チラシは一番身近な販促ツールです。
保存性も高く、地域のビジネス、対面ビジネスはもちろん、あらゆる規模やあらゆる業種で欠かせない存在です。
当記事ではチラシの費用相場やおすすめの依頼先をご紹介していきます。
最近ではネット印刷業者の登場や印刷技術の発展、ツールが整ったこと、依頼できる先が増えたことで、チラシ作成は以前に比べてかなり低予算で気軽に作れるようになりました。
ぜひ参考にしてみてください。

チラシ作成費用の比較の前に!チラシの種類や目的を明確にしよう
チラシにはどんな種類がある?
チラシには様々な種類があります。
種類によって当然値段も変わってきますので、まずはチラシの種類から確認しておきましょう。
チラシ・ビラ
DMやポスティング、新聞の折り込み広告など幅広いシーンで使われるタイプのものです。
薄めの紙でカラーだけでなく単色で印刷されるタイプもあります。
サイズは小さいものから大きいものまで幅広く使われます。
フライヤー
フライヤーはチラシの一種です。チラシとの厳密な違いはありません。
ポストカードサイズやA4サイズでしっかりとした厚めの紙にカラー印刷されているものがフライヤーと呼ばれることが多いです。
高級感があり、店頭に設置、手渡しで配布、ポスティングなどに使われます。
リーフレット
リーフレットは一枚のチラシを折加工したものです。
厚めの紙にカラー印刷し、二つ折りや三つ折りの加工をします。
仕上がりはパンフレットのようなイメージです。
フライヤーと同じように店頭に設置、手渡しで配布、ポスティングなどに使われます。
チラシ作成の費用相場はいくら?
チラシは、1部あたり5円~30円で作成できます。リーフレットは折加工がある分、費用がかかることがあります。
印刷費用(1部あたり) | デザイン費用 | |
チラシ・ビラ・フライヤー | 5円~15円 | 15,000~80,000円 |
リーフレット | 5円~30円 | 15,000~100,000円 |
チラシのデザインを作成依頼する場合の費用は、15,000~100,000円です。個人へデザイン作成依頼をすると、制作会社に比べて中間コストがかからないため、10,000~30,000円で依頼できます。
またクラウドソーシングを活用すると、短納期でデザイン作成してもらえる場合があります。通常2日~7日、相談次第で最短1営業日以内で依頼できることもあるのでぜひ活用してみてください。
目的に合わせたチラシの使い分けが重要!
チラシの種類やサイズは目的に合わせて使い分けるのが効果的です。
目的別でチラシの使い分け方の例を挙げてみます。
新鮮な情報を大量にばらまきたい
スーパーや不動産の中古物件チラシなどのように、新鮮な情報を大量に多くの人に知らせたい場合は、ビラ・チラシを使うのが適切です。
デザイン性や紙質にこだわるより、コストを下げて安価で大量に伝えることを重視しましょう。
場合よっては単色刷りでもOKです。
手元に保管しておいてほしい
美容院のような店舗型ビジネスの案内や宅配メニューなど、手元に保管しておいてほしいものはフライヤーやリーフレットの形式をとると効果的です。
デザイン性や紙質、場合によっては加工にこだわれば、それだけ捨てられにくくなります。
内容をしっかり読んでほしい
塾の宣伝やエステ・美容など、内容をしっかりと伝えたい場合は、ビラ・チラシやリーフレット形式がいいでしょう。
大切なのは情報量をしっかりと盛り込めるサイズ選びです。
写真やグラフなど視覚にも訴える必要があるので、カラーで印刷することも重要なポイントになります。
チラシの値段はこうして決まる!チラシ作成の費用の内訳とは?
