化を行うチャットBotアプリです。

チャットBotや会話型FAQなどの機能によって、ストア訪問者の商品選びや購入手続きをサポートします。Shopifyへのアプリの追加も簡単で、すぐにチャットBotの利用を開始できます。14日間の無料体験があります。

各プランの料金と概要は以下の通りです。

利用プラン利用料金プラン概要
GROWプラン29ドル/月・月間5,000までの訪問者に対応
・無制限のチャットBot利用
・無制限のライブチャット対応
PROプラン69ドル/月・月間50,000までの訪問者に対応
・無制限のチャットBot利用
・無制限のライブチャット対応
PREMIUMプラン199ドル/月・月間200,000までの訪問者に対応
・無制限のチャットBot利用
・無制限のライブチャット対応

「Relish AI Chatbot, Quiz, FAQ」の詳細を確認する

チャットBotの導入によるShopifyの運用改善を外部委託する際の注意点

チャットBotをストアの運用改善に生かすためのサポートを外部委託する方法があります。本項では、外部委託の基本手順と外部委託先を選定する際の3つのポイントについて説明します。

Shopifyストアの運用改善を外部委託する基本手順

チャットBotの導入・運用に関する業務を外部委託する際の、基本的な手順は以下の通りです。

  1. 自社のECサイトのアクセス数や売り上げなどの現状を分析
  2. 自社での解決が難しい課題の有無を慎重に検討
  3. 課題解消のために外部委託が必要となる業務を明確にする
  4. 自社のニーズに即した委託先の候補を探す

相談・委託先を選定する際の3つのポイント

課題解消のための相談・業務委託先は、以下の3点を踏まえて慎重に選定しましょう。

  1. Shopifyの構築・運用に関するスキルと実績
  2. 判断や対応の迅速性
  3. コストなどの条件が自社の希望と合致している

ランサーズには、Shopifyストアの構築や運用に精通したフリーランスが数多く登録しています。フリーランスの持つスキルや実績などをプロフィールで確認して、課題解消を実現する委託先選びの参考にしてください。

チャットBotを活用してカスタマーサポートの質と効率を高め、Shopifyストアの業績向上を実現しましょう

本記事では、ShopifyストアへのチャットBot導入について、以下のポイントに沿って解説しました。

  • チャットBotの導入には、購入率の向上や人件費削減などのメリットがある
  • チャットBotアプリの導入手順はシンプルで、数分程度の初期設定を経てすぐに利用できる
  • チャットBotアプリは、機能やコストなどを比較した上で選定すべき
  • チャットBotの導入などのストア運用のサポートは、自社の条件に合ったプロに依頼する

自社サイトの購入率や売り上げを向上させるには、訪問者に対する迅速で的確なサポートが必要不可欠です。チャットBotを導入することで、訪問者の疑問をすぐに解消する体制を整え、ストアの運用改善につなげてください。

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