画像を魅せるUIが増える現在、アイキャッチとなる画像を何にするかでコンテンツの注目度は大きく変わります。ただなんとなくイメージ画像を選ぶのではなく、コンテンツ自体の底上げができる画像選びのコツを紹介します。

アイキャッチ画像、なんとなく選んでいませんか?
Instagramを始め、画像が主体になるコンテンツも増える中、画像のもつ情報やイメージはとても大切。一方でさまざまな画像の中から、コンテンツに適切な内容を選び出すというのも、なかなか大変なものです。ついつい「ビジネスだからスーツで」とか「美容だから女性の画像で」といった、似たりよったりの画像を選んでいませんか?
コンテンツの顔ともなるアイキャッチ画像が似通うと、どれを見ても同じように見え、ユーザーの興味を失わせる可能性があるのです。せっかくのコンテンツを新鮮に感じてもらうためにも、ユーザーを惹きつける工夫を以下に紹介させていただきます。
顔からパーツまで、人物画像の使い方と注意点
行動や表情がはっきりした人物の写真は、使いやすい画像の一つです。人の顔を認識する人物の写真を使う際、注目されるのはやはり「顔」。笑顔、怒り、悲しみなどの表情がコンテンツとマッチしているかはもちろん、人物モデルの雰囲気や視線の方向などでも、印象が変わってきます。
目元、手元、口元などの体のパーツも表情が豊かです。人には自然と相手の目を見る習性があると言われます。また、握手やハイタッチなどのサインは伝わりやすいですし、口元だけの表情でYESやNOを表現することもできます。
男女問わず、肌の露出が多い画像は注目されますが、不快感を持つ人もいるので注意が必要です。例えば、ダイエットのコンテンツでせり出したお腹の画像を使う場合、インパクトもありますが「見苦しい」と思う人もいるかもしれません。
また、露出度が高い場合、性的な意味合いで表示したのでなくても、画像ばかりに注目が集まり、肝心のコンテンツが置いて行かれてしまうことも考えられます。不快感を感じたり、電車の中などでサイトを閲覧しづらいと思うユーザーも想定されます。コンテンツの内容とのバランスが取れた画像を意識することが必要です。
良い印象を与える、好感度の高い画像とは
人の好みはさまざまですが、中でも、多くの人に良い印象を与える画像というものがあります。青空や海の色は、世界でも最も好まれる色とも言われ、好感度の高い写真や画像の代表的な存在です。
青空に白い雲、といった画像は爽やかさや明るさを感じさせ、大きな画像を使用した時のコントラストもはっきりしていて見栄えがします。同様に、海やビーチ、船の画像などはリラックス感や広がりを与えてくれます。
また、新緑や発芽した植物の芽の画像も「未来」「成長」などをイメージさせ、ポジティブな意味合いで使われることの多い画像です。森林や芝生の緑色は、精神的に安心感を与えてくれる色と言われています。
人物の画像や、アップで撮った物の画像などが続く時、記事のトップなど、大きく表示したい箇所で使うとスケール感が出せるでしょう。よくある画像でもあるので、多用しすぎるとつまらなくなります。アングルの違う画像を使ったり、季節感を出すなど変化を出すと良いでしょう。
色を活かした、メリハリのある画面の作り方
赤、青、黄色、オレンジ、白など、その色を見て人が感じるイメージをうまく利用するのも手です。
例えば、赤は赤信号のように「警告・危険」という意味合いを持ちますし、緑は「安心・安全」を表す色です。さらに、同じ赤でも、濃くて黒ずんだ赤は血の色を思わせますし、ピンクやオレンジに近い赤は、暖かさやぬくもりを感じさせます。
画像全体に、ヴィヴィッドではっきりとした色が多いと賑やかさが出ますし、淡いピンクやブルー、ラベンダーなどの色が多いと優しさや可愛らしさが出ます。反対に、ベージュや茶色、モスグリーンなどは大人っぽさや落ち着きを与える色です。
絵画や写真などでも、黒の扱いは難しいと言われています。黒は高級感を持つ色ですが「ブラック~」という言葉があまり良い意味で使われないように、黒が多すぎると重さや暗さ、秘密めいた印象を与えます。
こういった黒の特性を踏まえたうえで、黒と他の色がバランスよく使われている画像であれば、全体が引き締まり、クールな画となります。
縮小を意識して「サムネイル」を工夫する
サイト全体を表示する際に、画像が原寸ではなく縮小版のサムネイルとして表示されることも多いでしょう。画面を占める面積こそ少なくなりますが、小さく表示された画像は、大きく表示される画像に劣りません。むしろ、サムネイルだからこそ映えるという画像も存在します。
本来の大きさよりも縮小されたサムネイルでは、その分、形やシルエット、色のコントラストなどのインパクトが強調され、ユーザーが「ん?なんだろう?」と興味を惹かれることが多いのです。逆に、全体のトーンが曖昧だったり、色が暗すぎたり、細かい部分が多い画像だと、ディティールがつぶれて何を扱っているのかよくわからない謎の画像になってしまいます。
サムネイル用の画像を別に指定できる場合は、小さく表示されても問題ない部分をトリミングして強調したり、コントラストをはっきりさせるなどの一工夫を。その際、画像が荒くなったりしないよう、解像度にも注意するとよいでしょう。
ストレートな画像、変化球な画像
例えば、グルメに関するコンテンツであれば、食材の鮮度やジューシーさ、美しく盛りつけられた料理画像を選ぶことで、一目で「これはグルメの話だな」ということが伝わります。コンテンツを端的に表し、その内容を盛り立ててくれるようなストレートな画像は、王道の使い方といえるでしょう。
一方で、なんの料理かパット見ではわからない画像に「炒めものを美味しく仕上げる時短テク」といった見出しをつけたとします。この場合、「なんの料理のことだろう?」と、好奇心を掻き立てることができます。上に比べ、変化球的な画像の使い方といえます。
画像を見て内容を想起しやすい画像ばかりだと「詳しく知りたい、見たい」という気持ちが薄れますし、逆に変化球ばかりで、肝心のコンテンツが弱い場合、ユーザーは「釣られている」と感じたりします。
魅力的なアイキャッチ選びのヒント
なんとなく選びがちな画像ですが、工夫次第でコンテンツを良くも悪くもしてくれる要素の一つです。単なる添え物ではなく、コンテンツやサイト全体の底上げになるような画像使いのヒントになれば幸いです。