チラシ作成の費用は、以下の項目が内訳になります。
- サイズ
- 紙の厚さ
- 紙の種類
- 色数
- 印刷(片面・両面)
- 1枚あたり単価
- 加工
サイズ
チラシは様々なサイズで作成できます。
A版であればA3、A4、A5のような一般的なサイズからポストカードサイズのA6、該当で配られるポケットティッシュに入っているA7のような小さなものもあります。
B版であればB4、B5、B6~B8まで幅広くあります。
新聞の折り込みチラシでよく見かけるのはB4サイズです。
費用は基本的に紙が大きくなるほど高くなりますが、汎用性の高いA4やB5が安く設定されている場合もあります。
紙質
紙質を構成するのは用紙の厚さと種類です。
まず厚さは「K」や「kg」といった単位で表示されます。
Kの値が大きいほど分厚くなります。
一般的なコピー用紙が73kg、ハガキが135kgですので、厚みの参考にしてください。
基本的に紙質が分厚くなるほど費用は高くなりますが、汎用性の高い厚さが一番安く設定されている場合もあります。
次に用紙の種類ですが、マット紙、光沢紙(コート紙)、上質紙、色上質紙等の種類があります。
写真を多用するような場合は光沢紙、落ち着いた印象を与える場合はマット紙、モノクロでも目立たせたい場合は色上質紙、など目的によって使い分けるのがおすすめです。
また、光沢紙の場合は水性のペンや鉛筆では書き込みにくいので、書き込みがいる場合は注意が必要です。
費用は汎用性の高い光沢紙(コート紙)が安く設定されている場合が多いです。
色数
印刷にはフルカラー印刷と単色印刷があります。
フルカラー印刷はCMYK(シアン・マゼンタ、イエロー、ブラック)の4色を利用します。
一方、単色印刷は1色だけを使った印刷です。
単色印刷でよく使われるのはブラックですが、シアンやマゼンタも使える場合があります。
他には、特色と言われる特別に調合された1色のカラーのインクを使う場合もあります。
基本的に色数が多くなるほど費用は高くなると考えておけばいいでしょう。
片面印刷・両面印刷
印刷するのが片面か両面かによっても費用は異なります。
両面カラー、両面モノクロのだけでなく、表面はフルカラー印刷で裏面はモノクロのように裏表で違う印刷も組み合わせられます。
費用は両面印刷のほうが高くなります。
枚数
印刷費用は枚数が多くなるほど高くなりますが、1枚あたりの印刷単価は安くなります。また、印刷枚数によりオフセット印刷とオンデマンド印刷の2種類が使い分けられるのが一般的です。
オフセット印刷とは商業印刷で一般的に使われる方式です。
高品質に仕上がるのが特徴ですが、納期が長くなる、少ない枚数だと一枚あたりの価格が高額になる点に注意が必要です。
オンデマンド印刷は少ない枚数でも手軽に安価に印刷できるのが特徴です。
最近ではオンデマンド印刷の技術も発達して品質も向上していますが、仕上がり面ではオフセット印刷にやや劣ります。
また、大ロットになると逆にオフセット印刷より割高になります。
加工
印刷会社ではチラシを印刷するだけでなく、各種加工もオプションで付けられます。
例えば、リーフレットを作りたい場合は、印刷後に「折り」の加工を印刷会社に一緒に依頼すれば、印刷と折り加工をして納品してくれます。
他にも穴あけ加工、ミシン入れ、強度を増すためのPP貼り加工なども施せます。
加工が多いほど追加費用がかかります。
デザイン・制作費
ここまで主に印刷そのものに関わる費用を見てきましたが、チラシ作成の費用で忘れてはいけないのはデザイン・制作費です。
印刷費は実費であり、比較的計算しやすく見えやすいですが、デザインや制作費は依頼先によってかなり幅が出てくるのが特徴です。
依頼先別でどれくらいの費用がかかるのかの詳しい内容は次章で紹介していきます。
チラシ費用の内訳一覧表
最後にチラシの費用の内訳を一覧表に整理しておきます。
【項目別の費用の違い】
費用安い | 費用高い | |
サイズ | 小さい | 大きい |
紙の厚さ | 定番(90k前後) | 厚い、特別に薄いなど |
紙の種類 | コート紙やマット紙の定番紙 | 上質紙や特殊紙 |
色数 | 1色 | 4色 |
印刷 | 片面 | 両面 |
1枚あたりの単価 | 大量印刷 | 少量印刷 |
加工 | なし | あり |
【A4チラシの印刷費用例】
コート紙90kg使用、加工なし、納期5営業日の場合
枚数 | 1色片面 | 4色片面 | 表4色+裏1色 | 表4色+裏4色 |
---|---|---|---|---|
100枚 | 10~20円/枚 | 10~20円/枚 | 20~30円/枚 | 20~30円/枚 |
500枚 | 3~4円/枚 | 3~5円/枚 | 6~8円/枚 | 6~8円/枚 |
1000枚 | 2~3円/枚 | 2~3円/枚 | 3~5円/枚 | 3~5円/枚 |
※印刷費用のみ(デザイン・制作費含まず)
※ネット印刷大手数社比較
チラシのデザイン・制作の依頼パターン別費用相場
デザイン制作会社に依頼する
まず、デザイン制作会社にチラシ作成を依頼する場合を見てみましょう。
【費用相場】
デザイン費としてA4片面3~5万円+印刷費が大体の相場ですが、実際にはデザイン制作会社によって費用にはかなり幅があるのが実情です。
依頼する前に、複数社から相見積もりを取って判断するのがいいでしょう。
デザイン案は複数出してもらえば、それだけ費用もかかります。
【チラシ作成の流れと納期】
デザイン制作会社が内容やイメージを対面で詳しくヒアリングしてくれます。
その後、内容を企画し、デザイン制作に進んでいく流れになります。
デザインができたら修正や校正を経て、印刷、納品の流れになります。
納期は依頼から納品まで1ヶ月程度の時間がかかると見積もっておきましょう。
【こんな人やこんなケースにおすすめ】
デザインにこだわりたい、詳細な打ち合わせや確認をしながら進めたい、プロから提案を受けながら進めたい、という場合はおすすめです。
また、デザインから印刷までワンストップで依頼できるので、手間がかからないのもメリットです。
逆に、短納期でチラシを作りたい、なるべくコストを抑えたい、という場合には別の選択肢を検討するのがいいでしょう。
印刷会社に依頼する
印刷会社の中には印刷だけでなく、オプションサービスとしてデザインまで一緒に依頼できる会社もあります。
【費用相場】
費用に関しての一番の特徴は、印刷会社の場合は印刷費が込みの価格になっている点です。
印刷がメインで、あくまでデザイン制作がオプションという位置づけと考えればいいでしょう。
費用的にはA4片面、印刷費を含めて5万円前後で依頼できるのがおおよその相場です。
【チラシ作成の流れと納期】
デザイン会社とほぼ同じような流れで進んでいきますが、デザイン制作会社との大きな違いは、自分で内容や企画を考え、それをデザインに起こしてもらうという要素が強くなる点です。
そのため、ヒアリング自体も電話やメールで完結する場合もあります。
納期は2~3週間程度あればチラシの納品までしてもらえるのが一般的です。
【こんな人やこんなケースにおすすめ】
ある程度チラシの内容が決まっていて、それほどデザインにこだわる必要がなく、印刷までワンストップでお願いしたい場合はおすすめです。
デザインにこだわりたい、デザインを複数案検討したい、企画から細かく相談したい、という場合はあまりおすすめできません。
フリーランスデザイナーに依頼する
最後にご紹介するのが、個人で活動するフリーランスデザイナーに依頼するケースです。
知り合いにデザイナーがいなくても、最近ではクラウドソーシングサイトの登場により、全国のフリーランスに簡単に出会える環境が整ってきました。
【費用相場】
フリーランスデザイナーに依頼する場合の相場はデザイン費のみとなり、印刷は自分で手配するのが一般的です。
相場はデザイン代としてA4片面で数千円~2万円程度の費用で依頼できます。
他にも、クラウドソーシングサービスを利用すれば、コンペ形式と呼ばれる方法も利用できます。
デザインを公募し、応募があった複数のデザインから好きなものを選べるのが特徴です。
コンペ形式の場合、1~2万円で複数のデザイン案を募集できます。
【チラシ作成の流れと納期】
自分でチラシの企画を立て、原稿や素材を用意したうえで、フリーランスデザイナーに依頼する流れになります。
依頼後は数日~1週間程度でデザインデータを仕上げてくれる場合が多いです。
フリーランスからデザインデータが納品されたら、自分で印刷を手配します。
ネット印刷であれば数日で印刷出荷してくれる会社もあります。
【こんな人やこんなケースにおすすめ】
短納期でデザインを仕上げたい、素材や原稿は自分で用意できて、デザインにはこだわりたい場合はおすすめです。
チラシのリニューアルのように、既に素材がある場合は手軽に利用できます。
他にも複数案デザインを比較検討したい場合は、コンペ形式が利用できるのが魅力です。
一方、自分で素材準備、制作指示、スケジュール管理や印刷手配が必要になりますので、手間がかかるのは嫌な人には使いづらいかもしれません。
依頼先別の費用比較一覧表
デザイン制作会社 | 印刷会社 | フリーランス | |
費用相場※A4片面 | 1デザイン費として 5万円前後 + 印刷費 | デザイン費、100部程度の印刷費込み 5万円前後 | デザイン費として 数千円~2万円 + 印刷費 (自分で手配) |
納期 | チラシ納品まで 1か月程度 | チラシ納品まで 2~3週間程度 | デザイン納品まで 数日~1週間 + 印刷の時間 (自分で手配) |
メリット | ・企画や提案も含めた丁寧な進行で安心 ・デザインクオリティが安定している ・デザイン、印刷、納品までワンストップで依頼できる | ・費用や納期をおさえつつ、デザイン、印刷、納品までワンストップで依頼できる | ・デザインにはこだわりつつ、短納期で依頼できる ・コンペ形式を利用すれば多くのデザイン案を比較検討できる |
デメリット | ・実際の価格には会社によって幅があるので、見積もり、相見積もりが必要 ・費用・納期がかかる | ・デザインの質や企画力や提案力はデザイン制作会社に依頼するより劣る | ・素材や原稿の準備、進行指示管理、印刷手配などの手間がかかる |
チラシ作成の依頼は、
用途や規模によって依頼先を使い分けよう
チラシの費用を決めるのは印刷そのものに関わる部分とデザインに関わる部分で構成されます。
印刷に関わる部分は業者ごとで大きな差が出にくいですが、デザイン部分が費用に影響を与える部分が大きいと言えるでしょう。
予算とそれぞれのメリットやデメリット、手間の違いをよく検討して、業者を選定する参考にしてみてください。
